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YouTuberだけじゃない、企業の動画もテレビ番組も「編集」が作っている

動画クリエイター・映像編集

動画クリエイター・映像編集者は、撮影した映像をつなぎ、テロップ(画面の文字)や音楽、効果音を入れて、見る人に伝わる動画に仕上げる仕事です。たとえば、テレビのバラエティ番組の笑いのテンポ、YouTubeの人気チャンネルの見やすいテロップ、企業の商品紹介動画、学校説明会で流れるPR動画、映画やドラマ、ミュージックビデオ、TikTokの短い広告も、すべて映像編集の仕事でできています。テレビ局や制作会社、ポストプロダクションで働く会社員、企業の広報部の社員、YouTuberの動画を編集するフリーランス、自分でチャンネルを運営する配信者など、働き方はとても幅広いです。資格や学歴は要らず、パソコンと編集ソフトがあれば独学でも始められる一方、仕事を取り続けられるかどうかで収入には大きな差があります。

平均年収の目安約583万円映像編集者・動画制作の統計値副業の動画編集では月に数万円程度、駆け出しのフリーでは平均を大きく下回る人もいれば、人気チャンネルの運営者や大型案件を手がけるディレクターでは年1,000万円を大きく超える人もいます
なるまでの難しさ★★★★★資格や学歴は要らず、無料や安価な編集ソフトで今日から始められるため、入口の難しさは高くありません。ただし、テレビ局や大手制作会社への就職は競争があり、フリーランスや配信者として仕事を続け、収入を伸ばすのは簡単ではありません。始めやすいぶん競争相手も多い仕事です。
決めどき文系・理系どちらでも

いつでも(高校生のうちからスマホやパソコンで編集を始められます。就職をめざすなら大学・専門学校の在学中にポートフォリオを作ります)

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

動画クリエイター・映像編集の年収と昇進の流れ

アシスタント(サブ)250〜350万円
就職1〜3年、20〜25歳

素材の整理、簡単な編集、テロップ入れなどを担当しながら技術を学びます。一人で番組や動画を完成させられるようになることが次の段階の条件です。

編集者(メイン)・クリエイター350〜550万円
4〜7年目、25〜30歳

番組や企業動画の編集を一人で任されます。得意分野を持ち、依頼主やディレクターから信頼されることが次の条件です。

ディレクター・シニア編集者450〜750万円
8〜15年目、30〜38歳

企画から完成までをまとめたり、監督から指名される編集者になったりします。チームの後輩を指導する立場にもなります。

プロデューサー・チームリーダー600〜1,000万円
15年目以降、38歳〜

予算や人のやりくりを含めて案件全体を管理します。会社の管理職になる人も、独立して会社を作る人もいます。

独立・経営者・人気配信者300〜2,000万円
実力しだい

フリーランスや動画制作会社の経営者、人気チャンネルの運営者として活動します。収入の幅が最も大きく、上限はさらに高い人もいれば、平均を下回る人もいます。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

会社に雇われる自分で仕事をとる制作会社の社員テレビ番組・CMなどインハウス自社の商品や採用フリーランス案件ごとに受けるYouTuber企画から出演まで良い毎月の給料と社会保険大変締め切り前は忙しい良い仕事と場所を選べる大変仕事がないと収入なし副業会社員や学生のまま夜や週末に生活は安定したまま挑戦できる動画制作の7割以上はフリー・自営
job tagの調査では、動画制作に関わる人の7割以上がフリーランス・自営です
制作会社・ポストプロダクションの社員統計の平均は約583万円。若手のうちは低めのことが多い

テレビ番組の制作会社やポストプロダクション、映像制作会社に社員として勤める形です。テレビ番組や映画、CMなど大きな作品に関われ、先輩から技術を学べます。放送日や納期に合わせて残業が増えることもありますが、毎月の給料と社会保険があり、収入は安定しています。

良いところ大きな作品に関われる、技術を体系的に学べる、収入が安定

大変なところ締め切り前は忙しい、勤務時間が不規則になりやすい

事業会社のインハウス動画担当その会社の給与規定による

メーカー、IT企業、学校、自治体などの広報部門やマーケティング部門で、自社の動画を作る形です。たとえば、新商品の紹介動画、採用動画、SNS用の短い動画などを担当します。会社員として働くので収入は安定し、働く時間も比較的規則的なことが多いです。

良いところ働き方が比較的安定、会社の事業を深く理解できる

大変なところ作る動画の種類が限られることもある

フリーランスの動画編集者・クリエイター案件の量と単価しだいで差が大きい

制作会社、企業、YouTuberなどから、案件ごとに仕事を受ける形です。仕事を選べて、場所を選ばずに働けますが、仕事が来なければ収入はありません。job tagの調査では、動画制作に関わる人の7割以上がフリーランス・自営です。

良いところ仕事と働く場所を選べる、上限のない収入

大変なところ収入が不安定、営業や確定申告も自分で行う

YouTuber・配信者多くは少額、トップクラスは年に億を超えることも

自分でチャンネルを持ち、企画から出演、編集、発信まで行う形です。広告収入、タイアップ、メンバーシップ、グッズなどで収入を得ます。人気が出れば大きな収入になりますが、収益化の条件を満たすだけでも簡単ではなく、人気の変化も激しい世界です。

良いところ自分の好きなことを発信できる、ファンと直接つながれる

大変なところ収入が極端に不安定、ネットでの批判にさらされる

会社員と両立する副業副業として月に数万円程度の人が多い

会社員や学生をしながら、夜や週末に動画編集の依頼を受ける形です。生活が安定したまま、編集の技術と実績を積めます。本業の知識と組み合わせて、社内の動画担当になる人もいます。

良いところ生活が安定したまま挑戦できる、在宅で始められる

大変なところ時間のやりくりが大変、最初は単価が低い

代表的な会社・職場

ポストプロダクション大手放送技術・ポストプロダクション番組制作会社放送局映像制作映像制作会社YouTuber事務所Vtuber事務所インハウス
IMAGICA GROUPポストプロダクション大手

映画やテレビ番組、CMなどの編集、音の仕上げ、色の調整、映像の技術サービスを手がける会社のグループです。

有価証券報告書で開示(持株会社)
東通放送技術・ポストプロダクション

テレビ番組の中継、撮影、編集などの技術を担当する会社です。

非上場のため開示なし
テレビ番組の制作会社番組制作会社

テレビ局から番組の制作を受け、企画、撮影、編集を行う会社です。全国に数多くあります。

会社によって差が大きい
テレビ局(キー局・地方局)放送局

番組の制作や放送を行います。編集は局の社員のほか、制作会社やポストプロダクションが担当することも多いです。

会社による
東北新社映像制作

テレビCMの制作や、外国映画の吹き替え、映像の仕上げなどを手がける会社です。

有価証券報告書で開示
広告制作会社・映像制作会社映像制作会社

企業の広告、商品紹介、採用動画、イベント映像などを企画から制作まで行う会社です。

会社によって差が大きい
UUUMYouTuber事務所

YouTuberが所属し、動画の制作支援や企業とのタイアップの窓口などを行う会社です。

会社の開示による
ANYCOLOR・カバーVtuber事務所

Vtuberのグループを運営し、配信やグッズ、イベントなどを手がける会社です。動画や配信のスタッフも働いています。

有価証券報告書で開示
企業の広報・マーケティング部門インハウス

メーカーやIT企業、学校、自治体などで、自社の動画やSNS用の映像を作る部署です。

その会社の給与規定による

どうやって稼いでいる?

テレビ局CM料金で番組をつくる企業宣伝や採用の動画をつくるYouTuber広告収益やタイアップ制作会社ポスプロ映像制作会社制作費制作費編集の報酬編集者給料・1本ごとの報酬3つのお金の流れが、編集者の報酬になる
YouTuberの収入には、メンバーシップや投げ銭、グッズの販売もあります

動画のお金の流れは、誰が動画を必要としているかで変わります。テレビ番組の場合、テレビ局がスポンサー企業のCM料金で番組を作り、制作会社やポストプロダクションに編集を発注します。企業の動画の場合、企業が広告や採用のために映像制作会社やフリーランスに依頼し、制作費を払います。たとえば、スマホで見るYouTube広告の30秒の動画にも、企画、撮影、編集の費用がかかっています。YouTuberなどの配信者は、YouTubeが動画に流す広告の収益の一部を受け取り、さらに企業とのタイアップやメンバーシップ、グッズ販売などで収入を得ます。編集者は、テレビ局や企業、YouTuberから、1本ごとまたは月ごとの報酬を受け取ります。

1
テレビ番組の制作費

テレビ局がCM料金などから番組の制作費を出し、制作会社やポストプロダクションに支払います。編集者の給料や報酬はここから出ています。

2
企業からの動画制作費

企業が商品の宣伝、会社の紹介、採用、社員の研修などのために動画を作るとき、映像制作会社やフリーランスに制作費を払います。

3
YouTubeなどの広告収益

YouTubeパートナープログラムに参加すると、動画に流れる広告の収益の一部が配信者に支払われます。再生回数や視聴者の層によって金額が変わります。

4
企業タイアップ(案件)

配信者が企業の商品やサービスを動画で紹介し、企業から報酬を受け取る仕組みです。登録者数や影響力によって金額が大きく変わります。

5
メンバーシップ・投げ銭・グッズ

ファンが月額でチャンネルを支援するメンバーシップ、ライブ配信での投げ銭、グッズの販売などの収入です。

6
編集の受託料

編集者が、テレビ局、制作会社、企業、YouTuberなどから受け取る編集の報酬です。1本ごと、時間ごと、月額などの形があります。

入ってからどうなっていく?

中学・高校始めてみる時期スマホの編集アプリやパソコンの無料ソフトで、部活や旅行、文化祭の動画を編集してみます。放送部や映像研究部、SNSへの投稿で経験を積む人もいます。
18〜22歳学ぶ・作品をつくる時期専門学校の映像学科、大学の映像学科や芸術学部、または別の学部に通いながら独学で学びます。自主制作の作品やコンテストへの応募、アルバイトの編集でポートフォリオを作ります。
就職1〜3年目アシスタント期制作会社やポストプロダクションでは、素材の整理や簡単な編集、テロップ入れなどから始めます。フリーランスなら単価の低い仕事から実績を積みます。
4〜7年目一人前の編集者・クリエイター番組や企業動画を一人で任されるようになり、得意分野ができます。この時期にフリーランスとして独立したり、企業の広報部門に転職したりする人もいます。
8〜15年目ディレクター・指名される専門家企画から完成までをまとめるディレクターや、監督から指名される編集者になります。複数の編集者をまとめるチームリーダーになる人もいます。
40代〜プロデューサー・経営者・講師予算やチームを管理するプロデューサー、動画制作会社の経営者、専門学校の講師など、経験を生かした働き方に広がります。

企業のPR動画ができるまで

1
打ち合わせ

依頼主の企業と、動画の目的、見せたい相手、長さ、予算、公開する場所を確認します。

2
企画・構成

伝えたいことを整理し、構成案や絵コンテを作って依頼主の確認を受けます。

3
撮影

カメラ、照明、マイクを準備して、インタビューや商品の映像を撮影します。

4
編集

素材を選んでつなぎ、テロップ、グラフ、アニメーション、音楽を加えて仮の完成版を作ります。

5
確認と修正

依頼主に見てもらい、伝わりにくい部分や表現を直します。何度か修正をくり返すこともあります。

6
仕上げと納品・公開

音のバランスや色を整えて完成させ、データを書き出して納品します。公開後に再生数や反応を確認することもあります。

動画クリエイター・映像編集のある1日

9:30

(制作会社の編集者の場合)出社。メールで依頼主からの修正点を確認する

10:00

昨日撮影した素材を取り込み、使う場面に印をつけて整理する

12:00

昼食

13:00

企業の商品紹介動画の編集。テロップとグラフのアニメーションを入れる

15:00

ディレクターと試写。テンポや音楽の選び方について意見をもらう

16:00

修正作業。音のバランスや色を整える

18:00

完成データを書き出し、依頼主に確認用の動画を送る

19:00

翌日の撮影の機材を準備する

20:00

退社。帰宅後に新しいエフェクトの使い方をネットの講座で勉強する

もっと知りたい人へ

そもそも動画クリエイター・映像編集とは

動画クリエイターは、動画の企画から撮影、編集、公開までに関わる人の総称で、映像編集者はその中でも撮影した素材をつないで完成させる専門家です。同じ素材でも、編集しだいで面白さや伝わり方がまったく変わります。たとえば、運動会のリレーの映像も、スタートからゴールまでをただ流すより、走る子どもの顔のアップ、応援する家族の表情、ゴールの瞬間のスローモーションを組み合わせたほうが感動が伝わります。テレビ、映画、広告、YouTube、SNS、学校や会社の動画など、映像が使われる場所が増えたことで、編集の仕事も大きく広がっています。

仕事の種類はとても幅広い

テレビ番組、映画、ミュージックビデオ、CM、企業の動画、YouTube、TikTok、ゲームの映像、結婚式のムービーなど、映像を使うところすべてに編集の仕事があります。どの分野を選ぶかで、働き方や必要な技術も変わります。

撮影から公開までの役割分担

大きな作品では、企画を考えるプロデューサーやディレクター、撮影するカメラマン、照明や音声の担当、編集者、音を仕上げるMAの担当、色を整えるカラリストなどが分担します。小さな動画では、一人ですべてを担当することもあります。

なるためのルート

動画クリエイター・映像編集者になるための資格はなく、ルートはとても多様です。代表的なのは、専門学校の映像・放送学科や大学の映像学科で学び、テレビ番組の制作会社、ポストプロダクション、映像制作会社に就職する道です。大学で別の分野を学びながら独学で編集を身につけ、制作会社や企業に就職する人もいます。また、学生や会社員のうちに副業で編集の仕事を受け、実績を積んでフリーランスになる人や、自分のYouTubeチャンネルを育てて配信者になる人もいます。どのルートでも、自分の作った動画をまとめたポートフォリオが大切です。

  1. 編集を体験するスマホのアプリやパソコンの無料ソフトで、身近な動画を編集してみます。
  2. 基礎を学ぶ学校、ネットの講座、本などで、カット編集、テロップ、音、色、構成の基本を学びます。
  3. 作品をつくってポートフォリオにする自主制作の作品や依頼された動画をまとめ、自分の実力を見せられるようにします。
  4. 就職するか、仕事を受け始める制作会社やポストプロダクション、企業に就職するか、フリーランスとして仕事を受け始めます。
  5. 得意分野をつくるテレビ、企業動画、YouTube、映画、モーショングラフィックスなど、自分の強みの分野を決めて技術を磨きます。
  6. ディレクター・独立へ企画から完成までをまとめるディレクターになったり、フリーランスや会社として独立したりします。
専門学校・大学で学ぶルート

専門学校では、撮影、編集、照明、音響などを2年ほどで実践的に学べ、制作会社への就職につながりやすいのが特徴です。大学の映像学科では、技術に加えて映像の歴史や理論も学べます。

独学・副業から始めるルート

編集ソフトの使い方は、ネットの動画講座や本で学べます。クラウドソーシングで小さな仕事から受け、実績を積んでいく人が多いです。ただし、競争相手が多く、最初は単価が低いことを知っておきましょう。

会社員から転職するルート

営業や広報などの仕事をしていた人が、社内の動画担当になったり、映像制作会社に転職したりする例もあります。業界の知識や企画力が強みになります。

試験・選考の詳細

動画クリエイター・映像編集者には国家試験はなく、就職試験やポートフォリオの評価が選考にあたります。テレビ局や制作会社の採用では、エントリーシート、面接に加えて、自分の作った映像作品の提出を求められることがあります。フリーランスの場合は、依頼主がポートフォリオや過去の実績を見て、仕事を任せるかどうかを決めます。また、映像に関する民間の検定(映像音響処理技術者資格認定試験、CGクリエイター検定など)や、ソフトの公式の認定資格もあり、知識の証明として受ける人もいます。

ポートフォリオが最大の武器

動画の仕事では、何ができるかを作品で見せることが一番大切です。短くても質の高い作品をいくつかまとめ、どこを自分が担当したかをはっきり書いておくと評価されやすくなります。

YouTubeの収益化の条件

自分のチャンネルで広告収入を得るには、YouTubeパートナープログラムの条件を満たす必要があります。日本では、登録者1,000人以上で、直近12か月の総再生時間4,000時間以上、または直近90日のショート動画の視聴回数1,000万回以上などが条件とされてきました。条件は変わることがあるので、最新の情報を確認しましょう。

年収のリアル

厚生労働省の統計では、映像編集者・動画制作の年収は約583万円(令和7年賃金構造基本統計調査)です。ただし動画制作ではフリーランス・自営の人が7割以上で、実際の収入は人によって大きく違います。制作会社の社員は、アシスタントの時期は低めで、経験を積むと上がっていきます。フリーランスは仕事の量と単価で収入が決まり、テレビや企業の大きな案件を継続して受ける人は会社員以上の収入になることもあります。副業の動画編集者は月に数万円程度の人が多く、YouTuberは収益化の条件を満たしても広告収入が少ない人が多い一方、トップクラスは年に億を超える収入があり、差が極端に大きい世界です。

単価を上げるには

カット編集だけでなく、企画、撮影、モーショングラフィックス、カラーグレーディングなど、できることを増やすと単価が上がります。継続して依頼してくれるお客さんを持つことも、収入の安定につながります。

会社員の安定とフリーの自由

会社員は収入が安定し、大きな作品に関われる一方、仕事を選びにくい面があります。フリーは仕事を選べて上限のない収入が可能ですが、仕事が来なければ収入はありません。

やりがい

自分が編集した動画で、見る人を笑わせたり、感動させたり、行動を変えたりできることが最大のやりがいです。たとえば、地域のお店の紹介動画を作ったら、それを見たお客さんが増えたという話や、自分が編集したYouTube動画が何十万回も再生されたという経験は、大きな喜びになります。同じ素材でも自分の工夫で面白さが変わるため、編集には創造の楽しさがあります。最新の機材やソフト、表現の方法がどんどん生まれるので、学び続ける楽しさもあります。

場所を選ばず働ける

パソコンとネットがあれば、自宅や地方、海外でも仕事ができます。実際に、地方に住みながら東京の会社やYouTuberの編集を担当する人もいます。

チームで作る達成感

テレビ番組や映画では、ディレクター、カメラマン、出演者など多くの人と一緒に作品を作ります。放送や公開の日を迎えたときの達成感は、チームで作る仕事ならではです。

大変なこと・きついこと

締め切りに追われることが多く、特にテレビ番組は放送日が決まっているため、直前は深夜まで作業することもあります。長時間パソコンの前に座るため、目の疲れや腰痛、肩こりなど体の不調が出やすい仕事です。依頼主から何度も修正を頼まれたり、急な変更に対応したりすることもあります。フリーランスや副業では、単価の低い仕事が多く、時間をかけても収入が少ないという悩みもあります。YouTuberの場合は、再生数が伸びない不安や、ネットでの批判にさらされることもあります。

技術の変化についていく

編集ソフトや機材、流行の表現は毎年のように変わります。AIによる自動編集や字幕づけの技術も進んでいて、新しい道具を学び続ける必要があります。

著作権のトラブル

動画に使う音楽や画像には著作権があり、勝手に使うと削除されたり、損害賠償を求められたりすることがあります。使ってよい素材かどうかを確かめることも大切な仕事です。

向いている人

動画を見るのが好きで、「この動画はなぜ面白いんだろう」と考える人に向いています。細かい作業をコツコツ続けられる人、1秒以下の差にこだわれる人も伸びやすいです。依頼主の希望をくみ取り、相手の目的に合わせて作れる人は、仕事が続きやすいといわれます。新しいソフトや表現を自分で調べて試すのが好きな人も向いています。

センスより続ける力

最初からセンスがある人は少なく、たくさん見て、たくさん編集するうちに上達していきます。人気の動画をまねして編集してみるのも、良い練習になります。

向いていないかもしれない人

長時間パソコンに向かうのが苦手な人、細かい修正に何度も付き合うのがつらい人には、大変に感じる場面が多いかもしれません。その場合は、企画やディレクション、撮影など、動画の別の役割を考えてみるのもよいでしょう。

高校生のうちにできること

まずは、スマホの編集アプリやパソコンの無料ソフト(DaVinci Resolveの無料版など)で、実際に動画を編集してみましょう。文化祭の動画、部活の記録、家族旅行のまとめなど、身近な題材で十分です。放送部や映像研究部に入ったり、高校生向けの映像コンテストに応募したりするのも良い経験になります。SNSに投稿するときは、自分や友達の顔や個人情報が映らないように注意し、他人の音楽や映像を勝手に使わないようにしましょう。

好きな動画を分析する

好きなYouTuberやテレビ番組、CMを見て、カットの長さ、テロップの出し方、音楽の入れ方をメモしてみましょう。同じように編集してみると、技術がどんどん身につきます。

勉強も役に立つ

国語の文章力は構成やテロップに、英語は海外の編集ソフトの情報や海外向けの動画に、数学や情報の授業はパソコンやデータ分析の理解に役立ちます。

代表的な会社・職場

映像編集者の職場には、テレビ局、テレビ番組の制作会社、ポストプロダクション、映像制作会社、広告制作会社、映画会社、ゲーム会社などがあります。最近は、YouTubeチャンネルの運営を手伝う会社や、動画マーケティングの会社、企業の広報部門で社内の動画を作る人も増えています。フリーランスとして、これらの会社や個人のYouTuberから直接仕事を受ける人も多いです。

ポストプロダクション

撮影が終わった後の編集、音の仕上げ、色の調整、CGの合成などを専門に行う会社です。テレビ番組、映画、CMなどの仕上げを担当します。

YouTuber事務所・動画マーケティング会社

YouTuberが所属する事務所や、企業のYouTubeチャンネルの運営を手伝う会社では、編集者やディレクターを多く採用しています。

YouTube・SNSで稼ぐ仕組み

YouTubeでは、パートナープログラムに参加したチャンネルの動画に広告が流れ、その収益の一部が配信者に支払われます。日本で収益化するための条件は、チャンネル登録者1,000人以上で、直近12か月の総再生時間が4,000時間以上、または直近90日のショート動画の視聴回数が1,000万回以上などとされてきました。広告収入は再生1回あたりいくら、と決まっているわけではなく、視聴者の年齢や地域、動画の内容、広告の時期によって大きく変わります。そのため、人気の配信者は広告収入だけでなく、企業からのタイアップ、メンバーシップ、グッズ販売、イベントなど、収入の柱を複数持っています。

ショート動画の広がり

YouTubeショートやTikTok、Instagramのリールなど、1分前後の縦型動画が人気です。短い動画は見てもらいやすい一方、広告収入は長い動画より少ない傾向があり、チャンネルの入口として使う人が多いです。

収益化の条件は変わる

YouTubeの条件や分配の仕組みは、国や時期によって変わることがあります。アメリカなど一部の国では、登録者500人から使える条件も導入されました。最新の情報はYouTubeの公式ヘルプで確認しましょう。

会社員・副業との両立

動画編集は、パソコンがあれば在宅でできるため、会社員や学生が副業として始めやすい仕事です。夜や週末の時間を使って、YouTube動画の編集や短い広告動画の制作などを受ける人が多くいます。ただし、始めやすいぶん競争相手も多く、最初は1本あたりの単価が低いことが多いです。本業の経験を生かすと強みになり、たとえば不動産会社で働く人が物件紹介の動画を作る、学校の先生が授業の動画を作る、といった形もあります。会社によっては副業に届け出が必要だったり禁止されていたりするので、事前に確認しましょう。

副業から独立するまで

副業で継続して依頼してくれるお客さんが増え、収入が安定してきたら独立を考える人が多いです。独立前に、半年から1年分の生活費を貯めておくと安心です。

高額な講座には注意

「動画編集で簡単に月何十万円」とうたう高額な講座や情報商材には注意が必要です。編集の技術は、無料や安価な教材でも十分に学べます。

よくある質問

動画編集者になるには、専門学校に行く必要がありますか?

必須ではありません。独学で編集を身につけて仕事をしている人もたくさんいます。専門学校では撮影や照明、音響まで実践的に学べ、制作会社への就職につながりやすいのが良さです。

高いパソコンがないと始められませんか?

最初はスマホの編集アプリや、今あるパソコンと無料ソフトで十分に練習できます。仕事にする段階では、高画質の動画を快適に編集できる性能のパソコンがあると便利です。

YouTuberになって生活できる人はどのくらいいますか?

YouTuberの収入だけで生活できる人はごく一部です。収益化の条件を満たしても、広告収入が月に数千円程度という人も多くいます。会社員や学生をしながら続ける人が多いです。

テレビ局に入らないとテレビ番組の編集はできませんか?

テレビ番組の編集は、テレビ局の社員だけでなく、番組制作会社やポストプロダクションの社員、フリーの編集者が多く担当しています。制作会社に入ってテレビ番組に関わる人はたくさんいます。

理系と文系、どちらが向いていますか?

どちらでもなれます。構成やテロップには国語の力、機材やソフトの理解や分析には理系の力が役立ちます。好きな動画を作り続ける気持ちがあれば、文理は問いません。

副業で動画編集を始めるにはどうすればいいですか?

編集ソフトの基本を学び、自分で作った動画をポートフォリオにまとめます。そのうえで、クラウドソーシングやSNSで小さな仕事から受けるのが一般的です。会社員なら副業の規則を確認しましょう。

AIが動画を自動で編集するようになったら、仕事はなくなりますか?

字幕づけや簡単なカット編集など、一部の作業はAIで効率化されています。一方で、何を伝えるかを考える企画力や、見る人の気持ちを動かす構成力は人の強みとして残ると考えられています。

動画に好きな音楽を使ってもいいですか?

音楽には著作権があり、勝手に使うと動画が削除されたり、トラブルになったりします。使ってよいと許可された音楽(フリー素材や、プラットフォームが用意した音源)を使いましょう。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」の映像編集者・動画制作の年収はいずれも約583.3万円(令和7年賃金構造基本統計調査、平均年齢41.7歳)。ただし、job tagの動画制作の調査ではフリーランス・自営の割合が73.1%と高く、統計の対象になりにくい人が多くいます。YouTubeなどの広告収入は再生回数や視聴者の層によって大きく変わるため、あくまで目安です。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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