ミライ図鑑ログイン
簿記3級に挑戦中!

商学部・経営学部

会社が動くしくみを内側から見る

商学部・経営学部は、会社などの組織の動かし方、商品が売れるしくみ、お金の記録と管理(会計・ファイナンス)などを学ぶ学部です。経済学部が国や市場など社会全体を見るのに対して、こちらは一つひとつの会社や業界に注目することが多いです。大きく分けると、経営(戦略・組織・人)、マーケティング(売るしくみ)、会計(お金の記録)、ファイナンス(お金の調達と運用)の4つの柱があります。たとえば、新しいカフェを開くなら、どんな店にしてだれを雇うか(経営)、どうやってお客さんに知ってもらうか(マーケティング)、売上と費用をどう記録するか(会計)、開店資金をどこから借りるか(ファイナンス)を考えることになります。実際の企業の事例を使った授業や、企業と協力するプロジェクト型の授業も多く、公認会計士や税理士などの資格をめざす学生が多いのも特徴です。

よくある勘違い

将来社長になる人や、家が会社をやっている人が行く学部

実は

会社やお店などの組織が、どうすればうまく動くのかを学ぶ学部です。会社員として働く人だけでなく、公務員、NPO、病院や学校などで働く人にも役立つ内容で、卒業生の多くは一般企業の社員として働いています。

どんな学科・専攻がある?

商学部・経営学部ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

企業・自治体ゼミの学生実際の課題を出す調査するアンケート企業の分析企画する新しい商品売り方を考える数か月かけて社員の前で提案提案した商品が発売されることもほかにもチームで競う場がある・ほかの大学のゼミと研究発表を競う大会・ビジネスプランコンテスト本物の課題にチームで取り組むことがそのまま社会人の仕事の練習になる
卒業論文が必修かどうかは大学やゼミによって違います

商学部・経営学部の手を動かす学びの中心は、ゼミ(演習)と、企業や地域と協力するプロジェクト型の授業です。ゼミでは、企業の事例を調べて分析したり、アンケートを作って消費者の調査をしたりして、その結果を発表します。企業から実際の課題をもらい、新商品の企画や販売方法を考えて社員の前で提案するゼミもあります。他大学のゼミと研究成果を競う大会や、ビジネスプランコンテストに挑戦するゼミも多く、チームで何か月も準備します。卒業論文が必修かどうかは大学によって違いますが、締め切りに追われながらチームで成果を出す経験は、そのまま社会人の仕事の練習になります。

専門演習(ゼミ)2〜3年生から所属し、マーケティング、会計、戦略、組織、ファイナンスなど分野ごとのゼミで学びます。文献の輪読、企業分析、調査、プレゼンテーションをくり返します。人気のゼミは選考があります。
企業連携プロジェクト(PBL)企業や自治体から実際の課題をもらい、数か月かけて調査と企画を行い、最後に提案します。提案した商品が実際に発売されることもあります。
インターゼミ・ゼミ対抗の研究発表大会複数の大学のゼミが集まり、研究成果を発表して評価を競います。準備のために夏休みもゼミの仲間と集まることが多く、学生生活の大きな思い出になります。
ビジネスプランコンテストグループで新しいビジネスのアイデアを考え、市場の調査、収支の計画を作って発表します。大学や企業が主催するコンテストに応募するゼミもあります。
簿記・会計の演習授業で学んだ内容を、問題演習で身につけます。会計士や税理士をめざす学生向けに、学内で資格講座や勉強会を開いている大学もあります。
卒業論文・ゼミ論文4年生で、企業の事例研究、消費者調査、会計データの分析などをテーマに論文を書きます。必修かどうかは大学やゼミによります。

大学生活の流れ

1年経営学入門、簿記、マーケティング入門、経済学入門などの基礎と、教養科目、外国語を学びます。簿記検定の3級や2級に挑戦する学生も多い時期です。
2年財務会計、マーケティング、経営戦略など専門の講義が増え、自分の関心のある分野が見えてきます。ゼミの選考がある大学もあります。
3年ゼミに所属し、企業研究やグループでのプロジェクトを進めます。インターンシップや就職活動の準備も始まります。公認会計士をめざす人は、この時期に短答式試験を受けることもあります。
4年卒業論文やゼミ論文をまとめ、就職活動を行います。在学中に公認会計士の論文式試験まで合格し、監査法人に就職が決まる人もいます。
大学院商学研究科・経営学研究科で研究を深める道のほか、社会人になってから経営管理を学ぶビジネススクール(MBA)や、会計専門職大学院に進む人もいます。

取れる資格・免許

日商簿記検定(3級・2級・1級)商学部・経営学部の学生がまず挑戦することが多い検定です。2級の統一試験の合格率は回によって15〜24%程度(2025〜2026年)、ネット試験は2025年度で32.9%でした。1級に合格すると税理士試験の税法科目の受験資格にもなります。
公認会計士会社の決算書をチェックする監査を独占業務とする国家資格です。受験資格の制限がなく、在学中に合格する人もいます。令和7年の最終合格者は1,636人で、願書提出者に対する合格率は1割弱です。
税理士税金の申告や相談を行う国家資格です。会計科目は誰でも受験でき、科目ごとに合格を積み上げて5科目の合格をめざします。令和6年度の受験者は34,757人、合格率は16.6%でした。
中小企業診断士中小企業の経営課題を診断し、助言する国家資格です。1次試験と2次試験があり、令和6年度の2次試験の合格率は18.7%、合格者は1,516人でした。経営学の学びと重なる部分が多い資格です。
ファイナンシャルプランナー(FP)個人のお金の計画(保険、税金、資産運用、相続など)について相談に乗るための資格です。金融業界をめざす学生が在学中に取ることがあります。
高等学校商業・公民、中学校社会の教員免許教職課程を置く大学で取れます。商業の免許は、商業高校の先生になるために必要です。

商学部・経営学部の卒業後の進路

商学部・経営学部一般企業に就職多くの人営業・企画・経理など金融就職が多い業界メーカー営業・企画・経理商社取引や投資小売・流通仕入れ・販売戦略広告・マスコミ宣伝の戦略づくりコンサル経営課題を分析IT・情報通信企画・データ分析公務員なる人もいるこの学部ならではの道資格を取って公認会計士→監査法人税理士→会計事務所在学中に合格する人も自分で動かす起業する家族の会社をつぐ経営の全体像が土台に多くは一般企業へ。会計の資格や起業で会社を動かす側に回る人もいる

商学部・経営学部の卒業生の多くは一般企業に就職します。金融、メーカー、商社、小売、情報通信、広告など業界は幅広く、職種では営業、企画、マーケティング、経理・財務、人事などが多いです。公認会計士や税理士として監査法人や会計事務所で働く人、家業をつぐ人、起業する人もいるのがこの学部の特徴です。公務員になる人もいます。

銀行・証券・保険などの金融 ›採用人数が多く、商学部・経営学部からの就職が多い業界です。企業への融資や資産運用の提案では、決算書を読む力が直接役立ちます。たとえば、お金を借りに来た会社の決算書を見て、もうかっているか、借金が多すぎないかを判断してから貸すかどうかを決めます。監査法人・会計事務所(公認会計士・税理士) ›在学中や卒業後に公認会計士試験に合格し、監査法人で企業の監査を担当する人がいます。税理士として会計事務所で働く人もいます。商学部・経営学部ならではの進路です。メーカー(営業・マーケティング・経理) ›食品、日用品、自動車、電機などのメーカーで、営業、商品企画、マーケティング、経理・財務などを担当します。マーケティング論や管理会計の知識がそのまま生きる職場です。総合商社・専門商社 ›世界中のモノの取引や、事業への投資を行います。取引や投資の判断に、会計やファイナンスの知識が欠かせません。小売・流通 ›百貨店、スーパー、コンビニ、ネット通販などで、店舗運営、商品の仕入れ(バイヤー)、販売戦略の企画などを担当します。たとえば、スーパーのバイヤーは、夏に向けてどの産地のスイカを何個仕入れ、いくらで売るかを決めます。流通論やマーケティングの学びが生きます。広告・マスコミ ›広告会社でクライアント企業の宣伝戦略を考えたり、メディアの営業や企画を担当したりします。たとえば、飲料メーカーから頼まれて、新しいスポーツドリンクのCMにだれを起用し、どの番組やSNSで流すかを提案します。マーケティングや消費者行動の知識が役立ちます。コンサルティング ›企業の経営課題を分析し、解決策を提案します。経営戦略や組織論、会計の知識を総動員する仕事で、人気が高い業界です。IT・情報通信 ›ITサービスの営業や企画、データ分析などで活躍します。経営とITの両方がわかる人材は、企業のデジタル化の推進役として求められています。たとえば、紙の注文書で仕事をしていた会社に、スマホで注文から請求まで管理できるシステムを導入する手伝いをします。
起業・家業の承継在学中や卒業後に起業する人や、家族の会社をつぐ人もいます。経営の全体像を学んだ経験が、会社を動かすときの土台になります。

もっと知りたい人へ

商学部と経営学部、経済学部のちがい

商学部と経営学部は、学ぶ内容が大きく重なっていて、大学によって呼び方が違うだけということもあります。あえて言えば、商学部は取引や流通、マーケティング、金融、保険など「ものやお金の流れ」に、経営学部は戦略や組織、人など「会社の動かし方」に重点を置く傾向があります。経済学部は、国や市場など社会全体を対象にする点が大きな違いです。実際のカリキュラムは大学ごとに違うので、学部名よりも、どんな科目やゼミがあるかで比べましょう。

経営学部・商学部が合う人

具体的な会社や商品に興味がある人、会計やマーケティングなど仕事に直結する知識を学びたい人、資格の取得をめざしたい人です。

経済学部が合う人

社会全体のしくみや政策に興味がある人、理論やデータ分析をじっくり学びたい人です。ただし両学部で相手の授業を取れることも多いです。

公認会計士・税理士をめざすなら

商学部・経営学部は、公認会計士や税理士をめざす学生が多い学部です。公認会計士試験は受験資格の制限がなく、短答式試験と論文式試験に合格し、実務経験と実務補習を経て登録します。税理士試験は、会計科目2科目と税法科目3科目の合計5科目に合格する必要があり、1科目ずつ合格を積み上げられるのが特徴です。どちらも大学の授業だけでは合格は難しく、多くの学生が資格の専門学校や大学の講座を利用して、1〜2年生から勉強を始めます。

在学中合格のメリット

在学中に公認会計士試験に合格すると、監査法人に就職して早くから専門家としてのキャリアを始められます。大学によっては、合格者向けの奨学金や講座を用意しています。

両立の大変さ

資格の勉強は1日数時間におよぶことも多く、授業やゼミ、サークルとの両立は大変です。何を優先するかを早めに決めておくことが大切です。

企業の事例から学ぶ(ケースメソッド)

商学部・経営学部の授業の特徴は、実際の企業の事例(ケース)をよく使うことです。ある会社がなぜ成功したのか、なぜ失敗したのかを、公開されている資料やニュース、決算書をもとに分析します。ケースメソッドと呼ばれる授業では、事例を事前に読み、授業では「自分が経営者ならどうするか」を全員で議論します。たとえば「売上が落ちた老舗の和菓子店が、若い人向けの新商品を出すべきか、伝統の味を守るべきか」を、数字と理由をそろえて話し合います。教科書の理論と現実の企業の動きを結びつけることで、理論が生きた知識になります。

決算書を読めるようになる

会計の授業を通して、企業の決算書から売上の伸びや利益率、借金の多さなどを読み取れるようになります。就職活動で企業を研究するときにも大きな武器になります。

ニュースが立体的に見える

企業の合併や新商品の発売、値上げのニュースを見たときに、その裏にある戦略や数字を考えられるようになります。

向いている人

お店や会社のしくみに興味がある人、「なぜこの商品は売れているのか」と考えるのが好きな人、チームで何かを進めるのが好きな人に向いています。会計の分野は、コツコツと正確に計算を積み重ねるのが得意な人に合っています。企画やマーケティングの分野は、アイデアを出すのが好きな人や、人の気持ちを想像するのが得意な人に合っています。

こんな高校生はとくに合う

文化祭の模擬店で売上を伸ばす工夫をするのが楽しかった、好きなブランドの戦略が気になる、お小遣いの記録をつけるのが苦にならない、という人は商学・経営学と相性がよいでしょう。

注意したい点

経営学を学べば必ず社長になれる、もうかる方法がわかる、というわけではありません。理論や数字を使って考える地道な学びが中心です。

高校生のうちに(文理・受験科目)

文系コースから受験するのがふつうです。私立大学では英語・国語・地理歴史または数学の3教科型が多く、数学で受験できる入試も多くあります。国立大学では共通テストで数学が必要です。会計やファイナンス、データ分析では計算や統計をよく使うので、数学の基礎を固めておくと入学後の勉強がずっと楽になります。商業高校の生徒向けに、簿記などの資格を評価する推薦入試を用意している大学もあります。

今からできること

日商簿記3級は高校生でも受験でき、大学の会計の授業の先取りになります。また、好きな企業のウェブサイトで、決算の資料や会社の歴史を読んでみるのもおすすめです。

英語も大事

海外との取引や、外資系企業、国際的な会計基準など、ビジネスでは英語を使う場面が多いです。英語の力を伸ばしておくと、進路の選択肢が広がります。

よくあるギャップ

入学後に多いのは「経営学はもっと華やかなものだと思っていた」というギャップです。実際には、簿記の地道な計算や、統計を使ったデータ分析、理論の勉強が多く、ビジネスの成功談を聞くような授業ばかりではありません。また、マーケティングに興味があって入ったのに、会計の授業が必修で苦労する人もいます。一方で、企業との共同プロジェクトやゼミの研究発表などで、学んだ知識を実際に使う機会があり、そこでおもしろさに目覚める人が多いです。

数字のギャップ

文系の学部でも、会計やファイナンスでは計算が多く出てきます。数学が苦手な人も、電卓を使った計算や基本的な統計には慣れる必要があります。

学部名のギャップ

同じ「経営学部」でも、会計に強い大学、マーケティングに強い大学、データ分析に強い大学などさまざまです。名前だけで選ぶと、思っていた内容と違うことがあります。

よくある質問

家が会社をやっていなくても経営学部に行く意味はありますか?

あります。卒業生の多くは会社員として働いていて、会社のしくみや会計、マーケティングの知識はどの職種でも役立ちます。公務員やNPOなど、会社以外の組織でも経営の考え方は使われます。

商学部と経営学部はどう違いますか?

内容は大きく重なっています。商学部は流通や金融など取引の流れ、経営学部は会社の戦略や組織に重点を置く傾向がありますが、大学によって違うので、カリキュラムで比べるのがおすすめです。

数学が苦手でも大丈夫ですか?

大丈夫ですが、会計やファイナンスでは計算、マーケティングでは統計を使います。高度な数学はあまり使いませんが、計算への苦手意識はなくしておくと安心です。

公認会計士は在学中に合格できますか?

できます。受験資格の制限がないので、在学中に合格する人は毎年います。ただし合格には数千時間の勉強が必要と言われ、1〜2年生から専門学校などで勉強を始める人が多いです。

簿記は大学に入る前に勉強したほうがいいですか?

必須ではありませんが、日商簿記3級を取っておくと大学の会計の授業がずっと楽になります。高校生でも受験でき、ネット試験なら日程を選んで受けられます。

起業するのに経営学部は役立ちますか?

役立ちます。事業計画の作り方、会計、マーケティング、資金調達など、起業に必要な知識を体系的に学べます。ただし、経営学部を出ないと起業できないわけではありません。

就職に有利な学部ですか?

就職先の業界は経済学部や法学部などと大きく重なっていて、有利・不利があるわけではありません。会計の知識や資格は強みになるので、それをどう生かすかを考えることが大切です。

経営学部でも理系の知識は使いますか?

経営情報やデータサイエンス系の学科では、プログラミングやデータ分析を学びます。生産管理や品質管理など、工学に近いテーマを扱う授業もあります。

MBAとは何ですか?学部で取れますか?

MBAは経営学修士のことで、大学院(ビジネススクール)で取る学位です。学部では取れません。社会人として働いてから進む人が多いです。

この分野のことば

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

この学部に通うといくらかかる?国公立・私立・学部ごとの学費の総額を見る

ほかの学部も見てみる