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コンビニの新商品も、CMも、スマホに出る広告も。「売れるしくみ」を考える仕事

企画・マーケティング

企画・マーケティングは、「だれに、何を、いくらで、どうやって届ければ買ってもらえるか」を考え、売れるしくみをつくる仕事です。たとえば、コンビニに並ぶ新しいお菓子は、商品企画の担当者が「いまの中高生はどんな味が好きか」を調べて考えたものです。そのお菓子をテレビCMやSNSで知ってもらうのはブランドや宣伝の担当、スマホに出てくる広告を出し分けるのはデジタルマーケティングの担当、アンケートで反応を調べるのは市場調査の担当、店頭のポップやキャンペーンを考えるのは販売促進の担当です。人気の高い職種ですが、新卒でいきなり配属される人は多くなく、営業などを経験してから担当になることも多い仕事です。

平均年収の目安約737万円市場調査・商品企画・Webマーケティングなどの目安新卒は会社の初任給の水準から始まり、大手消費財メーカーや外資系企業のブランドマネージャーでは1,000万円を超える人もいます
なるまでの難しさ★★★★★必要な資格はありませんが、人気が高く、新卒で配属される枠が少ない会社が多いです。とくに大手消費財メーカーや広告会社のマーケティング職は就職の競争が激しくなります。数字やデータを使って考える力と、人の気持ちを想像する力の両方が求められます。
決めどき文系・理系どちらでも

大学3年の就職活動のとき(入社後の異動でなる人も多い)

企画・マーケティングの中の、細かい担当

同じ企画・マーケティングでも、担当によって仕事はまったく違います。押すと、それぞれの仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

どんな会社にある?

企画・マーケティングの仕事は、食品、飲料、化粧品、日用品などの消費財メーカーにとくに多く、自動車、家電、ゲーム、通信、小売、外食、旅行、金融、IT企業にもあります。広告会社、調査会社、販促会社、ネット広告代理店、PR会社のように、マーケティングの一部を専門に請け負う会社もたくさんあります。大企業では、商品企画部、ブランド部、宣伝部、デジタルマーケティング部、市場調査部などに細かく分かれています。中小企業やベンチャー企業では、一人のマーケティング担当者が商品企画から広告、SNS、調査まで幅広く担当することが多いです。

どの学部の人が多い?

企画・マーケティングになるのに決まった学部はありませんが、経営学部、商学部、経済学部の出身者が多く、大学でマーケティング論を学ぶこともできます。社会学部や心理学部、文学部の出身者も、人の気持ちや行動を理解する力を生かして活躍しています。市場調査やデジタルマーケティングでは統計やデータ分析の力が役立つので、理系や情報系の出身者も多くいます。食品や化粧品、家電などの商品企画では、研究開発の経験がある理系出身者が企画に移ることもあります。

企画・マーケティングの年収と昇進の流れ

アシスタント・担当者400〜550万円
マーケティング配属1〜3年、24〜28歳

データの集計、資料作り、広告会社との連絡などを担当しながら、企画の進め方を覚えます。小さな企画を自分で回せるようになると次の段階に進みます。

担当者(企画のオーナー)500〜700万円
28〜32歳

ひとつの商品やキャンペーンを任され、企画から結果の分析までを担当します。成果を出すとブランド全体を任されます。

ブランドマネージャー・リーダー650〜950万円
30〜38歳

ブランドや施策の年間計画と予算に責任を持ち、後輩をまとめます。売上と利益の成果が昇進の条件です。

課長・マーケティングマネージャー800〜1,100万円
35〜45歳

複数のブランドや部門をまとめ、チームの目標と人材育成に責任を持ちます。

部長・マーケティングディレクター1,000〜1,500万円
40〜50代

事業全体のマーケティング戦略と広告予算の配分を決めます。

事業部長・CMO1,300〜2,500万円
45歳〜

マーケティングの最高責任者として経営にかかわります。外資系や大企業では高い水準になります。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

大手消費財メーカー(日本企業)30代で600万〜900万円程度の例が多い

食品、飲料、日用品などの大手メーカーでは、商品企画、ブランド、宣伝、販促などが細かく分かれています。多くの場合、営業などを経てから配属されます。広告予算が大きく、テレビCMなど大きな仕事ができます。

良いところ大きな予算とブランドを動かせ、安定している

大変なところ配属されるまで時間がかかることが多い

外資系消費財メーカー30代で1,000万円を超える例も

P&Gやユニリーバなどでは、新卒からマーケティング職で採用し、早くからブランドを任せる会社があります。実力主義で、成果を出すと若いうちから昇進します。

良いところ早くから責任ある仕事ができ、年収も高め

大変なところ競争が厳しく、成果へのプレッシャーが大きい

広告会社・調査会社など支援会社会社によって400万〜1,000万円以上と幅広い

ほかの会社のマーケティングを手伝う専門の会社です。複数の業界の仕事を担当でき、広告や調査の専門性が深まります。

良いところいろいろな業界にかかわり、専門技術が身につく

大変なところ最終判断はお客さんの会社で、締め切りに追われやすい

IT・ベンチャー企業400万〜900万円程度、成果で上振れ

アプリやネットサービスの会社では、デジタルマーケティングやグロース(利用者を増やす取り組み)が中心です。少人数で幅広い仕事を任され、データを使ってすばやく改善します。

良いところ若くから幅広い経験ができ、変化が速い

大変なところ会社の安定性や教育制度は大手より弱いことがある

代表的な会社・職場

外資系消費財メーカー大手日用品メーカー大手飲料・酒類メーカー大手食品メーカー大手化粧品メーカー大手広告会社ネット広告・メディア大手市場調査会社大手コンビニエンスストアデジタルマーケティング支援
P&Gジャパン ›外資系消費財メーカー

洗剤やシャンプーなどの日用品を販売し、ブランドマネジメントの考え方で知られています。

花王・ライオン・ユニ・チャーム大手日用品メーカー

洗剤、シャンプー、紙おむつなどを作り、商品企画とブランドマーケティングに力を入れています。

サントリー・アサヒ・キリン大手飲料・酒類メーカー

お茶やジュース、ビールなどを作り、毎年多くの新商品とCMを出しています。

日清食品・明治・カルビー大手食品メーカー

カップ麺やお菓子などを作り、ユニークな商品企画や広告で知られています。

資生堂・コーセー大手化粧品メーカー

化粧品やスキンケア商品のブランドを国内外で展開しています。

電通・博報堂大手広告会社

企業の広告やCMの企画・制作、広告枠の手配、マーケティングの支援を行います。

サイバーエージェント ›ネット広告・メディア

ネット広告の運用や制作、動画配信サービスやゲームの運営を行います。

マクロミル・インテージ大手市場調査会社

ネットアンケートや販売データの提供・分析を行い、企業のマーケティングを支えます。

セブン-イレブン・ジャパン・ローソン大手コンビニエンスストア

プライベートブランド商品の企画やキャンペーン、アプリでの販促を行います。

トランスコスモス ›デジタルマーケティング支援

企業のネット広告やSNS運用、通販サイトの運営、コールセンターなどを請け負います。

約499万円(2026年3月期有価証券報告書・単体、平均37.0歳)

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

Product商品どんな商品?Price値段いくらで?Place売る場所どこで?Promotion知らせ方どう知らせる?ターゲットだれに売る?例広告に1億円売上が3億円増えた使ったお金以上に売上がふえれば成功4つを組み合わせて、売れるしくみをつくる
商品・値段・売る場所・知らせ方の頭文字をとって「4P」と呼びます

マーケティングの目的は、商品が「勝手に売れる」状態をつくることです。会社は広告や調査、キャンペーンにお金を使い、そのお金以上に売上や利益が増えることを目指します。マーケティングでは、だれに売るかを決めて(ターゲット)、商品(Product)、値段(Price)、売る場所(Place)、知らせ方(Promotion)の4つを組み合わせて考えます。この4つは頭文字をとって「4P」と呼ばれ、マーケティングの基本の考え方です。

1
商品の売上を増やす(メーカー・小売)

メーカーや小売のマーケティング部門は、自社商品の売上と利益を増やすことが目標です。たとえば、広告に1億円使って、売上が3億円増えれば成功です。

2
広告費を受け取る(広告会社・メディア)

広告会社は、広告主の会社から広告の企画や制作、広告枠の手配の代金を受け取ります。テレビ局やネットのサービスは、広告枠を売って収入を得ます。

3
調査費を受け取る(調査会社)

マクロミルやインテージのような調査会社は、アンケートや分析の代金を受け取ります。全国のお店の売上データを集めて販売する会社もあります。

4
成果に応じた報酬(ネット広告)

ネット広告には、広告がクリックされた回数や、実際に買い物された件数に応じて料金が決まるしくみがあります。アフィリエイトと呼ばれるしくみでは、紹介した人に成果に応じた報酬が払われます。

5
ブランドの価値

強いブランドは、ほかの商品より高くても選ばれ、長く買い続けてもらえます。ブランドマネジメントは、すぐの売上だけでなく、何年も続く会社の価値をつくる仕事でもあります。

入ってからどうなっていく?

1〜3年目営業や現場で基礎づくり日本のメーカーでは、まず営業や店舗、工場などに配属され、お客さんや売場を知ることから始まることが多いです。外資系やIT企業、広告・調査会社では、最初からマーケティングのアシスタントとして、データの集計や資料作りを担当することもあります。
4〜7年目担当者として企画を回す商品企画やデジタルマーケティング、販促などの担当者として、ひとつの商品やキャンペーンを任されます。企画書を書き、関係者を動かし、結果を数字で振り返る経験を積みます。
8〜12年目ブランド・領域のリーダーブランドマネージャーや、デジタル施策のリーダーとして、年間の計画と予算に責任を持ちます。後輩をまとめながら、大型の新商品や全国規模のキャンペーンを動かします。
30代後半〜40代マーケティング課長・部長複数のブランドや部門をまとめ、会社全体のマーケティング戦略を考えます。広告予算の配分や、どの市場に力を入れるかを決める立場です。
40代〜50代事業責任者・CMO事業部長や、マーケティングの最高責任者(CMO)として、経営に直接かかわります。マーケティング出身の社長も少なくありません。
よくある転職・独立専門性を持って移るマーケティングの経験は会社が変わっても生かしやすく、別の業界のマーケティング職、広告会社、コンサルティング会社、IT企業などへの転職が多いです。デジタルマーケティングの経験者は、フリーランスや起業をする人もいます。

新商品が店に並ぶまで

1調査と発見ほしい人がいるはず2コンセプトだれに何をいくらで3試作と調査研究所が試作し改良4名前と値段パッケージも決める5お店に提案営業が棚を確保6広告・キャンペーンCM・SNS・店頭7発売後の分析売れ行きや声を見る続ける改良する終わらせる発売してからも、分析と判断が続く
新商品が店に並ぶまでの例です
1
調査と発見

アンケートや販売データ、SNSの声から「こんな商品がほしい人がいるはず」という仮説を見つけます。

2
コンセプトづくり

だれに、どんな価値を、いくらで届けるのかを企画書にまとめ、社内で承認を得ます。

3
試作と調査

研究所が試作品を作り、社内やお客さんに試してもらって改良を重ねます。

4
名前・パッケージ・価格の決定

デザイナーや営業と相談し、名前、パッケージ、値段、発売日を決めます。

5
営業とお店への提案

営業がスーパーやコンビニの本部に新商品を提案し、棚に置いてもらう約束をとります。

6
広告・キャンペーン

発売に合わせてCMやSNS広告、店頭のポップやキャンペーンを展開します。

7
発売後の分析と改善

売れ行きやお客さんの声を分析し、続けるか、改良するか、終わらせるかを判断します。

リテールマーケティング(販売士)検定

合格率2024年度:3級58.2%、2級56.0%、1級18.2%
勉強時間の目安3級は数十時間、2級は数十〜100時間程度の勉強が目安とされています
受験資格だれでも受験できます(年齢・学歴の制限なし)
3級・2級は合格率が5割台で、しっかり勉強すれば高校生や大学生でも十分合格をめざせる検定です。1級は合格率が2割を下回る難しい試験です。企画・マーケティングの仕事に必須の資格ではありませんが、お店やマーケティングの基本をまとめて学べるので、小売業や消費財メーカーを目指す人の勉強に役立ちます。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 3級販売の基本的な知識を学ぶ入門の級です。高校生も受験しています。
  2. 2級売場の管理や部下の指導など、店長クラスの知識を学びます。
  3. 1級経営戦略や販売計画の立案など、経営に近い知識を問われます。

企画・マーケティングのある1日

9:30

出社して、昨日の売上データと広告の数字(表示回数、クリック数、購入数)を確認します。

10:00

チームの定例会議。今月のキャンペーンの進み具合と課題を共有します。

11:00

研究所の担当者と新商品の試作品を試食し、味の改良点を話し合います。

12:00

昼食。コンビニで競合の新商品をチェックするのも日課です。

13:00

広告会社とオンライン会議。新しいCMの企画案を3つ聞き、意見を伝えます。

14:30

ネットアンケートの結果を集計し、どの年代にどのパッケージが好まれたかをグラフにまとめます。

16:00

営業部門との打ち合わせ。スーパーでの売場展開とキャンペーンの時期をすり合わせます。

17:00

部長に新商品の企画書を説明し、来月の経営会議に出すための修正点をもらいます。

18:00

企画書を直し、明日の会議資料を準備して退社します。

もっと知りたい人へ

そもそも企画・マーケティングとは

マーケティングとは、お客さんが本当にほしいものを見つけ、それを届けて買ってもらうまでのしくみ全体を考えることです。よく「広告や宣伝のこと」と思われますが、実際には、どんな商品を作るか、いくらにするか、どこで売るか、どう知らせるかまでをふくむ広い仕事です。経営学者のピーター・ドラッカーは「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」と言いました。お客さんのことを深く理解していれば、無理に売り込まなくても自然に売れる、という意味です。企画は、そのための具体的な商品やサービス、キャンペーンを考える仕事です。

身近な例で考える

たとえば、あるお菓子メーカーが、受験生向けに「キットカット」を「きっと勝つ」とかけて売り出し、受験のお守りとして定着させた例はよく知られています。商品そのものは同じでも、だれに、どんな場面で、どんな意味を持たせて届けるかで売れ方が大きく変わります。これがマーケティングの力です。

4Pという基本の考え方

マーケティングでは、商品(Product)、値段(Price)、売る場所(Place)、知らせ方(Promotion)の4つを「4P」と呼び、組み合わせて考えます。たとえば、高級なアイスを100円ショップで売っても、イメージに合わずうまくいきません。4つがそろって初めて、お客さんに伝わります。

企画とマーケティングの関係

会社によって呼び方はさまざまで、「商品企画部」「マーケティング部」「宣伝部」「販売促進部」などに分かれていたり、まとめて「マーケティング本部」と呼ばれていたりします。求人を見るときは、名前だけでなく、実際にどの仕事を担当するのかを確認することが大切です。

なるためのルート

企画・マーケティングになるための資格は必要ありません。新卒でマーケティング職として採用される場合と、営業などを経験してから社内異動で担当になる場合があります。日本の大手メーカーでは、まずお客さんや売場を知るために営業を経験させることが多く、マーケティングへの配属は数年後になることがよくあります。外資系消費財メーカーやIT企業、広告会社、調査会社では、新卒からマーケティングの仕事を始められることもあります。

  1. 高校で文理を選ぶどちらからでもなれます。データ分析やデジタルに強くなりたいなら数学をしっかり学ぶと役立ちます。
  2. 大学で学ぶ経営・商・経済学部ではマーケティング論や消費者行動論を学べます。統計やデータ分析の授業も役立ちます。
  3. 大学で経験を積むサークルのSNS運用、文化祭の企画、ゼミでの市場調査などで、企画と分析の経験を積みます。
  4. 就職活動マーケティング職で採用する会社か、総合職で入って異動を目指すかを考えて会社を選びます。
  5. 営業や現場で経験を積む多くの日本企業では、まず営業などで数年お客さんを知る経験をします。
  6. マーケティング部門へ社内公募や異動で企画・マーケティング部門に移り、担当者として仕事を始めます。
マーケティング職の新卒採用

外資系の消費財メーカーでは、マーケティング職を新卒で採用し、早くからブランドを任せる会社があります。こうした採用は人数が少なく、選考では課題に取り組むケース面接や、データをもとにした企画の発表が行われることがあります。

中途採用で移る人も多い

マーケティング職は、経験者を中途採用する会社が多い職種です。営業やデータ分析、広告会社などで経験を積んでから、事業会社のマーケティング部門に転職する人もたくさんいます。

試験・選考の詳細

企画・マーケティングになるための国家試験はありません。会社の採用選考や社内の異動選考が関門になります。選考では、論理的に考える力、データを読む力、人の気持ちを想像する力、自分の考えをわかりやすく伝える力が見られます。関連する民間資格として、日本商工会議所などが行うリテールマーケティング(販売士)検定、マーケティング・ビジネス実務検定、ウェブ解析士、統計検定、Google広告の認定資格などがあり、知識を身につける目安になります。

リテールマーケティング(販売士)検定

お店の運営や販売、マーケティングの知識を問う検定で、1〜3級があります。2021年からはパソコンで受けるネット試験の形になりました。2024年度の合格率は3級が58.2%、2級が56.0%、1級が18.2%です。

選考でよくある課題

「この商品の売上を2倍にするにはどうするか」「高校生向けの新しい飲み物を考えてください」といった課題が出されることがあります。正解を当てるより、だれのどんな困りごとを解決するのか、それをどう確かめるのかを筋道立てて説明できるかが大切です。

年収のリアル

job tagに掲載された令和7年賃金構造基本統計調査の加工値では、マーケティング・リサーチャーやWebマーケティング、商品企画開発の年収はいずれも約736.8万円(平均43歳)です。ただし、これは統計上のグループの平均で、実際には会社によって大きく変わります。大手消費財メーカーや外資系企業、大手広告会社では高い水準になり、中小企業では300万〜500万円台の例も多いです。マーケティングは本社の部門に置かれることが多く、社内の平均より高めになることもあります。

外資系と日本企業のちがい

外資系の消費財メーカーでは、ブランドマネージャーなど役職ごとに給料の水準が決まり、実力で昇進すると20代後半〜30代で年収が大きく上がることがあります。日本企業では、年齢や勤続年数とともに少しずつ上がっていく会社が多いです。

デジタル人材は需要が高い

ネット広告の市場が大きくなり、デジタルマーケティングの経験者は多くの会社で求められています。広告の運用やデータ分析の経験を持つ人は、転職で年収を上げやすい傾向があります。

やりがい

自分が考えた商品やCMが世の中に出て、街で見かけたり、友だちが使っていたりするのを見られるのは、企画・マーケティングならではの喜びです。売上やSNSの反応など、結果が数字ではっきりわかるので、自分のアイデアが当たったかどうかを実感できます。また、研究、工場、営業、広告会社など、たくさんの人と一緒にひとつのものをつくり上げる達成感もあります。

ヒット商品を生み出す喜び

たとえば、自分が企画したお菓子がコンビニの棚に並び、SNSで「おいしい」と話題になる瞬間は、何年も苦労した担当者にとって忘れられない経験になります。

世の中の流行を先取りできる

マーケティングの担当者は、常に人々の好みや流行の変化を追いかけています。新しいSNSや流行語、ライフスタイルの変化にいち早く気づき、それを商品やキャンペーンに生かす面白さがあります。

大変なこと・きついこと

企画・マーケティングは、華やかに見えて地道な作業が多い仕事です。データの集計や資料作り、社内の調整に多くの時間を使います。また、売れなかったときの責任は大きく、どれだけ時間をかけた企画でも、売れなければ数か月で店頭から消えてしまうことがあります。いろいろな部署の意見を聞きながら進めるので、自分の思いどおりにならないことも多いです。

正解のない仕事

お客さんの好みは変わり続けるので、前に成功した方法が次も当たるとは限りません。調査で「買いたい」と答えた人が多くても、実際には売れないこともあります。毎回新しく考え続ける必要があります。

発売前は忙しくなる

新商品の発売やキャンペーンの開始前は、パッケージの最終確認、広告の準備、営業への説明などが重なり、忙しくなります。

向いている人

企画・マーケティングに向いているのは、身の回りの「なぜ」に興味を持てる人です。「なぜこの商品は売れているのか」「なぜ自分はこのお店を選ぶのか」を考えるのが好きな人は、マーケティングの素質があります。アイデアを出すのが好きな人だけでなく、数字やデータを見て考えるのが好きな人、人の話をよく聞いてまとめるのが得意な人も向いています。流行やSNS、広告に敏感な人も強みを生かせます。

ひらめきと数字の両方

マーケティングでは、新しいアイデアを考える右脳的な力と、データで効果を確かめる左脳的な力の両方が必要です。どちらかが得意なら、もう一方は仕事の中で伸ばしていくことができます。

自分ではなくお客さんの目線

自分が好きなものと、お客さんが買うものは、ちがうことがあります。自分の好みにこだわりすぎず、お客さんの気持ちになって考えられる人が、マーケティングでは成果を出しやすいです。

高校生のうちにできること

マーケティングの練習は、毎日の買い物から始められます。コンビニで新商品を見つけたら、「だれ向けか」「なぜこの値段なのか」「なぜこのパッケージなのか」を考えてみましょう。文化祭の模擬店で、何を売ればよいかクラスでアンケートをとり、値段や宣伝の方法を考えるのも立派なマーケティングです。

数学と統計を大切に

マーケティングでは、平均、割合、グラフの読み方、アンケートの集計などをよく使います。数学のデータの分析の単元はそのまま役立つので、しっかり学んでおきましょう。

広告やSNSを観察する

テレビCMやSNSの広告を見たら、「だれに何を伝えたいのか」を考えてみましょう。自分でSNSの発信をして、どんな投稿が多く見られるかを確かめるのもよい練習になります。

代表的な会社・職場

企画・マーケティングの人が多く働くのは、食品・飲料・化粧品・日用品などの消費財メーカーです。そのほか、自動車、家電、ゲーム、通信、小売、外食などの事業会社、電通や博報堂などの広告会社、マクロミルやインテージなどの調査会社、ネット広告を扱う会社やPR会社があります。

マーケティングが強いことで知られる会社

P&G、ユニリーバ、花王、ライオン、サントリー、アサヒ、日清食品などは、マーケティングの力で知られる会社です。とくにP&Gは、多くのマーケティングの専門家を育てた会社として有名です。

支える専門の会社

広告会社はCMや広告の企画と枠の手配、調査会社はアンケートやデータ分析、販促会社はキャンペーンや売場づくり、PR会社はメディアへの発信を専門に請け負います。事業会社のマーケティング担当者は、こうした会社と協力して仕事を進めます。

事業会社と支援会社のちがい

企画・マーケティングの仕事は、自社の商品を売る「事業会社」で働くか、ほかの会社のマーケティングを手伝う「支援会社(広告会社、調査会社など)」で働くかで、働き方が大きくちがいます。事業会社では、ひとつの商品やブランドに長くかかわり、売上に直接責任を持ちます。支援会社では、いろいろな会社や業界の仕事を同時に担当でき、専門の技術が深まります。

事業会社で働く

たとえば飲料メーカーの担当者は、自社のお茶のブランドを何年も育てます。工場、研究、営業など社内のすべての部署と協力し、最終的な判断をする立場です。

支援会社で働く

たとえば広告会社の担当者は、自動車、食品、ゲームなど複数の会社の広告を担当します。いろいろな業界を知ることができる一方、最終的に決めるのはお客さんの会社なので、提案を通す力が求められます。

デジタル時代のマーケティング

スマホとSNSが広がり、マーケティングの方法は大きく変わりました。以前はテレビCMや新聞広告が中心でしたが、いまはネット広告の金額がテレビ広告を上回っています。一人ひとりの興味に合わせて広告を出し分けたり、どの広告を見た人が買ったのかを細かく分析したりできるようになりました。インフルエンサーと呼ばれるSNSで影響力のある人に商品を紹介してもらう方法も増えています。

データで一人ひとりに合わせる

通販サイトで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と表示されるのは、購入データを分析した結果です。マーケティングとデータ分析は、ますます近い仕事になっています。

個人情報のルール

ネットでお客さんのデータを使うときは、個人情報保護法などのルールを守り、お客さんに不安を与えないことが大切です。どこまでデータを使ってよいかを考えるのも、マーケティングの重要な仕事になっています。

よくある質問

マーケティングとは広告のことですか?

広告はマーケティングの一部ですが、すべてではありません。どんな商品を作るか、値段をいくらにするか、どこで売るか、どう知らせるかまでをふくむ、売れるしくみ全体を考える仕事です。

新卒ですぐにマーケティングの仕事ができますか?

会社によります。日本の大手メーカーでは、まず営業などを経験してから異動することが多いです。外資系の消費財メーカー、IT企業、広告会社、調査会社などでは、新卒から担当になれることもあります。

理系でもマーケティングの仕事はできますか?

できます。市場調査やデジタルマーケティングではデータ分析の力が強みになりますし、食品や化粧品、家電の商品企画では研究の知識が役立ちます。研究職から商品企画に移る人もいます。

アイデアを出すのが苦手でも大丈夫ですか?

大丈夫です。マーケティングのアイデアの多くは、お客さんの話やデータの中から見つかります。ひらめきよりも、よく調べて、よく考えることのほうが大切です。

商品企画とマーケティングのちがいは何ですか?

商品企画は新しい商品そのものを考えて形にする仕事で、マーケティングはその商品をだれにどう届けて売るかまでをふくむ広い仕事です。会社によっては同じ部署で両方を担当しています。

どんな大学の学部が多いですか?

経営学部、商学部、経済学部の出身者が多いですが、社会学部、心理学部、文学部、理系学部など、さまざまな学部の出身者が働いています。学部よりも、考える力と伝える力が重視されます。

マーケティングに役立つ資格はありますか?

必須の資格はありませんが、リテールマーケティング(販売士)検定、マーケティング・ビジネス実務検定、統計検定、ウェブ解析士、Google広告の認定資格などがあります。資格よりも、実際に企画して結果を出した経験が評価されることが多いです。

SNSが得意だと有利ですか?

SNSの使い方や流行に詳しいことは、デジタルマーケティングで強みになります。ただ、仕事では「なんとなく人気」ではなく、どの投稿でどれだけの人が動いたかを数字で考えることが大切です。

この分野のことば

年収について:厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査の加工値で、マーケティング・リサーチャー、Webマーケティング、商品企画開発(チェーンストア)はいずれも約736.8万円(平均43歳)です。これらは同じ統計上のグループの数字で、会社の規模や業界によって大きく変わります。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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