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土器のかけらだ!

人文学部

文学部より、ちょっと広い「人間と社会」の研究

人文学部と文学部のちがいを最初にはっきりさせておきます。文学部は、文学・歴史・哲学・言語・心理・社会学など「人文科学」が中心の学部です。人文学部は、国立大学を中心に置かれている名前で、人文科学だけを置く大学もあれば、法律や経済などの社会科学、地域の課題を考える分野までまとめて置く大学もあります。歴史的には、かつて多くの国立大学にあった「文理学部」が改組されたときに、文系の部分が人文学部になった例があり、たとえば千葉大学では文理学部が教養部・理学部・人文学部に改組され、人文学部には人文学科と法経学科が置かれました。今も、たとえば信州大学の人文学部は人文学科1学科に、哲学・芸術論、文化情報論・社会学、心理学・社会心理学、歴史学、比較言語文化、英米言語文化、日本言語文化の7コースを置いています(河合塾Kei-Net)。

よくある勘違い

文学部と同じで、名前がちがうだけ

実は

中身が文学部とほとんど同じ大学もありますが、文学・歴史・哲学に加えて、法律・経済・社会学・心理学・地域研究などの社会科学までまとめて置いている大学も多く、大学ごとの差がとても大きい学部です。

どんな学科・専攻がある?

人文学部ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

自分で問いを立てて、資料を集める資料を読む文献や古文書歴史学・文学など発掘調査遺跡を掘る考古学フィールドワーク人に話を聞く社会学・地域研究実験・調査データを統計で分析心理学3年ゼミでテーマを決める文献を読み、研究の発表をする4年卒業論文多くの人文学部で必修途中で何度もテーマを見直すことも問いを立て、資料を集め、根拠をもって答える4年間の集大成が卒業論文

人文学部の手を動かす学びは、資料を読み込むこと、調査に出かけること、そして卒業論文を書くことです。歴史学では古文書を読み、考古学では発掘調査に参加し、社会学や地域研究では地域に出かけて人に話を聞きます。心理学では実験を行い、統計でデータを分析します。3年生からはゼミに所属して、自分の研究テーマを決め、4年生で卒業論文にまとめます。自分で問いを立てて、資料を集め、根拠をもって答えを出すまでの道のりは長く、途中で何度もテーマを見直すこともあります。

ゼミ3年生から少人数のゼミに所属し、専門の文献を読んだり、研究の発表をしたりします。ゼミの先生が卒業論文の指導教員になることが多いです。
フィールドワーク社会学、文化人類学、地域研究などで、地域や海外に出かけて人に話を聞いたり、行事を観察したりします。夏休みなどに数日から数週間かけて行うこともあります。
発掘調査・史料調査考古学では遺跡の発掘調査に参加し、歴史学では地域の旧家や役所に残る古文書を調べます。体を動かしながら学ぶ機会です。
心理学実験・調査心理学コースでは、実験やアンケートを行い、データを統計で分析してレポートにまとめます。
卒業論文4年生の1年間をかけて、自分で選んだテーマについて研究し、論文にまとめます。多くの人文学部で必修になっています。

大学生活の流れ

1年人文学入門や語学、教養科目を中心に学び、学部にあるさまざまな分野にふれます。大学によっては、1年生の終わりにコースを選びます。
2年コースの専門科目が増え、文献講読や調査法など、研究の基礎となる方法を学びます。教員免許や学芸員などの資格をとる人は、関連する科目も取ります。
3年ゼミに所属し、自分の研究テーマを探します。就職活動の準備も始まり、インターンシップに参加する人も多い時期です。
4年卒業論文に取り組みながら、就職活動や大学院の入試の準備を進めます。
大学院人文科学や社会科学の大学院に進み、研究を深める人がいます。研究者のほか、学芸員や高校の先生、専門的な仕事をめざす人も進学します。

取れる資格・免許

中学校・高等学校教諭一種免許状(国語、英語、社会、地理歴史、公民など)教職課程の科目を取り、教育実習に行くことで取得できます。どの教科の免許がとれるかは、コースによってちがいます。
学芸員博物館や美術館の専門職の国家資格です。決められた科目と博物館実習を修了すると取得できます。歴史や考古学、芸術論のコースで取る人が多い資格です。
社会調査士社会調査の方法とデータの分析を学んだことを示す資格です。社会学系のコースで取得できる大学があります。
公認心理師(大学院進学が必要)心理職の国家資格です。大学で決められた科目を取ったうえで、大学院で学ぶか、決められた施設で実務経験を積むと受験資格が得られます。
認定心理士心理学の基礎を学んだことを示す民間の資格です。心理学の科目を決められた単位数とると申請できます。

人文学部の卒業後の進路

人文学部いちばん多いのは一般企業メーカー・小売・サービス営業・企画・販売・人事などIT・情報サービス文系からエンジニアになる人も地方の国立大学で多い道県庁・市役所などの公務員まちづくりや観光に生きることも地方銀行・信用金庫窓口・営業・融資の仕事中学・高校の先生国語・英語・社会など学んだことを生かしやすい出版・マスコミ・広告文章を書く力や幅広い知識募集が少ない博物館・図書館大学院から応募する人も大学院に進む研究者や専門職をめざす読み解く・調べてまとめる・伝える力はどの仕事でも求められる

人文学部の卒業生は、一般企業に就職する人がもっとも多く、地方の国立大学では、地元の公務員や金融機関、学校の先生になる人も多くいます。学んだ内容が特定の職業に直結しているわけではありませんが、文章を読み解く力、調べてまとめる力、人に伝える力は、どの仕事でも求められます。博物館や図書館、出版、マスコミなど、学んだ内容を生かしやすい仕事もあります。

地方公務員・国家公務員 ›県庁や市役所などの公務員になる人が多くいます。地域の歴史や文化を学んだことが、まちづくりや観光の仕事に生きることもあります。金融(地方銀行・信用金庫など) ›地元の地方銀行や信用金庫、保険会社などで、窓口や営業、融資などの仕事をします。中学・高校の先生 ›国語、英語、社会などの先生になる人もいます。学んだ専門分野を生かせる仕事です。メーカー・小売・サービス ›メーカー、スーパーや百貨店、旅行会社など、さまざまな企業で営業、企画、販売、人事などの仕事をします。出版・マスコミ・広告 ›新聞社、出版社、テレビ局、広告会社などで、記事や本、番組、広告をつくる仕事をします。文章を書く力や幅広い知識が生かせます。IT・情報サービス ›IT企業でシステムの企画や営業、サポートなどの仕事をする人も増えています。文系からエンジニアとして採用される人もいます。
博物館・図書館・文化施設学芸員や図書館の職員として働く道です。募集はとても少なく、大学院に進んでから応募する人も多い仕事です。
大学院進学研究をさらに深めるために、大学院に進む人もいます。研究者や専門職をめざす人が選ぶ道です。

もっと知りたい人へ

文学部・人文社会科学部とのちがい

人文学部、文学部、人文社会科学部は、名前が似ていて、中身も重なる部分が多い学部です。大まかに言うと、文学部は文学・歴史・哲学・言語・心理・社会学などの人文科学が中心です。人文学部は、人文科学が中心の大学もあれば、法律や経済などの社会科学まで含む大学もあります。人文社会科学部は、名前のとおり人文科学と社会科学の両方をはっきりと置いている学部です。結局は大学ごとに中身がちがうので、名前ではなく、どんなコースや学科があるのかを見て選ぶことが大切です。

見分け方のポイント

大学のホームページで、学科やコースの一覧と、卒業論文のテーマの例を見るのがいちばん確実です。法学や経済学のコースがあるか、心理学や社会学があるか、などを確認しましょう。

国立大学に多い名前

人文学部や人文社会科学部は、地方の国立大学に多い名前です。地域の歴史や文化、地域の課題を研究できるコースを置いている大学が多いのも特徴です。

向いている人

本を読むことや、調べものをすることが好きな人に向いています。「なぜだろう」と疑問をもったときに、自分で資料を探して答えを見つけようとする人は、人文学部の学びを楽しめます。また、自分の考えを文章にまとめたり、人前で発表したりする機会が多いので、言葉で表現することが好きな人にも向いています。文学だけでなく、歴史、哲学、心理、社会など、興味のある分野が複数ある人にも選びやすい学部です。

地域に関心がある人

地元の歴史や文化、町の課題に関心がある人は、地域研究や地域文化のコースで力を発揮できます。地元に残って働きたい人にも向いています。

データにも関心がある人

心理学や社会学のコースでは、アンケートや実験のデータを統計で分析します。数字を使って人間や社会を理解したい人にも向いています。

高校生のうちに(文理・受験科目)

人文学部の入試は文系型が中心で、国公立大学では共通テストに加えて、二次試験で国語、英語、地理歴史、小論文などが課されることが多いです。私立大学では英語、国語、地理歴史または公民の3科目型が多くあります。心理学コースをめざす人は、入学後に統計を学ぶので、数学も基礎はしっかり固めておくと安心です。どのコースでも、読む力と書く力が土台になるので、本を読む習慣や、要点をまとめる練習が役立ちます。

普段からできること

図書館で気になる分野の本を読む、地元の博物館や史跡に行く、新聞のコラムを読んで要約する、といったことが入学後の学びにつながります。

志望理由を考えるときは

人文学部は大学ごとにコースがちがうので、志望理由書や面接では、その大学のどのコースで何を学びたいのかを具体的に話せるようにしておきましょう。

よくあるギャップ

入学してから、「思っていたより自分で調べることが多い」と感じる人が多くいます。高校の授業のように答えが用意されているのではなく、自分で問いを立てて、資料を探し、考えをまとめることが求められるからです。また、心理学や社会学では統計を使うので、「文系だから数学は使わない」と思っていた人はとまどうこともあります。就職活動では、学部名だけでは何を学んだのか伝わりにくいので、自分の研究や身につけた力を具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

コース選びで迷う

興味のある分野が多いと、どのコースに進むか迷う人もいます。1〜2年生のうちに、いろいろな授業を受けて、先生に相談しておくとよいです。

卒業論文が大変

卒業論文は、何十ページもの文章を、資料をもとに書き上げる大きな作業です。テーマを早めに決めて、少しずつ進めることが大切です。

人文学部で身につく力

人文学部で身につく力は、すぐに目に見える資格のような形ではありませんが、社会に出てから大きな意味をもちます。たとえば、たくさんの資料から大切な情報を見つけ出す力は、企画書や報告書をつくる仕事で役立ちます。人の気持ちや文化のちがいを理解する力は、営業や接客、海外とのやりとりで生きます。自分の考えを筋道立てて説明する力は、会議や面接、プレゼンテーションで欠かせません。

読む力・書く力

難しい文章を正確に読み、自分の言葉でまとめる力は、どの仕事でも必要です。契約書やマニュアル、報告書など、社会に出ると読む文章、書く文章はたくさんあります。

問いを立てる力

「なぜこの商品は売れないのか」「なぜこの町から人が減っているのか」のように、問題を見つけて問いにする力は、仕事の改善や新しい企画を考えるときに役立ちます。

よくある質問

人文学部と文学部はどちらがよいですか。

どちらがよいということはなく、大学ごとにコースや学べる内容がちがいます。学部名ではなく、自分が学びたい分野のコースがあるか、どんな先生がいるかを見て選びましょう。

人文学部で法律や経済を学べますか。

大学によっては、法学や経済学のコースを置いている人文学部や人文社会科学部があります。ただし、人文科学だけを置く人文学部もあるので、志望大学のコース一覧で確認しましょう。

人文学部は就職に不利ではありませんか。

文系の学部の卒業生は、学部によって大きく採用の扱いが変わるわけではありません。人文学部の卒業生も、公務員、金融、メーカー、IT、マスコミなど幅広い仕事に就いています。大学で何を学び、どんな力を身につけたかを説明できることが大切です。

心理学を学びたいのですが、人文学部と心理学部のどちらがいいですか。

心理学部は心理学を専門に深く学べるのが特徴です。人文学部の心理学コースは、心理学に加えてほかの人文科学の授業も受けやすいのが特徴です。公認心理師をめざすなら、必要な科目がそろっているかを確認しましょう。

学芸員になりたいのですが、人文学部で資格はとれますか。

多くの人文学部で学芸員の資格をとれます。ただし、博物館や美術館の学芸員の採用はとても少ないので、大学院に進んで専門性を高めてから応募する人も多くいます。

コースはいつ決めますか。

大学によってちがいますが、入学時に決める大学、1年生の終わりに決める大学、2年生で決める大学などがあります。入学後に選ぶ場合は、希望者が多いコースで成績による選考がある大学もあります。

数学は必要ですか。

文学や歴史のコースではほとんど使いませんが、心理学や社会学、経済学のコースでは統計を使います。高校の数学の基礎ができていると、入学後に困りにくくなります。

地元の国立大学の人文学部に行くよさは何ですか。

学費が比較的安いこと、地元の歴史や文化、地域の課題を研究しやすいこと、地元の公務員や企業とのつながりがあることなどが挙げられます。地元で働きたい人には選びやすい学部です。

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