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役所の窓口だけじゃない、国と町の設計者

公務員・教員

公務員は、国や都道府県、市区町村などで働き、法律や予算を作ったり、住民の暮らしを支えるサービスを届けたりする人です。中央省庁で政策を作る国家公務員、地域の行政を担う地方公務員、警察官や消防士、そして公立学校の先生(教員)も公務員の仲間です。多くは採用試験に合格して就く仕事で、景気に左右されにくい安定した身分が特徴です。一方で、近年は民間企業との人材の取り合いや、教員の長時間労働が社会問題になっており、働き方改革が進んでいます。

平均年収の目安約650万〜700万円初任給は月20万〜30万円台、40代以降の管理職で800万〜1,000万円以上も
なるまでの難しさ★★★★★国家総合職は申込倍率6.2倍(2026年度春)で難関ですが、地方公務員や教員は職種や地域によって倍率に大きな差があります。教員採用試験の全体倍率は令和7年度で2.9倍、小学校は2.0倍と比較的入りやすくなっています。
決めどき文系・理系どちらでも

大学2〜3年で試験勉強開始。教員は大学入学時に教職課程を選ぶ

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

公務員・教員の年収と昇進の流れ

係員(主事)330〜450万円
採用1〜5年目、22〜27歳

窓口や事務の担当として仕事の基本を覚えます。令和7年人事院勧告で一般職(大卒程度)の初任給は月23万2,000円、ボーナスは年4.65か月分です。昇任試験や勤務評価を経て主任・係長に進みます。

主任・係長450〜600万円
28〜38歳

担当の業務を任され、後輩をまとめます。国の総合職はこの時期に課長補佐として政策の中心を担うこともあります。

課長補佐600〜750万円
38〜45歳

課の実務の中心として、予算や議会への説明を担当します。管理職試験に合格することが課長になる条件の自治体もあります。

課長(管理職)750〜950万円
45〜52歳

課の責任者として、方針の決定や部下の管理を担います。

部長・局長(幹部)950〜1,200万円
52歳〜

部門全体を率い、首長や大臣を支えます。国では審議官、局長、事務次官などの幹部です。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

国家公務員総合職 場所中央の省庁 仕事国の政策を考える 異動全国や海外への転勤 地方公務員行政職 場所都道府県庁・市役所 仕事住民の暮らしを支える 異動その自治体の中 公立学校の教員小・中・高校など 場所公立の学校 仕事授業と学校生活の指導 異動数年ごとに学校を移る 警察官・消防士公安職 場所地域の警察・消防 仕事地域の安全を守る 勤務交代制で夜勤もある 同じ公務員でも、働く場所と仕事の中身がちがう
国家公務員(総合職)本府省採用の初任給は月30万1,200円(令和7年勧告)

中央省庁で政策の企画立案を担います。全国や海外への転勤があり、国会会期中などは忙しくなりますが、国全体に関わる仕事ができます。留学の機会もあります。

良いところ国全体の仕組みづくりに関われる

大変なところ忙しい時期は長時間労働になりやすく、転勤が多い

地方公務員(行政職)国家公務員に近い水準に地域手当が加わる

都道府県庁や市役所で住民の暮らしに直接関わる仕事をします。基本的にその自治体の中での異動なので、地元で長く働けます。

良いところ地元に根ざして働ける、住民の反応が見える

大変なところ異動で仕事内容が大きく変わる

公立学校の教員高等学校教員で約666万円(令和7年)

小学校、中学校、高校、特別支援学校で授業と学校生活の指導を担います。都道府県や政令市の範囲で数年ごとに学校を異動します。

良いところ子どもの成長に直接関われる

大変なところ業務が多く、長時間労働が課題になっている

警察官・消防士(公安職)公安職の給料表に手当が加わる

地域の安全を守る仕事で、交代制の勤務があります。体力試験があり、警察学校や消防学校で訓練を受けます。

良いところ人の命や安全を守るやりがいが大きい

大変なところ夜勤があり、危険をともなう

代表的な会社・職場

中央省庁国の専門機関地方自治体教育行政・学校公安
財務省中央省庁

国の予算づくりと税金の制度を担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
経済産業省中央省庁

産業の振興、エネルギー、貿易などの政策を担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
厚生労働省中央省庁

医療、年金、介護、雇用、働き方などの政策を担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
文部科学省中央省庁

学校教育、大学、科学技術、スポーツ、文化の政策を担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
総務省中央省庁

地方自治、選挙、通信・放送、統計などを担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
国土交通省中央省庁

道路、鉄道、空港、まちづくり、観光などを担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
外務省中央省庁

外交や海外にいる日本人の保護を担当します。

国家公務員の俸給表に基づく
国税庁・税務署国の専門機関

税金が正しく納められているかを確認します。国税専門官が働く職場です。

国家公務員の俸給表に基づく
都道府県庁地方自治体

県全体の産業、福祉、教育、警察などを担当します。

各自治体の給料表に基づく
市区町村の役所地方自治体

住民票や子育て支援、ごみ収集など住民に最も身近な行政を担当します。

各自治体の給料表に基づく
都道府県・政令市の教育委員会と公立学校教育行政・学校

教員を採用し、公立学校を運営します。

教育職の給料表に基づく
都道府県警察・消防本部公安

地域の治安と防災、救急を担当します。

公安職の給料表に基づく

どうやって稼いでいる?

住民・企業税金を納める消費税など 国・自治体集めたお金を予算で配分 公共サービス教育・社会保障警察・消防など 税金国税・地方税 配分 暮らしに届く 国債・地方債借入れ 足りない分 地方交付税国から自治体へ配る 公務員の給料これも税金から 税金と借入れで集めたお金を 公共サービスに配るのが役割
公務員の給料も税金から支払われ、人事院などが毎年見直しを勧告します

公務員の仕事は、企業のように商品を売って利益を出すものではありません。国や自治体の活動のお金は、主に住民や企業が納める税金と、国債・地方債などの借入れでまかなわれています。たとえば、コンビニでお菓子を買ったときに払う消費税も、その一部です。そのお金を、社会保障、教育、公共事業、防衛、警察・消防などの公共サービスに配分するのが行政の役割です。公務員の給料も税金から支払われるため、民間企業の給与水準に合わせて人事院などが毎年見直しを勧告する仕組みになっています。

1
税金(国税・地方税)

所得税、法人税、消費税などの国税と、住民税、固定資産税などの地方税が主な財源です。どの税をどれだけ集めるかを決めるのも、公務員が関わる大切な仕事です。たとえば、食料品の消費税を8%に軽くする仕組み(軽減税率)も、こうした検討から生まれました。

2
国から自治体へのお金(地方交付税・補助金)

地域によって税収に差があるため、国が集めた税の一部を地方交付税として自治体に配り、どこでも一定の行政サービスを受けられるようにしています。たとえば、人口の少ない町でも、都会と同じように小中学校やごみ収集があるのはこの仕組みのおかげです。特定の事業には国庫補助金も出ます。

3
国債・地方債(借入れ)

税収だけでは足りない分を、国債や地方債を発行して借ります。返済や利払いの負担を考えながら予算を組むことが行政の課題です。

4
手数料・使用料

住民票の発行手数料や公共施設の使用料、上下水道の料金など、サービスの利用者から受け取るお金もあります。

5
人事院勧告による給与決定

公務員にはストライキなどの権利が制限されている代わりに、人事院が民間企業の給与を調べ、国家公務員の給与改定を国会と内閣に勧告します。地方公務員は各自治体の人事委員会が同じように勧告します。令和7年勧告では月例給を3.62%引き上げる内容でした。

入ってからどうなっていく?

1〜3年目基礎を学ぶ時期行政職なら窓口や事務の担当、総合職なら省庁の係員として資料作成や国会対応の補佐から始めます。教員は初任者研修を受けながら学級担任や授業を担当します。仕事の基本と組織のルールを身につける時期です。
4〜10年目担当者として独り立ち異動を経験しながら、ひとつの業務を任される担当者になります。総合職は海外の大学院への留学や、ほかの省庁・自治体への出向を経験することもあります。教員は学年主任や教科のリーダー、部活動の顧問として中心的な役割を担います。
30代係長・主任クラス係長や主任として部下や後輩をまとめます。国の総合職は課長補佐として政策の実務の中心を担い、法律改正などの大きな仕事に関わります。教員には、新しく設けられる主務教諭のように、若手の育成やチームの業務分担の中核を担う役割もあります。
40代管理職への入り口自治体では課長や課長補佐、国では室長や課長になります。教員は教頭や副校長を目指す試験に挑戦する人もいます。組織全体の方針を決め、議会や住民への説明を担う立場です。
50代〜幹部・校長自治体では部長や局長、国では審議官や局長、事務次官などの幹部に、教員は校長や教育委員会の幹部になります。定年は段階的に65歳へ引き上げられています。
よくある転職パターン民間・政治・NPOへ若手官僚がコンサルティング会社やIT企業、スタートアップに転職する例が増えています。逆に民間から公務員への中途採用(経験者採用)も広がっています。政治家や大学教員、NPOの代表になる人もいます。

新しい制度ができるまで(国の場合)

国(省庁・国会)自治体住民 1 課題を見つける統計や住民の声から 2 調査と検討審議会で専門家に聞く 3 予算の要求財務省と話し合う 4 法律案を作る内閣法制局と確認 5 国会で審議法律が成立する 6 自治体への説明住民への届け方を準備都道府県・市町村が制度を伝える 7 住民に届く窓口で申請が始まる市役所の窓口などで制度が使われる 国で決まった制度が、自治体を通って住民に届く
国で新しい制度ができる場合の例
1
課題を見つける

統計データや住民・業界の声から、社会の困りごとを見つけます。

2
調査と検討

審議会で専門家の意見を聞き、海外の例なども調べて制度の案を作ります。

3
予算の要求

制度に必要なお金を財務省に要求し、話し合って金額が決まります。

4
法律案の作成

条文の案を作り、ほかの省庁や内閣法制局と細かく確認します。

5
国会での審議

国会で議員の質問に答え、法律が成立します。

6
自治体への説明

都道府県や市町村に制度の内容を伝え、住民への届け方を準備します。

7
住民に届く

市役所の窓口などで申請が始まり、制度が実際に使われます。

国家公務員採用総合職試験/公立学校教員採用選考試験

合格率国家総合職(2026年度春)申込倍率6.2倍、教員採用(令和7年度)全体2.9倍
勉強時間の目安国家総合職・地方上級は1年以上の準備をする人が多い目安です。教員採用試験は大学3〜4年で対策を始める人が多いです
受験資格国家総合職の大卒程度試験は21歳以上30歳未満などが目安(教養区分は19歳から)。教員採用試験は教員免許状の取得または取得見込みが必要です
国家総合職は申込倍率6.2倍で、専門試験の範囲が広く難関です。地方公務員や教員の試験は、自治体や職種によって倍率に大きな差があります。教員採用試験は令和7年度に全体で2.9倍と低い水準ですが、養護教諭は8.2倍、栄養教諭は9.9倍と高い職種もあります。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 申込み国家総合職は春、教員採用は春から初夏に申し込むのが一般的です。
  2. 一次試験(筆記)教養試験と専門試験などを受けます。
  3. 二次試験(論文・面接)論文、討議、人物試験を受けます。教員は模擬授業や実技もあります。
  4. 最終合格合格者は名簿に登録されます。
  5. 官庁訪問・配属国家公務員は省庁の面接を受けて内定を得ます。教員は配属校が決まります。

公務員・教員のある1日

8:30

登庁します(市役所の行政職の例)。メールや当日の予定を確認します。

9:00

窓口業務や電話対応をします。住民からの相談や申請を受け付けます。

10:30

課内で打ち合わせをします。新しい子育て支援事業の進め方を話し合います。

12:00

昼休みです。交代で休憩をとり、窓口は誰かが対応できるようにしています。

13:00

事業の資料をつくります。予算の見積もりや、議会への説明資料を作ります。

15:00

関係団体や地元企業と会議をします。地域のイベントの準備を調整します。

16:30

上司に報告し、決裁の手続きをします。公文書は決められた手順で承認を得ます。

17:15

定時です。議会の時期や予算編成の時期、災害時などは残業が増えます。

参考(教員)

教員は8時前後に出勤し、朝の会、授業(1日4〜6コマ程度)、給食や清掃指導、放課後の部活動、採点や授業準備、保護者対応と続き、夕方以降も仕事が残ることが多いです。

もっと知りたい人へ

そもそも公務員・教員とは

公務員とは、国や地方公共団体に雇われ、公共の利益のために働く人のことです。国の機関で働く国家公務員と、都道府県や市区町村で働く地方公務員に大きく分かれます。公立学校の教員は地方公務員で、警察官や消防士も地方公務員です。自衛官や裁判所職員、国会職員などは国家公務員の仲間です。共通しているのは、利益ではなく住民全体のために仕事をすること、そして法律に基づいて公平に行動することが求められる点です。

国家公務員と地方公務員のちがい

国家公務員は、国全体の仕組みや法律、外交、防衛、全国共通の制度を担当します。地方公務員は、その地域に住む人に直接サービスを届け、地域の課題を解決します。同じ「子育て支援」でも、国は制度を作り、自治体はそれを住民に届けるという役割分担になっています。たとえば、児童手当の金額は国が決め、実際に申請を受け付けて家庭に振り込むのは市役所です。

公務員は何人くらいいる?

行政職俸給表(一)が適用される国家公務員だけで約14万人、地方公務員は教員や警察官を含めて数百万人規模です。教員採用試験の採用者は令和7年度で37,375人と、毎年たくさんの人が採用されています。

公務員ならではのルール

公務員には守秘義務、政治活動の制限、副業の制限(許可制)などがあります。また法律で身分が保障されていて、正当な理由なく辞めさせられることはありません。安定性の裏側に、公平さと規律を守る責任があるということです。

なるためのルート

公務員になるには、基本的に採用試験に合格する必要があります。国家公務員は人事院が実施する総合職試験、一般職試験、専門職試験などがあり、合格後に各省庁の面接(官庁訪問)を受けて採用が決まります。地方公務員は各自治体が独自に試験を行います。教員は、大学で教職課程を履修して教員免許状を取り、都道府県や政令市の教員採用試験に合格するのが一般的なルートです。

  1. 高校で幅広く学ぶ公務員試験の教養試験は、数的推理、文章理解、社会、理科など高校までの学習内容が土台になります。
  2. 進学先と教職課程を選ぶ教員を目指すなら、教育学部や、教職課程のある学部を選びます。行政職なら法学部・経済学部が多いですが、学部は自由です。
  3. 大学2〜3年で試験対策を始める専門試験(憲法、民法、行政法、経済学など)の勉強や、教員採用試験の教職教養の勉強を始めます。
  4. 採用試験を受ける筆記試験、論文、面接、集団討論などを受けます。教員は模擬授業や実技試験もあります。
  5. 官庁訪問・面接で採用決定国家公務員は合格後に省庁を訪問して面接を受け、内定を得ます。教員は名簿に登録され、配属校が決まります。
  6. 採用後の研修新人研修や初任者研修を受けながら、現場で仕事を覚えていきます。
学歴は必要?

公務員試験の多くは「大卒程度」「高卒程度」という試験のレベルを示す区分で、学歴そのものを条件にしていない場合が多いです。高校卒業後に高卒程度の試験を受けて公務員になる道もあります。教員は免許状が必要なため、大学や短大での教職課程の履修が基本です。

教養区分という新しい入り口

国家総合職には、大学1〜2年生(19歳)から受験できる教養区分があります。2026年度春の教養区分では213人が合格し、そのうち19歳が11.7%(25人)でした。早くから挑戦できる入り口が広がっています。

試験・選考の詳細

公務員試験は、筆記試験と人物試験の組み合わせです。筆記には、一般的な知識と考える力を見る教養試験(基礎能力試験)と、法律・経済などの専門知識を問う専門試験があります。最近は、筆記の負担を減らして民間企業の就職活動と同じように受けやすくした試験(SPIやSCOAなどを使う自治体の試験)も増えています。教員採用試験では、教職教養、一般教養、専門教科の筆記試験に加え、模擬授業、場面指導、面接、体育や音楽などの実技が行われます。

国家総合職試験の数字

2026年度春の国家総合職試験では、申込者12,486人、合格者2,021人で、申込倍率は6.2倍でした。大卒程度試験の申込倍率は8.2倍、院卒者試験は2.0倍です。合格者の出身大学は163校で、さまざまな大学から合格者が出ています。

教員採用試験の数字

令和7年度の公立学校教員採用試験では、全体の倍率は2.9倍でした。小学校2.0倍、中学校3.6倍、高校3.8倍、特別支援学校2.0倍です。文部科学省の長期推移の表では、受験者数は掲載年度の中で最少、採用者数は最多で、倍率は最も低い水準となっています。

倍率が低い=簡単ではない

倍率が下がっても、教員として必要な知識や授業力は求められます。また、自治体や教科によっては倍率が高いところもあります。養護教諭は8.2倍、栄養教諭は9.9倍と、職種によって差が大きいことも覚えておきましょう。

年収のリアル

公務員の給料は、法律や条例で定められた俸給表(給料表)に沿って、年齢や経験、役職に応じて上がっていきます。令和7年の人事院勧告では、国家公務員の初任給は総合職(大卒程度)で24万2,000円、一般職(大卒程度)で23万2,000円、一般職(高卒程度)で20万300円とされ、ボーナスは年4.65か月分です。教員については、job tagで高等学校教員の年収が約666万円(令和7年賃金構造基本統計調査)とされています。地方公務員は自治体ごとに給料表が異なり、都市部では地域手当が加わります。

年功で上がる仕組み

公務員の給料は、毎年の昇給と昇任によって安定して上がっていくのが特徴です。民間の大企業や外資系企業のように若いうちから急に上がることは少ない一方で、景気が悪くても急に下がることも少ないです。

教員の給料が変わる

教員には残業代の代わりに給料の4%を上乗せする教職調整額という仕組みがありましたが、2025年6月に給特法の改正が成立し、段階的に10%へ引き上げられることになりました。1972年の制度開始以来、初めての見直しです。

本府省で働く人の手当

中央省庁の本省で働く職員には、業務の特殊性から本府省業務調整手当などがあり、令和7年勧告では本府省採用の総合職(大卒程度)の初任給は30万1,200円とされています。

やりがい

公務員のやりがいは、社会全体や地域の人のために働けることです。自分が関わった法律や制度で多くの人の暮らしがよくなったり、災害のときに住民を守ったりと、利益では測れない価値を生み出せます。教員なら、子どもたちができなかったことができるようになる瞬間に立ち会い、卒業後に成長した姿を見られるのが大きな喜びです。

スケールの大きさ

国の政策は何千万人もの生活に影響します。若手のうちから、全国の制度を変える仕事の一部を担えるのは公務員ならではです。

地域に根ざす喜び

地方公務員は、自分が育った町や好きな地域の課題に、住民と一緒に取り組めます。お祭りや観光、防災訓練など、住民の顔が見える仕事が多いのも魅力です。

大変なこと・きついこと

公務員は「定時で帰れる楽な仕事」と思われがちですが、部署や時期によっては非常に忙しくなります。中央省庁では国会会期中に答弁作成で深夜まで働くこともあり、長時間労働の改善が課題です。自治体でも災害対応や選挙、予算編成の時期は残業が増えます。教員は特に長時間労働が社会問題になっており、2022年度の文部科学省の調査をもとにした報道では、多くの教員が月80時間以上の時間外勤務をしていると指摘されました。

異動で仕事が変わる

数年ごとの異動で、まったく違う分野の仕事を一から覚え直す必要があります。幅広い経験ができる一方、専門性を深めにくいと感じる人もいます。

住民や保護者との関係

窓口では厳しい意見や苦情を受けることもあります。教員は保護者対応に多くの時間と気を使います。誰に対しても公平で丁寧な対応が求められ、ストレスを感じる場面もあります。

働き方改革の動き

改正給特法では、2029年度までに教員の時間外在校等時間を月平均30時間程度以下にする目標が示され、各教育委員会には業務量管理計画の策定と公表が求められています。改善はこれからですが、変わろうとしている職場でもあります。

向いている人

公務員に向いているのは、人や社会の役に立ちたいという気持ちが強く、ルールを守りながら公平に物事を進められる人です。いろいろな立場の人の意見を聞き、調整する力も大切です。教員に向いているのは、子どもが好きで、相手の成長を気長に待てる人、わかりやすく説明することにやりがいを感じる人です。

こんな経験が生きる

生徒会や委員会活動、地域のボランティア、部活での後輩指導など、人をまとめたり教えたりした経験は、公務員や教員の面接でよく話題になります。

向いていないかもしれない人

自分の成果がすぐお金や数字で評価されることを強く求める人や、ルールに縛られず自由に動きたい人は、窮屈に感じるかもしれません。ただし、新しい取り組みを提案できる自治体や部署も増えています。

高校生のうちにできること

公務員試験の教養試験は高校で学ぶ内容が基本になるので、まずは各教科をバランスよく学ぶことが大切です。特に、数的推理や判断推理につながる数学的な考え方、文章を素早く正確に読む力は大きな武器になります。ニュースや新聞に触れて、社会の仕組みや政治に関心を持つ習慣もつけましょう。教員を目指すなら、教職課程のある大学・学部を調べ、教育実習やボランティアの機会がある進学先を選ぶとよいです。

インターンや見学

省庁や自治体には高校生向けのイベントや職場見学、議会の傍聴などがあります。実際に働く人の様子を見ると、仕事のイメージが具体的になります。

教員志望なら

学習支援ボランティアや、小中学生に勉強を教える経験は、教員になったときに生きます。自分がどの校種(小・中・高)や教科を教えたいかを考えることも、大学選びのポイントです。

代表的な会社・職場

国家公務員の主な職場は、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省などの中央省庁と、その地方の出先機関です。地方公務員は都道府県庁、市区町村の役所、公立病院、警察本部、消防本部などで働きます。教員は公立の小学校、中学校、高校、特別支援学校が職場で、教育委員会事務局で働く教員もいます。

独立行政法人や公的機関

国立研究開発法人、国立大学、日本銀行、日本年金機構など、公務員ではないものの公共性の高い組織もあります。採用方法は組織ごとに違い、公務員試験ではなく独自の選考を行うことが多いです。

私立学校の先生は?

私立学校の先生は公務員ではなく、学校法人に雇われる会社員に近い立場です。教員免許状が必要な点は同じですが、採用は学校ごとの選考で行われます。

国家総合職・一般職・地方上級のちがい

公務員試験は種類が多く、最初はわかりにくいところです。国家総合職は政策の企画立案を担う幹部候補、国家一般職は政策の実施を担う実務の中心、地方上級は都道府県や政令市の大卒程度の試験で、地域の行政の中核を担います。ほかに市役所の試験、国家専門職、警察官・消防士の試験などがあり、多くの人は複数の試験を併願します。試験日程が重ならなければ、いくつも受けることができます。

官庁訪問とは

国家総合職と一般職の試験に合格しても、それだけでは採用されません。合格者は志望する省庁を訪ねて面接を何度も受け、内定を得ます。筆記試験の順位だけでなく、省庁との相性や志望動機が重視されます。

経験者採用も増加

民間企業で働いた経験のある人を採用する試験も国・自治体で広がっています。いったん民間で働いてから公務員になる道もあり、キャリアの選び方が柔軟になっています。

教員の仕事と働き方改革

教員の仕事は授業だけではありません。学級経営、生徒指導、進路指導、部活動、学校行事、校務分掌(学校運営の役割分担)、保護者や地域との連携と、多くの役割を担います。こうした業務の多さから長時間労働が問題となり、国は働き方改革を進めています。2025年に成立した改正給特法では、教職調整額を段階的に4%から10%へ引き上げること、主務教諭という新しい職を設けること、教員の業務量を管理する計画を教育委員会が作ることなどが定められました。

部活動の地域移行

中学校を中心に、休日の部活動を地域のクラブや団体に移す取り組みが進められています。教員の負担を減らすと同時に、子どもが専門的な指導を受けられるようにするのがねらいです。

教員不足と採用試験の変化

倍率の低下や教員不足を受けて、試験日程を早めたり、大学3年生から受験できるようにしたりする自治体が増えています。教員を目指す人にとっては選択肢が広がる流れです。

よくある質問

公務員は本当に安定していますか?

法律で身分が保障されているため、景気が悪くなっても会社のように倒産したり、リストラされたりする心配はほぼありません。ただし給料は民間の水準に合わせて見直されるため、ずっと上がり続けるわけではありません。

高卒でも公務員になれますか?

なれます。国家一般職(高卒者試験)や地方公務員の初級試験、警察官・消防士の高卒程度の試験などがあります。令和7年人事院勧告での国家一般職(高卒程度)の初任給は20万300円です。

先生になるには教育学部に行かないとダメですか?

教育学部以外でも、教職課程がある大学・学部なら教員免許状を取れます。中学・高校の先生は、文学部や理学部などで教職課程を履修して免許を取る人も多いです。小学校の免許は取れる大学が限られるので、事前に調べましょう。

公務員試験はどのくらい勉強が必要ですか?

試験によって違いますが、国家総合職や地方上級を目指す場合は、大学2〜3年生から1年以上かけて準備する人が多いです。最近はSPIなどで受けられる自治体の試験も増えています。

教員採用試験の倍率は低いって本当?

令和7年度の全体倍率は2.9倍で、文部科学省の長期推移の表では最も低い水準です。小学校は2.0倍でした。ただし自治体や教科によって差があり、高校の一部の教科などでは高い倍率になることもあります。

公務員は副業できますか?

原則として許可なく副業はできません。ただし、地域活動や一部の公益的な活動は許可を得て行える場合があり、副業のルールを見直す自治体も出てきています。

転勤はありますか?

国家総合職は全国や海外への異動があります。地方公務員は基本的にその自治体の中での異動です。教員は都道府県や政令市の範囲内で、数年ごとに学校を異動するのが一般的です。

官僚の仕事は激務と聞きますが本当?

国会会期中などは深夜まで働くことがあり、長時間労働が課題とされてきました。人事院や各省庁は勤務時間の管理やテレワークなどで改善を進めていますが、部署による差が大きいのが現状です。

先生の給料は上がるのですか?

2025年の給特法改正で、教職調整額が4%から段階的に10%へ引き上げられることになりました。人事院勧告による給与の引き上げも続いているので、以前よりは改善の方向にあります。

この分野のことば

年収について:job tag掲載の令和7年賃金構造基本統計調査で高等学校教員は約666万円です(平均43.9歳)。国家公務員の初任給は令和7年人事院勧告で総合職(大卒程度)24万2,000円、本府省採用の総合職30万1,200円、一般職(大卒程度)23万2,000円、一般職(高卒程度)20万300円です。ボーナスは年4.65か月分です(令和7年勧告)。職種、地域、役職で大きく異なる目安です。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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