ミライ図鑑ログイン
乗る人が少ない路線は?

経営情報学部・データサイエンス学部

数字とデータで、会社と社会の困りごとを解く

まず、名前の似た学部とのちがいです。経営学部は、会社の戦略、マーケティング、会計、組織など「会社をどう動かすか」が中心です。情報学部や情報工学科は、コンピュータのしくみやプログラミング、ネットワークなど「情報技術そのもの」が中心です。経営情報学部は、その2つを組み合わせて「情報技術を使って会社をどう動かすか」を学ぶ学部で、日本では1987年に静岡県立大学に設置されたのが最初とされています。データサイエンス学部は、統計学と情報学を土台に、大量のデータから価値を引き出す方法を学ぶ学部で、2017年に滋賀大学が日本で初めて設置し、その後、横浜市立大学(2018年)、武蔵野大学(2019年、私立大学で初)、一橋大学(2023年、ソーシャル・データサイエンス学部)などが続きました。

よくある勘違い

パソコンが得意な人がプログラマーになるための学部

実は

プログラミングは道具の1つで、目的はデータや情報システムを使って、会社や社会の課題を解決することです。経営、統計、情報の3つを組み合わせて学ぶのが特徴で、卒業生はIT企業だけでなく、メーカー、金融、コンサルティング、公務員など幅広く進みます。

どんな学科・専攻がある?

経営情報学部・データサイエンス学部ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

1課題をもらう企業や自治体から出された課題例:乗る人が少ないバス路線2データの前処理まちがいや抜けを直す思った以上に時間がかかる3チームで分析する統計やプログラミングを使う結果がはっきりしないことも4解決策を発表する相手の担当者の前で改善案を提案する1〜2年で統計・プログラミング・数学の基礎3年ごろから本物のデータで課題を解く

経営情報学部・データサイエンス学部では、パソコンを使った演習と、実際のデータを使ったプロジェクトが学びの中心です。1〜2年生で統計、プログラミング、数学の基礎を身につけ、3年生ごろからは企業や自治体から提供されたデータを分析して、課題の解決策を提案するプロジェクト型の授業に取り組みます。たとえば、自治体のバスの乗車データから、乗る人が少ない路線の改善案を考えるといった内容です。データの前処理(まちがいや抜けを直す作業)に思った以上に時間がかかったり、分析の結果がはっきりしなかったりと、教科書どおりにいかない難しさを経験します。4年生ではゼミで卒業研究に取り組み、論文やシステムとしてまとめます。

プログラミング演習1〜2年生で、毎週パソコン教室でプログラミングの課題に取り組みます。データの読み込み、集計、グラフ化など、分析の基本を身につけます。
PBL(課題解決型学習)企業や自治体から出された課題に、チームで取り組みます。データを分析して解決策を考え、最後に相手の担当者の前で発表します。
データ分析コンペ企業などが用意したデータで、予測の正確さを競うコンテストに参加する学生もいます。上位に入ると、就職活動でアピールできることもあります。
インターンシップIT企業やメーカー、金融機関などで、数週間から数か月ほど働き、実際のデータ分析やシステム開発を経験します。
卒業研究4年生でゼミに所属し、自分で選んだテーマについてデータを分析したり、システムをつくったりして、論文にまとめます。

大学生活の流れ

1年統計学、プログラミング、数学の基礎、経営学入門などを学びます。高校で数学を十分に学んでいない人向けに、補習の授業を用意している大学もあります。
2年機械学習、データベース、マーケティング、会計など、より専門的な科目を学びます。コースやメジャーを選ぶ大学もあります。
3年企業や自治体と連携したプロジェクトに取り組み、ゼミに所属します。インターンシップや就職活動の準備も始まります。
4年卒業研究に取り組みながら、就職活動や大学院の入試の準備を進めます。
大学院データサイエンスや情報学の大学院に進み、より高度な分析手法や研究に取り組みます。データサイエンティストや研究職をめざす人が多く進学します。

取れる資格・免許

ITパスポート試験ITの基礎知識を問う国家試験です。経営やセキュリティの内容も含まれていて、1年生のうちに受ける学生も多くいます。
基本情報技術者試験ITエンジニアの基礎となる国家試験です。プログラミングやアルゴリズム、システム開発の知識が問われます。
統計検定日本統計学会が認定する統計の検定です。4級から1級までの級のほか、データサイエンス基礎、発展、エキスパートの区分もあります。1級以外はパソコンで受けるCBT方式です。
日商簿記検定会社のお金の記録と計算の知識を問う検定です。経営情報学部では、会計の授業とあわせて2級や3級をめざす学生が多くいます。
中学校・高等学校教諭一種免許状(数学、情報、商業など)大学によっては教職課程があり、情報や数学、商業の先生の免許がとれます。

経営情報学部・データサイエンス学部の卒業後の進路

経営情報学部IT企業・情報サービスもっとも多い会社や役所のシステムや、データ分析の基盤をつくるデータサイエンティスト売り上げやお客さんのデータを分析し、経営の判断に役立てるコンサルティング会社企業の課題をデータで分析し、解決策を提案するメーカー・金融・広告生産データで品質を上げる、融資の審査、広告の効果を測るなど公務員国や自治体で、統計の作成やデータを使った政策づくり大学院データサイエンティストや研究職をめざして進む人も少なくない経営・統計・情報の3つを組み合わせて学ぶからデータを扱うあらゆる分野へ進める
滋賀大学データサイエンス学部の2024年度卒業者93人では、就職75人・進学17人(河合塾Kei-Net)

卒業生の進路は、IT企業や情報サービス業がもっとも多く、メーカー、金融、コンサルティング、広告、公務員など、データや情報システムを扱うあらゆる分野に広がっています。大学院に進んで、より専門的なデータサイエンティストや研究職をめざす人も少なくありません。たとえば、滋賀大学のデータサイエンス学部では、2024年度の卒業者93人のうち、就職が75人、進学が17人でした(河合塾Kei-Net)。横浜市立大学のデータサイエンス学部では、2023年3月の就職者のうち、情報通信業・マスコミが49.0%、広告・コンサルティング・専門サービス業が17.0%を占めています。

もっと知りたい人へ

経営学部・情報学部とのちがい

3つの学部を、料理にたとえるとわかりやすくなります。経営学部は「どんなお店にして、どうやってお客さんを集めるか」を考える学部です。情報学部は「お店で使うレジやアプリを、どんな技術でつくるか」を考える学部です。経営情報学部は「レジやアプリのデータを使って、お店の経営をどうよくするか」を考える学部です。データサイエンス学部は、データを分析する方法そのものを深く学び、お店だけでなく、病院、スポーツ、行政など、あらゆる分野でデータを生かすことをめざします。

経営学部との比べ方

経営学部でもデータ分析を学ぶ機会は増えていますが、経営情報学部はプログラミングや情報システム、統計の授業の割合が高いのが特徴です。会社の経営に興味があり、ITも使いこなしたい人に向いています。

情報学部との比べ方

情報学部や情報工学科は、コンピュータのしくみやソフトウェアの開発を深く学びます。経営情報学部やデータサイエンス学部は、技術を使ってビジネスや社会の課題を解決することに重点があります。

向いている人

数字やグラフを見るのが好きな人、「なぜこうなるのか」をデータで確かめたい人に向いています。プログラミングの経験は入学前になくてもかまいませんが、パソコンでコツコツと作業を続けることが苦にならないことは大切です。また、データの分析は、それを使う人に伝わってはじめて意味をもつので、人と話したり、わかりやすく説明したりするのが好きな人も力を発揮できます。スポーツの成績データや、ゲームの攻略の数字を調べるのが好きな人にも向いています。

経営情報学部に向いている人

会社のしくみや、お店の経営に興味があり、ITを道具として使いこなしたい人に向いています。数学がとても得意でなくても、文系の入試で入れる大学もあります。

データサイエンス学部に向いている人

数学、とくに確率や統計が好きな人、データからパターンを見つけるのが楽しい人に向いています。理系の入試を課す大学が多いです。

高校生のうちに(文理・受験科目)

経営情報学部は、文系型と理系型の両方の入試を用意している大学が多く、英語、国語、数学を中心に受けられます。データサイエンス学部は、数学を必須にしている大学が多く、国公立大学では数学IIIまで求める大学もあります。どちらの学部でも、入学後は統計や数学を使うので、数学IAとIIBC、とくに確率、データの分析、数列、ベクトルをしっかり理解しておくことが大切です。高校の「情報I」の内容も、入学後の学びに直接つながります。

普段からできること

無料で学べるプログラミングの学習サイトでPythonにふれてみる、国や自治体が公開している統計データを見てグラフをつくってみる、といったことが入学後に役立ちます。

数学が苦手な場合

経営情報学部の文系型の入試なら、数学なしで受けられる大学もあります。ただし、入学後は統計を必ず学ぶので、高校のうちに苦手意識を少しでも減らしておくと安心です。

よくあるギャップ

入学してから多くの人が驚くのは、数学の量です。とくにデータサイエンス学部では、統計学や線形代数、微分積分を本格的に学ぶので、文系で入った人は苦労することがあります。また、実際のデータは教科書のようにきれいではなく、抜けやまちがいを直す作業に多くの時間がかかります。「AIをつくる華やかな仕事」というイメージとはちがい、地道な作業が多いことを知っておくとよいです。

分析だけでは終わらない

データを分析して終わりではなく、その結果を使う人に説明し、行動を変えてもらうところまでが仕事です。人に伝える力の大切さに気づく学生も多いです。

技術の変化が速い

AIやデータ分析の技術は、数年で大きく変わります。大学で学んだことを土台に、社会に出てからも学び続ける姿勢が求められます。

データサイエンスが使われている場所

データサイエンスは、私たちの身近なところですでにたくさん使われています。たとえば、動画サイトのおすすめ、ネット通販の「この商品を買った人はこんな商品も見ています」、天気予報、電車の混雑予測、スポーツの選手の起用や戦術の分析などです。病院では、検査のデータから病気の早期発見に役立てる研究も進んでいます。国の取り組みとして、大学での数理・データサイエンス・AI教育を認定する制度もあり、データを扱う力は、どの学部の学生にも求められるようになっています。

スポーツとデータ

野球やサッカーでは、選手の動きやボールの速さ、回転などをデータで記録し、練習や作戦に生かすことが広がっています。プロ野球の球団に就職するデータサイエンス学部の卒業生もいます。

行政とデータ

自治体では、人口や交通、災害のデータを分析して、バスの路線や避難所の配置を考えるなど、データにもとづく政策づくりが進められています。

よくある質問

プログラミングの経験がなくても大丈夫ですか。

多くの大学では、1年生でプログラミングの基礎から学べるようになっています。入学前の経験は必須ではありませんが、少しでもふれておくと入学後に楽になります。

文系でも入れますか。

経営情報学部は文系型の入試を用意している大学が多くあります。データサイエンス学部も、文系型の入試がある大学がありますが、数学を必須にしている大学が多いので、志望大学の入試科目を確認しましょう。

経営情報学部とデータサイエンス学部はどうちがいますか。

経営情報学部は、経営学と情報学を組み合わせて、会社の経営にITやデータを生かすことを学びます。データサイエンス学部は、統計学と情報学を土台に、データの分析方法そのものを深く学び、ビジネスに限らずあらゆる分野でデータを生かすことをめざします。

データサイエンティストになるには大学院に行く必要がありますか。

学部を卒業してデータ分析の仕事に就く人も多くいます。ただし、研究開発や高度な分析を担当する仕事では、大学院で学んだ人が多い傾向があります。

AIが発達すると、データサイエンティストの仕事はなくなりませんか。

AIの道具が便利になっても、どんな問題を解くべきかを決めること、データの意味を読み取ること、結果を使って人を動かすことは、人が担う大切な仕事です。技術が変わるので、学び続けることが大切です。

情報学部とどちらがいいか迷っています。

ソフトウェアやコンピュータのしくみそのものを深く学びたいなら情報学部、ITやデータを使ってビジネスや社会の課題を解決したいなら経営情報学部やデータサイエンス学部が合っています。

どんな資格がとれますか。

ITパスポート試験や基本情報技術者試験などのIT系の国家試験、統計検定、日商簿記検定などをめざす学生が多くいます。大学によっては、情報や数学、商業の教員免許もとれます。

就職先はIT企業ばかりですか。

IT企業に進む人が多いですが、メーカー、金融、コンサルティング、広告、公務員、スポーツ球団など、データを扱うさまざまな分野に進んでいます。

数学が苦手でもやっていけますか。

統計や数学の授業は避けられませんが、大学によっては高校数学の復習から始める授業や、学習サポートを用意しています。苦手でも、コツコツ取り組めば身につけられます。

この分野のことば

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

この学部に通うといくらかかる?国公立・私立・学部ごとの学費の総額を見る

ほかの学部も見てみる