ミライ図鑑ログイン
おすすめ動画も、コンビニの品ぞろえも。数字の山から「次の一手」を見つける仕事

データ分析・データサイエンティスト

データ分析・データサイエンティストは、会社にたまった大量のデータを集めて整理し、統計やAI(機械学習)を使って分析し、会社がよりよい判断をできるようにする仕事です。たとえば、動画アプリが「あなたへのおすすめ」を表示するしくみ、コンビニが天気や曜日からおにぎりの仕入れ数を予測するしくみ、クレジットカードの不正利用を見つけるしくみは、データサイエンティストが作っています。仕事の中身は、データを見える形にするデータアナリスト、予測モデルやAIを作るデータサイエンティスト、データをためる土台を作るデータエンジニア、AIを製品に組み込む機械学習エンジニアなどに分かれます。数学、プログラミング、ビジネスの3つの力を組み合わせる、いま多くの会社で求められている仕事です。

平均年収の目安約612万円データサイエンティストの目安新卒は会社の初任給の水準から。経験を積んだ人や、外資系IT企業・コンサルティング会社では1,000万円を超える人もいます
なるまでの難しさ★★★★★必須の国家資格はありませんが、統計学、プログラミング、機械学習などの専門知識が必要で、大学や大学院で数学や情報を学んだ人が多い仕事です。新しい技術が次々に出てくるので、働き始めてからも学び続ける必要があります。
決めどき理系が中心

高校1〜2年で文理を選ぶとき(数学をしっかり学べる選択が近道)

データ分析・データサイエンティストの中の、細かい担当

同じデータ分析・データサイエンティストでも、担当によって仕事はまったく違います。押すと、それぞれの仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

どんな会社にある?

データ分析・データサイエンティストの仕事は、IT・インターネット企業にとくに多く、銀行・保険・証券などの金融、小売・通販、メーカー、通信、広告、ゲーム、コンサルティング会社、官公庁や研究機関にも広がっています。データ分析やAI開発を専門に請け負う会社もあります。大企業では、データ分析の専門部署(データサイエンス部、DX推進部など)を作り、アナリスト、サイエンティスト、エンジニアが役割を分けて働いています。中小企業やベンチャーでは、一人がデータの準備から分析、報告まで幅広く担当することが多いです。

どの学部の人が多い?

データ分析・データサイエンティストは、理学部(数学・物理)、工学部(情報工学など)、情報系の学部の出身者が多い仕事です。2017年に滋賀大学が日本で初めてデータサイエンス学部をつくって以来、データサイエンスを学べる学部や学科は全国の大学に広がっています。経済学部で計量経済学を学んだ人や、心理学・社会学で統計を使った研究をした人もいます。とくにデータサイエンティストや機械学習エンジニアでは、大学院(修士課程)で専門を深めてから就職する人が多いです。

データ分析・データサイエンティストの年収と昇進の流れ

ジュニア(アナリスト・エンジニア)400〜550万円
1〜3年目、22〜27歳

先輩の指導を受けながら、データの取り出し、集計、決まったレポートやモデルの改善を担当します。一人で分析を進められるようになると次の段階に進みます。

ミドル(一人立ちした分析者)500〜750万円
3〜6年目、25〜32歳

自分で課題を見つけ、分析やモデル作りを進め、結果を現場に生かします。成果を出し、後輩の指導もできるとシニアになります。

シニア・リード650〜1,000万円
6〜10年目、30〜38歳

難しい分析やAI開発の中心となり、技術的な判断に責任を持ちます。プロジェクトのリーダーも務めます。

マネージャー800〜1,200万円
35〜45歳

データ分析チームをまとめ、取り組む課題の選定とメンバーの育成に責任を持ちます。

部長・プリンシパル(専門職の上位)1,000〜1,600万円
40代〜

部門全体の方針を決める管理職か、会社を代表する技術の専門家として活躍します。

CDO・役員1,300〜2,500万円
45歳〜

会社全体のデータ戦略に責任を持ちます。会社の規模や業界で大きく変わります。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

IT・インターネット企業(事業会社)500万〜1,000万円以上

自社のアプリやサービスのデータを分析し、おすすめ機能や広告、サービスの改善に生かします。データが豊富で、分析の結果がすぐにサービスに反映されるのが魅力です。在宅勤務などの柔軟な働き方をとり入れている会社も多いです。

良いところデータが豊富で、成果がすぐ見え、最新技術にふれやすい

大変なところ変化が速く、常に学び続ける必要がある

金融・メーカー・小売などの大企業会社の給与水準に沿い、600万〜1,000万円程度

お金を貸すときの審査、工場の品質管理、仕入れの予測など、本業の改善のためにデータ分析をします。大企業ではDX推進部などの専門部署が増えています。

良いところ安定していて、社会への影響が大きい仕事ができる

大変なところ古いシステムやデータの整理に苦労することがある

コンサルティング会社・分析専門会社若手から高めで、役職とともに大きく上がる

いろいろな会社や業界の課題を、データ分析で解決する手伝いをします。プロジェクトごとにテーマが変わり、幅広い経験が積めます。

良いところ多様な業界の経験と高い専門性が身につく

大変なところ締め切りが厳しく、忙しい時期がある

AIベンチャー・研究開発型企業専門性によって幅が大きく、高い水準の例も

新しいAI技術を研究・開発し、製品やサービスにする会社です。大学院で研究した人が多く、論文を書いたり学会で発表したりすることもあります。

良いところ最先端のAIの研究開発に取り組める

大変なところ高い専門性が求められ、会社の安定性は大手より低いこともある

代表的な会社・職場

大手インターネット企業フリマアプリネット広告・メディアデータ分析専門会社AI研究開発企業コンサルティング・ITサービス大手ITサービス企業メガバンク・大手損害保険会社大手メーカー
LINEヤフー ›大手インターネット企業

検索、ニュース、メッセージアプリ、決済などのサービスのデータを分析し、広告やサービスの改善に生かしています。

楽天グループ ›大手インターネット企業

ネット通販、金融、携帯電話などのサービスを持ち、会員データの分析に力を入れています。

メルカリ ›フリマアプリ

出品や取引のデータを分析し、AIによる出品の手助けや不正の検知に生かしています。

サイバーエージェント ›ネット広告・メディア

ネット広告の効果の予測や、AIによる広告の制作に取り組んでいます。

ブレインパッドデータ分析専門会社

企業のデータ分析やデータ活用の支援を専門に行う会社です。

Preferred NetworksAI研究開発企業

ディープラーニングなどのAI技術の研究開発を行う日本の会社です。

アクセンチュア・野村総合研究所などコンサルティング・ITサービス

企業のデータ活用やAI導入を、戦略づくりからシステム開発まで支援しています。

NTTデータ・富士通・NEC大手ITサービス企業

官公庁や企業向けに、データ分析やAIを使ったシステムを開発しています。

三菱UFJ銀行・東京海上日動などメガバンク・大手損害保険会社

審査や不正の検知、保険料の計算などにデータ分析を使い、専門の部署を設けています。

トヨタ自動車・日立製作所など大手メーカー

自動運転、工場の効率化、機械の故障予測などにデータ分析やAIを活用しています。

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

たまったデータ売上・天気など分析する統計やAIを使う売上を増やすおすすめ機能効く広告を選ぶ費用を減らす仕入れの予測で売れ残りを減らすリスクを減らすカードの不正利用の検知分析そのものを売る会社も分析やAI開発の請け負い、分析の道具の販売よりよい判断で、もうけを増やしむだを減らす
データ分析そのものが商品やサービスの中心になっている会社もあります

データ分析の価値は、会社の判断をよりよくして、売上を増やしたり、むだな費用を減らしたりすることです。たとえば、仕入れの予測が正確になれば売れ残りが減り、広告の効果がわかれば効かない広告にお金を使わずにすみます。また、おすすめ機能や不正利用の検知のように、データ分析そのものが商品やサービスの中心になっている会社もあります。

1
売上を増やす

おすすめ機能、お客さんごとのクーポン、効果の高い広告の選び方など、データ分析で売上を伸ばします。たとえば動画アプリでは、おすすめが当たるほど長く見てもらえます。

2
費用を減らす

仕入れの予測で売れ残りを減らしたり、機械の故障を予測して早めに直したり、配送ルートを効率化したりして、むだな費用を減らします。

3
リスクを減らす

銀行のお金を貸すときの審査、クレジットカードの不正利用の検知、保険の料金の計算など、金融ではデータ分析がリスクを見きわめるのに使われます。

4
分析サービスを売る

データ分析やAI開発を専門に請け負う会社や、分析の道具(ソフトウェア)を作る会社は、ほかの会社からその代金を受け取ります。

5
データそのものの価値

たくさんのお店の売上データや、人の移動のデータなどを集めて、加工して販売する会社もあります。データは「21世紀の石油」と呼ばれることもあります。

入ってからどうなっていく?

1〜2年目データに慣れる研修でSQLやPython、会社のデータのしくみを学び、先輩の指導を受けながら、決まったレポートの作成やデータの取り出しを担当します。会社の事業やデータの意味を覚える時期です。
3〜5年目一人で分析を進める自分で課題を見つけ、分析の計画を立て、結果を報告して改善につなげられるようになります。予測モデルを作ったり、A/Bテストを設計したりと、専門的な仕事も任されます。
6〜10年目専門家・リーダー難しい分析やAI開発を中心になって進め、若手を指導します。分析の専門家として深める道か、チームをまとめる道かを選ぶ時期です。
30代後半〜40代マネージャー・責任者データ分析チームや部門のマネージャーとして、どの課題に取り組むかを決め、メンバーの育成に責任を持ちます。
40代〜CDO・事業責任者会社全体のデータ活用を進める最高データ責任者(CDO)や、データを使った新しい事業の責任者になる人もいます。専門家として研究や技術の第一線で活躍し続ける人もいます。
よくある転職・独立専門性を武器にデータ分析の経験は業界をこえて求められるため、IT企業、金融、コンサルティング会社などへの転職が多いです。フリーランスとして分析の仕事を請け負う人や、AIのベンチャー企業を起業する人もいます。

データ分析プロジェクトの流れ(需要予測の例)

1課題を決める現場の困りごと売れ残りを減らしたい分析の問題明日、何個売れる?2データを集める売上天気気温曜日祝日近くのイベント3データを整える(前処理)まちがいや抜けを直す。ここに多くの時間を使う4分析とモデル作りいくつかのモデルを作り、当たり方を比べる5一部の店で試す売れ残りの変化を見る6効果を報告全店に広げるか判断7毎日自動で動かす精度を見守りながら改善を続けるデータを整える作業に、多くの時間を使う
お弁当の売れ残りを減らしたい場合の例
1
課題を決める

「お弁当の売れ残りを減らしたい」という現場の困りごとを聞き、「明日、店ごとに何個売れるかを予測する」という分析の問題に置きかえます。

2
データを集める

過去の売上、天気、気温、曜日、祝日、近くのイベントなど、予測に役立ちそうなデータを集めます。

3
データを整える(前処理)

まちがったデータや抜けているデータを直し、分析しやすい形にそろえます。ここに多くの時間を使います。

4
分析とモデル作り

データをグラフにして傾向をつかみ、いくつかの予測モデルを作って、どれが一番よく当たるかをくらべます。

5
現場で試す

一部のお店で予測にもとづいて仕入れをしてみて、売れ残りや売り切れがどう変わるかを確かめます。

6
効果を報告する

結果をわかりやすくまとめて報告し、全店に広げるかどうかを判断してもらいます。

7
運用と改善

予測のしくみを毎日自動で動かし、精度が落ちていないかを見守りながら改善を続けます。

統計検定・G検定(民間資格)

合格率G検定は2025年第3回で81.72%。統計検定2級は紙の試験だった2018〜2021年に3〜4割台
勉強時間の目安G検定は数十時間、統計検定2級は大学の統計の授業1年分程度の学習が目安とされています
受験資格だれでも受験できます(年齢・学歴の制限なし)
統計検定2級は、大学で統計学をひととおり学んだレベルの問題が出され、紙の試験だった時期の合格率は3〜4割台と、しっかりとした勉強が必要な試験でした。G検定は合格率が8割前後と高めですが、出題範囲が広く、AIの歴史から法律まで幅広い知識が問われます。どちらもデータ分析の仕事に必須ではありませんが、知識を体系的に身につける目標として役立ちます。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 統計検定4級・3級中学・高校レベルの統計を学ぶ入門の級です。高校生も受験しています。
  2. 統計検定2級大学の基礎の統計レベルで、データ分析の仕事の土台になります。
  3. G検定AIを活用するための基礎知識を問う検定で、オンラインで受験できます。
  4. 統計検定準1級・1級/E資格より高度な統計や、AIを実装するエンジニア向けの専門的な試験です。

データ分析・データサイエンティストのある1日

9:30

出社して、毎朝自動で作られる売上のダッシュボードを確認し、いつもと違う動きがないかチェックします。

10:00

チームの朝会。それぞれの分析の進み具合と、困っていることを共有します。

10:30

SQLを書いてデータベースから半年分の購入データを取り出し、Pythonで整えます。

12:00

昼食。同僚と最近話題のAIの論文について話します。

13:00

需要予測モデルの精度を上げるため、天気や祝日のデータを追加して試します。

15:00

マーケティング部門と打ち合わせ。「解約しそうなお客さん」の分析結果をグラフで説明し、対策を話し合います。

16:30

新しく始めるA/Bテストの設計。何人を対象に、どれくらいの期間テストすれば結果を信頼できるかを計算します。

17:30

分析の手順と結果を社内の資料にまとめ、ほかの人も再現できるようにコードを整理します。

18:30

退社。在宅勤務の日も多く、家から同じように仕事をすることもあります。

もっと知りたい人へ

そもそもデータ分析・データサイエンティストとは

データ分析とは、たくさんの数字や記録を整理して調べ、そこから意味のある発見をして、判断や行動に役立てることです。データサイエンティストは、統計学、プログラミング、ビジネスの知識を組み合わせて、データから価値を生み出す専門家です。たとえば、スマホの地図アプリが道の混み具合を表示できるのは、たくさんのスマホの位置データを分析しているからです。身の回りの便利なサービスの多くに、データ分析が使われています。

3つの力の組み合わせ

データサイエンティストには、統計や数学の力(データを正しく扱う)、プログラミングやITの力(大量のデータを処理する)、ビジネスの力(何のために分析するかを考える)の3つが必要だといわれます。一般社団法人データサイエンティスト協会も、この3つの力でデータサイエンティストのスキルを整理しています。

身近なデータ分析の例

動画アプリのおすすめ、ネット通販の「この商品を買った人はこんな商品も」、天気予報、電車の混雑予測、スマホの写真アプリが人の顔をまとめる機能、迷惑メールの自動振り分けなど、毎日使っている多くのものにデータ分析やAIが使われています。

統計学とAIの関係

データ分析の土台は統計学です。平均やばらつき、相関、推定、検定といった統計の考え方を使って、データから正しい結論を導きます。AI(機械学習)は、その発展として、たくさんのデータからコンピューターが自動でパターンを学ぶ技術です。

なるためのルート

データ分析・データサイエンティストになるための必須の資格はありません。多いのは、大学の理学部、工学部、情報系やデータサイエンス系の学部で統計やプログラミングを学び、データ分析職として就職するルートです。データサイエンティストや機械学習エンジニアでは、大学院の修士課程まで進む人も多いです。システムエンジニアやマーケティングなどほかの仕事から、勉強してデータ分析職に移る人もいます。

  1. 高校で数学をしっかり学ぶ数学I・A、II・B、できればIIIまで学び、データの分析や確率の単元を大切にします。理系を選ぶ人が多いですが、文系から目指す人もいます。
  2. 大学で統計・情報を学ぶデータサイエンス学部、情報系学部、理学部数学科、工学部、経済学部(計量経済学)などで、統計学とプログラミングを学びます。
  3. 実際のデータで分析してみるゼミや研究、データ分析のコンペティション、インターンシップで、実際のデータを分析する経験を積みます。
  4. 大学院に進む(任意)機械学習やAIの専門家を目指すなら、修士課程で研究を深める人が多いです。
  5. データ分析職として就職IT企業、金融、メーカー、コンサルティング会社などのデータ分析職やエンジニア職に応募します。
  6. 現場で経験を積む会社のデータと事業を理解しながら、分析やモデル作りの経験を積み、専門性を高めます。
データサイエンス学部が増えている

2017年に滋賀大学が日本で初めてデータサイエンス学部をつくり、その後、横浜市立大学、武蔵野大学、立正大学、一橋大学(ソーシャル・データサイエンス学部)など、データサイエンスを学べる学部や学科が全国に増えています。文系の受験科目で入れる学部もあります。

ほかの仕事から移る人も多い

システムエンジニア、マーケティング、研究職、金融の仕事などから、働きながら統計やプログラミングを学び、データ分析職に移る人も多いです。オンラインの講座や資格試験で学ぶ人もいます。

試験・選考の詳細

データ分析の仕事に必須の国家資格はありませんが、知識の目安になる資格があります。統計学の知識を問う統計検定、AIやディープラーニングの基礎知識を問うG検定(ジェネラリスト検定)とエンジニア向けのE資格、ITの国家試験である基本情報技術者試験などです。会社の採用選考では、統計やプログラミングの知識を問う筆記試験やコーディング試験、これまでの分析の経験を説明する面接が行われることがあります。

統計検定

一般財団法人統計質保証推進協会が行う、統計学の知識を問う検定です。4級から1級まであり、大学で学ぶ基礎の統計は2級が目安とされています。2級は現在、パソコンで受けるCBT方式で、紙の試験だった2018〜2021年の合格率は3〜4割台でした。

G検定(ジェネラリスト検定)

日本ディープラーニング協会が行う、AIやディープラーニングを活用するための基礎知識を問う検定です。オンラインで受験でき、2025年第3回の合格率は81.72%、累計の合格者数は10万人を超えています。

コーディング試験とポートフォリオ

IT企業の採用では、その場でSQLやPythonの問題を解くコーディング試験や、データを渡して分析させる課題が出されることがあります。大学での研究や、分析コンペティションの成績、自分で作った分析の成果物が評価されることもあります。

年収のリアル

job tagに掲載された令和7年賃金構造基本統計調査の加工値では、データサイエンティストの年収は約611.9万円(平均43.9歳)です。データ分析の専門家は多くの会社で不足しているといわれ、経験と専門性があれば、転職によって年収を上げやすい職種です。外資系IT企業、コンサルティング会社、金融機関などでは、1,000万円を超える人もいます。一方、新卒で入社した直後は、ほかの職種と同じ初任給から始まる会社も多いです。

専門性で大きく差がつく

データを集計してグラフにする仕事と、新しいAIのモデルを開発する仕事では、求められる専門性がちがい、年収にも差が出ます。統計や機械学習の深い知識と、それをビジネスに生かした実績がある人ほど、高く評価されます。

専門職の給与制度

IT企業などでは、データサイエンティストやAIエンジニアに対して、新卒でも能力に応じて高い給与を払う制度を設ける会社も出てきています。管理職にならなくても、専門家として給与が上がっていく制度を持つ会社もあります。

やりがい

データ分析のやりがいは、誰も気づいていなかった発見をして、それが会社の判断や社会を変えることです。たとえば、自分の作った予測モデルで食品の売れ残りが減ったり、病気の早期発見に役立ったりすると、大きな達成感があります。また、データ分析の技術は、ビジネス、医療、スポーツ、農業、行政など、あらゆる分野で使えるので、興味のある分野で活躍できます。

謎を解く面白さ

「なぜ売上が下がったのか」「なぜこのお客さんは解約したのか」をデータから探るのは、探偵が手がかりから謎を解くような面白さがあります。仮説を立て、データで確かめ、答えにたどり着いたときの喜びは大きいです。

最先端の技術にふれられる

AIの技術は毎年のように大きく進歩しています。新しい論文や技術を学び、実際の仕事で試せるのは、データ分析の仕事ならではの魅力です。

大変なこと・きついこと

データ分析の仕事は、華やかなAI開発のイメージとちがい、実際にはデータを整える地道な作業に多くの時間を使います。データにはまちがいや抜けがたくさんあり、それを直す「前処理」に仕事の大部分を使うともいわれます。また、分析しても期待した結果が出ないこと、せっかくの分析結果が現場で使われないこともあります。技術の変化が速いので、常に勉強し続ける必要があります。

伝わらないと意味がない

どんなにすごい分析をしても、現場の人に理解されて使ってもらえなければ、会社にとっての価値は生まれません。専門用語を使わずに、わかりやすく説明する力が必要で、ここに苦労する人も多いです。

データの扱いへの責任

お客さんの個人情報をふくむデータを扱うことも多いので、法律やルールを守り、情報がもれないように注意する責任があります。また、AIが差別的な判断をしないように気をつけることも大切です。

向いている人

データ分析・データサイエンティストに向いているのは、数学やパズルが好きで、物事を筋道立てて考えるのが得意な人です。「なぜだろう」と疑問を持ち、答えが見つかるまで調べ続けられる人、細かい作業をこつこつ続けられる人も向いています。また、分析の結果を人に伝える仕事でもあるので、自分の考えをわかりやすく説明するのが好きな人も活躍できます。

数学が得意でなくても目指せる?

数学の力はあるほど有利ですが、データアナリストやマーケティングアナリストなど、ビジネスに近い分析の仕事では、高度な数学よりも、データの読み方と伝える力が重視されることもあります。基礎の統計は、大学や働き始めてからでも学べます。

好奇心が一番の武器

データ分析の対象は、売上、スポーツ、医療、天気、SNSなど何でもあります。いろいろなことに興味を持ち、「データで調べたらどうなるだろう」と考えられる人は、この仕事を楽しめます。

高校生のうちにできること

まず、数学をしっかり学びましょう。とくに、数学Iの「データの分析」、数学Aの「場合の数と確率」、数学Bの「統計的な推測」は、データ分析の基礎そのものです。情報Iの授業で学ぶプログラミングやデータの活用も、そのまま役立ちます。

身近なデータを分析してみる

部活動の記録、テストの点数、天気と気温、好きなスポーツチームの成績などのデータをExcelやスプレッドシートにまとめ、グラフにしてみましょう。「気温が高い日はどうなるか」など、自分で疑問を立てて調べるのがよい練習になります。

プログラミングに挑戦する

Pythonはデータ分析でもっともよく使われる言語で、無料の学習サイトや本で高校生からでも学べます。統計検定4級・3級や、データ分析のコンテストに挑戦するのもよい経験になります。

代表的な会社・職場

データ分析・データサイエンティストが多く働くのは、IT・インターネット企業です。そのほか、銀行や保険などの金融、小売や通販、メーカー、通信、広告、ゲーム、コンサルティング会社、データ分析やAI開発を専門にする会社でも多くの人が働いています。

IT・インターネット企業

LINEヤフー、楽天グループ、メルカリ、サイバーエージェントなどのネット企業では、サービスの改善や広告、おすすめ機能のために、多くのデータサイエンティストが働いています。

専門の会社

ブレインパッドのようなデータ分析を専門に請け負う会社、Preferred NetworksのようなAIの研究開発の会社、アクセンチュアなどのコンサルティング会社でも、データ分析の専門家が多く働いています。

データ分析の職種のちがい

データにかかわる仕事は、役割によっていくつかに分かれます。データアナリストは「何が起きているか」を明らかにし、データサイエンティストは「これから何が起きるか」を予測し、データエンジニアは分析のための土台を作り、機械学習エンジニアはAIを製品として動かします。会社によって呼び方や役割の分け方はちがいますが、自分がどこに興味があるかを考えるときの目安になります。

ビジネス寄りか、技術寄りか

データアナリストやマーケティングアナリストはビジネスに近く、会社の人と話して課題を見つけることが多い仕事です。データエンジニアや機械学習エンジニアは技術に近く、プログラミングやシステムを作ることが中心です。データサイエンティストはその間にあります。

キャリアの中で移ることもできる

データアナリストからデータサイエンティストへ、エンジニアからデータサイエンティストへなど、経験を積みながら別の役割に移る人も多いです。最初から一つに決める必要はありません。

AI時代のデータサイエンス

ChatGPTのような生成AIの登場で、データ分析の仕事も変わり始めています。AIがプログラムを書いたり、簡単な集計やグラフ作りを手伝ったりするようになり、作業のスピードは大きく上がりました。その一方で、何を分析すべきかを決めること、AIの出した答えが正しいかを確かめること、結果をもとに人を動かすことの大切さは、むしろ増しています。

生成AIを使った新しい仕事

会社の資料や問い合わせの記録を生成AIに読み込ませ、社員の質問に答えるしくみを作るなど、生成AIを業務に生かす仕事が急速に増えています。データサイエンティストや機械学習エンジニアが、こうしたしくみの開発を担っています。

社会全体で必要とされる力

国は、すべての大学生がデータサイエンスやAIの基礎を学べるように、大学の教育プログラムを認定する制度を進めています。データを読み解く力は、データサイエンティストだけでなく、これからのすべての社会人に必要な力になりつつあります。

よくある質問

文系でもデータサイエンティストになれますか?

なれます。経済学部で計量経済学を学んだ人や、心理学・社会学で統計を使った人もいます。文系の受験科目で入れるデータサイエンス学部もあります。ただし、統計やプログラミングは大学や仕事の中でしっかり学ぶ必要があります。

数学はどのくらいできればいいですか?

データアナリストなら、高校の数学I・A、II・Bの統計や確率の考え方がわかっていれば、仕事の中で伸ばしていけます。機械学習を深く扱うデータサイエンティストやAIエンジニアには、大学で学ぶ線形代数、微分積分、確率統計の知識が必要です。

大学院まで行かないといけませんか?

必ずしも必要ではありません。データアナリストやデータエンジニアは学部卒で就職する人も多いです。ただ、AIや機械学習の研究開発に近い仕事では、修士課程を修了した人が多いです。

AIが進化したらデータサイエンティストはいらなくなりますか?

簡単な集計やプログラムの作成はAIが手伝うようになっていますが、何を分析すべきかを決めること、結果が正しいかを判断すること、結果をビジネスに生かすことは、人の役割として重要です。AIを使いこなせるデータサイエンティストは、ますます求められると考えられています。

どんなプログラミング言語を学べばいいですか?

データ分析ではPythonとSQLがもっともよく使われます。Pythonはデータの集計から機械学習まで幅広く使え、SQLはデータベースからデータを取り出すのに使います。統計の分野ではRという言語も使われています。

データサイエンス学部と情報学部のちがいは何ですか?

データサイエンス学部は、統計学とデータ分析、それをビジネスや社会の課題に生かすことを中心に学びます。情報学部は、コンピューターやプログラミング、ネットワークなど、情報技術全般を幅広く学びます。どちらからでもデータ分析の仕事を目指せます。

役に立つ資格はありますか?

統計検定、G検定、E資格、基本情報技術者試験などがあります。必須ではありませんが、知識の証明になり、勉強の目標にもなります。実際の分析の経験や成果物も重視されます。

データ分析はどんな業界で役立ちますか?

IT、金融、小売、メーカー、医療、スポーツ、農業、行政など、ほぼすべての業界で使われています。たとえばプロ野球では、選手の投球や打球のデータを分析して作戦や練習に生かしています。

この分野のことば

年収について:厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に掲載された令和7年賃金構造基本統計調査の加工値で、データサイエンティストは約611.9万円(平均43.9歳)です。同じ調査上のグループには多様な仕事が含まれ、勤め先の業界や会社の規模、専門性の高さによって大きく変わります。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

ほかの仕事も見てみる