ミライ図鑑ログイン
</>

情報系学部

プログラミングはただの入口

情報系学部は、情報とコンピュータを使って問題を解決する方法を学ぶ学部です。「情報学部」「情報科学部」「情報理工学部」「データサイエンス学部」など名前はいろいろで、コンピュータの理論を深く学ぶ理系寄りの学部から、メディアや社会・経営と情報を組み合わせる文理融合の学部まであります。プログラミングと数学を土台に、AI、ネットワーク、セキュリティ、データ分析などを学び、チームでシステムを作る演習も多くあります。卒業後はIT企業のエンジニアを中心に、メーカー、金融、通信、コンサルティングなど幅広い業界でデジタル人材として働きます。たとえば、地図アプリの道案内、動画サイトのおすすめ、コンビニのレジ、電車のICカードの改札も、情報系の技術で動いています。

よくある勘違い

一日中パソコンでプログラムを書く学部

実は

プログラミングは基本の道具です。コンピュータのしくみ、アルゴリズム、データ分析、AI、セキュリティ、情報と社会の関係、人が使いやすいデザインなど学べることは幅広く、文系の科目で受験できる学部もあります。

どんな学科・専攻がある?

情報系学部ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

情報系学部の「手を動かす学び」の中心は、プログラミング演習とチームでの開発演習、そして卒業研究です。1〜2年生はほぼ毎週プログラミングの課題があり、動くまで粘り強くデバッグする必要があります。課題の締め切りが重なると、夜遅くまでパソコンに向かうこともあります。3年生ごろからは、数人のチームでアプリやWebサービスを企画・設計・開発・発表するプロジェクト型の演習があり、技術だけでなく役割分担やスケジュール管理の大変さも経験します。4年生では研究室に入り、AIの新しい手法、セキュリティ、データ分析、ロボット、ヒューマンインタフェースなどのテーマで卒業研究を行います。

プログラミング演習1〜2年生で週に1〜2回、計算機室などで課題に取り組みます。提出したプログラムが正しく動くか自動で採点されるしくみを使う大学もあります。
ハードウェア実験論理回路を組み立てたり、マイコンでセンサーやモーターを動かしたりする実験です。ソフトウェアだけでなく、コンピュータの物理的なしくみを体験します。
チーム開発演習(PBL)3年生ごろ、数人のチームで1学期ほどかけてアプリやシステムを作ります。企業や自治体から課題をもらい、最後に成果を発表する授業もあります。
データ分析演習実際のデータを使って、集計・可視化・機械学習のモデル作りまでを行います。分析結果をレポートやプレゼンテーションにまとめます。
インターンシップ・ハッカソンIT企業の夏のインターンシップや、短期間でサービスを作って競うハッカソンに参加する学生も多いです。就職活動につながることもあります。
研究室配属と卒業研究4年生で研究室に入り、1年間研究します。新しいアルゴリズムの提案やシステムの開発、実験による評価などを行い、卒業論文にまとめて発表します。

大学生活の流れ

学年演習1年基礎プログラミング線形代数・微積分2年専門の基礎アルゴリズムOS・データベース3年分野を選ぶAI・セキュリティ研究室を選ぶ4年卒業研究研究室に入る就職か大学院かプログラミングの課題(ほぼ毎週)チーム開発卒業研究毎週の課題で書く力をつけ、3年でチーム開発4年は研究室で1年間、卒業研究に取り組む
1年プログラミングの基礎と、線形代数・微分積分・離散数学などの数学を学びます。情報リテラシーや教養科目も並行して取ります。
2年アルゴリズムとデータ構造、計算機アーキテクチャ、OS、データベースなど専門の基礎科目が中心です。課題で書くプログラムが一気に大きくなります。
3年AI、ネットワーク、セキュリティ、メディアなど、専門分野を選んで学びます。チーム開発演習やインターンシップを経験し、研究室を選びます。
4年研究室で卒業研究に取り組みます。就職活動をする人と、大学院入試を受ける人に分かれます。
大学院修士課程でAIやセキュリティなどの研究を深めます。国立大学の情報系では大学院進学が多い例もあり(東京科学大学情報理工学院の2024年度卒業者の進学率は87.2%)、修了後にIT企業やメーカーの研究開発職につく人が多いです。

取れる資格・免許

基本情報技術者試験(国家試験)ITエンジニアの基礎知識を問う国家試験で、大学とは別に受験します。受験資格はなく、令和6年度の合格率は40.8%でした。授業の内容がそのまま勉強の土台になります。
応用情報技術者試験(国家試験)基本情報の一段上のレベルの国家試験です。令和6年度秋期の合格率は28.5%でした。在学中に合格する学生もいます。
高度情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士ネットワーク、データベース、セキュリティなどの専門分野の上位の国家試験です。社会人になってから挑戦する人が多いです。
教員免許(情報・数学)高校の情報、中学・高校の数学の教員免許を取れる大学があります。高校の情報の先生は不足していると言われ、需要がある分野です。
ITパスポートITを使う社会人向けの入門的な国家試験です。情報系の学生には基本的な内容ですが、最初の一歩として受ける人もいます。
統計検定・G検定など統計やAIの知識を測る民間の検定です。データサイエンス系の学部で受ける人が多いです。

情報系学部の卒業後の進路

</>情報系学部</>IT企業のエンジニアいちばん多いソフトウェア・Web・SIer・ゲーム・通信アプリやシステムを設計・開発するIT以外の業界メーカー・金融・商社・コンサル・公務員デジタル人材としての採用が広がる大学院(修士課程)多いAI・セキュリティなどの研究を深め、IT企業やメーカーの研究開発職へIT以外の業界でもデジタル人材として採用いちばん多いのはIT企業のエンジニア

情報系学部の卒業生は、IT企業のエンジニアになる人が最も多いです。ソフトウェア開発、Webサービス、システムインテグレーター(SIer)、ゲーム、通信など、IT業界の中でも会社の種類はさまざまです。さらに、メーカー、金融、商社、コンサルティング、公務員など、IT以外の業界でもデジタル人材としての採用が広がっています。大学院へ進む人も多く、AIやセキュリティなど研究色の強い仕事をめざす人は修士課程まで進むことが多いです。

IT企業(ソフトウェア開発・Webサービス) ›情報系学部の卒業生で一番多い進路です。アプリやWebサービス、業務システムの設計・開発、運用などを担当します。たとえば、フードデリバリーのアプリ、動画配信サービス、学校の連絡アプリなどを作り、毎日改良しています。SIer(システムインテグレーター) ›銀行や官公庁、企業などのお客さまから依頼を受けて、大規模な情報システムを作る会社です。設計やプロジェクト管理の仕事が多くなります。たとえば、銀行のATM、市役所の住民票のシステム、病院の電子カルテ、鉄道の座席予約システムなどを作ります。データサイエンティスト・AIエンジニア ›データ分析やAIモデルの開発を担当します。データサイエンス系の学部や、大学院でAIを研究した人が多く進みます。たとえば、コンビニの売上データから新商品の売れ行きを予測したり、工場の機械が壊れる前に異常を見つけるAIを作ったりします。通信・インフラ ›携帯電話会社や通信会社で、ネットワークの設計・運用、クラウドサービスの開発などを担当します。たとえば、スマホの電波がつながりにくい場所を減らしたり、動画やゲームのデータを大量に流しても止まらないネットワークを作ったりします。メーカー(組み込み・研究開発) ›自動車、家電、精密機器などに入るソフトウェア(組み込みソフト)や、AIを使った新しい製品を開発します。たとえば、車の自動ブレーキ、ロボット掃除機が部屋の形を覚えるしくみ、炊飯器の炊き方を決めるソフトなどを作ります。金融(銀行・証券・保険)のIT部門 ›金融のシステム開発やデータ分析、フィンテック関連の仕事をします。金融はIT投資が大きい業界です。たとえば、スマホの決済アプリ、ネットバンキング、株の取引システムの開発や安全対策を担当します。ITコンサルタント ›企業の経営課題をITで解決する方法を提案し、システムの導入を支援します。たとえば、紙とハンコで行っていた会社の手続きを、どんなシステムを入れればスマホで完結できるかを提案します。ゲーム・エンタメ・メディア ›ゲームのプログラマー、CG、映像配信のシステムなどを担当します。メディア情報系の学部から進む人が多いです。たとえば、キャラクターの動き、敵の行動パターン、オンライン対戦の通信のしくみなどをプログラムで作ります。公務員・教員 ›国や自治体のデジタル化を担う技術職や、高校の情報の先生になる人もいます。たとえば、マイナンバーカードを使った行政手続きのオンライン化を進めたり、高校で「情報I」を教えたりします。

もっと知りたい人へ

情報系学部の種類

情報系学部は名前と中身がさまざまです。大きく分けると、コンピュータの理論や技術を深く学ぶ理系型(情報科学部、情報理工学部、工学部の情報工学科など)、統計とデータ分析に重点を置くデータサイエンス型、情報と社会・経営・メディアを組み合わせる文理融合型があります。同じ「情報学部」でも、数学の比重や入試科目は大学によって大きく違うので、カリキュラムと研究室の一覧で中身を確認しましょう。

データサイエンス学部が増えている

2017年に滋賀大学が日本で初めてデータサイエンス学部を開設して以来、データサイエンスを名前に入れた学部・学科が全国で増えています。統計学と情報学の両方を学ぶのが特徴です。

文理融合型は入試も多様

文理融合型の学部では、文系の科目で受験できる入試を用意していることがあります。ただし入学後はプログラミングや統計を学ぶので、数学から逃げられるわけではありません。

AI時代に情報系で学ぶ意味

生成AIがプログラムを書けるようになり、「プログラマーはいらなくなる?」という声もあります。しかし、AIが書いたコードが正しいか判断し、システム全体を設計し、AIそのものを作り改良するには、情報学の深い理解が必要です。情報系学部で学ぶアルゴリズム、数学、コンピュータのしくみは、すぐには古くならない基礎です。AIを道具として使いこなす力と、AIを作る側の知識の両方が身につくのが情報系学部の強みです。

変化が速い分野

情報の世界は技術の変化がとても速く、大学で学んだ特定の言語やツールが数年で古くなることもあります。卒業後も学び続ける姿勢が大切です。

基礎ほど長く使える

流行の技術より、アルゴリズムや数学、コンピュータのしくみといった基礎のほうが長く役立ちます。大学の授業が基礎を重視するのはそのためです。

向いている人

しくみを考えるのが好きな人、うまく動かないときに原因を一つずつ調べるのが苦にならない人、ITで社会の課題を解決したい人に向いています。今プログラミングができなくても大丈夫で、入学してから始める人も多くいます。一方、「ゲームが好きだから」だけで選ぶと、数学や理論の多さに驚くかもしれません。

自分で調べて学べる人

情報の世界では、分からないことをドキュメントやネットで調べて自力で解決する力がとても大切です。

人と作るのが好きな人

実際のシステム開発はチームで行います。人と話し合いながら作り上げるのが好きな人も向いています。

高校生のうちに(文理・受験科目)

理系コースからの受験が多く、数学III・Cを求める大学が多いです。文理融合の学部では文系の数学で受けられることもあります。大学入学共通テストでは2025年から「情報I」が加わり、国立大学の多くで受験が必要になっているので、高校の情報の授業もしっかり取り組みましょう。

プログラミングに少しふれておく

無料の学習サイトなどでPythonなどにふれておくと、入学後の演習がスムーズです。作りたいものを小さく作ってみるのが一番の練習です。

数学と英語は特に大事

AIやアルゴリズムで数学を使うほか、技術の資料や最新の情報は英語で書かれていることが多いです。

よくあるギャップ

入学前は「プログラミングばかりの学部」と思っていた人が、数学や理論の授業の多さに驚くことがよくあります。また、プログラミング経験者が周りにいて、最初は焦る人もいます。ただし、大学の授業は初心者を前提に組まれていることが多く、課題をこなしていけば追いつけます。逆に経験者でも、理論やチーム開発で苦労することがあります。

パソコンに向かう時間は長い

課題や研究で、パソコンに向かう時間はやはり長くなります。目や体の健康に気をつけることも大切です。

「すぐ稼げる」とは限らない

IT業界は人材不足と言われますが、技術力によって仕事や待遇に差が出やすい業界でもあります。大学での基礎の学びが長い目で効いてきます。

よくある質問

プログラミングをやったことがなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。多くの大学では、プログラミングを初めて学ぶ人を前提に授業が始まります。毎週の課題にきちんと取り組めば、十分に身につきます。

情報系学部は文系でも入れますか?

文理融合型の学部では、文系の科目で受験できる入試を用意していることがあります。ただし入学後は数学や統計、プログラミングを学ぶので、その覚悟は必要です。

情報系学部と工学部の情報工学科は何が違いますか?

内容はかなり近いです。工学部の情報工学科はハードウェアや電気の内容も学ぶことが多く、情報学部は社会やメディアとの関わりなど、より幅広い分野を扱うことがあります。大学ごとのカリキュラムで確認しましょう。

AIがプログラムを書くようになったら、エンジニアの仕事はなくなりますか?

作業のやり方は変わりますが、システム全体を設計したり、AIの出した結果を判断したり、AIそのものを作ったりする仕事は、情報学を深く理解した人が必要です。基礎をしっかり学ぶことがますます大切になります。

ゲームを作る仕事につけますか?

ゲーム会社のプログラマーやCGの仕事につく人はいます。ただし人気の業界なので、在学中に自分で作品を作るなど、実力を示せるようにしておくことが大切です。

数学はどのくらい使いますか?

かなり使います。AIやデータ分析では線形代数、微分積分、確率統計を、アルゴリズムでは離散数学や論理を使います。数学が嫌いなままだと苦労する分野です。

資格は取ったほうがいいですか?

必須ではありませんが、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、知識の確認や就職活動でのアピールになります。授業の内容がそのまま試験勉強の土台になります。

大学院に行ったほうがいいですか?

IT企業のエンジニアなら学部卒で就職する人も多いです。AIや研究開発の仕事をめざすなら、修士課程まで進む人が多くなります。国立大学の情報系では大学院に進む人が多い例もあります。

パソコンは自分で用意しますか?

多くの大学で、入学時にノートパソコンを各自で用意することが求められます(必携化)。推奨する性能を大学が示していることが多いので、入学前に確認しましょう。

この分野のことば

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

この学部に通うといくらかかる?国公立・私立・学部ごとの学費の総額を見る

ほかの学部も見てみる