ミライ図鑑ログイン
旅の目的は何ですか?

観光学部・地域創生系

旅行の企画から、まちの未来づくりまで

観光学部は、人が旅をする理由や、観光が地域や社会にもたらす影響を研究し、観光の産業や地域づくりを担う人を育てる学部です。大学によって「観光学部」「国際観光学部」「観光まちづくり学部」「地域創生学部」「地域政策学部」などの名前があります。2025年に日本を訪れた外国人旅行者は約4,268万人、その旅行消費額は約9.5兆円と、どちらも過去最高を記録しており、観光は日本の大きな産業になっています。たとえば、人口が減っている町で、地元の食や祭りを生かした旅行プランをつくり、観光客を呼び込む方法を考えるのも、この学部で学ぶ内容です。一方で、観光客が集中しすぎて地元の人の生活が困る問題(オーバーツーリズム)など、観光の課題も研究します。

よくある勘違い

旅行が好きな人が、旅行会社に就職するための学部

実は

観光を、経営学・地理学・社会学・まちづくりなどの方法で研究する学部です。旅行会社だけでなく、ホテル、航空、鉄道、自治体の観光政策、地域の活性化など、幅広い分野につながります。

どんな学科・専攻がある?

観光学部・地域創生系ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

フィールドワーク(1〜3年)観光地に出かける数日間とどまって観察アンケート・インタビュー観光客や地元の人に聞く報告会で発表調べた結果をまとめる地域連携プロジェクト(1年間ほど)旅行プランをつくる自治体や地元の企業と参加者を集めて実施実際にお客さんを迎える12345観光地を歩き、人に聞き、地域と組んで形にする教室の外で学ぶ機会がたくさん

観光学部では、教室の授業に加えて、実際に観光地や地域に出かけて学ぶ機会がたくさんあります。フィールドワークでは、観光地を歩いて観察し、観光客や地元の人にインタビューして課題を探ります。地域創生系の学科では、自治体や地元の企業と協力して、旅行プランや特産品の開発、イベントの企画などに取り組むプロジェクト型の授業が多いです。ホテルや旅行会社、航空会社などでのインターンシップも盛んです。現地での活動は、移動や準備に時間がかかり、地域の人との調整も必要なので、計画力とコミュニケーション力がきたえられます。

フィールドワーク1〜3年生で行います。観光地に数日間滞在し、観光資源の調査や、観光客へのアンケート、地元の人へのインタビューを行います。結果をまとめて報告会で発表します。
地域連携プロジェクト自治体や地元の企業と協力して、1年間ほどかけて地域の課題に取り組みます。たとえば、地元の農家と一緒に体験型の旅行プランをつくり、実際に参加者を募集して実施します。
インターンシップホテル、旅行会社、航空会社、観光協会などで、数週間から数か月働いて、仕事を体験します。単位として認める大学も多いです。
海外研修・留学海外の観光地を訪れて学ぶ短期研修や、半年から1年の留学のプログラムがあります。外国の観光政策やホテル経営を現地で学びます。
ゼミ・卒業研究3年生からゼミに入り、4年生で卒業論文を書きます。テーマは「アニメの聖地巡礼が地域にもたらす効果」「温泉地のオーバーツーリズム対策」など、身近で具体的なものが多いです。

大学生活の流れ

1年観光学概論や、経営学・地理学・社会学の基礎、語学を学びます。早い時期から地域に出かけるフィールドワークを行う大学もあります。
2年観光経営、観光マーケティング、観光地理などの専門科目が増えます。コースを選び、自分が深めたい分野を決めます。資格の勉強を始める人も多い時期です。
3年ゼミに入り、地域連携プロジェクトやインターンシップに取り組みます。留学に行く人もいます。後半からは就職活動の準備が始まります。
4年卒業研究が中心です。就職活動と並行して、調査やデータ分析を行い、論文にまとめます。
大学院研究者や、観光政策の専門家、観光コンサルタントなどを目指す人が進みます。社会人になってから学び直す人もいます。

取れる資格・免許

国内旅行業務取扱管理者(国家資格)旅行会社の営業所に置かなければならない責任者の資格です。受験資格はなく、毎年9月に試験があります。2025年度の合格率は35.6%でした。大学在学中に取る人も多い資格です。
総合旅行業務取扱管理者(国家資格)国内旅行に加えて海外旅行も扱える、旅行業務取扱管理者の上位の資格です。2025年度の合格率(全科目受験)は11.7%と難しく、合格すると旅行会社への就職で評価されます。
全国通訳案内士(国家資格)外国人旅行者に外国語で観光案内をする専門家の国家資格です。外国語、日本地理、日本歴史などの筆記試験と、口述試験があります。2023年度の最終合格率は約12%でした。
TOEIC・語学検定資格ではありませんが、ホテルや航空会社などの採用では語学力の目安として重視されます。大学で受験を勧められることが多いです。
地域限定旅行業務取扱管理者特定の地域に限った旅行を扱う旅行会社の責任者の資格です。地域で体験型の旅行を企画する仕事で使われます。
中学校・高等学校教諭一種免許状(社会・地理歴史など)教職課程を置く大学では、所定の科目と教育実習を修めると取れます。どの教科が取れるかは大学によってちがいます。

観光学部・地域創生系の卒業後の進路

観光学部・地域創生系観光の会社旅行会社旅行プランの企画・販売・手配ホテル・旅館フロントの接客・宴会の企画航空会社・空港客室乗務員・グランドスタッフ鉄道・バス会社観光列車の企画・駅での接客地域づくり公務員・観光協会・DMO観光政策や地域のPRほかの業界にも一般企業・金融商品企画・地域の金融機関イベント・広告・コンサル観光地の計画づくりなど観光は交通・宿泊・飲食など多くの業界にまたがる学んだことを生かせる場は広い

卒業生は、旅行会社、ホテル、航空会社、鉄道会社など観光に関わる会社に就職する人が多い一方で、一般企業や金融機関、公務員に進む人もたくさんいます。観光は、交通、宿泊、飲食、小売、イベントなど多くの業界にまたがる産業なので、学んだことを生かせる場は広いです。また、地域創生系の学科では、市役所や県庁、地域の企業、観光協会などに就職し、地域づくりに関わる人が多くいます。

旅行会社 ›旅行プランの企画、店頭やネットでの販売、団体旅行の手配などをします。たとえば、高校の修学旅行の行き先や見学先を学校と相談しながら決め、バスやホテルを手配する仕事もあります。
ホテル・旅館フロントでの接客、レストランの運営、宴会や結婚式の企画、営業などを担当します。外国人のお客さんが多いホテルでは、語学力が生かせます。
航空会社・空港 ›客室乗務員、空港のカウンターでの案内(グランドスタッフ)、営業や企画などの仕事があります。人気が高い職種です。鉄道・バス会社 ›駅での接客や、観光列車の企画、沿線の観光地との協力などを担当します。たとえば、地元の食材を使った料理を出す観光列車を企画する仕事もあります。公務員・観光協会・DMO ›市役所や県庁の観光課、観光協会、DMO(地域の観光をまとめる組織)などで、観光政策や地域のPRを担当します。たとえば、地元の祭りを海外にSNSで発信する仕事です。一般企業・金融 ›メーカー、小売、銀行、不動産など幅広い業界に就職します。観光で学んだマーケティングや地域の知識は、商品企画や地域の金融機関の仕事などで生かせます。イベント・広告・コンサル ›イベントの企画運営会社や広告会社、観光地の計画づくりを手伝うコンサルティング会社などです。

もっと知りたい人へ

向いている人

旅行が好きで、行った先で「どうしてこの町には観光客が多いのだろう」「どうすればもっと楽しくなるだろう」と考える人に向いています。また、人と話すことが好きな人、人を喜ばせることが好きな人にも合っています。地域創生系では、自分の生まれ育った町を元気にしたいという思いを持つ人が多く学んでいます。外国の文化や語学に興味がある人にとっても、学ぶことの多い学部です。

行動力がある人

観光学部では、地域に出かけたり、いろいろな人に話を聞いたりする機会が多くあります。知らない場所や人にも積極的に関われる人は、学びを深められます。

企画するのが好きな人

文化祭や学校行事の企画が好きだった人は、旅行プランやイベントの企画の授業を楽しめます。アイデアを形にする経験がたくさんできます。

高校生のうちに(文理・受験科目)

観光学部は文系の学部で、入試では英語・国語・地歴公民の組み合わせが多いです。入学後は、観光地理や観光の歴史を学ぶので、高校の地理と日本史・世界史の知識が役立ちます。また、外国人旅行者と接する場面が多い分野なので、英語はとても大切です。データ分析の授業もあるので、数学Iのデータの分析もおさえておくと安心です。

旅行を学びの機会にする

家族旅行や修学旅行に行ったとき、観光客がどこから来ているのか、どんなお店が人気なのかを観察してみましょう。気づいたことをメモしておくと、志望理由書や面接でも話せます。

自分の町の魅力を探してみる

自分の住む町の観光資源(名所、食べ物、祭りなど)を調べ、どうすれば観光客を呼べるかを考えてみると、地域創生の学びの入口になります。探究の授業のテーマにもおすすめです。

よくあるギャップ

「旅行の楽しさを学べる」と思って入学すると、経営学や統計、法律など、観光をビジネスや政策として学ぶ授業の多さに驚くことがあります。また、観光の仕事は人気がありますが、旅行会社やホテルの仕事は、休日や夜の勤務があったり、給与が他の業界より高くなかったりする面もあります。そのため、観光学部を出ても、観光業界以外に就職する人も多くいます。

観光業は景気や社会の動きに左右される

観光は、景気、災害、感染症などの影響を大きく受けます。新型コロナウイルスの感染が広がった2020年ごろは、旅行や航空の需要が大きく落ち込みました。こうした変化に対応する力も、観光を学ぶ上で大切です。

地域創生は時間がかかる

地域を元気にする取り組みは、すぐに結果が出ないことが多いです。学生のプロジェクトでも、地元の人との信頼関係をつくるのに時間がかかります。

日本の観光の今

日本政府は、観光を日本の成長を支える大切な産業と位置づけ、外国人旅行者の受け入れを進めてきました。2025年には訪日外国人旅行者数が約4,268万人と過去最高になり、旅行消費額も約9.5兆円と過去最高を更新しました。一方で、京都や鎌倉などの人気観光地では、バスが混雑して地元の人が乗れない、ごみが増えるといったオーバーツーリズムの問題も起きています。観光客を増やすだけでなく、地元の人の生活と両立させることが、これからの観光の大きなテーマです。

地方への分散

外国人旅行者の多くは東京、大阪、京都などに集中しています。地方の魅力を発信して、旅行者に地方にも足を運んでもらうことが課題になっています。

新しい観光のかたち

アニメの舞台を訪れる聖地巡礼、農業や漁業を体験するグリーンツーリズム、自然を守りながら楽しむエコツーリズムなど、新しい観光のかたちが広がっています。

観光学部と地域創生系学部のちがい

観光学部は、観光という産業や現象そのものを中心に学びます。旅行会社やホテルの経営、観光マーケティング、観光と文化の関係などが中心です。一方、地域創生系の学部は、観光を地域を元気にする手段のひとつとしてとらえ、産業、福祉、交通、教育、移住など、地域の課題全体を学びます。たとえば、人口が減った町を元気にする方法として、観光客を呼ぶだけでなく、若い人が移り住みたくなる仕事をつくることや、お年寄りの買い物を支える交通のしくみを考えることも含まれます。

自分のやりたいことで選ぶ

観光の会社で働きたいなら観光学部、地元の自治体や地域の企業で働きたいなら地域創生系の学部が合っていることが多いです。ただ、内容が重なる部分も多いので、カリキュラムを比べてみましょう。

経営学部や地理学科も選択肢

観光ビジネスは経営学部で、観光地の研究は文学部の地理学科でも学べます。観光学部以外にも、観光を学べる場所はたくさんあります。

よくある質問

観光学部を出ないと旅行会社に入れませんか?

いいえ、どの学部からでも旅行会社に就職できます。ただ、観光学部で学んだ知識や、在学中に取った旅行業務取扱管理者の資格は、就職活動で評価されることがあります。

英語が苦手でも大丈夫ですか?

大丈夫ですが、外国人旅行者と接する仕事を目指すなら、英語は大切です。大学では英語の授業も多いので、入学してから伸ばす人もたくさんいます。

旅行業務取扱管理者は在学中に取れますか?

受験資格がないので、在学中に受験できます。国内旅行業務取扱管理者は2025年度の合格率が35.6%で、大学の授業で対策をしてくれるところもあります。

地域創生系の学部では何をするのですか?

地域の課題を調べ、自治体や地元の人と協力して解決策を考えます。たとえば、商店街のにぎわいを取り戻すイベントの企画や、地元の特産品を使った商品開発などです。

観光の仕事は給料が低いと聞きますが?

職種や会社によって差が大きいです。旅行会社やホテルの給与は、他の業界と比べて高くないといわれることがありますが、航空会社や鉄道会社、大手のホテルグループなどでは安定した待遇の会社もあります。

留学はできますか?

多くの観光学部が留学や海外研修のプログラムを用意しています。海外のホテルや観光地で実際に学ぶ機会もあり、語学力と国際的な視野をきたえられます。

公務員になる人はいますか?

います。特に地域創生系の学部では、市役所や県庁に就職して地域づくりに関わる人が多いです。観光課やまちづくりの部署で、学んだことを生かせます。

アニメの聖地巡礼も研究できますか?

できます。アニメや映画の舞台を訪れるコンテンツツーリズムは、観光学の研究テーマのひとつです。聖地巡礼が地域にどんな経済効果や変化をもたらすのかを研究する学生もいます。

この分野のことば

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

この学部に通うといくらかかる?国公立・私立・学部ごとの学費の総額を見る

ほかの学部も見てみる