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国際関係学部・国際教養学部

英語は目的じゃなく、世界を考えるための道具

国際関係学部と国際教養学部は、どちらも「国際」がつきますが、学び方にちがいがあります。国際関係学部は、国と国の関係や、紛争、貿易、開発、移民など、国境をこえた問題を、政治学や経済学、社会学を使って研究する学部です。国際教養学部は、リベラルアーツ(幅広い教養)を英語で学ぶ学部で、政治、経済、文化、歴史、環境、さらに自然科学まで幅広い分野を学びます。たとえば、早稲田大学の国際教養学部は2004年にでき、授業の大半を英語で行い、日本語を母語とする学生には1年間の海外留学を必修にしています。

よくある勘違い

国際系の学部は英語を勉強するところで、英語がペラペラになれば卒業できる

実は

実は、英語は授業を受けるための道具です。学ぶ中身は、国際政治、国際経済、文化、環境、平和など、世界の問題そのものです。

どんな学科・専攻がある?

国際関係学部・国際教養学部ではどんな授業がある?

押すと、その授業の中身が見られます。

実習・実験・研究

国際系の学部の手を動かす学びは、留学、英語での発表や議論、ゼミ、卒業論文、フィールドワークが中心です。国際教養学部では、少人数の英語の授業で毎回発言が求められ、予習として英語の本や論文を何十ページも読むことがあります。留学は数か月から1年間が多く、海外の大学で現地の学生と同じ授業を受け、単位を取ります。国際関係学部では、模擬国連(国連の会議を学生がまねる活動)や、海外の村や国際機関でのフィールドワーク、インターンシップを行う授業もあります。英語の課題の量は多く、最初の1年は授業についていくだけで大変だと感じる人も少なくありません。

海外留学早稲田大学の国際教養学部では、日本語を母語とする学生は1年間の留学が必修です。そのほかの大学でも、数週間の短期留学から1年間の交換留学まで、さまざまなプログラムがあります。
模擬国連学生が各国の大使の役になり、国連の会議と同じように議論して決議案を作る活動です。授業やサークルとして行われ、英語で行う大会もあります。
海外フィールドワークアジアやアフリカの地域を訪れ、現地の人に話を聞いたり、NGOの活動を見学したりします。期間は1〜3週間ほどが多いです。
ゼミ・卒業論文3〜4年生でゼミに入り、国際政治、経済、文化など自分の関心にしぼって研究します。英語で卒論を書く大学やプログラムもあります。
英語でのプレゼンテーショングループで調べたことを英語で発表し、質問に答えます。1年生から何度もくり返すことで、人前で英語で話すことに慣れていきます。

大学生活の流れ

1年英語で学ぶ土台づくり英語の読み書きと議論、レポートの書き方、第二外国語2年専門科目と留学の準備英語試験のスコアを取り、留学先の選考を受ける3年留学する多くの学生が海外の大学で数か月〜1年日本でゼミに入り、専門を深める4年卒業論文と就職活動留学のために卒業を半年遅らせる人や、秋入社を選ぶ人もいる大学院国際機関・研究者をめざす人国際機関では修士号以上を求められることが多い留学から帰る時期で、就職活動の始め方が変わる3年生で、多くの学生が留学に出る
留学が必修の大学もあれば、選んで行く大学もあります
1年英語の読み書きと議論の授業、国際関係論や国際教養の入門科目を学びます。国際教養学部では、英語でのレポートの書き方を集中的に練習します。第二外国語も始まります。
2年国際政治、国際経済、文化など専門の科目が増えます。留学の準備(英語試験のスコア取得、留学先の選考)を進める時期です。
3年多くの学生が留学に出ます。留学しない人は、ゼミに入り専門を深めます。留学から帰ってくる時期によって、就職活動の始め方が変わります。
4年卒業論文と就職活動を進めます。留学のために卒業を半年遅らせる人や、秋入社を選ぶ人もいます。
大学院国際機関の職員、研究者、国際協力の専門家をめざす人が進みます。海外の大学院に進学する人もいます。国際機関では修士号以上を求められることが多いです。

取れる資格・免許

TOEFL・IELTS英語圏の大学で学ぶための英語力を測る試験です。留学の選考でスコアの提出を求められることが多く、在学中に何度も受ける人がいます。
TOEIC仕事で使う英語力を測る試験です。就職活動でスコアを書く欄がある会社が多く、国際系の学部では高いスコアをめざす人が多いです。
教員免許(中学・高校の英語、社会など)教職課程を取ると、英語や社会の教員免許を取れる大学があります。留学の期間と教育実習の時期が重ならないよう計画が必要です。
通訳案内士(全国通訳案内士)外国人観光客に、外国語で日本の観光地を案内するための国家資格です。語学力に加えて、日本の地理、歴史、文化の知識も問われます。
国連英検国連の活動や国際問題をテーマにした英語の検定です。国際協力に興味のある人が受けることがあります。
第二外国語の検定(中国語検定・HSK・ハングル検定など)英語以外の言葉の力を証明する検定です。英語に加えてもう一つの言葉ができると、就職活動でアピールになります。

国際関係学部・国際教養学部の卒業後の進路

国際関係学部総合商社・専門商社代表的世界中で貿易や投資を行う。英語力と海外経験が生きるメーカー(海外営業など)海外の取引先とやり取りする航空・旅行・ホテル海外からのお客さんへの対応や、海外の拠点との調整外資系・コンサル・金融・IT英語を日常的に使う職場が多い国家公務員(外務省など)外交官として大使館で働く。公務員試験などの合格が必要国際機関・JICA・NGO新卒は少ない大学院や企業で経験を積んでから転職するのが一般的海外とのやり取りが多い仕事を選ぶ人が多い国際協力は経験を積んでから転職が一般的

国際系学部の卒業生は、商社、メーカー、金融、IT、航空、旅行、ホテル、外資系企業、コンサルティングなど幅広い業界に就職しています。英語力と海外経験を生かして、海外とのやり取りが多い仕事を選ぶ人が多いのが特徴です。国際機関、JICA、NGOなどの国際協力の仕事を目指す人もいますが、新卒ですぐに国際機関に入るのは難しく、企業や大学院で経験を積んでから転職することが多いです。外交官(外務省の職員)を目指す人もいます。

総合商社・専門商社 ›世界中で貿易や投資を行う会社です。英語力と海外経験が生きる代表的な就職先です。メーカー(海外営業など) ›自動車、電機、食品などのメーカーで、海外の取引先とやり取りする仕事です。
航空・旅行・ホテル航空会社、旅行会社、ホテルなどで、海外からのお客さんへの対応や海外の拠点との調整をします。
外資系企業・コンサルティング ›外国に本社がある会社や、会社の課題を解決するコンサルティング会社です。英語を日常的に使う職場が多いです。金融(銀行・証券) ›海外の企業との取引や、外国のお金や株を扱う仕事があります。IT・通信 ›海外のサービスを日本で広める仕事や、海外の開発チームとの調整などがあります。国家公務員(外務省など) ›外交官として大使館で働く、国際的な交渉をするなどの仕事です。国家公務員試験や外務省専門職員試験に合格する必要があります。
国際機関・JICA・NGO国連機関、JICA(国際協力機構)、NGOなどで、途上国の支援などを行います。新卒採用は少なく、大学院や企業で経験を積んでからの転職が一般的です。

もっと知りたい人へ

国際関係学部と国際教養学部のちがい

どちらも国際的なことを学びますが、学ぶ中身と学び方がちがいます。国際関係学部は、国と国の関係や世界の問題を、政治学や経済学、法学、社会学の道具を使って研究する学部です。授業は日本語中心のところと英語中心のところがあります。国際教養学部は、リベラルアーツといって、文系も理系も含めた幅広い分野を、英語で少人数で学ぶ学部です。たとえば「気候変動」を考えるとき、国際関係学部では国と国の交渉や条約、経済への影響を中心に学びますが、国際教養学部では、それに加えて気候の科学や環境倫理なども幅広く学びます。テーマを国際問題にしぼりたいなら国際関係学部、幅広い教養を英語で身につけたいなら国際教養学部が合っています。

外国語学部との違い

外国語学部は、言葉そのもの(文法、発音、翻訳、文学など)を深く学ぶ学部です。国際系の学部は、言葉は道具として使い、国際問題や社会を学ぶのが中心です。

国際教養大学との違い

秋田県の国際教養大学は、学部の名前ではなく大学の名前です。英語で授業を行い、留学を重視する点は国際教養学部と似ています。

国際学部・グローバル学部など

国際学部、グローバル学部、国際コミュニケーション学部など、似た名前の学部はたくさんあります。名前より、授業の言語、留学の必修かどうか、どの分野の授業が多いかを比べることが大切です。

英語で学ぶとはどういうことか

国際教養学部や英語で学ぶプログラムでは、授業の説明、教科書、レポート、試験がすべて英語です。たとえば、「民主主義とは何か」を英語の本で読み、英語で議論し、英語でレポートを書きます。早稲田大学の国際教養学部では、講義の大半を英語で行い、入学者の約3割が留学生で、50近くの国や地域から学生が集まっています。最初は英語の量に圧倒されますが、半年から1年ほどで慣れる人が多いです。英語を勉強するのではなく、英語で学ぶことで、自然と使える英語が身につきます。

英語が苦手でも入れる?

入学時に一定の英語力は必要ですが、入学後に英語で学ぶための集中的な授業を用意している大学が多いです。

日本語の授業もある

早稲田大学の国際教養学部では、日本語を母語とする学生も日本語の授業を取ります。日本語を母語としない学生には日本語を学ぶプログラムがあります。

留学の仕組み

国際系の学部では、留学が学びの中心になっていることが多いです。留学には、大学同士の協定による交換留学、自分で申し込む認定留学、数週間の短期留学などがあります。交換留学では、授業料を自分の大学に払えば、留学先の授業料が免除される形が多いです。ただし、渡航費や生活費は自分で負担するので、地域や期間によっては、かなりの金額になることもあります。大学や国の奨学金を使う人も多いので、早めに情報を集めることが大切です。

留学の選考

人気の留学先には選考があります。成績、英語の試験のスコア、志望理由などで選ばれます。1年生のうちから成績を良く保つことが大切です。

留学と就職活動

3年生で1年間留学すると、就職活動の時期と重なることがあります。帰国後にインターンシップに参加したり、卒業を遅らせたりする人もいます。

向いている人

海外のニュースや、ちがう文化に興味がある人に向いています。たとえば、海外のドラマや音楽が好きで、その国の社会にも興味がわく人です。英語が得意な人はもちろんですが、英語が完璧でなくても、伝えようとする気持ちがある人なら力を伸ばせます。自分の意見をはっきり言うことが求められる授業が多いので、議論が好きな人、人前で話すことに挑戦したい人にも合っています。

変化を楽しめる人

留学先での生活や、留学生との共同作業では、思い通りにいかないことがたくさんあります。それを楽しめる人に向いています。

目的を持てる人

英語ができるだけでは、ほかの学生と差がつきにくいです。英語を使って何を学びたいのかを考えられる人が伸びます。

高校生のうちに(文理・受験科目)

国際系の学部は文系の学部が多く、高校では文系を選ぶ人がほとんどです。入試では英語の配点が高い大学が多く、英検やTOEFLなどの英語の資格を使える入試方式もあります。英語のスコアを使う総合型選抜も多いので、高校のうちに英検準1級程度をめざしておくと選択肢が広がります。世界史や地理の知識は、入学後の国際政治史や地域研究で役立ちます。英語のニュースを読んだり、海外の動画を英語字幕で見たりする習慣も、よい準備になります。

英語の4技能を伸ばす

大学では読む、聞く、話す、書くのすべてを使います。とくに、英語で自分の意見を書く練習をしておくと、入学後のレポートで困りにくくなります。

国際ニュースに関心を持つ

国連の会議、紛争、気候変動など、国際ニュースを日本語でもよいので読んでおくと、面接や志望理由書の材料になります。

よくあるギャップ

「英語を話せるようになりたい」という理由だけで入学すると、国際政治や経済の専門的な授業の多さにおどろく人がいます。また、帰国子女や留学生の英語力の高さに自信をなくす人もいますが、多くの場合、学年が進むにつれて差は縮まります。留学費用が思ったより高いこともよくあるギャップです。一方で、世界中から来た学生と友だちになれることや、自分の国や文化を外から見直せることは、多くの学生が良いギャップとして挙げます。

英語力だけでは就職で差がつかない

国際系の学部では英語ができる人が多いので、就職活動では英語力に加えて、何を学び何をしたかが大切になります。

課題の量が多い

英語の文献を毎週何十ページも読む授業があり、予習に時間がかかります。時間の使い方を工夫する必要があります。

よくある質問

国際関係学部と国際教養学部、どちらがいいですか?

国際政治や国際経済など、世界の問題を専門的に学びたいなら国際関係学部、文系理系をまたいで幅広い教養を英語で学びたいなら国際教養学部が合っています。授業の言語や留学が必修かどうかも大学ごとにちがうので、比べてみましょう。

英語が得意でないと入れませんか?

英語の配点が高い入試が多いので、英語の力は大切です。ただし、入学後に英語の集中授業を用意している大学も多く、入学時点で完璧である必要はありません。

留学は必ずしなければいけませんか?

大学によってちがいます。早稲田大学の国際教養学部では、日本語を母語とする学生は1年間の留学が必修です。一方で、留学が任意の学部も多くあります。

国連で働くにはどうすればいいですか?

国連などの国際機関では、修士号以上の学位、専門分野、高い語学力、実務経験が求められることが多いです。学部で国際関係を学んだあと、大学院や企業、JICAなどで経験を積んでから目指すのが一般的です。

外国語学部とどうちがいますか?

外国語学部は言葉そのもの(文法、翻訳、文学など)を深く学びます。国際系の学部は、言葉は道具として使い、国際政治、経済、文化などの問題を学びます。

留学にはどのくらいお金がかかりますか?

交換留学では留学先の授業料が免除されることが多いですが、渡航費や生活費、保険などがかかります。地域や期間によってはかなりの金額になるので、奨学金を調べておくと安心です。

就職では英語を使う仕事に就くのですか?

商社や外資系企業、海外営業など英語を使う仕事を選ぶ人は多いですが、全員ではありません。国内向けの仕事や公務員に進む人もいます。

外交官になるにはどの学部がいいですか?

外交官(外務省の職員)になるには、国家公務員の総合職試験や外務省専門職員試験に合格する必要があります。国際関係学部は学ぶ内容が近いですが、法学部や経済学部など、ほかの学部からも目指せます。

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