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センスだけで勝負する仕事ではありません。「誰に、何を、どう伝えるか」を考え抜く問題解決の仕事です

デザイナー

デザイナーは、色、形、文字、写真、レイアウトなどを組み合わせて、ものや情報を「見やすく、使いやすく、魅力的に」する仕事です。たとえば、コンビニに並ぶお菓子のパッケージ、駅のポスター、教科書の表紙、スマホアプリのボタンの配置、家電の形、企業のロゴマークなど、私たちの身の回りのほとんどのものに、デザイナーの仕事がかかわっています。グラフィック、Web、UI/UX、プロダクト(工業製品)、パッケージなど分野はさまざまで、広告会社、デザイン事務所、メーカー、IT企業などで働くほか、フリーランスとして独立する人がとても多い仕事です。必須の資格はなく、作った作品(ポートフォリオ)と実力で評価されます。

平均年収の目安約540万円約300万〜800万円以上(分野、勤め先、フリーランスかどうかで大きく差がある)
なるまでの難しさ★★★★★デザイナーになるのに必要な国家資格や試験はありません。ただし、人気のある仕事で、グラフィックデザイナーの有効求人倍率は0.14(令和7年度)と、求人の数に対して仕事を探す人がとても多い状況です。美術系の大学や専門学校で技術を学び、作品集で実力を示す必要があります。大手メーカーや広告会社のデザイン部門に入るのは、狭き門です。
決めどき文系・理系どちらでも

高校で美術や情報の授業に力を入れ、2年生ごろまでに美術系大学(実技試験あり)か、一般大学のデザイン系学科、専門学校かを決める。美大を目指すなら早めに画塾へ

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

デザイナーの年収と昇進の流れ

アシスタントデザイナー250〜350万円
入社1〜3年、20〜25歳

先輩デザイナーの指示で、文字の配置、画像の加工、修正作業、資料集めなどを担当します。一つの仕事を最初から最後まで一人でまとめられるようになることが次の段階への条件です。

デザイナー320〜480万円
入社3〜7年、24〜30歳

自分の担当の仕事を持ち、クライアントとの打ち合わせから完成までを一人で任されます。得意な分野を作り、クライアントから指名されるような実績を積むことが次につながります。

シニアデザイナー・リーダー420〜620万円
30歳前後〜

難しい仕事や大きなプロジェクトの中心となり、後輩デザイナーの指導もします。デザインの方向性を自分で決められる力が求められます。

30代〜

広告やブランドの見た目全体の責任者として、デザイナー、カメラマン、イラストレーターのチームを率います。大きなキャンペーンを成功させた実績が次の段階への条件です。

クリエイティブディレクター・デザイン部門長750〜1,300万円
40代〜

広告全体や会社のデザイン部門全体の責任者として、コンセプトを決め、多くのクリエイターをまとめます。大手の広告会社やメーカーでは、この段階で高い年収になることがあります。

独立(フリーランス・事務所経営)200〜1,500万円
30代〜

フリーランスとして仕事を受けたり、自分のデザイン事務所を開いたりします。実力と人気、人とのつながりによって、収入の差がとても大きい段階です。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

デザイン事務所・広告制作会社若手は250万〜350万円台が多い

クライアントや広告会社から依頼を受けて、ポスター、パッケージ、ロゴ、Webサイトなどを作ります。数人から数十人の会社が多く、いろいろな業種のクライアントの仕事を経験できます。有名なアートディレクターが開く事務所もあります。

良いところいろいろな仕事を経験でき、デザインの技術を磨ける

大変なところ給料が低めで、締め切り前は忙しくなりやすい

大手広告会社高い水準(会社の給与制度による)

電通、博報堂などの大手広告会社で、アートディレクターなどとして大きな広告キャンペーンを手がけます。テレビCMや全国のポスターなど、社会に影響を与える仕事ができます。採用の人数が少なく、入社は狭き門です。

良いところ大きな仕事にかかわれ、給料の水準が高い

大変なところ入社の競争が激しく、仕事の量が多い

メーカー・IT企業のインハウス勤め先の給与水準による(大企業は比較的高め)

自動車、家電、食品、IT企業などに社員として入り、自分の会社の製品やサービス、広告をデザインします。一つのブランドや製品に深くかかわれるのが特徴です。

良いところ給料や働く時間が安定していて、一つの製品を長く育てられる

大変なところデザインする対象が自社の商品に限られる

フリーランス200万円以下〜1,000万円以上(差がとても大きい)

会社に属さず、仕事ごとにクライアントと契約して働きます。グラフィックデザイナーの多くがフリーランスとしても働いています。SNSや知り合いの紹介で仕事を受ける人が多いです。

良いところ働く時間や場所、仕事を自分で選べる

大変なところ収入が不安定で、営業やお金の管理も自分で行う

代表的な会社・職場

大手広告会社自動車メーカー電機メーカーIT企業デザイン事務所制作会社出版・印刷
電通 ›大手広告会社

日本最大級の広告会社で、テレビCM、ポスター、イベントなど大きな広告キャンペーンを手がけています。

グループの有価証券報告書を参照
博報堂 ›大手広告会社

電通と並ぶ大手広告会社で、広告の企画からデザイン、ブランドづくりまで幅広く手がけています。

グループの有価証券報告書を参照
トヨタ自動車 ›自動車メーカー

社内に大きなデザイン部門を持ち、自動車の外観や内装をデザインしています。

有価証券報告書を参照
ソニーグループ ›電機メーカー

テレビ、カメラ、ゲーム機などの製品や、アプリの画面をデザインする部門を持っています。

有価証券報告書を参照
パナソニック ›電機メーカー

家電や住宅設備などの製品をデザインする部門を持っています。

有価証券報告書を参照
LINEヤフー ›IT企業

メッセージアプリのLINEなどのサービスで、多くのUI/UXデザイナーが働いています。

有価証券報告書を参照
サイバーエージェント ›IT企業

インターネット広告、ゲームアプリ、動画配信サービスなどのデザインを手がけています。

有価証券報告書を参照
デザイン事務所デザイン事務所

全国にたくさんあり、ポスター、パッケージ、ロゴ、Webサイトなどを作っています。有名なデザイナーが開く事務所もあります。

事務所により大きく異なる
広告制作会社・Web制作会社制作会社

広告会社やクライアントから依頼を受けて、広告やWebサイトを実際に作る会社です。

出版社・印刷会社出版・印刷

本や雑誌の表紙、誌面のデザイン、印刷物のデザインを担当するデザイナーが働いています。

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

デザイン事務所・広告制作会社クライアント広告会社デザイン事務所依頼依頼制作費(デザイン料)メーカー・IT企業の社員メーカーIT企業インハウスデザイナー給料デザインで売上に貢献フリーランスクライアントフリーランス依頼報酬を直接もらう働く場所で、お金の受け取り方が変わる
自分のイラストやフォントを売ったり、使う権利を貸したりして稼ぐデザイナーもいます

デザイナーの仕事のお金の流れは、働く場所によって違います。デザイン事務所や広告制作会社は、クライアントや広告会社から「この広告を作ってほしい」という依頼を受け、制作費をもらいます。制作費は、かかる時間やデザインの難しさ、使われる範囲(全国の広告か、地域のチラシかなど)によって決まります。メーカーやIT企業のインハウスデザイナーは、会社から給料をもらい、デザインした商品やサービスが売れることで会社に貢献します。フリーランスのデザイナーは、仕事ごとにクライアントと契約し、報酬を直接受け取ります。

1
制作費(デザイン料)

ポスター、ロゴ、Webサイトなどを作る代金として、クライアントからもらいます。たとえば、お店のロゴを作る仕事なら、アイデアを考えて何案か提案し、修正して完成させるまでの全体に対して報酬をもらいます。

2
広告会社からの発注

大きな広告では、広告会社がクライアントから仕事を受け、その中のデザインの部分をデザイン事務所や広告制作会社に頼みます。デザイナーの多くは、このような流れの中で仕事をしています。

3
ディレクション料

アートディレクターとして、デザイン全体の方向性を決めたり、撮影を監督したりする代金をもらいます。経験と実績が評価されるほど高くなります。

4
インハウスの給料

事業会社のデザイナーは会社から給料をもらいます。デザインした商品が売れたり、ブランドの価値が上がったりすることで、会社のもうけに貢献します。

5
作品の販売・ライセンス

自分でデザインしたイラストや文字の形(フォント)、テンプレートなどを、インターネットで売ったり、使う権利(ライセンス)を貸したりして収入を得るデザイナーもいます。

入ってからどうなっていく?

高校〜大学・専門学校デザインの基礎を学ぶ美術系の大学(美大)、一般大学のデザイン系学科、デザインの専門学校で、デッサン、色彩、文字、レイアウト、デザインソフトの使い方を学びます。授業の課題や自主制作で作品を作り、就職活動で見せるポートフォリオ(作品集)にまとめます。
1〜3年目アシスタントとして修業デザイン事務所や広告制作会社、メーカーのデザイン部門などに入り、先輩デザイナーのアシスタントとして働きます。文字の配置、画像の加工、修正作業、資料集めなどを担当しながら、仕事の進め方とプロの技術を学びます。
4〜7年目デザイナーとして一人立ち自分で担当する仕事を持ち、クライアントとの打ち合わせから完成までを一人で任されるようになります。得意な分野やスタイルを見つけ、賞に応募したり、自分の作品を発信したりして名前を知ってもらう人もいます。
30代アートディレクター・リーダーアートディレクターやデザインチームのリーダーとして、ほかのデザイナーを率いるようになります。この時期に、より大きな会社に転職する人や、フリーランスとして独立する人も多いです。
40代クリエイティブディレクター・独立広告やブランド全体の責任者であるクリエイティブディレクターになったり、自分のデザイン事務所を開いて経営したりします。事業会社では、デザイン部門の部長として会社全体のデザインを管理する人もいます。
50代以降経営者・教育者デザイン事務所の経営者として会社を動かしたり、大学や専門学校で教えたり、デザインの賞の審査員を務めたりする人もいます。フリーランスのデザイナーは、定年なく仕事を続けられます。

お菓子のパッケージが店に並ぶまで

1オリエンテーション味・ねらうお客さん・発売日を聞く2調査とコンセプト店の棚を見て、目立つ方向を決める3アイデアとラフスケッチをたくさん描いて選ぶ4プレゼンテーション複数の案を見せ、一つにしぼる5仕上げと修正文字・色・原材料の表示を整える6入稿と色校正試しに印刷して色を確かめる7印刷と発売全国のお店に並ぶ何度も案を出して直し、店の棚で目立たせる
お菓子メーカーから新しいパッケージを頼まれた場合の例
1
オリエンテーション

お菓子メーカーの担当者から、新しい商品の味、ねらうお客さん、値段、発売日、伝えたいイメージなどの説明を受けます。

2
調査とコンセプトづくり

コンビニやスーパーの棚を見て、ほかの商品がどんなデザインかを調べます。「棚の中で目立ち、若い人に手に取ってもらえる」など、デザインの方向性を決めます。

3
アイデアとラフ

たくさんのアイデアをスケッチで描き、その中から良い案をいくつか選んで、ラフ(下書き)にまとめます。

4
プレゼンテーション

メーカーの担当者に複数の案を見せ、それぞれの案の考え方を説明します。意見を聞いて、案を一つにしぼります。

5
仕上げと修正

選ばれた案をIllustratorなどで細かく仕上げます。文字の大きさ、色、商品名、法律で決められた表示(原材料など)の配置を整え、何度か修正します。

6
入稿と色校正

完成したデータを印刷会社に渡し、試しに印刷したもの(色校正)で、色が思ったとおりに出ているかを確かめます。

7
印刷と発売

パッケージが大量に印刷され、お菓子が詰められて、全国のお店に並びます。

デザイナーのある1日

10:00

デザイン事務所に出勤して、メールとチャットを確認します。今日締め切りの仕事を確かめます。

10:30

チームで打ち合わせをします。新しいお菓子のパッケージの案について、アートディレクターから方向性の説明を受けます。

11:00

パッケージのアイデアをスケッチで5〜6案描きます。コンビニの棚に並んだときに目立つ色や形を考えます。

12:30

お昼休みです。近くの本屋さんで新しい雑誌のデザインを見て、アイデアの参考にします。

13:30

Illustratorで、選ばれた案をきれいに仕上げます。文字の大きさや間隔を細かく調整します。

15:00

クライアントとオンラインで打ち合わせをします。昨日出したポスターの案について、修正の希望を聞きます。

16:00

ポスターの修正をします。「もう少し商品の写真を大きく」という希望を反映させます。

18:00

完成したデータを印刷会社に送ります(入稿)。色の指定にまちがいがないかを確かめます。

19:00

退勤します。締め切り前やプレゼン前は遅くまで作業することもあります。

もっと知りたい人へ

そもそもデザイナーとは

デザイナーは、目的に合わせて、ものや情報の見た目、形、使いやすさを考えて形にする仕事です。デザインというと「おしゃれにすること」と思われがちですが、本当の目的は「伝えたいことを伝える」「使いやすくする」といった問題を解決することです。たとえば、駅の案内表示は、急いでいる人でも一目で出口がわかるように、色、矢印、文字の大きさがデザインされています。日本ではグラフィックデザイナーだけでも約20万人が働いています(2020年国勢調査)。

デザインの分野

デザインには、ポスターや本などの平面を担当するグラフィックデザイン、Webサイトを担当するWebデザイン、アプリの画面と体験を担当するUI/UXデザイン、製品の形を担当するプロダクトデザイン、お店や家の内装を担当するインテリアデザイン、服を担当するファッションデザインなど、たくさんの分野があります。

アートとデザインのちがい

アート(芸術)は、作る人が自分の表現したいことを形にするものです。デザインは、クライアントや使う人の目的があり、その目的を達成するために形を考えるものです。たとえば、画家が自分の感じた風景を描くのはアートで、商品を売るためのポスターを作るのはデザインです。

必要な資格はない

デザイナーになるのに必要な国家資格はありません。色彩検定などの民間の検定もありますが、仕事で最も評価されるのは、実際に作った作品と、仕事をやり遂げる力です。

なるためのルート

デザイナーになるための決まった道はありませんが、多くの人は、美術系の大学、一般大学のデザイン系学科、デザインの専門学校などで技術を学び、デザイン事務所や広告制作会社、メーカー、IT企業などに就職します。job tagによると、グラフィックデザイナーとして働く人の学歴は、専門学校卒と大学卒がそれぞれ半分ほどです。就職活動では、学校で作った作品をまとめたポートフォリオが最も重視されます。

  1. 高校美術の授業に力を入れ、デッサンや色の使い方を学びます。美大を目指すなら、高校1〜2年生から画塾(美大受験のための絵の教室)に通う人が多いです。
  2. 美大・大学・専門学校デザインの基礎、色彩、文字、レイアウト、デザインソフトの使い方を学びます。授業の課題や自主制作で作品を作ります。
  3. ポートフォリオを作る自分の作品を、考え方や制作の過程も含めてまとめます。就職活動で最も重視されます。
  4. 就職デザイン事務所、広告制作会社、メーカー、IT企業、出版社などに就職します。インターンを経験してから就職する人もいます。
  5. アシスタントからデザイナーへ先輩のもとで経験を積み、一人で仕事を任されるデザイナーになります。
美術系大学(美大)

東京藝術大学、武蔵野美術大学、多摩美術大学などの美術系大学では、デッサンなどの実技試験がある入試が多いです。4年間、デザインの考え方から技術まで深く学べ、大手の広告会社やメーカーのデザイン部門に進む人も多いです。

専門学校

デザインの専門学校では、2〜3年で、デザインソフトの使い方など仕事ですぐに使える技術を集中的に学べます。学校と企業のつながりを活かして就職する人が多いです。

試験・選考の詳細

デザイナーには国家試験はありませんが、美大の入試と、会社の採用選考が大きな関門です。美大の入試では、鉛筆で石膏像や身の回りのものを描くデッサンや、色を使って構成を考える平面構成などの実技試験がよく出されます。会社の採用選考では、ポートフォリオの審査、面接、その場でデザインの課題を解く実技試験などがあります。大手の広告会社やメーカーのデザイン部門は、毎年の採用人数が少なく、競争が激しいです。

美大の実技試験

デッサンでは、ものの形や光と影を正確に描く力が見られます。平面構成では、決められたテーマを色と形で表現する力が見られます。何年も画塾に通って練習する人が多く、浪人して合格する人も珍しくありません。

ポートフォリオの審査

ポートフォリオでは、完成した作品の美しさだけでなく、「何を目的に、どう考えて作ったか」という過程も見られます。たとえば、架空のカフェのロゴを作ったなら、どんなお客さんに来てほしくて、なぜその色や形にしたのかを説明できることが大切です。

民間の検定

色彩検定、カラーコーディネーター検定、Webデザイン技能検定などの検定があります。必須ではありませんが、知識を証明したり、勉強の目標にしたりするのに役立ちます。

年収のリアル

厚生労働省の統計をもとにしたグラフィックデザイナーとインダストリアルデザイナーの年収の目安は約540万円です(令和7年調査)。ただし、デザイナーは働く場所によって年収の差がとても大きい仕事です。大手のメーカーやIT企業、広告会社で働くデザイナーは高い給料になることが多い一方で、小さなデザイン事務所では若いうちは年収300万円前後のことも少なくありません。フリーランスのデザイナーは、実力と人気によって、年収200万円以下の人から1,000万円を超える人まで幅があります。

分野によるちがい

一般的に、IT企業のUI/UXデザイナーや大手メーカーのプロダクトデザイナーは給料が高め、紙の印刷物を中心にする小さなデザイン事務所は低めと言われます。たとえば、同じデザイナーでも、どの分野でどの会社に勤めるかで、年収が大きく変わります。

フリーランスの収入

フリーランスは、仕事の数と単価で収入が決まります。有名になれば高い報酬で仕事を頼まれるようになりますが、仕事がない月は収入がなくなります。パソコンやソフトの費用、税金の手続きも自分で行います。

経験で上がる

アシスタントから一人立ちしたデザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクターと、責任が大きくなるほど年収も上がっていきます。

やりがい

デザイナーのやりがいは、自分がデザインしたものが世の中に出て、たくさんの人の目に触れ、使われることです。たとえば、コンビニで自分がデザインしたお菓子のパッケージを見つけたり、街中で自分が作ったポスターを見かけたりしたときの喜びは格別です。また、デザインの力で商品がよく売れるようになったり、アプリが使いやすくなって喜ばれたりすると、自分の仕事が人の役に立ったと実感できます。

形に残る

デザインした商品や広告、Webサイトは、形として残り、多くの人に見てもらえます。友だちや家族に「これ、自分がデザインしたんだよ」と言えるのもうれしいことです。

問題を解決できる

見やすいデザインで情報が正しく伝わったり、使いやすい画面で誰でも迷わず操作できたりすると、人の困りごとを解決できます。たとえば、お年寄りでも使いやすいアプリをデザインすることは、社会に大きく貢献します。

好きなことを仕事にできる

絵を描くこと、ものを作ること、きれいなものを見ることが好きな人にとって、それを仕事にできるのは大きな喜びです。

大変なこと・きついこと

デザイナーの仕事は、締め切りに追われることが多いです。広告や商品の発売日は決まっているので、修正が重なると、夜遅くまで作業することもあります。また、自分が良いと思ったデザインが、クライアントに受け入れられないこともよくあります。たとえば、何日もかけて作った案が「もっと別の雰囲気で」と一から作り直しになることもあります。好きなことを仕事にしているからこそ、否定されるとつらく感じることもあります。

修正の多さ

クライアントの意見で何度も修正することは、デザイナーの仕事では当たり前です。自分のこだわりと相手の希望のバランスを取ることが求められます。

収入の不安定さ

特にフリーランスや小さな事務所では、仕事の量によって収入が変わります。人気のある仕事なので、求人の数に対して仕事を探す人が多く、競争も厳しいです。

AIや道具の変化

画像を自動で作るAIなど、新しい道具が次々に登場しています。簡単なデザインはAIでもできるようになってきていて、デザイナーには、目的を考えて最適な形を選ぶ力がより求められるようになっています。

向いている人

デザイナーに向いているのは、身の回りのものを「なぜこの色なんだろう」「なぜこの形なんだろう」と観察するのが好きな人です。絵がうまいことよりも、相手が何を伝えたいのかを考えて、それを形にする力のほうが大切です。また、人の意見を聞いて、何度でも作り直せる粘り強さも必要です。流行や新しい技術に興味を持ち続け、学び続けられる人も向いています。

観察するのが好きな人

たとえば、お店でつい商品のパッケージを見比べてしまう、好きなアプリの使いやすさについて考えてしまう、という人はデザイナーに向いています。

人の気持ちを考えられる人

デザインは、見る人や使う人のためのものです。相手がどう感じるかを想像できる人は、伝わるデザインを作れます。

作ることが好きな人

絵を描く、写真を撮る、動画を作る、部屋の模様替えをするなど、何かを作ったり工夫したりすることが好きな人は、デザインの仕事を楽しめます。

高校生のうちにできること

高校生のうちにできることで大切なのは、とにかくたくさんのデザインを見ることと、自分で作ってみることです。本屋さんで雑誌や本の表紙を見比べたり、好きなお店のロゴやパッケージを観察したりするだけでも、デザインを見る目が育ちます。また、無料や学生向けの安いデザインソフトを使って、文化祭のポスターや部活のロゴを作ってみるのも良い経験です。美大を目指すなら、早めに画塾に通い始めることも考えましょう。

学校の中でデザインする

たとえば、文化祭のポスター、クラスTシャツ、部活のロゴ、生徒会の掲示物などは、デザインを実践できる絶好の機会です。誰に何を伝えたいかを考えて作ってみましょう。

デザインツールを触ってみる

Canvaなどの無料のデザインツールや、Figmaなどのソフトは、高校生でも使えます。実際に手を動かすことで、レイアウトや色の組み合わせの感覚が身につきます。

進学先の選び方

美大、一般大学のデザイン系学科、専門学校で、学べる内容や入試の方法が違います。オープンキャンパスに行って、学生の作品や授業の様子を見てみましょう。UI/UXデザインに興味があるなら、情報系の学部でデザインを学べるところもあります。

代表的な会社・職場

デザイナーの職場は、デザイン事務所、広告会社・広告制作会社、Web制作会社、IT企業、メーカー、出版社、印刷会社など幅広いです。広告の世界では、電通や博報堂などの大手広告会社が、テレビCMやポスターなど大きなキャンペーンを手がけ、その中の制作をグループ会社や広告制作会社、デザイン事務所が担当することが多いです。メーカーでは、トヨタ自動車、ソニー、パナソニックなどが社内に大きなデザイン部門を持っています。

広告会社と広告制作会社

広告会社はクライアントから広告の仕事を受け、全体の企画や広告を出す場所の手配をします。広告制作会社は、その中でポスターやCMなどを実際に作る会社です。

メーカーのデザイン部門

自動車や家電、スマホなどのメーカーには、社内にデザイン部門があり、プロダクトデザイナーやUIデザイナーが働いています。

IT企業

アプリやWebサービスを作るIT企業では、UI/UXデザイナーの需要が高まっています。

デザインの分野ごとのちがい

デザイナーと一口に言っても、分野によって使う道具も、一緒に働く人も、求められる力も大きく違います。グラフィックデザイナーは印刷物、Webデザイナーはホームページ、UI/UXデザイナーはアプリ、プロダクトデザイナーは製品をデザインします。どの分野を選ぶかで、進む学校や就職先も変わってきます。自分が何をデザインしたいのかを考えることが、デザイナーへの第一歩です。

紙から画面へ

かつてはポスターや雑誌などの紙のデザインが中心でしたが、今はスマホやWebの画面のデザインが大きく増えています。動く映像(モーショングラフィックス)や、SNS向けの画像のデザインなど、新しい分野も生まれています。

分野をまたぐデザイナー

最近は、グラフィックとWebの両方、デザインとプログラミングの両方ができるデザイナーも増えています。たとえば、自分でデザインした画面を、自分でプログラムを書いて動かせると、活躍できる場が広がります。

ポートフォリオの大切さ

ポートフォリオとは、自分の作品をまとめた作品集のことです。デザイナーの世界では、学歴や資格よりも、ポートフォリオが実力を示す最も大切なものです。就職活動でも、転職でも、フリーランスとして仕事を受けるときでも、必ずポートフォリオを見せることになります。ただ作品を並べるだけでなく、それぞれの作品で何を目的にし、どう考え、どんな工夫をしたのかを伝えることが大切です。

考えた過程を見せる

たとえば、架空の和菓子屋さんのパッケージを作ったなら、最初のアイデアスケッチ、比べた案、最終案を選んだ理由まで見せると、考える力が伝わります。

Webで公開する

今は、ポートフォリオをWebサイトで公開するデザイナーも多いです。SNSで作品を発信して、仕事の依頼につなげる人もいます。

よくある質問

絵が上手くないとデザイナーになれませんか?

必ずしも絵が上手である必要はありません。特にWebやUI/UXのデザインでは、絵の上手さよりも、使う人のことを考えて情報を整理する力が大切です。ただし、アイデアをすばやくスケッチで伝えられると便利なので、練習しておくと役立ちます。

美大に行かないとデザイナーになれませんか?

いいえ、美大以外からもなれます。デザインの専門学校や一般大学のデザイン系学科で学ぶ人も多く、独学でデザインを学んでWebデザイナーになる人もいます。大切なのは、実力を示せるポートフォリオです。

文系と理系、どちらがいいですか?

どちらからでもなれます。美大や芸術系の学部は文系の科目で受験できるところが多いです。プロダクトデザインやUI/UXデザインでは、理系の知識(工学や情報)が役立つこともあります。

AIが画像を作れるようになったらデザイナーはいらなくなりますか?

AIで簡単な画像は作れるようになってきていますが、クライアントの目的を理解し、誰に何をどう伝えるかを考え、最適な形を選ぶのは人間のデザイナーの大切な役割です。AIを道具として上手に使いこなすデザイナーが求められるようになっています。

デザイナーは残業が多いですか?

締め切り前やプレゼン前は忙しくなることが多いです。会社によって働き方は大きく違い、メーカーのインハウスデザイナーなどは比較的働く時間が安定していることが多いです。

フリーランスになるのは難しいですか?

グラフィックデザイナーの多くがフリーランスとしても働いていて、珍しい働き方ではありません。ただし、仕事を自分で見つける必要があるので、まずは会社で経験と人とのつながりを作ってから独立する人が多いです。

どんなソフトを使えるようになればいいですか?

グラフィックデザインではIllustratorとPhotoshop、WebやUIのデザインではFigma、プロダクトデザインでは3D CADがよく使われます。高校生なら、まずは無料のツールでデザインの基本に慣れるのがおすすめです。

デザイナーに向いているかわかりません

まずは、文化祭のポスターや部活のロゴなど、身近なものをデザインしてみましょう。作るのが楽しい、人に喜ばれてうれしい、と感じたら向いているかもしれません。デザインはやればやるほど上手になる分野です。

有名なデザイナーになるにはどうすればいいですか?

多くの有名デザイナーは、広告会社やデザイン事務所で経験を積み、話題になる作品を作ったり、デザインの賞を取ったりして名前が知られるようになっています。日々の仕事で質の高いデザインを作り続けることが一番の近道です。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」のグラフィックデザイナーとインダストリアルデザイナーの年収です(令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした目安で、どちらも約539.6万円)。統計の対象は主に雇われて働く人で、グラフィックデザイナーの60%ほどが自営・フリーランスでも働いているため、実際の収入の幅はとても広いです。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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