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社長になるのは1日でできる。続けるのがむずかしい仕事です

起業家

起業家は、自分で会社や事業を立ち上げて、新しい商品やサービスを世の中に届ける人です。たとえば、地元で人気のパン屋さんを開く人、町の美容室や整骨院を開く人、スマホアプリを作る会社を立ち上げる人、大学で研究した新しい素材を製品にする会社を作る人など、規模も分野もさまざまです。資格や試験はなく、株式会社なら数十万円ほどの費用で誰でも作れますが、売上を立てて、社員に給料を払い、会社を続けていくのは簡単ではありません。うまくいけば大きな収入や社会への影響を得られる一方、収入がゼロになったり借金を抱えたりする可能性もある、成功と失敗の幅がとても大きい生き方です。

平均年収の目安決まった平均はありません。開業者の67.0%が黒字基調、33.0%が赤字基調2025年度調査ゼロや赤字から、会社が大きく成長すれば数千万円以上まで
なるまでの難しさ★★★★★起業に試験はなく、会社を作る手続きは誰でもできます。難しいのは、お客さんにお金を払ってもらえる商品やサービスを作り、事業を続けることです。2023年度の開業率は3.9%、廃業率も3.9%で、毎年たくさんの会社が生まれ、同じくらいの会社がなくなっています。投資家からお金を集めて急成長を目指すスタートアップでは、上場(IPO)までたどり着くのはほんのひと握りで、2025年にIPOしたスタートアップは31社でした。
決めどき文系・理系どちらでも

決まった時期はありません。日本政策金融公庫の2025年度調査では、開業時の平均年齢は43.9歳で、会社員などとして経験を積んでから起業する人が多いです。一方で、大学生や20代で起業する人もいます

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

起業家の年収と昇進の流れ

準備期(会社員・学生)〜600万円
起業前

会社員として経験とお金を貯めたり、学生として小さく事業を試したりします。数字は会社員などとしての収入の幅です。

創業期(0〜1年目)〜400万円
起業直後

最初の商品を出してお客さんを見つける時期です。役員報酬をほとんど取らない人や、赤字の人も多くいます。数字はおおまかな目安です。

軌道に乗せる時期(2〜3年目)200〜700万円
起業2〜3年

黒字化と売上の安定を目指します。社員を雇えるようになるかどうかが一つの目安です。

成長期(社員10〜50人ほど)500〜1,500万円
起業4〜10年

組織が大きくなり、社長は経営の判断や資金集めに集中します。役員報酬は会社の利益や資金の状況で決めます。

拡大期(上場・大きな会社へ)1,000〜5,000万円
起業10年前後〜

上場や大きな資金調達、売却などで、創業者の株の価値が大きくなる可能性があります。ここまで進む会社はごく一部です。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

スモールビジネス(店舗・地域ビジネス)利益しだい。開業者の月商は100万円未満が39.5%、100万〜500万円未満が44.2%(2025年度)

飲食店、美容室、整体院、学習塾、デザイン事務所など、地域のお客さんを相手にする事業です。自分の技術や経験を生かして始める人が多く、借り入れと自己資金で開業するのが一般的です。急成長より、安定して黒字を出し続けることを目指します。

良いところ自分の技術を生かせる、地域の人に直接喜ばれる

大変なところ自分が現場を離れにくい、売上が天候や景気に左右される

スタートアップ創業期は低め。成功すれば株の価値が大きくなる可能性

新しい技術やアイデアで急成長を目指す会社です。投資家から出資を受け、赤字のうちから開発や採用にお金を使います。上場や売却をゴールの一つとします。

良いところ社会に大きな影響を与えられる可能性がある、大きな成功もありうる

大変なところ成功する会社は少数、投資家からのプレッシャーが大きい

フリーランス・個人事業主仕事の量と単価しだいで月ごとに変動

会社を作らずに、個人のスキルで仕事を受ける働き方です。費用をほとんどかけずに始められ、起業の第一歩として選ぶ人もいます。

良いところ始めやすい、働く時間と場所を選びやすい

大変なところ収入が不安定、病気などで働けないと収入が止まる

事業承継・社内起業会社の規模や状況による

家業を継いで新しい事業に挑戦する、勤めている会社の中で新規事業を立ち上げるといった形です。ゼロから始めるより、お客さんや資金、人材などの土台を使えるのが特徴です。

良いところすでにある土台を生かせる

大変なところこれまでのやり方や社内の意見との調整が必要

代表的な会社・職場

政府系金融機関経済団体公的支援国の支援機関投資会社起業支援プログラム大学働く場所
日本政策金融公庫 ›政府系金融機関

これから開業する人や、開業して間もない人向けの融資を行っています。毎年、新規開業の実態調査も公表しています。

起業家の勤め先ではなく、資金の借り先
商工会議所・商工会経済団体

地域の中小企業や起業家を支える団体です。創業セミナーや経営相談を行っています。

支援機関
自治体の創業支援窓口公的支援

市区町村が、創業の相談、セミナー、補助金などで起業家を支援しています。

支援機関
中小企業基盤整備機構(中小機構)国の支援機関

中小企業や起業家向けに、相談、インキュベーション施設、ファンドへの出資などを行っています。

支援機関
ベンチャーキャピタル投資会社

スタートアップに出資し、経営を支援して成長させ、上場や売却で利益を得る会社です。

起業家にとっての出資者
アクセラレーター・インキュベーター起業支援プログラム

起業したばかりの会社に、助言や仕事場所、投資家との出会いの場を提供するプログラムです。

支援機関
大学の起業支援組織大学

多くの大学に、学生や研究者の起業を支援する組織やプログラムがあり、大学発ベンチャーを生み出しています。

支援機関
コワーキングスペース働く場所

起業家やフリーランスが机を借りて働ける共用のオフィスです。起業家どうしの交流の場にもなります。

利用料を払って使う

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

始めるためのお金 自己資金 自分の貯金 借り入れ 返す義務あり 株は渡さない 出資 返す義務なし 株を渡す 起業家の会社 商品やサービスを売る もうけの仕組み 売上 内訳 材料費・家賃・人件費・広告費 利益 使い道 会社への投資 借金の返済 社長の報酬 開業時に集めたお金は平均1,219万円 うち借り入れが平均827万円(2025年度)
スタートアップは、赤字のうちから人や開発にお金を使って急成長を目指します

起業家の会社は、商品やサービスを売って得た売上から、材料費、家賃、人件費、広告費などの費用を引いた残りが利益になります。この利益から、会社を続けるための投資や借金の返済を行い、残りの一部を社長自身の報酬にします。スモールビジネスでは、自分の貯金と銀行や日本政策金融公庫からの借り入れで始めるのが一般的です。スタートアップでは、投資家に会社の株を渡すかわりにお金を出してもらい(出資)、赤字のうちから人や開発にお金を使って急成長を目指します。

1
商品・サービスの売上

お客さんに商品やサービスを売って得るお金です。たとえば、パン屋ならパンの代金、アプリの会社なら月額料金や広告収入です。

2
借り入れ(融資)

日本政策金融公庫や銀行からお金を借ります。返す義務がありますが、会社の株を渡さずにすみます。2025年度の調査では、開業時の資金調達額は平均1,219万円で、そのうち金融機関などからの借り入れが平均827万円でした。

3
出資(エクイティ)

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家に株を渡し、そのかわりにお金を出してもらいます。返す義務はありませんが、投資家は会社の成長と上場などによる利益を期待しています。

4
補助金・助成金

国や自治体が、新しい事業や研究、設備投資などを支援するために出すお金です。返す必要がないものが多いですが、審査があります。

5
上場・売却(イグジット)

会社が株式を上場したり、ほかの会社に買われたりすると、創業者や投資家は持っている株を売って利益を得られます。

入ってからどうなっていく?

高校・大学興味と経験を広げる部活動や文化祭、ボランティア、アルバイトなどで、企画を立てて人を動かす経験を積みます。大学では学部を問わず起業する人がいて、ビジネスコンテストに挑戦する学生もいます。
20代専門性と人脈を作る会社員として働き、業界の知識や営業、開発などのスキルを身につける人が多いです。スタートアップで働いて起業の現場を学ぶ人や、学生のうちに起業する人もいます。
起業〜1年目立ち上げ期会社を作り、最初の商品やサービスを出して、最初のお客さんを見つけます。売上が安定せず、資金の残りを気にしながら走る時期です。
2〜3年目軌道に乗せる時期黒字化や売上の安定を目指します。社員を雇ったり、お店を増やしたりします。うまくいかなければ、事業の方向を変える(ピボット)か、たたむかを決める時期でもあります。
4〜10年目成長・組織づくり会社が大きくなると、社長は現場の仕事から、組織づくりや経営の判断に軸足を移します。スタートアップでは大きな資金調達や上場を目指します。
10年目以降次の展開会社を育て続ける人、上場や売却をして次の会社を作る人、後継者に引き継ぐ人、投資家として若い起業家を支える人など、道はさまざまです。一度失敗してから再挑戦して成功する人もいます。

アイデアが会社になるまで

1 課題を見つける 困っていること・不便 2 解決策を試す 試作品を使ってもらう 3 払ってもらえるか 払う人がいるか確かめる 4 事業計画を作る 売上・費用・必要な資金 5 会社を作る 資金を用意して登記 6 売上を伸ばす お客さんを増やし人を雇う 7 続けるか、次に進むか 黒字を続けて 会社を育てる 上場や売却を 目指す 方向を変える (ピボット) 小さく試してから、会社にする
無料で使ってもらえるだけでなく、お金を払ってくれる人がいるかを確かめます
1
課題を見つける

自分や周りの人が困っていること、不便なことから、解決したい課題を見つけます。

2
解決策を考えて試す

簡単な試作品やお試しのサービスを作り、実際の人に使ってもらって反応を確かめます。

3
お金を払ってもらえるか確かめる

無料で使ってもらえるだけでなく、お金を払ってくれる人がいるかを確かめます。

4
事業計画を作る

売上と費用の見通し、必要な資金、仲間の役割を決めます。

5
資金を集めて会社を作る

貯金、借り入れ、出資などで資金を用意し、会社を登記します。

6
売上を伸ばし、人を雇う

お客さんを増やし、必要な人を採用して、事業を大きくしていきます。

7
続ける・次に進む

黒字を続けて会社を育てるか、上場や売却を目指すか、方向を変えるかを判断します。

起業家のある1日

7:30

起きてメールとチャットを確認し、社員から上がってきた課題を把握します(社員10人ほどのスタートアップの社長の例)。

9:00

朝会で、全員の今日の予定と困っていることを共有します。

10:00

大口のお客さんになりそうな会社を訪問し、サービスを提案します。

12:00

昼食をとりながら、採用候補のエンジニアと面談します。

13:30

開発チームと、次に作る機能の優先順位を話し合います。

15:00

ベンチャーキャピタルの投資家とオンラインで面談し、次の資金調達の相談をします。

16:30

月ごとの売上と費用の数字を確認し、お金があと何か月もつかを計算します。

18:00

起業家仲間の勉強会に参加し、ほかの会社の経験を聞きます。

21:00

帰宅後、投資家向けの資料を作ります。休日も仕事のことを考えている起業家は多いです。

もっと知りたい人へ

そもそも起業家とは

起業家は、自分で事業を始め、その事業に責任を持つ人です。会社を作って社長になる人もいれば、会社を作らずに個人事業主として事業をする人もいます。資格も試験もなく、誰でもなれますが、会社員と違って毎月決まった給料はなく、事業がうまくいくかどうかがそのまま自分の生活に返ってきます。日本では2023年度の開業率が3.9%で、毎年多くの事業が生まれています。

起業家のタイプ

地域のお店や事務所を開くスモールビジネス、急成長を目指すスタートアップ、フリーランス、家業を引き継いで新しいことを始める事業承継など、起業にはいろいろなタイプがあります。目指す規模や、資金の集め方がそれぞれ違います。

起業する理由

日本政策金融公庫の2025年度調査では、開業の動機は「自由に仕事がしたかった」59.7%、「収入を増やしたかった」44.9%、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」41.1%が上位でした(3つまで選ぶ形式)。

なるためのルート

起業に決まったルートはありません。多いのは、会社員として業界の経験を積んでから、その分野で独立するパターンです。スタートアップでは、大学生や大学院生のうちに起業する人、スタートアップの社員として経験を積んでから起業する人もいます。会社を作るには、定款という会社のルールを作り、法務局に登記をします。株式会社なら資本金1円から作れ、最低でも20万円台の費用がかかります。

  1. 課題やアイデアを見つける自分の経験や身の回りの「不便」から、お金を払ってでも解決したい課題を探します。
  2. 経験と仲間を集めるその分野の知識や技術を身につけ、一緒に取り組む仲間を探します。
  3. 小さく試す試作品やお試しのサービスで、本当にお客さんが買ってくれるかを確かめます。
  4. 事業計画と資金の準備売上や費用の見通しを立て、貯金、借り入れ、出資などで資金を用意します。
  5. 会社を作る・開業する株式会社や合同会社を登記するか、個人事業主として開業届を出します。
  6. 売上を立てて続けるお客さんを増やし、黒字にして事業を続けます。
会社を作る費用

株式会社を作るには、登録免許税(最低15万円)、定款の認証手数料(資本金100万円未満なら3万円)、紙の定款なら収入印紙代4万円などがかかります。合同会社なら登録免許税は最低6万円で、定款の認証もいりません。個人事業主なら、税務署に開業届を出すだけで始められます。

開業資金の目安

2025年度の調査では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。お店を開くと内装や設備にお金がかかりますが、ITのサービスやフリーランスなら少ない資金で始められることもあります。

試験・選考の詳細

起業に資格試験はありませんが、事業によっては許可や資格が必要です。たとえば、飲食店を開くには食品衛生責任者を置き、保健所の営業許可を受ける必要があります。美容室なら美容師の免許、建設業や不動産業なら国の許可や免許が必要です。お金を借りたり出資を受けたりするときには、金融機関や投資家の審査が事実上の「選考」になります。

融資の審査

日本政策金融公庫や銀行は、事業計画書、自己資金の額、その業界での経験などを見て、お金を貸すかどうかを決めます。その業界で働いた経験や、自分で貯めたお金があると、審査で評価されやすいです。

投資家の審査

ベンチャーキャピタルは、市場の大きさ、創業者のチーム、製品の強み、成長の見込みなどを見て出資を決めます。多くの起業家が何十社もの投資家に説明して、やっと出資を受けられることもあります。

年収のリアル

起業家の収入には、決まった額も平均もほとんど意味がありません。事業がうまくいけば会社員よりずっと多く稼げる可能性がありますが、最初の数年は会社員時代より収入が下がる人も多く、赤字が続けば自分のお金を失うこともあります。2025年度の調査では、開業者の67.0%が黒字基調、33.0%が赤字基調でした。現在の月商は「100万円未満」が39.5%で、売上から経費を引いた利益が本人の収入になるので、手元に残る額はもっと少なくなります。

スタートアップの創業者の場合

スタートアップでは、集めたお金を開発や採用に回すため、創業者の役員報酬は低くおさえることが多いです。そのかわり、会社が上場したり売却されたりすると、持っている株の価値が大きくなる可能性があります。ただし、そこまでたどり着く会社は少数です。

借金のリスク

会社が銀行からお金を借りるとき、社長個人が保証人になる(経営者保証)ことがあります。事業がうまくいかないと、個人で借金を返さなければならない場合があります。最近は、経営者保証をつけない融資を広げる取り組みも進められています。

やりがい

自分のアイデアが形になり、お客さんに喜ばれることが最大のやりがいです。たとえば、自分が作ったアプリを何万人もの人が使ってくれたとき、開いたお店に常連さんができたとき、自分の手で社会の一部を変えられた実感があります。働く時間、場所、一緒に働く人、事業の方向性を自分で決められる自由も大きな魅力です。

雇用を生み出す

事業が育つと、社員を雇い、その人たちの生活を支えることになります。地域にお店や会社ができることで、町が元気になることもあります。

成長の速さ

起業家は、営業、お金の管理、採用、製品づくりなど、会社のすべてにかかわります。会社員では何年もかかる経験を短い期間で積めるため、自分自身が大きく成長できます。

大変なこと・きついこと

最大の大変さは、すべての責任が自分にかかることです。売上が上がらなければ収入がなくなり、社員の給料を払えなければ社員の生活にも影響します。決まった休みはなく、仕事とプライベートの境目もあいまいになりがちです。うまくいかないときに相談できる上司もいないため、孤独を感じる起業家も多いです。

お金の不安

口座のお金があと何か月もつかを常に気にしながら経営することになります。お客さんからの入金が遅れるだけで、支払いに困ることもあります。

失敗との向き合い方

多くの事業が途中で方向転換したり、たたんだりします。失敗しても、その経験を生かして再挑戦する人や、会社員として活躍する人もいます。失敗を必要以上に恐れず、損失が大きくなりすぎないように計画することが大切です。

向いている人

「こうしたらもっとよくなるのに」という不満やアイデアを、自分で形にしたいと思える人に向いています。わからないことがあっても自分で調べて行動する力、失敗しても立ち直る粘り強さ、人に助けを求めて巻き込む力が大切です。お金の計算から逃げないことも欠かせません。

こんな経験が生きる

文化祭の模擬店で売上を考えた経験、部活動で新しい練習方法を提案した経験、フリマアプリで物を売った経験など、自分で考えて人を動かした経験は、起業の練習になります。

こんな人は大変かも

毎月決まった収入がないと不安で仕方がない人、決まったやり方に沿って働くのが好きな人には、きつく感じられるかもしれません。会社員として専門性を磨く道も、同じように価値のある選択です。

高校生のうちにできること

起業に必要なのは、特定の科目の知識より、課題を見つけて行動する経験です。文化祭の模擬店で原価と売値を考えたり、地域の課題を調べて解決策を提案したりするのは、立派な起業の練習です。高校生向けのビジネスプランコンテストや、起業家の講演会に参加するのもおすすめです。お金の流れを理解するために、簿記の勉強を始めるのも役立ちます。

お金の仕組みを学ぶ

売上、原価、利益、借金、株などの言葉を理解しておくと、起業だけでなく社会に出てからも役立ちます。高校の家庭科や公民の授業で学ぶ金融の内容も、その土台になります。

進路の選び方

起業家は文系・理系どちらからも生まれています。ITや技術で起業したいなら理系の学部、経営や経済を学びたいなら経営学部や経済学部が多いですが、自分が本当に興味を持てる分野を深く学ぶことが一番の強みになります。

代表的な会社・職場

起業家の職場は、自分が作った会社やお店そのものです。起業前後に関わる場所としては、起業家を支援する公的な機関、起業家が集まって働くコワーキングスペース、スタートアップに出資するベンチャーキャピタル、自治体や大学の起業支援の施設などがあります。

支援してくれる機関

日本政策金融公庫は、開業する人向けの融資を行っています。自治体や商工会議所では、創業セミナーや無料の相談窓口を設けています。

スタートアップを支える人たち

ベンチャーキャピタルは、スタートアップに出資して成長を支え、上場や売却で利益を得る会社です。起業したばかりの会社を育てるアクセラレーターと呼ばれるプログラムもあります。

スモールビジネスとスタートアップのちがい

同じ起業でも、スモールビジネスとスタートアップでは目指すものが違います。スモールビジネスは、地域のお客さんに価値を届け、安定して黒字を出し続けることを目指します。スタートアップは、新しい技術やアイデアで、数年で大きく成長し、上場や売却を目指します。資金の集め方も、スモールビジネスは借り入れが中心、スタートアップは投資家からの出資が中心です。

どちらが上ということはない

ニュースではスタートアップの大型の資金調達が注目されがちですが、町のパン屋や工務店も立派な起業です。自分がどんな働き方や人生を望むかで、選ぶべき形は変わります。

スタートアップの現実

2025年の国内スタートアップの資金調達は、1社あたりの中央値が6,240万円でした。上場したスタートアップは31社で、資金を集めた会社の数(2,700社)と比べるとごく一部です。

起業の前に知っておきたいお金の言葉

起業すると、売上、経費、利益、資金繰り、借り入れ、出資、株式など、お金に関する言葉を毎日使うことになります。たとえば、売上が100万円でも、材料費や家賃などの経費が90万円かかれば、利益は10万円です。さらに、お客さんからの入金が来月なのに、家賃の支払いが今月なら、帳簿の上では黒字でも手元のお金が足りなくなることがあります。これを資金繰りといい、多くの起業家が苦労するポイントです。

黒字倒産

利益は出ているのに、手元の現金が足りなくなって支払いができず、会社がつぶれてしまうことを黒字倒産といいます。売上の入金と支払いのタイミングを管理することが大切です。

株式と経営権

投資家から出資を受けると、会社の株の一部を投資家が持つことになります。株を多く渡しすぎると、会社の大事なことを自分だけで決められなくなることもあるので、出資を受けるときはよく考える必要があります。

よくある質問

高校生でも会社を作れますか

法律上は、未成年でも親の同意があれば会社を作ることができます。ただし、契約や手続きに制限がある場合もあるので、大人の協力が必要です。まずは個人で小さく商売を試してみる人が多いです。

起業するのにいくらお金が必要ですか

事業によって大きく違います。2025年度の調査では開業費用の中央値は600万円でしたが、パソコン1台で始められるITのサービスやフリーランスなら、もっと少ない資金で始められます。株式会社を作る手続きだけなら、20万円台からできます。

起業家になるには何を勉強すればよいですか

決まった科目はありませんが、お金の流れを理解する簿記や会計、人に伝える文章力やプレゼンの力、ITの基礎知識は、どんな分野でも役立ちます。何より、自分が解決したい課題についての深い知識が強みになります。

一度失敗したらもう起業できませんか

そんなことはありません。一度事業をたたんだあとに再挑戦して成功する起業家もたくさんいます。失敗の経験から学んだことは、次の事業で大きな財産になります。

会社員を経験してから起業したほうがいいですか

人によります。業界の知識や人脈、仕事の基本を身につけてから起業すると、失敗のリスクを下げられることが多いです。一方で、学生のうちに起業して成功する人もいます。

起業家はどのくらい働いているのですか

決まった労働時間はなく、特に立ち上げのころは長時間働く人が多いです。事業が軌道に乗れば、自分で働き方を調整できるようになります。

女性の起業家は多いですか

2025年度の日本政策金融公庫の調査では、開業者に占める女性の割合は25.7%で、調査を始めてから最も高い水準でした。少しずつ増えてきています。

起業とフリーランスはちがうのですか

フリーランスは個人で仕事を受ける働き方で、広い意味では起業の一つです。人を雇って会社を大きくしていくかどうかが、よく言われる違いです。

お金持ちになれますか

なれる可能性はありますが、保証はまったくありません。会社員よりずっと稼ぐ人もいれば、借金を抱えてしまう人もいます。お金だけを目的にすると続けるのが難しく、自分が解決したい課題があるかどうかが大切です。

この分野のことば

年収について:起業家の収入は、事業の利益や自分で決める役員報酬によって決まり、決まった給料はありません。日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」では、開業者の現在の月商(1か月の売上)は「100万円未満」が39.5%、「100万〜500万円未満」が44.2%でした。売上から材料費や家賃、人件費などを引いた残りが利益なので、月商がそのまま本人の収入になるわけではありません。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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