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介護をする人ではなく、困っている人と「使える制度・人・場所」をつなぐ相談のプロ

社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士と精神保健福祉士は、病気、障害、貧困、虐待、高齢などで生活に困っている人の相談に乗り、必要な制度やサービスにつなぐ国家資格の仕事です。こうした仕事をする人をソーシャルワーカーと呼びます。たとえば、病気で入院して仕事ができなくなった人に、医療費の負担を減らす制度や生活費を支える制度を紹介し、退院後に暮らす場所や介護サービスを一緒に探します。社会福祉士は高齢者、障害者、子ども、生活に困っている人など幅広い分野を担当し、精神保健福祉士は心の病気がある人の生活と社会参加を専門に支えます。病院、市役所、児童相談所、地域包括支援センター、福祉施設、学校、刑務所など、働く場所はとても広いです。

平均年収の目安約442万円医療ソーシャルワーカーの数字20代で約300万〜380万円、管理職や公務員のベテランで500万〜650万円前後の例があります
なるまでの難しさ★★★★★2026年2月実施の第38回社会福祉士国家試験の合格率は60.7%(大学新卒者は78.3%)、第28回精神保健福祉士国家試験は78.2%でした。出題範囲は法律、制度、心理、医学、社会学などとても広く、暗記の量が多い試験です。受験資格を得るには、福祉系の大学で指定科目を学ぶか、一般の大学を出たあと養成施設に通う必要があります。
決めどき文系が中心

高校2〜3年の進路選択のとき(福祉系の学部・学科に進むと最短で受験資格が得られます)

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

社会福祉士・精神保健福祉士の年収と昇進の流れ

福祉系大学の学生万円
4年間、18〜22歳

社会福祉の理論と制度、相談援助の方法を学び、現場で実習します。国家試験に合格することが次の段階に進む条件です。

相談員(新人)280〜350万円
1〜3年目、22〜25歳

先輩と一緒に面接や調整を行い、制度の知識を身につけます。一人でケースを担当できるようになると次の段階です。

担当相談員330〜430万円
4〜8年目、26〜30歳

難しいケースも担当し、後輩や実習生を指導します。認定社会福祉士などを目指します。

主任・係長400〜520万円
9〜15年目、30代

相談部門のリーダーとして、チームの相談の質を管理し、地域の関係機関との仕組みづくりを行います。

室長・課長・施設長480〜620万円
40代

相談部門や施設の責任者として、組織の運営と人材育成を担当します。

法人幹部・行政管理職・独立550〜750万円
50代

法人の幹部や行政の管理職として地域の福祉をリードします。独立して成年後見などの事務所を開く人もいます。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

病院(医療ソーシャルワーカー・精神科ソーシャルワーカー)年収300万〜500万円程度が多い(求人や統計からの目安)

病院の地域連携室や相談室で、患者さんの退院支援やお金の相談を行います。精神科では、精神保健福祉士として入院から地域生活までを支えます。医療チームの一員として働けるのが特徴です。

良いところ医療と福祉の両方を学べ、退院支援の専門性が身につきます。

大変なところ退院の期限に追われ、調整の負担が大きいです。

行政(福祉職公務員)地方公務員の給料表による(勤続年数とともに上がります)

福祉事務所、児童相談所、障害福祉課などで、法律にもとづく公的な支援を担当します。数年ごとに異動があり、幅広い分野を経験します。

良いところ収入と身分が安定し、公的な権限を使って支援できます。

大変なところ担当件数が多く、虐待対応などで精神的な負担が大きいです。

社会福祉法人・施設・地域の相談機関年収280万〜450万円程度が多い(求人からの目安)

高齢者や障害者の施設の生活相談員、地域包括支援センター、社会福祉協議会、相談支援事業所などで働きます。地域に密着した支援ができます。

良いところ地域の人と長く関わり、生活に近い支援ができます。

大変なところ法人によって給料や待遇の差が大きいです。

学校・司法・独立・企業職場や契約により大きく異なります

スクールソーシャルワーカー、刑務所の福祉専門官、地域生活定着支援センター、独立型社会福祉士、企業の相談窓口など、新しい分野で働きます。

良いところ専門性を生かし、新しい分野を切り開けます。

大変なところ非常勤や業務委託が多く、収入が安定しにくいことがあります。

代表的な会社・職場

急性期病院精神科医療行政地域の相談機関地域福祉福祉施設教育司法福祉
大学病院・総合病院の地域連携室急性期病院

入院患者さんの退院支援や、医療費などの相談に乗ります。

病院の給料表による
精神科病院・メンタルクリニック精神科医療

精神保健福祉士が入院から地域生活、仕事への復帰までを支えます。

病院・クリニックの規程による
市役所・福祉事務所行政

生活保護や障害福祉、高齢福祉などの相談と支援を行います。

地方公務員の給料表による
児童相談所行政

子どもの虐待や家庭の問題に対応し、子どもを守ります。

地方公務員の給料表による
地域包括支援センター地域の相談機関

高齢者の総合相談、虐待への対応、成年後見の支援などを行います。

運営法人や市町村の規程による
社会福祉協議会地域福祉

地域のボランティア支援や生活の相談、金銭管理の支援などを行う民間団体です。

団体の規程による
特別養護老人ホーム・障害者支援施設福祉施設

生活相談員として入所の相談や家族、行政との調整を行います。

法人の規程による
教育委員会(スクールソーシャルワーカー)教育

学校で、子どもの家庭や環境の問題に福祉の視点から働きかけます。

教育委員会の規程による(非常勤が多い)
刑務所・地域生活定着支援センター司法福祉

出所する高齢者や障害者の住まいや福祉サービスの準備を行います。

国や運営団体の規程による

どうやって稼いでいる?

お金の出どころ 働く場所 診療報酬 入退院支援加算など 病院 地域連携室・相談室 介護・障害福祉 サービスの報酬 施設・事業所 生活相談員など 国・自治体の予算 もとは税金 行政・学校など 福祉事務所・児童相談所 給料 ソーシャル ワーカー 相談・支援 相談する人 お金を直接はらうことはほぼない ほかにこんな収入も 成年後見の報酬 家庭裁判所が決める 企業との契約 社員の相談窓口(EAP) 給料のもとは、税金と社会保険
病院では、退院支援をすると入退院支援加算などの点数が病院に入ります

社会福祉士・精神保健福祉士の仕事は、相談を受けた人から直接お金をもらうことはほとんどありません。給料の多くは、税金や社会保険から出ています。たとえば、病院のソーシャルワーカーが退院の支援をすると、国が決めた診療報酬(入退院支援加算など)が病院に入ります。行政や地域包括支援センター、スクールソーシャルワーカーの費用は、国や自治体の予算でまかなわれます。福祉施設では、介護保険や障害福祉サービスの報酬が施設の収入になり、その中から相談員の給料が払われます。

1
診療報酬(入退院支援加算など)

病院で社会福祉士などが退院支援を行うと、加算として病院に点数が入ります。精神科でも精神保健福祉士を置くことで算定できる点数があり、病院がソーシャルワーカーを雇う理由になっています。

2
介護保険・障害福祉サービスの報酬

高齢者や障害者の施設、相談支援事業所は、サービスを提供すると介護保険や障害福祉の制度から報酬を受け取ります。

3
国や自治体の予算

福祉事務所、児童相談所、地域包括支援センター、スクールソーシャルワーカーなどの費用は、税金からまかなわれています。

4
成年後見の報酬

成年後見人の報酬は、家庭裁判所が決め、本人の財産から支払われます。財産が少ない人のために、自治体が報酬を助成する制度もあります。

5
企業との契約(EAPなど)

企業が社員の相談窓口を外部の会社に任せるとき、契約料を払います。その会社で働くソーシャルワーカーの収入源になります。

入ってからどうなっていく?

高校卒業〜大学4年福祉系大学で学ぶ福祉系の大学で社会福祉の理論や制度、面接の方法を学び、指定科目を修めます。病院や施設、行政で実習を行い、4年生の2月に国家試験を受けます。
1〜3年目先輩と一緒に相談を学ぶ病院、施設、行政などに就職し、先輩の面接に同席しながら、制度の知識と相談の進め方を身につけます。少しずつ自分の担当ケースを持ちます。
4〜8年目難しいケースを任される虐待、身寄りのない人、複数の問題を抱えた家庭など、難しい相談を担当します。後輩や実習生の指導も行い、認定社会福祉士などを目指します。
9〜15年目主任・リーダー相談室の主任や、行政の係長として、チームの相談の質を見たり、地域の関係機関との仕組みづくりをしたりします。別の分野(病院から行政、施設から学校など)へ移る人もいます。
40代室長・管理職・施設長相談部門や施設の責任者として、組織の運営や人材育成を担当します。独立して成年後見などの事務所を開く人もいます。
50代〜組織の幹部・教員・独立法人の幹部や行政の管理職として地域の福祉をリードします。大学や養成施設の教員として後進を育てる人もいます。

入院した患者さんが退院するまでの相談支援

1 相談が入る 看護師や家族 から連絡 2 面接 本人と家族の 暮らしを聞く 3 支援の計画 使える制度と サービスを整理 4 調整 ケアマネ・ 転院先・施設 5 カンファレンス 医師・看護師・ リハビリ職と 6 引き継ぎ 退院後に支える 地域の人へ ソーシャル ワーカー 順番に 入院した患者さんが退院するまで 人と制度をつないで暮らしを整える
病院の医療ソーシャルワーカーの例
1
相談の受付

病棟の看護師や家族から、退院後の生活が心配だという相談が入ります。

2
面接と情報の整理

患者さんや家族と面接し、家族構成、収入、住まい、本人の希望を聞き取ります。

3
支援の計画

自宅に戻るのか、施設や別の病院に移るのかを考え、使える制度やサービスを整理します。

4
関係機関との調整

介護保険の申請、ケアマネジャーとの連絡、転院先や施設との調整を行います。

5
退院前カンファレンス

医師、看護師、リハビリ職、ケアマネジャー、家族が集まり、退院後の支援を確認します。

6
退院と地域への引き継ぎ

退院後に支援する人たちに情報を引き継ぎ、必要に応じて退院後も相談に乗ります。

社会福祉士国家試験・精神保健福祉士国家試験

合格率社会福祉士60.7%(大学新卒78.3%、2026年2月実施の第38回)、精神保健福祉士78.2%(同年の第28回)
勉強時間の目安福祉系大学4年間で指定科目を学ぶのが前提で、4年生の夏ごろから本格的に対策する人が多いです。一般大学卒業後は養成施設で1年以上学びます
受験資格福祉系大学で指定科目を修めて卒業した人、一般大学卒業後に一般養成施設で1年以上学んだ人、福祉系短大を卒業して相談援助の実務経験を積んだ人など(社会福祉士は12通りのルートがあります)
社会福祉士の合格率は近年6割前後まで上がりましたが、2017年ごろは2〜3割台で、難しい国家試験として知られていました。出題範囲は法律、制度、心理、医学、社会学まで非常に広く、制度の改正にも対応する必要があります。また、6つの科目群すべてで得点が必要なため、苦手な分野を作れません。医療系の国家試験のように新卒の合格率が9割を超えるわけではなく、福祉系大学の新卒でも約8割の合格率です。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 受験の申し込み例年9月から10月ごろに願書を提出します。
  2. 筆記試験2月初めの日曜日に、午前と午後に分けてマークシート方式で行われます。社会福祉士は129問です。
  3. 合格発表3月初めに発表されます。
  4. 登録合格後に社会福祉振興・試験センターに登録すると、社会福祉士・精神保健福祉士と名乗れます。

社会福祉士・精神保健福祉士のある1日

8:30

出勤して、病棟の入院患者の一覧と、前日に入院した人の情報を確認します。

9:00

病棟の看護師と、退院が近い患者さんの状況を短く打ち合わせます。

10:00

入院した患者さんの家族と面接し、家族構成、収入、住まい、退院後の希望を聞き取ります。

11:30

転院先の候補となる病院に電話し、患者さんの状態を伝えて受け入れを相談します。

12:30

昼休みです。

13:30

医師、看護師、リハビリ職、ケアマネジャーと退院前カンファレンスを行い、自宅に戻るための準備を確認します。

15:00

医療費の支払いに困っている患者さんに、高額療養費制度などの使い方を説明し、申請書類を一緒に書きます。

16:00

市役所の担当者と、身寄りのない患者さんの退院後の支援について電話で相談します。

17:00

面接の内容を記録にまとめ、翌日の予定を確認して退勤します。

もっと知りたい人へ

そもそも社会福祉士・精神保健福祉士とは

社会福祉士は1987年にできた社会福祉士及び介護福祉士法、精神保健福祉士は1997年にできた精神保健福祉士法に定められた国家資格です。どちらも、生活に困っている人の相談に乗り、助言や指導を行い、福祉や医療のサービスにつなぐ「相談援助」の専門職です。たとえば、親が病気で働けなくなり、子どもが家事や介護を担っている家庭(ヤングケアラー)を見つけ、介護サービスや経済的な支援、学校との連携で子どもの負担を減らすのがソーシャルワーカーの仕事です。資格がなくても相談の仕事はできますが、社会福祉士や精神保健福祉士と名乗れるのは資格を持つ人だけで(名称独占)、多くの職場で採用の条件になっています。

介護福祉士とのちがい

介護福祉士は、食事や入浴、排せつなどの介護を直接行う専門職です。社会福祉士・精神保健福祉士は、介護そのものではなく、相談に乗って制度やサービスにつなぐことが仕事の中心です。

2つの資格のちがい

社会福祉士は高齢者、障害者、子ども、生活困窮など福祉全般を担当します。精神保健福祉士は、心の病気がある人の支援に特化した資格です。両方の資格を取る人も多く、試験には共通の科目があります。

なるためのルート

社会福祉士の受験資格を得る道は12通りありますが、代表的なのは3つです。1つ目は、福祉系の4年制大学で指定科目を修めて卒業する道で、最短で受験できます。2つ目は、一般の4年制大学を卒業したあと、一般養成施設(1年以上)で学ぶ道です。3つ目は、福祉系の短大などを卒業し、相談の仕事の実務経験を1〜2年積む道です。精神保健福祉士も同じように、福祉系大学で指定科目を修めるか、一般大学卒業後に養成施設で学ぶのが一般的です。

  1. 高校で学ぶ国語、社会(公民)、英語などの文系科目を中心に学びます。新聞やニュースで社会問題に関心を持つことも大切です。
  2. 福祉系大学に入学社会福祉士や精神保健福祉士の指定科目がある大学・学科に入学します。
  3. 指定科目を学ぶ社会福祉の原理、社会保障、ソーシャルワークの理論と方法、心理学、医学概論などを学びます。
  4. 相談援助の実習病院、施設、行政、地域包括支援センターなどで、実際の相談の現場を体験します。
  5. 国家試験に合格4年生の2月初めに国家試験を受け、3月初めに合格発表があります。
  6. 登録して就職社会福祉士・精神保健福祉士として登録し、病院、行政、施設などで働き始めます。
福祉系大学の学部

社会福祉学部、人間福祉学部、福祉心理学部など、さまざまな名前があります。1つの大学で社会福祉士と精神保健福祉士の両方の受験資格を得られるところもあります。

社会人からの挑戦

一般の大学を出て会社員として働いた人が、通信制の養成施設で学んで社会福祉士を目指すことも多いです。人生経験が相談の仕事に生きると言われます。

試験・選考の詳細

社会福祉士国家試験は年1回、2月初めに行われます。2026年の第38回は受験者25,430人、合格者15,438人で、合格率は60.7%、福祉系大学などの新卒者は78.3%でした。精神保健福祉士国家試験の第28回は受験者7,107人、合格者5,558人で、合格率は78.2%でした。社会福祉士の試験は、2025年の第37回から新しい科目構成になり、共通科目84問と専門科目45問の計129問です。合格には総得点の6割程度を基準に難易度で補正した点数を取り、さらに6つの科目群すべてで得点する必要があります。

合格率の変化

社会福祉士の合格率は、2017年には25.8%でしたが、近年は大きく上がっています。それでも、一般の大学から養成施設を経た人や働きながら受ける人は苦労することが多い試験です。

同時受験

社会福祉士と精神保健福祉士を同じ年に受けると、共通科目の答案を両方の試験で使えます。両方の資格を一度に目指す人も多くいます。

年収のリアル

職業情報提供サイト(job tag)によると、医療ソーシャルワーカーの年収は約442万円(令和7年賃金構造基本統計調査、平均年齢約46歳)です。新人のうちは年収300万〜350万円程度が多く、医療職の国家資格と比べると高くはありません。ただし、公務員として福祉事務所や児童相談所で働くと、勤続年数とともに着実に上がります。病院や社会福祉法人では、資格手当をつけたり、管理職になると年収が上がったりします。

職場でちがう

病院、行政、社会福祉法人、学校、企業で給料の仕組みがちがいます。スクールソーシャルワーカーなどは非常勤の募集が多く、時給制のこともあります。

処遇改善の動き

福祉の仕事の給料を上げるための国の取り組みが進められていて、介護や障害福祉の分野では処遇改善の加算があります。

やりがい

行き詰まっていた人が、制度やサービスにつながることで生活を立て直し、笑顔を取り戻していく姿を見られるのが一番のやりがいです。たとえば、医療費が払えず治療をあきらめかけていた人が、制度を使って安心して治療に専念できるようになったとき、自分の仕事の意味を強く感じます。人の人生の大切な場面に寄り添える仕事で、一人ひとりの物語に深く関われます。

社会を変える力

個人の相談から、地域に足りない仕組みが見えてくることがあります。ソーシャルワーカーは、行政や地域に働きかけて、新しい支援の仕組みを作ることにも関われます。

長く続けられる

人生経験が相談の力になる仕事なので、年齢を重ねるほど深みが出ます。体力よりも知識と経験が生きる仕事です。

大変なこと・きついこと

相談に来る人は、病気、貧困、虐待、家族の問題など、深刻な悩みを抱えています。すぐに解決できないことも多く、無力感を感じることもあります。虐待の対応では、子どもを守るために家族と対立することもあり、精神的な負担が大きいです。また、関係する人が多く、病院、家族、施設、行政の希望が食いちがう中で調整するのは簡単ではありません。

自分の心を守る

つらい話を毎日聞くため、自分の心が疲れてしまう「燃え尽き」に注意が必要です。職場の上司や仲間に相談できる環境(スーパービジョン)が大切です。

仕事量の多さ

行政のケースワーカーは一人で多くの世帯を担当し、記録や書類の量も多いです。病院では、退院の期限に追われることもあります。

向いている人

人の話をじっくり聞くことができ、相手の立場に立って考えられる人に向いています。ただし、同情するだけでなく、制度や法律の知識を使って冷静に解決策を考える力も必要です。いろいろな立場の人の間に入って調整するので、粘り強さとコミュニケーション力が求められます。社会の問題に関心があり、ニュースを見て「なぜこうなるのか」と考える人は、この仕事の面白さを感じやすいです。

こんな人は特に向いている

友だちから相談されることが多い人、ボランティア活動に関心がある人、法律や社会の仕組みを調べるのが好きな人に向いています。

少し注意したい人

人の悩みを自分のことのように抱え込みやすい人は、気持ちを切り替える方法を身につけることが大切です。仕事とプライベートを分ける工夫が必要です。

高校生のうちにできること

公民(公共・政治経済)の授業で、社会保障や人権、法律の仕組みを学んでおくと、大学での勉強に直結します。新聞やニュースで、貧困、高齢化、虐待、障害者の権利などの社会問題にふれ、自分の意見を持つ練習をしましょう。地域の福祉施設や子ども食堂でのボランティアに参加すると、支援の現場を知ることができます。国語の力、特に文章を正確に読み書きする力は、記録や報告書を書く仕事で欠かせません。

受験科目の傾向

福祉系の大学は文系の入試科目(国語、英語、地理歴史・公民)で受けられるところが多いです。小論文や面接を重視する大学もあります。

身近な制度を調べる

自分の住む市の福祉の制度や、地域包括支援センターの場所を調べてみると、ソーシャルワーカーがどこで働いているかが見えてきます。

代表的な会社・職場

社会福祉士・精神保健福祉士の職場は、病院(医療ソーシャルワーカー)、精神科病院やクリニック、市役所や福祉事務所、児童相談所、地域包括支援センター、高齢者や障害者の施設、相談支援事業所、学校(スクールソーシャルワーカー)、刑務所や保護観察所、社会福祉協議会など非常に幅広いです。独立して事務所を開く人や、企業で働く人もいます。

社会福祉協議会

各市町村にある民間の福祉団体で、地域のボランティア活動の支援、お金の貸し付け、判断能力が弱い人の金銭管理の支援などを行い、多くの社会福祉士が働いています。

公務員の福祉職

都道府県や市の福祉職の採用試験に合格すると、福祉事務所や児童相談所などで働きます。社会福祉士の資格を受験の条件にしている自治体もあります。

ソーシャルワーカーの活躍分野

ソーシャルワーカーの活躍する分野は、高齢者、障害者、子ども・家庭、医療、精神保健、生活困窮、司法、教育と広がり続けています。近年は、ヤングケアラー、ひきこもり、孤独・孤立、外国人の生活支援など、新しい問題への対応も求められています。2025年からの新しい試験の科目に「刑事司法と福祉」が加わったように、罪を犯した人の社会復帰を支える分野も重要になっています。分野をまたいで問題を抱えた家庭を、つなぎ役として支えるのがソーシャルワーカーの強みです。

子ども・家庭の分野

児童虐待の相談件数が増え、児童相談所の児童福祉司の増員が進められています。こども家庭ソーシャルワーカーという新しい認定資格も2024年度から始まりました。

認定社会福祉士

社会福祉士の資格を取ったあと、研修と実践を積んで取る上位の認定資格です。分野ごとの専門性を示すことができます。

社会福祉士と精神保健福祉士のちがい

2つの資格はどちらもソーシャルワーカーの国家資格ですが、対象とする人がちがいます。社会福祉士は福祉全般を幅広く担当し、病院、行政、施設、学校などどこでも活躍できます。精神保健福祉士は、心の病気がある人の治療から地域での生活、仕事への復帰までを専門にしています。精神科病院や精神障害者の支援施設では、精神保健福祉士の資格が求められることが多いです。

どちらを取るべきか

働きたい分野が決まっていない人は、まず社会福祉士を目指すことが多いです。心の病気の支援に関心がある人は、精神保健福祉士も取ると活躍の場が広がります。

ダブルライセンス

両方を持っていると、病院の相談室や行政の精神保健の窓口などで評価されやすくなります。同時に受験すると共通科目を一度受けるだけで済みます。

よくある質問

介護の仕事とはちがうのですか?

ちがいます。食事や入浴の介助を行うのは介護福祉士などで、社会福祉士・精神保健福祉士は相談に乗って制度やサービスにつなぐのが仕事です。ただし、施設で働く場合は介護の現場を理解していることが大切です。

理系科目が苦手でもなれますか?

なれます。福祉系の大学は文系の入試で入れるところが多く、仕事でも法律や制度、文章を読み書きする力が中心になります。医学の基礎は大学で学びます。

資格がないと相談の仕事はできませんか?

資格がなくても相談の仕事に就ける職場はありますが、多くの病院や地域包括支援センターでは資格が採用の条件です。資格がないと社会福祉士や精神保健福祉士と名乗ることもできません。

一般の大学に進んでもなれますか?

なれます。一般の大学を卒業したあと、一般養成施設で1年以上学ぶと受験資格が得られます。通信制の養成施設もあり、働きながら学ぶ人もいます。

公務員になるには?

都道府県や市の福祉職の採用試験を受けます。社会福祉士の資格を条件にしている自治体や、行政職として採用されて福祉の部署に配属される場合もあります。

給料は低いのですか?

新人のうちは高くありませんが、公務員や病院の管理職になると上がります。職場によって差が大きいので、働き方をよく調べることが大切です。

心理カウンセラーとどうちがうのですか?

公認心理師などのカウンセラーは、心の悩みそのものに向き合い、心理的な支援を行います。ソーシャルワーカーは、心の問題も含めて、お金、住まい、仕事など生活全体の問題を制度や人とつなぐことで解決を目指します。

学校で働くことはできますか?

スクールソーシャルワーカーとして、教育委員会などに雇われて学校で働く道があります。社会福祉士や精神保健福祉士の資格を条件にしていることが多いですが、非常勤の募集が多い点に注意が必要です。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした職業情報提供サイト(job tag)の医療ソーシャルワーカーの数字で、平均年齢は約46歳です。社会福祉士・精神保健福祉士だけを分けた国の統計はありません。福祉施設で働く人や公務員で働く人は、職場の給料表によって水準がちがいます。年代別は求人や統計の傾向からの目安です。

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