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介護福祉士

介護福祉士は、年をとったり障害があったりして日常生活に支えが必要な人に、食事、入浴、トイレ、移動などの介護を行い、本人や家族に介護の方法を教える国家資格の仕事です。たとえば、老人ホームで暮らすおばあちゃんが自分の力でできることを増やせるように、どこまで手伝い、どこを見守るかを考えながら支援します。介護の仕事は資格がなくても始められますが、介護福祉士は介護の分野で唯一の国家資格で、チームのリーダーや新人の指導役を任されることが多くなります。2025年9月末で約206万人が登録していて、高齢化が進む日本でますます必要とされている仕事です。

平均年収の目安約420万円介護福祉士を持つ介護職員の平均の目安働き始めは年収300万円前後から、リーダーや管理職、ケアマネジャーになると400万〜500万円台も
なるまでの難しさ★★★★★国家試験の合格率は約7割(2026年実施の第38回は70.1%)で、実技試験はなく筆記試験だけです。ただし、受験するには養成施設を卒業するか、3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要で、受けるまでの準備に時間がかかります。
決めどき文系・理系どちらでも

高校卒業時(福祉系高校や養成施設に進む場合)、または働きながらいつでも

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

介護福祉士の年収と昇進の流れ

介護職員(無資格・初任者研修)250〜330万円
1〜3年目、18〜22歳ごろ

基本的な介護を身につけ、夜勤にも入ります。実務者研修を修了し、3年以上の実務経験を積むと国家試験を受けられます。

介護福祉士330〜420万円
3〜5年目、21〜26歳ごろ

資格手当がつき、新人の指導やケアの見直しを任されます。チームの中で信頼されるとリーダーへの道が開けます。

ユニットリーダー・フロアリーダー380〜450万円
5〜8年目、25〜30歳ごろ

10人前後の入居者を担当するグループの責任者として、職員のシフトやケアの方針をまとめます。

介護主任・ケアマネジャー400〜480万円
8〜12年目、30〜35歳ごろ

部署全体の職員を育成し、家族や他の職種との調整役になります。5年以上の実務でケアマネジャーの試験を受け、相談職に進む人もいます。

管理者・生活相談員・課長430〜550万円
12〜20年目、35〜45歳ごろ

事業所や部門の責任者として、人員管理や売上の管理、行政への対応を担当します。

施設長・法人幹部500〜750万円
20年目以降、40代〜

施設全体の運営や、複数の事業所の経営に関わります。人材の確保と育成、経営の安定が大きな役割です。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

入所施設(特養・老健・有料老人ホーム)年収350万〜450万円程度が多い(夜勤手当を含む目安)

入居者が暮らす施設で、24時間交代制で生活を支えます。介護がたくさん必要な人が多く、介護技術がしっかり身につきます。夜勤があるため生活リズムは不規則になりますが、夜勤手当がつくので給料は介護の職場の中では高めです。看護師やリハビリ職など、多くの職種と一緒に働けます。

良いところ介護技術とチームワークが身につき、夜勤手当で給料が高めです。キャリアの階段がはっきりしています。

大変なところ夜勤で生活リズムが不規則になります。体力的な負担が大きいです。

在宅サービス(訪問介護・デイサービス)入所施設より低めのことが多い

利用者が家で暮らし続けられるように、家に訪問したり、日帰りで通ってもらったりして支えます。夜勤がなく、日中中心に働けるのが特徴です。訪問介護では一人で判断する力が、デイサービスでは企画力や場を盛り上げる力が求められます。

良いところ夜勤がなく、家庭や子育てと両立しやすいです。利用者の生活に密着した支援ができます。

大変なところ夜勤手当がない分、給料は低めです。訪問介護では一人で対応する責任があります。

ケアマネジャー・相談職施設の介護福祉士と同程度かやや高め

介護福祉士として経験を積んだ後、ケアマネジャーや生活相談員として、介護の計画や相談、調整を担当します。体を使う介護は少なくなり、書類や調整の仕事が中心になります。

良いところ体力的な負担が少なく、長く働き続けやすいです。制度や地域全体を見渡す力が身につきます。

大変なところ書類や調整の仕事が多く、利用者や事業所の間で板ばさみになることがあります。

独立・経営事業の成否で大きく変わる

経験を積んだ後、デイサービスや訪問介護、ケアマネジャーの事業所を立ち上げる人もいます。介護保険のルールに沿って事業を行い、人材の確保と経営の安定が成功のカギです。

良いところ自分の理想の介護を形にでき、成功すれば収入も増やせます。

大変なところ人手不足の中で職員を集め、経営を続ける責任があります。介護報酬の改定で収入が変わります。

代表的な会社・職場

社会福祉法人医療法人在宅サービス大手介護会社地域密着型サービス障害福祉サービス医療機関市区町村の委託機関
社会福祉法人の特別養護老人ホーム社会福祉法人

地域の介護の中心となる施設を運営しています。介護福祉士の代表的な職場です。

法人の規程による
医療法人の介護老人保健施設医療法人

病院と連携しながら、家に帰るためのリハビリと介護を提供しています。

法人の規程による
訪問介護事業所在宅サービス

ヘルパーが利用者の家を訪ねて介護や家事を行います。介護福祉士はサービス提供責任者として活躍します。

事業所の規程による
SOMPOケア大手介護会社

有料老人ホームや在宅介護サービスを全国で運営しています。

会社の給与体系による
ベネッセスタイルケア大手介護会社

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を運営しています。

会社の給与体系による
ツクイ大手介護会社

デイサービスを中心に、訪問介護や有料老人ホームを全国で運営しています。

会社の給与体系による
グループホーム地域密着型サービス

認知症の人が少人数で共同生活をする場所です。

運営者の規程による
障害者支援施設障害福祉サービス

障害のある人の生活と日中活動を支える施設です。

運営者の規程による
病院の療養病棟・介護医療院医療機関

医療的なケアが必要な人の介護を、看護師と協力して行います。

病院の規程による
地域包括支援センター市区町村の委託機関

高齢者の総合相談窓口で、主任ケアマネジャーなどが働いています。

運営法人の規程による

どうやって稼いでいる?

保険料 40歳以上 税金 国・自治体 介護保険 保険料と税金でまかなう 利用者 お年寄りなど 介護の施設・事業所 サービスの値段は国が決めている サービス 1〜3割 自己負担 残り 介護報酬として 給料 処遇改善加算も上乗せ 介護福祉士 加算分は給料に使うと決まっている デイサービスを1日、1万円分使うと 利用者が払う 1,000〜3,000円 介護保険から 残りを事業所へ 収入のほとんどは介護保険から 値段は3年に1度見直される
処遇改善加算は、2024年9月時点で約95%の事業所が取っています

介護施設や事業所の収入のほとんどは、介護保険から支払われる「介護報酬」です。介護保険は、40歳以上の人が払う保険料と、国や自治体の税金を合わせた財源で運営されています。サービスを使う人は原則1〜3割を負担し、残りは介護保険から事業所に支払われます。たとえば、デイサービスを1日利用して1万円分のサービスを受けた場合、利用者が払うのは1,000円〜3,000円で、残りは保険から払われます。サービスごとの値段は国が決めていて、3年に1度見直されます。介護職員の給料を上げるため、事業所が条件を満たすと「処遇改善加算」が上乗せされる仕組みもあります。

1
介護報酬(介護保険からの支払い)

事業所が毎月、市区町村などに請求して受け取る収入です。施設の種類、利用者の要介護度、職員の配置などで金額が決まります。

2
利用者の自己負担

サービス利用料の1〜3割と、施設での食費・居住費などです。所得が低い人には負担を軽くする制度があります。

3
処遇改善加算

介護職員の給料アップのために、条件を満たす事業所の介護報酬に上乗せされるお金です。2024年9月時点で、約95%の事業所がこの加算を取っています。加算分は職員の給料に使うことが決められています。

4
障害福祉サービスの報酬

障害のある人向けの施設やサービスは、介護保険ではなく障害福祉サービスの報酬で運営されています。

5
介護保険外サービス

保険がきかない付き添い、家事代行、有料老人ホームの家賃や管理費などです。たとえば、有料老人ホームの月額費用は、施設が自由に決めています。

入ってからどうなっていく?

高校〜養成施設(18〜20歳)学ぶ・働き始める福祉系高校や介護福祉士養成施設(2年以上の専門学校、短大、大学など)で学ぶ人と、資格なしで介護の仕事を始めて働きながら資格を目指す人がいます。働きながら目指す場合は、介護職員初任者研修から始める人が多いです。
1〜3年目介護職員として基本を身につける食事、入浴、トイレ、移乗などの基本的な介護を身につけ、夜勤にも入るようになります。実務経験ルートの人は、3年以上の実務と実務者研修を終えて国家試験を受けます。
3〜5年目介護福祉士・ユニットリーダー介護福祉士の資格を取り、新人の指導や、ユニット(少人数のグループ)のリーダーを任されます。ケアプランの見直しや家族との連絡も担当します。
5〜10年目主任・ケアマネジャーフロアや部署の主任として、職員の育成やシフト管理を担当します。介護福祉士として5年以上働くと、ケアマネジャーの試験を受けられます。認定介護福祉士を目指す人もいます。
10〜20年目管理者・生活相談員事業所の管理者、生活相談員、サービス提供責任者など、現場をまとめる立場になります。施設長を目指す人や、独立してデイサービスや訪問介護の事業所を開く人もいます。
40代〜施設長・経営者・指導者施設長として施設全体を運営したり、法人の幹部として複数の事業所をまとめたりします。養成施設の教員として次の世代を育てる人もいます。

介護が必要になった人がサービスを使い始めるまで

介護福祉士が中心になる場面 1 相談 家族が市区町村などに相談する 2 要介護認定 調査員が訪ね、介護の度合いを決める 3 ケアプランの作成 ケアマネジャーが計画を作る 4 サービスの開始 介護福祉士が実際の介護をする 5 日々の介護と記録 様子を記録し、チームで共有する 6 モニタリングと見直し 介護福祉士の気づきが材料になる 7 施設入所や看取り 最期の時期を穏やかに支える 毎月 確認 毎日の記録と気づきが、計画を変える
ケアマネジャーは、状態が変わったらケアプランを見直します
1
相談

家族が市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談します。たとえば「最近、母が一人で料理をするのが難しくなってきた」などの相談です。

2
要介護認定

市区町村の調査員が家を訪ね、体や心の状態を調べます。主治医の意見書と合わせて、要支援・要介護の度合いが決まります。

3
ケアプランの作成

ケアマネジャーが本人と家族の希望を聞き、どのサービスを週に何回使うかの計画を作ります。

4
サービスの開始

デイサービス、訪問介護、ショートステイなどが始まり、介護福祉士が実際の介護を担当します。

5
日々の介護と記録

介護福祉士は毎日の様子を記録し、体調や気持ちの変化をチームで共有します。

6
モニタリングと見直し

ケアマネジャーが毎月確認し、状態が変わったらケアプランを見直します。介護福祉士の気づきが見直しの大切な材料になります。

7
施設入所や看取り

家での生活が難しくなったら施設への入所を考え、最期の時期には看取りの介護で穏やかな時間を支えます。

介護福祉士国家試験

合格率70.1%(第38回、2026年1月実施)
勉強時間の目安養成施設なら2年間の学習が前提です。実務経験ルートでは、仕事をしながら実務者研修を受け、数か月〜半年ほど試験勉強をする人が多いです
受験資格介護福祉士養成施設の卒業者、3年以上の実務経験と実務者研修の修了者、福祉系高校の卒業者、EPA介護福祉士候補者など
合格率は約7割で、医療系の国家試験と比べると合格しやすい部類です。介護の分野で次の目標になることが多いケアマネジャーの試験(2025年度は合格率25.6%)と比べても、合格しやすい試験です。ただし、すべての科目群で得点しなければならないので、苦手分野を作らないことが大切です。働きながら勉強する人が多いので、時間の使い方が合格のカギになります。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 受験資格を得る養成施設の卒業、3年以上の実務と実務者研修の修了などで受験資格を得ます。
  2. 受験の申し込み(8〜9月)試験センターに受験の申し込みをします。
  3. 筆記試験(1月下旬)125問を220分で解きます。実技試験はありません。
  4. 合格発表(3月)合格した人は登録の手続きをします。不合格でも合格したパートは翌年と翌々年免除されます。
  5. 登録・介護福祉士として働く登録証が交付され、介護福祉士を名乗って働けます。

介護福祉士のある1日

7:00

早番で出勤し、夜勤の職員から夜の様子を聞きます。たとえば「○○さんは夜中に2回起きた」などの情報を引き継ぎます。

7:30

入居者の起床を手伝い、着がえや洗顔、トイレの介助をして、食堂に案内します。

8:00

朝ごはんの介助と見守りをします。飲み込みにくい人がむせていないか注意して見ます。

9:30

入浴の介助です。体を洗い、皮膚に傷や赤みがないかも確かめます。

11:30

昼ごはんの準備と介助をします。食べた量を記録し、食欲が落ちている人は看護師に報告します。

13:00

休憩をとった後、レクリエーションや体操を行います。季節の行事の準備をすることもあります。

14:30

おやつと水分補給の時間です。トイレ誘導やおむつ交換も定期的に行います。

15:30

介護記録を入力し、夕方からの職員に引き継ぎます。会議でケアの方法を見直す日もあります。

16:00

早番の勤務が終わります。夜勤の日は、夕方から翌朝まで少人数で入居者を見守ります。

もっと知りたい人へ

そもそも介護福祉士とは

介護福祉士は、1987年にできた「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律で定められた国家資格です。法律では、専門的な知識と技術をもって、心身の状況に応じた介護を行い、本人や介護者に介護に関する指導を行う人とされています。介護の仕事そのものは資格がなくてもできますが、介護福祉士は「介護のプロ」であることを国が認めた資格で、名乗れるのは試験に合格して登録した人だけです。2025年9月末の登録者は約206万人で、医療・福祉の国家資格の中でも特に多くの人が持っています。

「お世話」と「介護」のちがい

介護福祉士の介護は、何でも代わりにやってあげることではありません。たとえば、時間はかかっても自分でボタンをとめられる人には、手を出さずに見守り、できない部分だけを手伝います。本人ができることを減らさない「自立支援」が、プロの介護の基本です。

介護の資格の階段

介護の資格には、入門の「介護職員初任者研修」、その上の「実務者研修」、国家資格の「介護福祉士」、さらに上級の「認定介護福祉士」という段階があります。たとえば、高校を出てすぐ介護の仕事を始めた人が、初任者研修、実務者研修と進み、3年後に介護福祉士を取る、という流れがよくあります。

医療的ケアもできる

介護福祉士は、所定の研修を受ければ、医師の指示のもとでたんの吸引や経管栄養(チューブで栄養を入れること)を行えます。以前は看護師などしかできなかったケアで、介護福祉士の専門性が高まっていることを示しています。

なるためのルート

介護福祉士になるには、国家試験に合格して登録する必要があります。受験資格を得るルートは主に4つです。1つ目は、高校卒業後に介護福祉士養成施設(2年以上の専門学校、短大、大学など)を卒業する「養成施設ルート」。2つ目は、介護の現場で3年以上働き、実務者研修を修了する「実務経験ルート」。3つ目は、福祉系高校で必要な科目を学んで卒業する「福祉系高校ルート」。4つ目は、経済連携協定(EPA)で来日した外国人のための「EPAルート」です。

  1. 進路を選ぶ福祉系高校、養成施設、または就職して実務経験を積む道から選びます。
  2. 介護の基本を学ぶ養成施設や研修で、介護の考え方、こころとからだのしくみ、介護技術を学びます。
  3. 実習や実務で経験を積む養成施設では介護実習があり、実務経験ルートでは3年以上(従業期間3年以上かつ従事日数540日以上)の現場経験を積みます。
  4. 実務者研修を修了する(実務経験ルート)450時間の研修で、医療的ケアを含む専門的な知識と技術を学びます。
  5. 国家試験に合格する1月下旬の筆記試験を受け、3月に合格発表があります。
  6. 登録して介護福祉士になる登録の手続きをすると、介護福祉士を名乗って働けます。
養成施設卒業者の経過措置

養成施設の卒業者は、本来は国家試験に合格する必要がありますが、経過措置として、2026年度までに卒業した人は、不合格や未受験でも卒業後5年間は介護福祉士として働けることになっています。厚生労働省は、この期限を2031年度の卒業生まで延ばす方針を示しています。

働きながら資格を取る

実務経験ルートは、資格がなくても介護の仕事を始め、給料をもらいながら資格を目指せるのが特徴です。たとえば、高校卒業後に介護施設に就職し、施設の支援で実務者研修を受け、3年後に国家試験を受ける人も多いです。

試験・選考の詳細

介護福祉士国家試験は、毎年1月下旬に行われます。筆記試験のみで、問題は125問、試験時間は午前と午後を合わせて220分です。科目は11の科目群に分かれ、総得点の6割程度を基準に問題の難しさで補正した点数以上を取り、かつすべての科目群で得点があることが合格の条件です。2026年1月に行われた第38回では、受験者78,469人のうち54,987人が合格し、合格率は70.1%でした。

パート合格の制度

第37回から、試験をA・B・Cの3つのパートに分けて、合格したパートは翌年と翌々年の試験で免除される「パート合格」の制度が始まりました。たとえば、今年Aパートだけ合格した人は、来年はBとCパートだけを受ければよくなります。働きながら受験する人が挑戦しやすくなりました。

実技試験の廃止

以前は実技試験もありましたが、現在は筆記試験だけで合否が決まります。実技の力は、養成施設の実習や実務者研修で身につけることになっています。

年収のリアル

介護福祉士を持つ介護職員の平均給与は、2024年度の国の調査で月約35.0万円(賞与などを月にならした額を含む)で、年収にすると約420万円が目安です。資格のない介護職員と比べると、月6万円ほど高くなっています。介護の仕事は、かつて「給料が安い」と言われてきましたが、国が処遇改善加算などで給料を上げる政策を続けていて、少しずつ改善しています。夜勤のある施設では夜勤手当が加わり、管理職やケアマネジャーになると、さらに収入が上がる道があります。

夜勤手当の大きさ

特別養護老人ホームなどでは、夜勤1回につき数千円から1万円前後の手当がつく職場が多いです。たとえば、月に4〜5回夜勤に入ると、それだけで数万円の差になります。

他の仕事と比べると

介護職員の平均給与は、全産業の平均と比べるとまだ低いといわれています。国は介護報酬の改定で給料の引き上げを続けていて、今後の動きにも注目が集まっています。

やりがい

介護福祉士のやりがいは、毎日の生活のすぐそばで、人の役に立っている実感を持てることです。たとえば、食事を自分で食べられるようになった、久しぶりに笑顔を見せてくれた、といった小さな変化を一緒に喜べます。入居者や家族から「ありがとう」と直接言ってもらえる機会も多いです。人生の最期の時期をどう過ごすかに寄り添う「看取り」の介護は、重い責任があると同時に、深い意味を感じる仕事です。高齢化が進む中で必要とされ続ける仕事であり、全国どこでも働けるのも強みです。

その人の人生に触れる

お年寄りは、戦争や高度経済成長の時代を生きてきた人生の先輩です。昔の仕事や家族の話を聞くことで、教科書では学べない歴史に触れられます。

チームで支える喜び

介護は、看護師、リハビリ職、栄養士、ケアマネジャーなど多くの職種と協力する仕事です。チームで工夫して、寝たきりだった人が車いすで外出できるようになったときなど、みんなで喜べる瞬間があります。

大変なこと・きついこと

介護は、人の体を支えたり持ち上げたりする場面が多く、腰を痛めやすい仕事です。夜勤のある施設では生活リズムが不規則になりやすく、体調管理が欠かせません。認知症の人が混乱して大きな声を出したり、介護を拒んだりすることもあり、気持ちの余裕が必要です。人手不足の職場では一人ひとりの負担が大きくなりがちです。また、入居者が亡くなる場面に向き合うことも多く、心のケアも大切になります。

腰痛を防ぐ工夫

最近は、人を抱え上げずに移動させる福祉用具や、介護ロボット、センサーなどの導入が進んでいます。たとえば、ベッドから車いすへの移乗を助ける機械を使うことで、職員の腰への負担を減らしている施設もあります。

人手不足

介護の現場は全国的に人手が足りず、外国人の介護職員も増えています。人手不足は大変さの原因である一方、資格を持った人がどこでも必要とされる理由にもなっています。

向いている人

人と関わることが好きで、相手の気持ちを想像できる人に向いています。お年寄りや障害のある人の話をゆっくり聞き、表情やしぐさの小さな変化に気づける観察力も大切です。同じ毎日のくり返しに見えても、一人ひとりちがうケアを考えられる工夫好きな人も活躍できます。体力がある人、チームで協力するのが得意な人、明るく場をなごませられる人も向いています。

こんな経験が生きる

たとえば、祖父母の家によく遊びに行っていた人、小さい子どもの面倒を見るのが好きな人、部活でマネージャーとして周りを支えた人は、介護の仕事に通じる力を持っています。

向いていないかもしれない人

人の体に触れることや、排せつの介助にどうしても抵抗がある人は、職場見学やボランティアで実際の様子を見てから考えましょう。慣れていく人も多いです。

高校生のうちにできること

高校生のうちから、介護施設のボランティアや職業体験に参加すると、仕事の実際がよくわかります。福祉系の高校に通っている人は、在学中に受験資格を得られる場合があります。普通科の人も、家庭科や保健の授業で学ぶ栄養や体の仕組み、高齢者の生活についての知識が役立ちます。祖父母や地域のお年寄りと話す機会を持ち、どんなことに困っているのかを聞いてみるのもよい経験になります。

介護職員初任者研修

介護の入門資格である介護職員初任者研修は、約130時間の研修で取れ、年齢の制限が特にない講座も多いです。高校生のうちに受講して、介護の基本を学ぶ人もいます。

進路の比べ方

養成施設に進むか、就職して働きながら資格を取るかで、学び方も費用も変わります。たとえば、養成施設は学費がかかりますが、2年間で体系的に学べます。就職ルートは給料をもらいながら学べる一方、仕事と勉強の両立が必要です。

代表的な会社・職場

介護福祉士の職場は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護事業所、障害者支援施設、病院など多岐にわたります。運営しているのは、社会福祉法人、医療法人、株式会社、NPO法人、自治体などです。大手の介護会社には、全国に数百の事業所を持つところもあります。

社会福祉法人と株式会社

特別養護老人ホームは、主に社会福祉法人や自治体が運営しています。有料老人ホームやデイサービス、訪問介護は、株式会社も多く参入しています。たとえば、テレビCMで見かける介護会社は、株式会社が多いです。

施設の種類のちがい

特養は介護がたくさん必要な人が長く暮らす施設、老健は家に帰るためのリハビリをする施設、グループホームは認知症の人が少人数で共同生活をする場所、というように、施設ごとに役割がちがいます。

介護施設とサービスの種類

介護保険のサービスは、大きく「施設に入って暮らすサービス」「家に住みながら使うサービス」「地域密着型のサービス」に分かれます。施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院などがあります。家で使うサービスには、ヘルパーが家に来る訪問介護、日帰りで通うデイサービス、短期間だけ泊まるショートステイなどがあります。介護福祉士は、どのサービスでも中心となる専門職として働いています。

ショートステイ

ふだん家で介護をしている家族が、旅行や病気で介護できないときに、数日から数週間だけ施設に泊まれるサービスです。介護する家族の休息のためにも使われます。

グループホーム

認知症のお年寄りが、5〜9人ほどのユニットで共同生活をする場所です。料理や洗濯を職員と一緒に行い、できることを続けながら暮らします。

介護の仕事のこれから

日本では、団塊の世代がすべて75歳以上になり、介護が必要な人はこれからも増えていくと見込まれています。一方で、働く世代は減っていくため、介護の担い手をどう確保するかが大きな課題です。そこで、介護ロボットやセンサー、記録のデジタル化などで、職員の負担を減らす取り組みが進んでいます。外国人の介護職員も増えていて、介護福祉士には、さまざまな背景を持つ職員をまとめるリーダーとしての役割も期待されています。

介護テクノロジー

たとえば、ベッドに置いたセンサーで夜中の睡眠や呼吸の状態を見守り、必要なときだけ職員が駆けつける仕組みがあります。記録をタブレットで入力すれば、手書きの手間が減り、情報もすぐに共有できます。

認定介護福祉士

介護福祉士の上位の資格として、民間の認定制度である「認定介護福祉士」があります。介護チームのリーダーとして、ケアの質を高める役割が期待されています。

よくある質問

資格がなくても介護の仕事はできますか

できます。介護職員の多くは資格なしや入門の研修から働き始め、働きながら介護福祉士を目指します。ただし、介護福祉士を名乗れるのは国家試験に合格して登録した人だけです。

国家試験は難しいですか

合格率は約7割で、医療系の国家試験と比べると合格しやすいです。ただし、受験するまでに養成施設の卒業か3年以上の実務と実務者研修が必要です。

男性の介護福祉士もいますか

たくさんいます。体を支える介護では力が必要な場面もあり、男性職員は頼りにされます。管理職や施設長として活躍する男性も多いです。

夜勤は必ずありますか

施設によります。特別養護老人ホームや老健などの入所施設には夜勤がありますが、デイサービスや訪問介護では日中の勤務が中心です。

介護福祉士とケアマネジャーのちがいは何ですか

介護福祉士は直接介護を行う専門職、ケアマネジャーはどんな介護サービスを使うかの計画を作る専門職です。介護福祉士として5年以上働くと、ケアマネジャーの試験を受けられます。

給料は上がっていますか

国の処遇改善加算などで少しずつ上がっています。2024年9月の介護職員の平均給与は前年より約1.4万円上がりました。

福祉系の大学に行く意味はありますか

福祉系の大学では、介護福祉士に加えて社会福祉士の受験資格を得られる学校もあり、相談援助や経営の知識も学べます。将来、管理職や相談職を目指す人には選択肢が広がります。

ケアマネジャーの試験は難しいですか

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は、2025年度の第28回で25.6%と、介護福祉士より低めです。介護保険の制度や医療の知識が幅広く問われます。

外国人の介護職員と一緒に働くことはありますか

増えています。EPAや在留資格「介護」、特定技能などで働く外国人の職員が多くの施設にいます。一緒に働きながら日本の介護を教えるのも、介護福祉士の役割の一つです。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」で、介護福祉士を持つ介護職員の平均給与額は月約35.0万円(処遇改善加算を取っている事業所、賞与などを月にならした額を含む)、これを12倍した目安です。介護職員全体の平均は月約33.8万円(2024年9月)。夜勤の有無や施設の種類で大きく変わります。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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