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プログラムを書く時間より、「何を作るか」を人と話し合う時間のほうが長いこともあります

システムエンジニア・プログラマー

システムエンジニア(SE)とプログラマーは、コンピューターで動く仕組み(システム)やアプリを作る仕事です。たとえば、コンビニのレジで商品のバーコードを読み取ると値段が出て、同時にお店の在庫が自動で減る仕組み、銀行のATMでお金を引き出せる仕組み、駅の改札にICカードをタッチすると運賃が引かれる仕組み、LINEやゲームのアプリなど、私たちの生活の多くの場面でシステムが動いています。SEは主に「何を作るか」を決めて設計図を描き、プログラマーはその設計図にもとづいてプログラム(コンピューターへの命令文)を書きます。会社によっては一人が両方を担当することも多く、資格がなくても始められますが、学び続けることが欠かせない仕事です。

平均年収の目安約579万円約350万〜1,000万円以上(会社の種類と役割、技術力で大きく差がある)
なるまでの難しさ★★★★★SEやプログラマーになるのに必須の資格はなく、文系出身や専門学校卒の人もたくさん働いています。ただし、プログラミングの技術や新しい道具は次々に変わるので、働き始めてからも勉強を続ける必要があります。国家試験の基本情報技術者試験の合格率は38.3%(2025年度)、応用情報技術者試験は22.1%(2025年度春期)で、資格を持っていると評価されやすくなります。
決めどき文系・理系どちらでも

高校では文理どちらでもよい。情報の授業やプログラミングに触れ、大学(情報系の学部が多い)や専門学校に進むのが近道。文系から就職する人も多い

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

システムエンジニア・プログラマーの年収と昇進の流れ

新人プログラマー330〜450万円
入社1〜2年、22〜24歳

研修でプログラミングの基本を学んだあと、小さな機能のプログラムやテストを担当します。先輩の指導を受けながら、一人で決められた機能を作れるようになることが次の段階への条件です。

プログラマー・若手SE400〜580万円
入社3〜5年、25〜28歳

難しい機能のプログラムや、一部の設計を任されるようになります。お客さんとの打ち合わせに出るようになり、設計書を書く力が求められます。

SE(設計担当)500〜700万円
入社5〜8年、28〜32歳

要件定義や基本設計を担当し、後輩のプログラマーに仕事を頼んだり、チェックしたりします。数人のチームをまとめた経験が、リーダーへの条件になります。

チームリーダー・テックリード600〜850万円
30代前半〜半ば

5〜10人ほどのチームをまとめ、技術的な判断や進み具合の管理をします。技術の道を選んだ人は、チームの技術の責任者として設計の方向を決めます。

プロジェクトマネージャー・スペシャリスト750〜1,100万円
30代後半〜40代

大きなプロジェクト全体の責任者として、予算、スケジュール、お客さんとの関係を管理します。または、特定の技術の第一人者として、会社の重要なシステムの設計を担当します。

部長・事業部長・CTO1,000〜1,600万円
40代後半〜

部署や事業全体の責任者として、多くのプロジェクトとエンジニアをまとめます。会社全体の技術の方向を決めるCTOになる人もいます。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

大手SIer(元請け)平均年収は800万〜1,300万円台の会社も(全社員平均)

銀行、役所、交通機関、大企業などから直接注文を受けて、大きなシステムを作ります。野村総合研究所、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所などがあります。プロジェクト全体の管理やお客さんとの調整が中心で、プログラミングは協力会社に任せることも多いです。

良いところ給料や研修、福利厚生が整っていて、社会を支える大きなシステムにかかわれる

大変なところ管理や調整の仕事が多く、自分でプログラムを書く機会が少なくなることがある

中小SIer・SES企業(下請け)300万〜500万円台が多い

大手SIerなどから仕事の一部を受けて、プログラミングやテストを担当します。お客さんの会社に常駐して働くSESという働き方も多いです。

良いところ未経験から採用されやすく、プログラミングの実務経験を積める

大変なところ給料が低めで、働く場所や仕事の内容を自分で選びにくいことがある

Web系・自社サービス企業400万〜1,000万円以上(技術力と会社による)

自分の会社のアプリやWebサービスを作り、改良し続けます。LINEヤフー、楽天グループ、サイバーエージェント、メルカリなどがあります。使う人の反応を見ながら素早く改良していくのが特徴です。

良いところ自分のアイデアをサービスに反映しやすく、新しい技術を使える

大変なところ常に学び続ける必要があり、会社の業績で働く環境が変わりやすい

一般企業の社内SE勤め先の給与水準による

メーカー、銀行、小売などの会社の情報システム部門で、自分の会社のシステムを管理します。外部の開発会社とのやりとりや、社員のIT環境の管理も担当します。

良いところ働き方が比較的安定していて、自分の会社の仕事に深くかかわれる

大変なところ自分で開発する機会が少なく、技術力を伸ばしにくいことがある

フリーランス技術力により大きく異なる(会社員より高い人も)

会社に属さず、仕事ごとに契約して働きます。経験を積んだエンジニアが、より高い収入や自由な働き方を求めて独立することが多いです。

良いところ働く時間や場所、仕事を自分で選べる

大変なところ収入が不安定で、営業や税金の手続きも自分で行う必要がある

代表的な会社・職場

大手SIer・コンサル大手SIerメーカー系SIer独立系SIerユーザー系SIerWeb系企業外資系コンサル・IT
野村総合研究所(NRI) ›大手SIer・コンサル

証券会社や銀行の大きなシステムを作り、コンサルティングも手がけるIT企業です。

約1,322万円(有価証券報告書、2024年度)
NTTデータ ›大手SIer

銀行のATMをつなぐ仕組みや、役所のシステムなど、社会を支える大きなシステムを作る国内最大級のSIerです。

約906万円(有価証券報告書、2024年度ごろ)
富士通 ›メーカー系SIer

コンピューターのメーカーとして始まり、官公庁や企業のシステム、スーパーコンピューターなどを手がけます。

約965万円(有価証券報告書、2024年度ごろ)
NEC ›メーカー系SIer

官公庁や通信会社のシステム、顔認証の技術などを手がけるIT企業です。

約880万円(有価証券報告書、2023年度ごろ)
日立製作所 ›メーカー系SIer

鉄道や電力、銀行のシステムなど、社会インフラを支えるITを手がける総合電機メーカーです。

有価証券報告書を参照
TIS ›独立系SIer

クレジットカードの決済システムなど、金融や産業のシステムを作る独立系のSIerです。

約807万円(有価証券報告書、2025年3月期)
SCSK ›ユーザー系SIer

住友商事グループのIT企業で、製造業や金融などのシステムを作っています。

約797万円(有価証券報告書)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) ›ユーザー系SIer

伊藤忠商事グループのIT企業で、通信会社や企業のネットワーク、クラウドなどを手がけます。

有価証券報告書を参照
LINEヤフー ›Web系企業

メッセージアプリのLINEや、検索サイトのYahoo! JAPANを運営する会社です。

有価証券報告書を参照
楽天グループ ›Web系企業

ネットショッピングの楽天市場や、金融、携帯電話などのサービスを運営する会社です。

有価証券報告書を参照
サイバーエージェント ›Web系企業

インターネット広告、ゲームアプリ、動画配信サービスのABEMAなどを手がける会社です。

有価証券報告書を参照
アクセンチュア(日本法人) ›外資系コンサル・IT

世界的なコンサルティング会社で、企業のデジタル化の提案からシステムづくりまで手がけます。

非上場のため公表なし

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

受託開発注文を受けて作る お客さんの会社銀行・駅・学校など システム 代金人月で計算 </> システムを作る会社SE・プログラマー 自社サービス自分で作って届ける 使う人ゲーム・動画など 広告を出す会社無料アプリに広告 利用料課金 広告料 </> 自社サービスの会社アプリやWebサービス + どちらも 保守・運用で毎月の代金 作ったシステムが止まらないように見張り、 トラブルを直したり改良したりする 作る代金・利用料・広告料 + 毎月の保守 = 会社の収入
受託開発の代金は、かかった人数と期間(人月)をもとに決めることが多いです

SEやプログラマーが働く会社のもうけ方は、大きく2つに分けられます。1つ目は、お客さんの会社から注文を受けてシステムを作り、その代金をもらう「受託開発」です。たとえば、銀行から「新しいATMの仕組みを作ってほしい」と頼まれ、何十億円もの代金で何年もかけて作るような仕事です。2つ目は、自分の会社でWebサービスやアプリを作り、使う人から利用料をもらったり、広告で収入を得たりする「自社サービス」です。たとえば、ゲームアプリのアイテム課金や、動画配信サービスの月額料金などです。どちらの場合も、作ったシステムを動かし続けるための保守や運用からも継続して収入を得ています。

1
受託開発(システムを作る代金)

お客さんの注文でシステムを作り、代金をもらいます。かかったエンジニアの人数と期間(人月)をもとに値段を決めることが多いです。たとえば、10人で6か月かかるなら「60人月」と数えます。

2
保守・運用(作ったあとの管理料)

作ったシステムが止まらないように見張り、トラブルを直したり、小さな改良をしたりする代金を毎月もらいます。たとえば、駅の改札の仕組みは毎日動き続けなければならないので、長く保守の契約が続きます。

3
自社サービスの利用料・課金

自分の会社のアプリやWebサービスを使う人から料金をもらいます。たとえば、音楽配信サービスの月額料金や、ゲームのアイテム課金などです。

4
広告収入

無料で使えるアプリやWebサイトに広告を表示し、広告を出した会社からお金をもらいます。たとえば、無料のニュースアプリや動画サイトの多くは、広告で収入を得ています。

5
SaaS(クラウドで貸すソフト)

会社向けのソフトをインターネットで貸し出し、毎月の利用料をもらいます。たとえば、会計ソフト、勤怠管理、ビデオ会議のサービスなどです。

6
エンジニアの派遣・常駐(SES)

エンジニアをお客さんの会社に送り、そこで働いてもらう代金をもらいます。IT業界では多く見られる働き方です。

入ってからどうなっていく?

</> 1〜3年目プログラマー小さな機能を書き、テストする 4〜7年目SE(設計担当)要件定義や設計を任される 30代で分かれ道 30代リーダー・PMチームや計画をまとめる 30代スペシャリスト技術をきわめる 40代部長・責任者大きなプロジェクトや部署 40代アーキテクト・CTO会社の技術の方向を決める 人をまとめるか、技術をきわめるか 30代は転職や独立をする人も多い時期
30代でリーダー・PMの道と、技術をきわめる道に分かれます
高校〜大学・専門学校プログラミングに触れる情報系の学部や専門学校でプログラミングやコンピューターの仕組みを学ぶ人が多いですが、文系の学部から就職する人も多いです。学生のうちに自分でアプリやWebサイトを作ってみたり、基本情報技術者試験に挑戦したりすると、就職活動で評価されやすくなります。
1〜3年目プログラマー・テスト担当として基本を覚える会社に入ると、数か月の研修でプログラミングの基本を学びます。その後、チームに入って、小さな機能のプログラムを書いたり、テストをしたりします。先輩に教わりながら、システムがどうやって作られるかを覚えていきます。
4〜7年目SEとして設計を担当お客さんとの打ち合わせに出て、要件定義や設計を担当するようになります。後輩のプログラマーに仕事を頼んだり、チェックしたりする立場になります。応用情報技術者試験などに合格して、知識を証明する人も多いです。
30代リーダー・専門家への分かれ道チームリーダーやプロジェクトマネージャーとして人をまとめる道と、技術をきわめるスペシャリストの道に分かれます。この時期に、SIerからWeb系の会社へ、またはその反対に転職する人や、フリーランスとして独立する人も多いです。
40代大きなプロジェクトや組織の責任者大きなプロジェクトの責任者や、部署全体をまとめる部長などの管理職になります。技術の道を選んだ人は、会社全体の技術の方向を決めるアーキテクトやCTOとして活躍します。
50代以降経営・教育・独立会社の役員として経営にかかわる人、ITコンサルタントとして独立する人、後輩の育成や教育に力を入れる人など、いろいろな道があります。技術の知識と経験を活かして、長く働き続ける人が多いです。

学校の成績管理アプリができるまで

SEが中心:何を作るか決めて設計図を描く プログラマー 1 要件定義機能を決める 2 基本設計画面・データ 3 詳細設計細かい動き 4 </> プログラミング設計書をもとに 5 テストバグを探す 6 リリース使い始める 7 運用・保守見張りと改良 新しい要望 使い始めたあとも、見張りと改良が続く
学校の成績管理アプリを作る場合の例
1
要件定義

学校の先生や事務の担当者から話を聞き、「先生がスマホで成績を入力できる」「保護者は自分の子どもの成績だけを見られる」など、必要な機能を決めます。

2
基本設計

画面の種類やデザイン、保存するデータの種類、ほかのシステム(出欠管理など)とのつなぎ方を決めて、設計書にまとめます。

3
詳細設計

「成績を入力したら、平均点を自動で計算して保存する」など、プログラムの細かい動きを決めます。

4
開発(プログラミング)

プログラマーが設計書をもとにプログラムを書きます。画面の部分(フロントエンド)と、データを保存する裏側の部分(バックエンド)を分担して作ります。

5
テスト

一つひとつの機能が正しく動くか、全体をつないで問題がないか、たくさんの人が同時に使っても止まらないかを確かめます。

6
リリース(使い始め)

先生たちに使い方を説明し、アプリを使い始めてもらいます。最初の数日はトラブルがないかを特に注意して見守ります。

7
運用・保守

アプリが止まらないように見張り、不具合を直したり、「保護者に通知を送りたい」などの新しい要望に応えて改良したりします。

情報処理技術者試験(基本情報技術者・応用情報技術者など)

合格率基本情報技術者 38.3%(2025年度)、応用情報技術者 22.1%(2025年度春期)
勉強時間の目安基本情報技術者は初心者で200時間前後、応用情報技術者はさらに数百時間と言われることが多い
受験資格年齢・学歴の制限なし。誰でも受験できる。SEやプログラマーになるのに必須ではない
基本情報技術者試験は、IT企業の新入社員が最初に目指す試験で、合格率は4割ほどです。応用情報技術者試験は合格率2割ほどで、記述式の問題もあり、実務の経験があると解きやすくなります。高度試験は合格率が1割台のものも多く、ベテランのエンジニアでも簡単には合格できません。ただし、これらの資格がなくてもSEやプログラマーとして働くことはでき、実際に作れる力が最も重視されることも多いです。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. ITパスポート試験ITの基礎知識を問う入門の試験です。社会人だけでなく、中高生も多く受験しています。
  2. 基本情報技術者試験エンジニアとしての基本的な知識と技能を問う試験です。CBT方式で、好きな日に受けられます。
  3. 応用情報技術者試験より深い知識と応用力を問う試験で、春と秋の年2回行われます。
  4. 高度試験プロジェクトマネージャ、システムアーキテクト、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリストなど、専門分野ごとの難しい試験です。
  5. 情報処理安全確保支援士セキュリティの専門家のための国家資格で、合格後に登録すると「登録セキスペ」と名乗れます。

システムエンジニア・プログラマーのある1日

9:30

出社、または家でパソコンを開いて仕事を始めます(在宅勤務ができる会社も多いです)。チャットとメールを確認します。

10:00

チームで15分ほどの朝会をします。昨日やったこと、今日やること、困っていることを一人ずつ話します。

10:30

設計書をもとに、学校向けの成績管理アプリの「成績を入力する画面」のプログラムを書きます。

12:00

お昼休みです。

13:00

お客さんとオンラインで打ち合わせをします。「先生が成績を入力したら、保護者に通知を送りたい」という新しい要望を聞きます。

14:30

打ち合わせの内容を整理して、設計書に書き足します。

15:30

書いたプログラムを動かしてテストし、うまく動かない部分の原因(バグ)を探して直します。

17:00

先輩にプログラムを見てもらい(コードレビュー)、わかりにくい部分を書き直します。

18:00

明日の作業を確認して、仕事を終えます。システムを新しくする日の前などは、夜遅くまで作業することもあります。

もっと知りたい人へ

そもそもSE・プログラマーとは

SEとプログラマーは、コンピューターの仕組み(システム)を作る仕事です。システムとは、いくつかの機械やプログラムが組み合わさって、決まった仕事を自動でこなす仕組みのことです。たとえば、コンビニのレジのシステムでは、バーコードを読み取る機械、値段を計算するプログラム、本社のコンピューターに売れた商品を送る通信、在庫を管理するデータベースが組み合わさって動いています。SEはこうした仕組みの全体を考えて設計図を描き、プログラマーは設計図にもとづいてプログラムを書きます。日本では、システムエンジニア(受託開発)だけでも約39万人が働いています(2020年国勢調査)。

SEとプログラマーのちがい

SEは「何を作るか」を決めて設計する人、プログラマーは「設計どおりに作る」人です。家づくりにたとえると、SEは設計図を描く建築士、プログラマーは実際に家を建てる大工さんのような役割です。ただし、Web系の会社などでは、一人で設計からプログラミングまで両方を担当することが多く、「エンジニア」とまとめて呼ばれることもあります。

私たちの生活とシステム

朝起きて天気予報アプリを見る、駅の改札でICカードをタッチする、学校のタブレットで課題を提出する、コンビニでスマホ決済をする、夜にゲームや動画を楽しむ、といった場面があります。これらはすべて、SEやプログラマーが作ったシステムで動いています。システムが止まると、電車に乗れなかったり、お店で買い物ができなかったりして、生活に大きな影響が出ます。

IT人材が足りない

経済産業省が2016年に公表した試算では、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足するとされました。あらゆる業界でデジタル化が進み、SEやプログラマーの需要は高い状態が続いています。

なるためのルート

SEやプログラマーになるのに、必ず必要な資格や学歴はありません。多くの人は、大学や専門学校を卒業してIT企業に就職し、入社後の研修でプログラミングを学びます。情報系の学部(情報学部、情報工学科など)に進むと、コンピューターの仕組みやプログラミングを深く学べるので、仕事を始めたときに有利なスタートを切れます。一方で、文系の学部から就職する人も多く、IT企業の中には新入社員の半分近くが文系出身という会社もあります。

  1. 高校情報Ⅰの授業でプログラミングの基本を学びます。数学で論理的に考える力をつけ、英語も勉強しておくと、プログラミングの情報を英語で読むときに役立ちます。
  2. 大学・専門学校情報系の学部や専門学校に進むと、プログラミング、データベース、ネットワークなどを体系的に学べます。文系の学部から目指す人も多いです。
  3. 資格や作品づくり基本情報技術者試験に挑戦したり、自分でアプリやWebサイトを作ったりします。インターン(職業体験)でIT企業の仕事を経験する人もいます。
  4. IT企業に就職SIer、Web系企業、メーカーのIT部門などに就職します。入社後の研修でプログラミングや仕事の進め方を学びます。
  5. プログラマー・SEとして経験を積むプログラムを書く仕事から始め、設計やお客さんとのやりとりを任されるようになります。
文系からでもなれる

大手のSIerを中心に、入社後の研修でプログラミングを一から教える会社が多いです。SEの仕事では、お客さんの話を聞いて文書にまとめる力も大切なので、文系で学んだ力も活かせます。

独学やスクールから

インターネットの教材やプログラミングスクールで学び、自分でアプリを作って、その作品を見せて就職する人もいます。特にWeb系の会社では、学歴よりも実際に作れるものを重視することがあります。

試験・選考の詳細

SEやプログラマーには必須の資格はありませんが、国(IPA:情報処理推進機構)が行う「情報処理技術者試験」があり、知識を証明する資格として多くの会社で評価されています。入門のITパスポート試験、エンジニアの基本となる基本情報技術者試験、その上の応用情報技術者試験、さらに専門分野ごとの高度試験があります。基本情報技術者試験は、コンピューターを使って好きな日に受けられる形式(CBT)で行われ、2025年度の合格率は38.3%でした。会社によっては、資格を取ると一時金や毎月の手当が出ます。

基本情報技術者試験

プログラミング、コンピューターの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、プロジェクトの進め方などの基本を問う試験です。IT企業の新入社員が最初に目指すことが多く、学生のうちに合格する人もいます。

応用情報技術者試験

基本情報技術者より一段上の、より深い知識と応用力を問う試験です。春と秋の年2回行われ、2025年度春期の合格率は22.1%でした。合格すると、高度試験の一部が免除される制度もあります。

IT企業の採用選考

IT企業の採用では、面接のほかに、適性検査やプログラミングのテストを行う会社があります。Web系の会社では、自分で作ったアプリやプログラムを見せることが評価されることもあります。

年収のリアル

厚生労働省の統計をもとにしたシステムエンジニア(受託開発)の年収の目安は約579万円です(令和7年調査)。ただし、勤める会社によって差がとても大きいのが特徴です。たとえば、野村総合研究所の平均年収は1,322万円、富士通は965万円、NTTデータは906万円(いずれも有価証券報告書、2024年度ごろ)と高い一方で、小さな会社では年収300万〜400万円台のことも多いです。IT業界は、元請けの大きな会社から下請けの小さな会社へ仕事が流れる「多重下請け構造」があり、下に行くほど給料が低くなりやすいと言われています。

技術力で上がる

Web系の企業やフリーランスでは、技術力が高いと若いうちから高い年収を得られることがあります。たとえば、AIやクラウド、セキュリティなど、需要が高い技術を身につけると評価されやすいです。

元請けと下請けのちがい

お客さんから直接仕事を受ける元請けの会社は、プロジェクト全体を管理するため、給料が高い傾向があります。下請けの会社は、元請けから仕事の一部を受けるため、利益が少なく、給料も低めになりやすいです。

フリーランスという働き方

経験を積んだエンジニアの中には、会社に属さずフリーランスとして働く人もいます。仕事ごとに契約し、技術力によっては会社員より高い収入を得られますが、仕事がない月は収入がなくなるリスクもあります。

やりがい

SEやプログラマーのやりがいは、自分が作ったものが、たくさんの人の生活や仕事を便利にすることです。たとえば、自分がかかわった駅の改札システムを毎日何十万人もの人が使っていたり、作ったアプリで友だちが楽しんでいたりするのを見ると、大きな達成感があります。また、プログラムは自分が書いたとおりに動くので、うまく動いたときの喜びは、パズルが解けたときのようです。新しい技術を学んで、できることがどんどん増えていく楽しさもあります。

社会を支える

銀行、病院、交通、電気など、社会に欠かせない仕組みの多くはシステムで動いています。目立たないけれど、社会を支えている実感が持てる仕事です。

自分で作れる

パソコン1台あれば、自分でアプリやゲームを作って、世界中の人に使ってもらうこともできます。仕事以外でも、作る楽しさを味わえます。

働き方の自由

IT業界は、在宅勤務やフレックス勤務(働く時間を自分で決められる制度)を取り入れている会社が多いです。技術を身につければ、フリーランスや海外など、働く場所の選択肢も広がります。

大変なこと・きついこと

SEやプログラマーの仕事では、締め切りに追われることがあります。システムの完成日が決まっているのに作業が遅れると、残業や休日出勤で取り戻さなければならないこともあります。また、システムにトラブルが起きると、夜中や休日でもすぐに対応しなければならないことがあります。たとえば、銀行のシステムが止まると、たくさんの人がお金を引き出せなくなるので、一刻も早く直す必要があります。技術の変化がとても速いので、仕事以外の時間にも勉強を続けることが求められます。

要望の変更

作っている途中で、お客さんから「やっぱりこの機能も追加したい」と言われることがあります。たとえば、成績管理アプリを作っている途中で「保護者への連絡機能もほしい」と言われると、設計からやり直しになることもあります。

目や体への負担

一日中パソコンの画面に向かって座っていることが多いので、目の疲れや肩こり、運動不足になりやすいです。休憩や運動を意識して取り入れることが大切です。

学び続ける大変さ

今よく使われているプログラミング言語や道具が、数年後には古くなっていることもあります。新しい技術を学ぶことを楽しめないと、つらく感じるかもしれません。

向いている人

SEやプログラマーに向いているのは、物事を順序立てて考えるのが好きな人です。プログラムは「もしこうなら、こうする」という命令の組み合わせでできているので、手順を考えるのが好きな人は楽しめます。また、うまくいかないときに原因を粘り強く探せる人、新しいことを学ぶのが好きな人も向いています。SEは、お客さんやチームの人と話す機会が多いので、人の話を聞いて整理し、わかりやすく伝える力も大切です。

パズルや謎解きが好きな人

たとえば、パズルゲームやクイズ、謎解きが好きな人は、バグの原因を探したり、効率のよい手順を考えたりするのを楽しめます。

何かを作るのが好きな人

プラモデル、料理、マインクラフトでの建築など、何かを作って完成させるのが好きな人は、システムやアプリづくりにも向いています。

人の役に立つ仕組みを考えたい人

「もっと便利にできないかな」と考えるのが好きな人は、SEとしてお客さんの困りごとを解決する仕事にやりがいを感じられます。

高校生のうちにできること

高校生のうちにできることで一番大切なのは、実際にプログラミングをしてみることです。高校では情報Ⅰが必修になり、プログラミングの基本を学びます。授業だけでなく、無料の学習サイトやアプリを使って、自分で簡単なゲームやWebページを作ってみると、プログラミングが自分に合っているかがわかります。また、ITパスポート試験や基本情報技術者試験は年齢に関係なく受けられるので、挑戦してみるのもよいです。

作ってみる

たとえば、Scratchでゲームを作る、PythonでじゃんけんゲームやToDoリストを作る、HTMLで自己紹介のWebページを作るなど、小さなものから始めてみましょう。完成させる経験が自信になります。

身の回りのシステムを観察する

コンビニのセルフレジ、駅の券売機、学校のタブレットのアプリなどを使うときに、「この裏ではどんな仕組みが動いているんだろう」と考えてみましょう。システムを見る目が育ちます。

数学と英語を大切に

数学で学ぶ論理的な考え方は、プログラミングの土台になります。また、プログラミングの最新情報は英語で書かれていることが多いので、英語を読む力があると学べる範囲が広がります。

代表的な会社・職場

SEやプログラマーが働く会社は、大きく分けて、SIer(システムを注文を受けて作る会社)、Web系・自社サービスの会社、メーカーや銀行などの一般企業の情報システム部門、外資系のIT企業などがあります。SIerには、野村総合研究所、NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所などの大手があり、銀行や役所、交通機関などの大きなシステムを作っています。Web系の会社には、LINEヤフー、楽天グループ、サイバーエージェント、メルカリなどがあります。

メーカー系SIer

富士通、NEC、日立製作所など、コンピューターの機械を作ってきたメーカーやそのグループ会社です。官公庁や大企業の大きなシステムを多く手がけています。

独立系・ユーザー系SIer

TIS、SCSK、伊藤忠テクノソリューションズなどは、特定のメーカーに属さない独立系や、商社などの親会社を持つユーザー系のSIerです。いろいろな業界のシステムを作っています。

Web系・自社サービスの会社

自分の会社でアプリやWebサービスを運営する会社です。新しい技術を取り入れるのが早く、エンジニアが自由に意見を出しやすい雰囲気の会社が多いです。

システムができるまでの流れ

システムづくりは、多くの場合、決まった順番で進みます。まず、お客さんが何をしたいかを決める「要件定義」、次にシステムの全体像を決める「基本設計」、プログラムの細かい動きを決める「詳細設計」、実際にプログラムを書く「開発(プログラミング)」、正しく動くかを確かめる「テスト」、そして使い始める「リリース」と進みます。この流れは、上から下に水が流れるように進むので「ウォーターフォール型」と呼ばれます。

要件定義が一番大切

要件定義は、システムの目的や必要な機能を決める段階です。たとえば、学校の成績アプリなら、「先生がスマホで成績を入力できる」「保護者は自分の子どもの成績だけ見られる」「成績は5段階で表示する」などを決めます。ここでお客さんとの認識がずれていると、完成してから「思っていたのと違う」となってしまいます。

アジャイル開発

最近は、小さな機能を短い期間で作って公開し、使う人の反応を見ながら改良をくり返す「アジャイル開発」も広がっています。たとえば、スマホアプリでは、まず基本の機能だけを公開し、2週間ごとに新しい機能を追加していく、という進め方をします。

SIerとWeb系企業のちがい

SEやプログラマーの働き方は、SIerで働くか、Web系企業で働くかで大きく変わります。SIerは、お客さんの注文を受けてシステムを作る会社で、銀行や役所、交通機関など、止まってはいけない大きなシステムを作ることが多いです。Web系企業は、自分の会社のサービスを作って育てる会社で、使う人の反応を見ながら素早く改良していくのが特徴です。どちらが良いということはなく、自分がどんなものを作りたいかで選ぶことが大切です。

SIerの特徴

大きなプロジェクトに多くの人がかかわり、計画どおりに確実に進めることが大切にされます。研修が充実していて、文系出身者でも一から学べる会社が多いです。お客さんとの打ち合わせや、文書を作る仕事も多くあります。

Web系企業の特徴

エンジニアが自分でサービスの改良を提案し、すぐに形にできることが多いです。新しい技術を使う機会が多い一方で、自分から学ぶ姿勢が強く求められます。会社の業績によって、働く環境が大きく変わることもあります。

よくある質問

文系でもSEやプログラマーになれますか?

なれます。大手のIT企業を中心に、入社後の研修でプログラミングを一から教える会社が多く、文系出身のSEもたくさん働いています。SEの仕事では、お客さんの話を聞いて文書にまとめる力も大切なので、文系で身につけた力も活かせます。

数学が苦手でも大丈夫ですか?

多くの仕事では、高校数学の難しい公式を使うことはあまりありません。大切なのは、物事を順序立てて考える論理的な考え方です。ただし、AIやゲームの3D表現など、数学を多く使う分野もあります。

プログラミングはいつから始めればいいですか?

興味を持った今が始めどきです。無料の学習サイトやアプリがたくさんあるので、中学生や高校生でも始められます。まずは簡単なゲームやWebページを作ってみて、楽しいと感じるかを試してみましょう。

どのプログラミング言語を勉強すればいいですか?

最初の一つとしては、Pythonがよく勧められます。文法がシンプルで読みやすく、AIやデータ分析でも使われています。Webページを作りたいならHTMLとJavaScript、スマホアプリならSwiftやKotlinなど、作りたいものに合わせて選ぶのもよい方法です。

AIが進化したらプログラマーはいらなくなりますか?

AIがプログラムを書く手伝いをしてくれる道具はすでに広く使われていて、仕事の進め方は変わってきています。しかし、何を作るかを決めること、AIが書いたプログラムが正しいかを判断すること、複雑なシステム全体を設計することなどは、人間のエンジニアの大切な役割です。AIを上手に使いこなせるエンジニアが求められています。

ゲームを作る仕事をしたいのですが、SEと同じですか?

ゲームを作る人は「ゲームプログラマー」と呼ばれ、プログラマーの一種です。ゲーム会社に入って、キャラクターの動きや画面の表示、オンライン対戦の仕組みなどをプログラムで作ります。基本的なプログラミングの力は、ほかのSEやプログラマーと共通しています。

SEは残業が多いと聞きますが本当ですか?

会社やプロジェクトによって大きく違います。システムの完成日前やトラブルのときは忙しくなりますが、働き方の改善に取り組み、在宅勤務やフレックス勤務を取り入れている会社も増えています。会社を選ぶときに、実際の働き方を調べることが大切です。

女性のエンジニアは多いですか?

IT業界はまだ男性が多いですが、女性のエンジニアも増えています。在宅勤務などの柔軟な働き方がしやすい業界なので、子育てと両立しながら働く人もいます。女性エンジニアを増やすための取り組みをしている会社もあります。

資格は取ったほうがいいですか?

必須ではありませんが、取っておくと知識を証明でき、就職活動や社内の評価で有利になることがあります。まずはITパスポート試験や基本情報技術者試験から挑戦するのがおすすめです。資格を取ると手当が出る会社もあります。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」のシステムエンジニア(受託開発)の年収です(令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした目安)。野村総合研究所、富士通、NTTデータなど大手IT企業の平均年収は900万〜1,300万円台(有価証券報告書、2024〜2025年度ごろ)ですが、これは全社員の平均で、会社によって差がとても大きいです。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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