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レントゲンを撮るだけじゃない。CT、MRI、がんの放射線治療まで、体の中を「見る」と「治す」のプロ

診療放射線技師

診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示を受けて、X線(レントゲン)撮影、CT、マンモグラフィ(乳がん検診)などの放射線を使った検査と、がんを放射線で治療する「放射線治療」を行う国家資格の仕事です。放射線を人の体に当てることが法律で認められているのは、医師、歯科医師と診療放射線技師だけです。たとえば、部活でケガをして整形外科でレントゲンを撮るとき、ボタンを押しているのは診療放射線技師です。MRIや超音波(エコー)など、放射線を使わない画像検査も担当します。4年制大学か3年制以上の養成校を卒業し、国家試験に合格するとなれます。

平均年収の目安約557万円20代で約380万〜450万円、50代で約650万円前後が目安
なるまでの難しさ★★★★★2026年2月実施の第78回国家試験の合格率は全体76.2%、新卒者83.8%で、医療系の国家試験の中ではやや低めです。物理や数学を使う問題が多く、放射線の物理や機械の仕組みを理解できないと点が取れません。
決めどき理系が中心

高校2年の文理選択(理系で物理・数学を選ぶと進みやすいです)

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

診療放射線技師の年収と昇進の流れ

養成校の学生万円
3〜4年間、18〜22歳

放射線の物理と撮影の技術を学び、臨床実習を行います。国家試験に合格することが次の段階に進む条件です。

診療放射線技師(新人)350〜450万円
1〜3年目、22〜25歳

レントゲンやCTを中心に、基本の撮影を身につけます。当直を一人でこなせることが一人前の目安です。

専門担当の技師420〜530万円
4〜8年目、26〜30歳

CT、MRI、放射線治療などの専門を持ち、認定資格を取ります。後輩の指導もできるようになると次の段階です。

主任技師500〜620万円
9〜15年目、30代

部門のリーダーとして、装置の管理や勤務表、被ばく管理を担当します。

係長・副技師長580〜700万円
40代

放射線部門全体の運営や、装置の導入計画を担当します。

技師長680〜850万円
50代

放射線部門の責任者として、人事や予算、病院の経営への提案を行います。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

大学・総合病院 年収400万〜700万円 当直・呼び出しあり 幅広い経験ができる クリニック 年収350万〜500万円 夜勤なし 患者さんとの距離が近い 健診・検診車 年収350万〜500万円 夜勤なし 勤務時間が安定 医療機器メーカー 大手は病院より高い例も 出張が多い職種も 最新の装置の開発に 経験の幅か、規則正しい生活か
年収は統計や求人からの目安です
病院(大学病院・総合病院)年収400万〜700万円程度が多い(統計や求人からの目安)

最も多い働き方です。レントゲンからCT、MRI、血管造影、放射線治療、核医学まで、いろいろな装置にふれられます。救急を受け入れる病院では当直やオンコールがあります。大学病院では研究や学会発表の機会も多いです。

良いところ幅広い経験ができ、専門性を高めやすいです。

大変なところ当直や呼び出しがあり、生活が不規則になりがちです。

クリニック(整形外科など)年収350万〜500万円程度が多い(求人からの目安)

整形外科や内科のクリニックで、レントゲンなどを担当します。技師が1〜2人のことも多く、装置の管理まで一人で任されます。夜勤はほとんどありません。

良いところ夜勤がなく、患者さんとの距離が近いです。

大変なところ扱う装置が限られ、専門性を高めにくいことがあります。

健診センター・検診車年収350万〜500万円程度が多い(求人からの目安)

健康診断や人間ドックで、胸のレントゲン、胃のバリウム検査、マンモグラフィなどを担当します。検診車で会社や地域を回る仕事もあります。

良いところ夜勤がなく、勤務時間が安定しています。

大変なところ同じ検査のくり返しが多く、重い病気の撮影の経験は積みにくいです。

医療機器メーカー会社によりますが、大手では病院より高い例もあります

CTやMRIなどを作るメーカーで、病院への操作指導、開発、営業などを担当します。病院で数年経験を積んでから転職する人が多いです。

良いところ最新の装置の開発に関われ、企業の給料体系で働けます。

大変なところ出張が多い職種もあり、売上などの成果を求められます。

代表的な会社・職場

特定機能病院がん治療急性期病院国立系病院クリニック予防医療画像診断装置メーカー医療IT
大学病院の放射線部特定機能病院

最新の装置がそろい、多くの技師が画像診断と放射線治療を担当します。研究や教育も行います。

病院の給料表による
がん専門病院がん治療

放射線治療や核医学検査など、がんの診断と治療に特化した病院です。

病院の給料表による
地域の総合病院(公立・民間)急性期病院

救急や手術を受け入れ、24時間体制で撮影を行います。

病院の給料表による
国立病院機構の病院国立系病院

全国に病院を持つ独立行政法人で、グループで採用や異動を行うことがあります。

機構の給与規程による
整形外科クリニッククリニック

骨折やスポーツのけがなどでレントゲンを撮影します。

クリニックの規程による
健診センター・健診団体予防医療

健康診断やがん検診で撮影を行い、検診車で巡回するところもあります。

施設の規程による
医療機器メーカー画像診断装置メーカー

CT、MRI、X線装置などを開発・販売し、病院への導入や操作指導を行います。

会社の規程による
遠隔画像診断の会社医療IT

病院から送られた画像を医師が読む仕組みを提供し、技師が画像の管理などを担当します。

会社の規程による

どうやって稼いでいる?

装置を入れる CT・MRIは 1台数億円も 検査する 技師が撮影 X線・CT・MRI 診療報酬 撮影料+診断料 が病院に入る 費用を回収 検査の収入で 装置代を取り戻す 正確に、 たくさん ほかのお金の流れ 放射線治療 計画と照射の回数で料金 健診・がん検診 会社や自治体、本人が払う 機器メーカー 販売と毎年の保守点検料 遠隔画像診断 画像を送り、読んでもらう 高い装置の費用を、検査の収入で回収する 正確で速い検査が病院を支える
画像検査の部門は、病院の中でも収入につながりやすい部署です

診療放射線技師が働く画像検査の部門は、病院の中でも収入につながりやすい部署です。CTやMRIの検査をすると、国が決めた料金(診療報酬)が病院に入ります。たとえば、高性能なCTやMRIで撮影すると、撮影料に加えて画像の診断料などが加わります。ただし、CTやMRIの装置は1台で数億円することもあり、病院はその費用を検査の収入で回収します。そのため、たくさんの検査を正確に効率よく行える技師は病院の経営を支える存在です。

1
診療報酬(撮影料・診断料)

レントゲン、CT、MRIなどを撮ると、検査ごとに決められた点数が病院に入ります。画像を放射線科医が読んで報告書を書くと、診断料も加わります。

2
放射線治療の診療報酬

がんの放射線治療では、治療計画や照射の回数に応じて病院に料金が入ります。高精度な治療ほど点数が高く設定されています。

3
健康診断・がん検診

会社の健康診断や自治体の乳がん検診、胃がん検診では、会社や自治体、本人が料金を払います。健診センターや検診車を持つ団体の収入源です。

4
医療機器の販売と保守

メーカーは、数億円の装置を病院に販売・リースし、その後も毎年の保守点検料で収入を得ます。

5
遠隔画像診断

放射線科医がいない病院の画像を、インターネットで送って別の場所の医師が読む会社もあります。病院は読んでもらうたびに料金を払います。

入ってからどうなっていく?

高校卒業〜養成校4年養成校で学ぶ大学・短大・専門学校で、放射線の物理、解剖学、撮影技術を学びます。病院での臨床実習を経て、2月の国家試験を受けます。
1〜3年目一般撮影から始める病院に就職し、レントゲン撮影をはじめ、CTや透視検査を順番に覚えます。当直で一人で救急の撮影ができるようになることが一つの目標です。
4〜8年目専門分野を持つCT、MRI、血管造影、放射線治療、核医学などの専門を決め、認定資格を取ります。後輩の指導も任されます。
9〜15年目主任・係長部門のリーダーとして、装置の更新計画や勤務表、被ばく管理の責任者を担います。医療機器メーカーや健診センターなどへ転職する人もいます。
40代副技師長放射線部門全体の運営、数億円規模の装置導入の検討、医療安全の取り組みなどを担当します。大学院で研究をして学位を取る人もいます。
50代〜技師長・教員放射線部門の責任者として、病院の経営にも関わります。養成校の教員として次の世代を育てる人もいます。

救急車で運ばれた人がCTを受けるまで

医師・看護師 診療放射線技師 1 救急車で到着 医師がCTを指示 2 検査の準備 目的と情報を確認 3 台に移す 首や体を動かさないよう、みんなで慎重に 4 撮影 範囲と条件を設定 数秒〜数十秒 5 画像の確認 断面や3D画像を作る 6 診断と治療へ 出血の有無を判断 医師に送る 頭を強く打った人が運ばれてきたら 一刻を争う中、すばやく正確な画像を
頭を強く打った人が運ばれてきた場合の例
1
救急車で到着

頭を強く打った人が救急外来に運ばれてきます。医師が診察し、すぐにCT検査の指示を出します。

2
検査の準備

診療放射線技師がCT室を準備し、患者さんの情報と撮影の目的を確認します。

3
患者さんを台に移す

看護師や医師と協力して、首や体を動かさないよう慎重にCTの台に移します。

4
撮影

撮影範囲と条件を設定し、数秒から数十秒で撮影します。必要なら造影剤を使います。

5
画像の確認と処理

すぐに画像を確認し、見やすい断面や3D画像を作って医師に送ります。

6
診断と治療へ

医師が画像を見て出血の有無を判断し、手術などの治療方針を決めます。

診療放射線技師国家試験

合格率76.2%(全体)、新卒者83.8%(2026年2月実施の第78回)
勉強時間の目安養成校3〜4年間の学習が前提で、最終学年は1年ほどかけて国家試験の対策をする人が多いです
受験資格文部科学大臣指定の学校または都道府県知事指定の養成所で3年以上学び、必要な知識と技能を修得した人など
新卒者の合格率は8割台で、医療系国家試験の中ではやや厳しめです。放射線物理や医用工学などで計算問題が出るため、暗記だけでは対応できません。また、0点の科目が2つ以上あると総得点が足りていても不合格になるため、苦手な科目を作らないことが大切です。理学療法士や臨床検査技師の試験と比べて、物理の比重が大きいのが特徴です。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 受験の申し込み例年12月ごろに願書を提出します。
  2. 筆記試験2月に1日で行われ、マークシート方式です。
  3. 合格発表3月下旬に厚生労働省から発表されます。
  4. 免許の申請と登録合格後に免許を申請し、名簿に登録されると働けます。

診療放射線技師のある1日

8:00

出勤して、CTやMRIなどの装置の始業点検を行い、前の晩の当直の引き継ぎを受けます。

8:30

外来の患者さんのレントゲン撮影が始まります。次々に来る患者さんを順番に撮影します。

10:00

CT室で、予約の検査と、外来から急に追加された検査を担当します。造影剤を使う検査では副作用に注意します。

12:00

交代で昼休みです。

13:00

病棟に移動式の装置を運び、ベッドから動けない患者さんの胸のレントゲンを撮ります。

14:00

手術室で、骨折の手術中にX線で骨の位置を確認する撮影を担当します。

16:00

撮影した画像の確認と、3D画像の作成を行います。

16:45

放射線科のミーティングで、翌日の予定や装置の不具合を共有します。

17:15

退勤します。当直の日は、夜間に救急車で運ばれてきた患者さんのCTやレントゲンを担当します。

もっと知りたい人へ

そもそも診療放射線技師とは

診療放射線技師は、診療放射線技師法に定められた国家資格で、医師または歯科医師の指示のもとで放射線を人の体に当てる(照射する)ことができます。放射線は使い方を誤ると体に害があるため、法律で照射できる人が厳しく決められています。仕事は大きく、画像を撮る「画像診断」と、がんを治す「放射線治療」に分かれます。画像診断にはレントゲン、CT、マンモグラフィ、血管造影、核医学検査があり、放射線を使わないMRIや超音波検査も担当します。

医師との役割分担

診療放射線技師は撮影や照射を行い、画像から病気を診断するのは放射線科医などの医師です。ただし、技師が撮影中に異常に気づいた場合、医師に伝えることで早い治療につながることもあります。

2021年の法改正

医師の働き方改革のため、2021年の法改正で、造影剤を注入するための静脈路の確保などができるようになりました。技師の役割は少しずつ広がっています。

なるためのルート

診療放射線技師になるには、文部科学大臣指定の学校か、都道府県知事指定の養成所で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。4年制大学の保健学科や放射線技術科学専攻、3年制の短大、3年制または4年制の専門学校が一般的な進路です。大学では卒業研究があり、大学院に進んで研究者や教員を目指すこともできます。

  1. 高校で理系科目を学ぶ物理と数学を中心に、生物や化学も学びます。
  2. 養成校に入学大学・短大・専門学校の診療放射線技師養成課程に入ります。
  3. 基礎と専門の授業放射線物理学、放射化学、解剖学、撮影技術、放射線治療などを学びます。
  4. 臨床実習病院の放射線部で、実際の撮影や治療を見学・体験します。
  5. 国家試験に合格最終学年の2月に国家試験を受け、3月に合格発表があります。
  6. 免許を登録して就職免許を登録し、病院や健診センターなどで働き始めます。
大学と専門学校のちがい

大学は4年間で教養や研究も含めて学び、大学病院などへの就職や大学院進学につながりやすいです。専門学校は実践的な授業が中心で、3年制なら早く現場で働けます。

女性の技師も増えている

かつては男性が多い仕事でしたが、マンモグラフィなどで女性の技師が求められることもあり、女性の割合が増えています。

試験・選考の詳細

国家試験は年に1回、2月に行われ、マークシート方式です。2026年の第78回は受験者3,506人、合格者2,670人で、合格率は全体76.2%、新卒者83.8%でした。合格基準は199点満点中120点以上で、しかも0点の科目が1科目以下であることです。放射線物理や工学の計算問題が多く、理系の基礎力が問われます。就職の選考は、病院では筆記と面接、公立病院では公務員試験の形式で行われることが多いです。

合格率がやや低い理由

放射線の物理や電気工学など、計算が必要な科目が多いことが理由の一つです。医療系の国家試験としては新卒の合格率も8割台で、油断できない試験です。

就職の倍率

大きな病院は採用人数が少なく、人気の病院は倍率が高くなります。職業情報提供サイトによると、2025年度の有効求人倍率は約1.07倍で、看護師などに比べると落ち着いています。

年収のリアル

職業情報提供サイト(job tag)によると、診療放射線技師の年収は約557万円(令和7年賃金構造基本統計調査、平均年齢約41.1歳)で、医療技術職の中では高めです。新人のうちは年収350万〜450万円程度から始まり、当直や夜勤、緊急の呼び出しの手当で差がつきます。国公立病院は勤続年数に応じて着実に上がり、管理職になると600万〜700万円以上の例もあります。

当直とオンコール

救急を受け入れる病院では、夜間や休日に技師が泊まり込んだり、呼び出しに備えたりします。その手当が年収を押し上げる一方、生活が不規則になることもあります。

職場による差

健診センターやクリニックは夜勤がない分、手当は少なめです。医療機器メーカーに転職すると、企業の給料体系になります。

やりがい

自分の撮った画像が、病気を見つけ、治療方針を決める決め手になります。たとえば、救急の現場で素早くCTを撮り、脳の出血が見つかってすぐ手術になった患者さんが助かると、仕事の大切さを実感します。放射線治療では、数週間毎日顔を合わせた患者さんが治療を終えて笑顔で帰っていくのを見届けられます。最新の装置や技術にふれ続けられるのも、この仕事ならではの面白さです。

技術が結果に直結する

同じ装置でも、技師の撮り方で画像の見やすさは大きく変わります。腕を磨いた分だけ、医師から信頼されるようになります。

進化し続ける分野

AIによる画像の処理や、より高精度な放射線治療など、技術が急速に進んでいます。新しいことを学ぶのが好きな人には刺激の多い仕事です。

大変なこと・きついこと

放射線や強い磁場を扱うため、ミスが患者さんの安全に直結し、常に緊張感があります。救急の撮影では、重いけがの患者さんを慎重に動かしながら、短時間で撮影しなければなりません。当直では一人で救急車の患者さんに対応することもあり、プレッシャーがかかります。また、装置や技術の進歩が速く、学び続けないと取り残されてしまいます。

被ばくへの配慮

技師自身も被ばくしないよう、線量計を身につけて管理し、防護の決まりを守ります。法律で決められた限度を超えないように、病院全体で管理されています。

体力が必要な場面

ベッドから動けない患者さんを撮影台に移したり、重い移動式装置を運んだりと、体力を使う場面も多いです。

向いている人

物理や数学に苦手意識がなく、機械やコンピューターが好きな人に向いています。決められた手順と安全のルールをきちんと守れる人、短時間で正確に作業できる人が活躍します。また、検査を受ける患者さんは不安を感じていることが多いので、わかりやすく説明し、安心させられる人柄も大切です。

こんな人は特に向いている

カメラで写真を撮るのが好きな人、ゲームやパソコンの仕組みに興味がある人は、撮影や画像処理の面白さを感じやすいです。

少し注意したい人

放射線に不安がある人は、学校で被ばくの量や防護の仕組みを学ぶと、正しく理解できます。夜勤や当直が苦手な人は、健診センターなどの働き方も選べます。

高校生のうちにできること

物理と数学の基礎をしっかり固めることが、入試でも入学後の勉強でも大きな助けになります。特に、波、電気、原子の分野は放射線の物理につながります。オープンキャンパスでは、実際のX線装置やCTの模型を使った体験ができる学校が多いので参加してみましょう。病院でレントゲンを撮る機会があれば、技師がどんな声かけをしているかを観察するのもよい勉強になります。

受験科目の傾向

国公立大学では数学と理科(物理が多い)、英語が必要なことが多いです。専門学校は面接や基礎学力試験で入れるところもあります。

情報の授業も役立つ

画像はコンピューターで処理されるため、プログラミングや情報処理の考え方も将来役立ちます。

代表的な会社・職場

最も多いのは病院の放射線部(放射線科)で、大学病院や地域の総合病院では数十人の技師が働いていることもあります。整形外科などのクリニック、健診センター、検診車で巡回する健診団体でも多くの技師が働きます。医療機器メーカー、遠隔画像診断の会社、大学や研究機関、放射線の安全を管理する行政機関なども活躍の場です。

大病院とクリニックのちがい

大病院ではCT、MRI、放射線治療など多くの装置にふれられます。クリニックではレントゲンなど限られた検査を、少ない人数でこなします。

企業で働く技師

医療機器メーカーでは、装置の操作を病院スタッフに教える仕事や、開発、営業などで技師の知識が生かされています。

放射線の安全と被ばく

放射線と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、医療で使う放射線の量は、検査で得られる利益が大きくなるように管理されています。たとえば、胸のレントゲン1回の被ばくは、日本で日常生活の中で自然に受ける放射線の10日分ほどとされています。診療放射線技師は、必要な画像が撮れる範囲で放射線をできるだけ少なくすることを常に考えています。2020年からは、CTなどの医療被ばくの線量を記録・管理することが病院に義務づけられ、技師がその中心を担っています。

医療被ばくの管理

検査ごとに患者さんが受けた放射線の量を記録し、国内の目安(診断参考レベル)と比べて多すぎないかを確認します。

働く人の被ばく管理

技師は線量計を身につけ、月ごとに被ばく量を測ります。法律の限度を超えないよう、遮へいや距離をとる工夫をしています。

画像診断と放射線治療のちがい

診療放射線技師の仕事は、病気を見つける画像診断と、がんを治す放射線治療に大きく分かれます。画像診断は多くの患者さんを短時間で撮影し、スピードと正確さが求められます。放射線治療は同じ患者さんと数週間向き合い、ミリ単位の位置合わせと品質管理が大切です。どちらに進むかで、毎日の仕事の雰囲気がかなり変わります。

画像診断に向く人

たくさんの人に対応するのが得意な人、救急のスピード感に燃えられる人に向いています。

放射線治療に向く人

患者さんとじっくり関わりたい人、物理や計算が好きな人に向いています。医学物理士を目指す道もあります。

よくある質問

放射線を毎日使って、体は大丈夫ですか?

技師が受ける被ばくは法律で限度が決められていて、線量計で毎月管理されています。撮影するときは別室からボタンを押したり、防護エプロンを使ったりして、被ばくを減らしています。

物理が苦手でもなれますか?

入学後に放射線物理や電気工学を学ぶため、物理が苦手だと苦労します。ただ、高校の物理の基礎を大学で学び直す授業もあるので、苦手でも努力で乗り越える人は多いです。

女性でも働けますか?

働けます。マンモグラフィなど女性の技師が求められる検査もあり、女性の割合は増えています。妊娠中は被ばくを避けるため、担当業務を調整する仕組みがあります。

医師と同じように診断できますか?

診断は医師の仕事です。ただし、撮影中に気づいた異常を医師に伝えたり、画像の読み方の勉強をしたりして、診断を支えることはできます。

AIで仕事がなくなりませんか?

AIは画像の処理や異常の候補の表示などに使われ始めていますが、患者さんの姿勢を整えて撮影したり、安全を管理したりするのは人の仕事です。AIを使いこなす技師が求められています。

臨床検査技師とどうちがうのですか?

臨床検査技師は血液や心電図、エコーなどを、診療放射線技師はレントゲン、CT、MRIなどを主に担当します。エコーはどちらも行えます。放射線を人に当てられるのは診療放射線技師です。

夜勤はありますか?

救急を受け入れる病院では当直や夜勤があります。健診センターやクリニックでは夜勤がないところが多いです。

海外でも働けますか?

日本の免許はそのまま海外で使えません。国ごとに資格の制度がちがうので、現地の資格を取る必要があります。メーカーの社員として海外に関わる道もあります。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした職業情報提供サイト(job tag)の診療放射線技師の数字で、平均年齢は約41.1歳です。年代別の金額は統計と求人の傾向からの目安です。夜勤・当直の回数や病院の種類で差があります。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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