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ITインフラ・セキュリティエンジニア

ITインフラ・セキュリティエンジニアは、アプリやWebサービスが動くための「土台」をつくり、守る職種です。土台とは、データを保存して計算するサーバー、パソコンやスマホをつなぐネットワーク、インターネット上の大きなコンピューターを借りて使うクラウドなどのことです。たとえば、動画配信サービスで何百万人が同時に再生しても止まらないこと、学校のWi-Fiでタブレットが一斉につながること、ネットショッピングのクレジットカードの情報が盗まれないことは、すべてこの職種の人が支えています。最近は会社の情報をねらうサイバー攻撃が増え、攻撃を防ぎ、起きたときに素早く対応するセキュリティエンジニアの重要性が高まっています。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、令和7年度のシステムエンジニア(基盤システム)の有効求人倍率は2.24倍で、人手が足りていない職種です。

平均年収の目安約610万〜890万円20代で約400万〜500万円、経験を積んだ専門家や管理職で800万〜1,000万円超(会社と専門性で差が大きい)
なるまでの難しさ★★★★★理系の情報系学科の出身者が多いものの、入社後の研修で基礎から学ぶ人も多く、文系出身者の採用もある職種です。一方で、ネットワーク、OS、クラウド、セキュリティと覚えることが多く、技術の変化も速いため、学び続ける力が求められます。高度な専門家をめざす場合は、合格率が10〜20%台の国家試験に挑戦する人も多いです。
決めどき理系が中心

高1〜高2の文理選択(情報系に進むか)、大学3年の就職活動、入社後の配属

ITインフラ・セキュリティエンジニアの中の、細かい担当

同じITインフラ・セキュリティエンジニアでも、担当によって仕事はまったく違います。押すと、それぞれの仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

どんな会社にある?

ITインフラ・セキュリティエンジニアは、IT企業だけでなく、ほぼすべての業界で働いています。いちばん多いのは、お客さんの会社のシステムを作るSIer(エスアイヤー)や、インフラの構築・運用を専門に請け負う会社、通信会社、データセンターの会社、クラウドサービスの会社です。銀行、メーカー、小売、病院、役所などのIT以外の会社や組織でも、社内SEとして自分たちのシステムの土台を守っています。大企業ではサーバー、ネットワーク、セキュリティなどの担当が細かく分かれますが、中小企業では一人でインフラ全体を担当する「ひとり情シス」と呼ばれる働き方も珍しくありません。

どの学部の人が多い?

ITインフラ・セキュリティエンジニアに多いのは、情報工学科、情報科学科、電気電子情報系の学科、通信工学科の出身者です。大学でコンピューターの仕組み、OS、ネットワーク、プログラミングを学んでいると、入社後の研修の内容をすぐに理解できます。電気電子工学で学ぶ通信や信号の知識は、ネットワークエンジニアの仕事と特に関係が深いです。数学科や物理学科の出身者は、論理的に考える力を生かしてインフラやセキュリティの道に進むことがあり、暗号の理論は数学と深くつながっています。一方で、SIerや運用の会社では、入社後の研修で基礎から教えるため、文系出身のインフラエンジニアも多くいます。学科よりも、入社後に学び続けられるかどうかが大切な職種です。

ITインフラ・セキュリティエンジニアの年収と昇進の流れ

運用・監視担当22〜26歳350〜480万円構築担当25〜30歳450〜600万円設計担当・専門エンジニア28〜34歳550〜800万円アーキテクト・リーダー30代700〜1,000万円マネージャー・部長40代850〜1,200万円CISO・CIO(責任者)40代後半〜1,000〜2,000万円05001,0001,5002,000万円経験と専門性で、年収の幅が広がる
年齢と年収は目安です。会社と専門性で差が大きくなります
運用・監視担当350〜480万円
入社1〜3年(22〜26歳)

システムの監視や決められた手順の作業を担当します。障害対応を経験し、サーバーやネットワークの基本を身につけると、構築の仕事に進みます。

構築担当450〜600万円
入社3〜6年(25〜30歳)

設計書をもとにサーバーやネットワーク、クラウドを組み立てます。応用情報技術者などの資格の取得が評価されることもあります。

設計担当・専門エンジニア550〜800万円
入社6〜10年(28〜34歳)

お客さんの要望を聞いて、インフラの構成を考えます。ネットワーク、クラウド、セキュリティなど、得意分野で頼られる存在になります。

アーキテクト・プロジェクトリーダー700〜1,000万円
30代

大きなシステム全体の土台を設計したり、チームをまとめたりします。高度な国家試験や、クラウドの上位の認定資格を持つ人も多いです。

マネージャー・部長850〜1,200万円
40代

インフラやセキュリティの部門をまとめ、人材の育成や予算の管理を担います。

CISO・CIO(責任者・役員)1,000〜2,000万円
40代後半〜

会社全体のセキュリティやITの戦略に責任を持つ立場です。経営陣の一員として、重要な判断を行います。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

SIer・インフラ専門会社大手SIerは平均年収800万〜1,000万円超の会社もあります(有価証券報告書)。中小の運用の会社はこれより低めです。

お客さんの会社から依頼を受けて、インフラの設計、構築、運用を行います。銀行、メーカー、役所など、いろいろな業界のシステムに関われます。大手SIerは大規模なプロジェクトを多く手がけ、技術者を育てる研修も整っています。

良いところいろいろな業界のシステムに関わり、幅広い経験が積めます。

大変なところお客さんの都合で、夜間や休日の作業が入ることがあります。

通信会社・クラウド・データセンターの会社IIJは単体平均747万円(2026年3月期)、大手通信会社は800万〜1,000万円前後です。

通信回線やクラウドサービスそのものを作り、提供する会社です。何千万人が使うネットワークや、巨大なデータセンターを担当します。技術の最先端に触れられる環境です。

良いところ大規模で最先端のインフラに関われます。

大変なところ社会への影響が大きく、障害のときのプレッシャーが大きいです。

セキュリティ専門の会社トレンドマイクロは単体平均989万円(2025年12月期)です。会社の規模によって差があります。

セキュリティ製品の開発、監視サービス、脆弱性診断、事故対応などを専門に行う会社です。セキュリティの技術を深く追求できます。

良いところセキュリティの専門性を深く磨けます。

大変なところ攻撃の手口が日々変わり、常に学び続ける必要があります。

社内SE(事業会社の情報システム部門)勤める会社の給料体系によります。

メーカーや銀行などのIT以外の会社で、自社のインフラやセキュリティを担当します。発注する側として、IT企業と協力して仕事を進めます。

良いところ自社の仕事に深く関わり、働き方が比較的安定しやすいです。

大変なところ最先端の技術に触れる機会は、IT企業より少ないことがあります。

Web系企業(SRE・クラウド)大手Web系企業は平均年収900万円前後の会社もあります(有価証券報告書)。

自社でWebサービスを運営する会社で、サービスを支えるインフラを担当します。クラウドや自動化の技術を積極的に使い、開発チームと一緒に働きます。

良いところ新しい技術を使い、スピード感のある環境で働けます。

大変なところサービスの成長に合わせて、急な対応が求められることがあります。

代表的な会社・職場

大手SIer(NTT系)総合ITベンダー大手SIer・コンサル独立系・商社系SIer通信キャリア(持株会社)通信キャリアインターネット接続・クラウドセキュリティ専業外資系クラウドWeb系
NTTデータグループ ›大手SIer(NTT系)

銀行や役所などの大規模なシステムの設計・構築・運用を手がけています。

単体平均923万円(2025年3月期)
富士通 ›総合ITベンダー

システムの構築からデータセンター、クラウドまで幅広いITサービスを提供しています。

単体平均1,012万円(2026年3月期)
野村総合研究所 ›大手SIer・コンサル

金融機関などのシステムの構築・運用と、コンサルティングを行っています。

単体平均1,333万円(2026年3月期)
SCSK ›独立系・商社系SIer

システムの構築・運用や、データセンターのサービスを提供しています。

単体平均797万円(2026年3月期)
NTT ›通信キャリア(持株会社)

日本の通信網の中心を担うグループの持株会社です。

単体平均1,056万円(2026年3月期、持株会社)
KDDI ›通信キャリア

auの携帯電話網や、企業向けのネットワーク・クラウドのサービスを提供しています。

単体平均1,051万円(2026年3月期)
ソフトバンク ›通信キャリア

携帯電話網や企業向けのネットワーク、クラウドのサービスを提供しています。

単体平均871万円(2026年3月期)
インターネットイニシアティブ(IIJ)インターネット接続・クラウド

日本の商用インターネット接続の草分けとして知られる会社で、企業向けのネットワーク、クラウド、セキュリティのサービスを提供しています。

単体平均747万円(2026年3月期)
トレンドマイクロセキュリティ専業

ウイルス対策ソフトや企業向けのセキュリティ製品・サービスを世界で提供しています。

単体平均989万円(2025年12月期)
Amazon Web Services・Microsoft・Googleの日本法人外資系クラウド

世界中で使われているクラウドサービスを、日本の企業に提供しています。

非上場の日本法人のため公表なし
LINEヤフー ›Web系

多くの人が使うメッセージアプリやポータルサイトを支える大規模なインフラを運用しています。

単体平均902万円(2026年3月期)

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

お客さんの会社銀行・メーカー・役所料金を払うSIerインフラ専門会社構築の作業料運用の月額料金クラウドデータセンター使った分の利用料セキュリティ専門の会社監視の月額料金診断の作業料社内SE(情報システム部門)直接は稼がないが、システムを止めず、情報を守って会社の売上と信頼を支える働く会社で、お金の受け取り方が変わる
SIerは構築と運用、クラウドは使った分、セキュリティ会社は監視と診断で料金を受け取ります

ITインフラ・セキュリティの仕事のお金の流れは、働く会社の種類によって違います。SIerやインフラの専門会社では、お客さんの会社からシステムの土台の構築や運用を請け負い、その作業料や月々の運用料を受け取ります。クラウドやデータセンターの会社は、コンピューターや場所を貸して、使った分の料金を受け取ります。セキュリティの会社は、監視サービスの月額料金や、診断の作業料で稼ぎます。社内SEの場合は直接お金を稼ぐわけではなく、システムを止めないこと、情報を守ることで会社の売上と信頼を支えます。

1
構築の作業料

お客さんの会社のサーバーやネットワークを新しく作るときに、設計と構築の作業料を受け取ります。大きなシステムでは、何か月から何年もかかるプロジェクトになります。

2
運用・保守の月額料金

作ったシステムを毎日監視し、トラブルに対応する運用の仕事は、毎月決まった料金を受け取ることが多いです。長く続く安定した収入になります。

3
クラウド・データセンターの利用料

クラウドの会社は、コンピューターやデータの保存場所を貸して、使った時間や量に応じた料金を受け取ります。電気代や水道代のような仕組みです。

4
セキュリティ監視サービスの料金

セキュリティの会社は、お客さんのネットワークを24時間見張るサービスを提供し、月額の料金を受け取ります。

5
脆弱性診断・コンサルティングの料金

Webサイトやシステムの弱点を調べる診断や、セキュリティ対策の助言を行い、作業ごとに料金を受け取ります。

6
システム停止や情報流出を防ぐ価値

社内SEは、システムが止まって売上が失われたり、情報が流出して信頼を失ったりすることを防ぎます。これは会社にとって大きなお金を守ることになります。

入ってからどうなっていく?

大学・高専・専門学校ITの基礎を学ぶ情報系の学科でコンピューターの仕組みやネットワーク、プログラミングを学びます。在学中に基本情報技術者試験などの国家試験に合格しておくと、就職活動で知識の証明になります。
入社1〜3年目運用・監視の担当研修のあと、システムの監視や決められた手順での作業から始めます。障害が起きたときの対応を先輩と一緒に経験し、サーバーやネットワークの基本を身につけます。
4〜9年目構築・設計の担当サーバーやネットワーク、クラウドの構築を任され、やがてお客さんの要望を聞いて構成を考える設計を担当します。専門分野(ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど)を決める時期でもあります。
30代アーキテクト・リーダーシステム全体の土台を設計するアーキテクトや、チームをまとめるリーダーになります。大きなプロジェクトのインフラの責任者を任されることもあります。
40代〜50代マネージャー・専門家・責任者部門の管理職として組織をまとめる人と、特定分野のトップクラスの専門家として活躍する人に分かれます。会社のセキュリティ責任者(CISO)やIT責任者(CIO)になる人もいます。
転職・独立のパターンクラウド企業・社内SE・フリーランスSIerから、クラウドの会社やWeb系の会社、セキュリティ専門の会社に転職する人が多いです。IT以外の会社の社内SEに移る人や、フリーランスとして独立する人もいます。

会社のシステムの土台ができるまで

システムの土台を作る動き出したら、守り続ける1要件を聞く何人が使う?予算は?2設計する台数・構成・守りを決める3構築するサーバーや機器を設定4テストする故障や攻撃に強いか確かめる5本番の運用24時間の監視とバックアップ6改善と対応障害や事故に対応し見直すくり返す作って終わりではなく、守り続ける
運用が始まったあとも、障害やセキュリティの事故への対応と見直しが続きます
1
要件を聞く

お客さんや社内の担当者から、何人が使うのか、どれくらい止まらずに動かしたいか、予算はいくらかを聞き取ります。

2
設計する

サーバーの台数や性能、ネットワークの構成、クラウドを使うかどうか、セキュリティの対策を考えて、設計書にまとめます。

3
構築する

設計書に沿って、サーバーやネットワーク機器、クラウドを設定し、システムの土台を組み立てます。

4
テストする

たくさんのアクセスに耐えられるか、故障したときに自動で切り替わるか、攻撃に弱いところがないかを確かめます。

5
本番の運用を始める

システムの利用が始まり、24時間の監視と、定期的な更新やバックアップを行います。

6
改善と対応を続ける

障害やセキュリティの事故に対応し、使われ方の変化に合わせて性能や構成を見直していきます。

情報処理安全確保支援士・ネットワークスペシャリスト(関係する国家資格・必須ではない)

合格率令和7年度 情報処理安全確保支援士 春期19.0%・秋期22.3%、ネットワークスペシャリスト 春期17.8%、応用情報技術者 春期22.1%・秋期24.5%
勉強時間の目安応用情報技術者は数か月、高度試験は実務経験と合わせて半年〜1年以上かけて準備する人が多いです
受験資格受験資格の制限はなく、年齢や学歴を問わず誰でも受験できます
高度試験は合格率が10〜20%台で、IT系の国家試験の中でも難しい部類です。午後の記述式の試験では、実際のシステムを想定した長い問題文を読み解く力が求められ、実務の経験がある人でも準備が欠かせません。高校生や大学生は、まずITパスポートや基本情報技術者から始めるのが一般的です。資格を持っていると、知識の証明になり、資格手当を出す会社もあります。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 基礎の試験ITパスポートや基本情報技術者試験で、ITの基礎を固めます。
  2. 応用情報技術者試験応用的な知識と技術を問う試験に合格し、中級レベルの力を証明します。
  3. 高度試験ネットワークスペシャリストや情報処理安全確保支援士など、専門分野の試験に挑戦します。
  4. 登録(支援士の場合)情報処理安全確保支援士は、合格後に登録すると名乗ることができ、定期的な講習で知識を新しくします。

ITインフラ・セキュリティエンジニアのある1日

9:00

出社またはリモートで仕事を始め、夜間の監視の記録やアラートを確認します。

9:30

チームの朝会で、作業の予定と、前日に起きた問題を共有します。

10:00

新しいシステムのクラウドの構成を設計し、設計書を書きます。

12:00

昼休み。

13:00

お客さんとオンラインで打ち合わせをして、システムに必要な性能や予算を確認します。

14:30

検証用の環境でサーバーやネットワークの設定を試し、動作を確かめます。

16:00

ソフトの弱点(脆弱性)の新しい情報を確認し、担当するシステムに影響がないかを調べます。

17:00

作業の手順書を作り、夜に行うシステムの更新作業の準備をします。

18:00

作業の記録を残して退社します。障害当番の日は、夜間に呼び出しがあることもあります。

もっと知りたい人へ

そもそもITインフラ・セキュリティエンジニアとは

ITインフラとは、アプリやWebサービスが動くための土台のことです。道路や水道が生活の土台であるように、サーバー、ネットワーク、クラウド、データの保存場所などがITの土台になります。たとえば、スマホでSNSを見るとき、写真はどこかのデータセンターのサーバーに保存され、通信の回線を通って手元に届きます。ITインフラエンジニアはこの土台をつくって動かし続け、セキュリティエンジニアは土台と情報を攻撃から守ります。

アプリの開発者とのちがい

アプリやWebサービスの画面や機能を作るのは、アプリケーションエンジニアやプログラマーの仕事です。インフラエンジニアは、そのアプリが動く場所を用意し、たくさんの人が使っても止まらないように支えます。家づくりにたとえると、アプリの開発者が部屋や家具をつくり、インフラエンジニアが土地や基礎、電気や水道を整えるイメージです。

セキュリティがなぜ大切か

会社の情報が盗まれたり、システムが使えなくなったりすると、お客さんに大きな迷惑がかかり、会社の信頼も失われます。最近は、データを勝手に暗号化して使えなくし、元に戻す代わりにお金を要求する「ランサムウェア」という攻撃で、工場や病院が止まる被害も起きています。セキュリティは、すべての会社にとって欠かせないものになっています。

なるためのルート

ITインフラ・セキュリティエンジニアになるには、大学、高専、専門学校を卒業してIT企業や通信会社に入社し、インフラやセキュリティの部署に配属されるのが一般的です。情報系の学科の出身者が多いですが、SIerや運用の会社では、文系出身者も入社後の研修で基礎から学んでいます。IT以外の会社の情報システム部門に入って社内SEになる道もあります。

  1. 高校で理系を選ぶ(文系からも可)数学と情報の授業が役立ちます。文系からでもなれますが、情報系の学科に進むなら理系が一般的です。
  2. 情報系の学科などで学ぶ大学、高専、専門学校で、コンピューターの仕組み、ネットワーク、OS、プログラミングを学びます。
  3. 国家試験に挑戦する在学中に基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に合格しておくと、知識の証明になります。
  4. IT企業・通信会社などに応募SIer、インフラの専門会社、通信会社、クラウドの会社、セキュリティの会社などに応募します。
  5. 研修と配属入社後の研修でITの基礎を学び、インフラやセキュリティの部署に配属されます。
  6. 運用から構築・設計へ運用や監視の経験を積み、構築、設計へとステップアップしていきます。
最初は運用から

多くの人が、システムの監視や運用の仕事からキャリアを始めます。実際に動いているシステムを見ながら、トラブルへの対応を経験することで、インフラの仕組みが深く理解できるためです。

セキュリティへの進み方

セキュリティエンジニアは、いきなりなるよりも、サーバーやネットワークの経験を積んでから進む人が多い職種です。守るものの仕組みを知っていることが、セキュリティの仕事の土台になるためです。セキュリティ専門の会社が新卒を採用して育てる場合もあります。

試験・選考の詳細

ITインフラ・セキュリティエンジニアになるのに必須の資格はありません。選考では、ITへの興味や、論理的に考える力、学び続ける姿勢が見られます。情報系の学生は、研究やプログラミングの経験について聞かれることが多いです。入社後は、国が行う情報処理技術者試験に挑戦する人が多く、資格に応じて手当を出す会社もあります。

情報処理技術者試験

IPA(情報処理推進機構)が行う国家試験で、ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、さらに専門分野ごとの高度試験があります。令和7年度秋期の応用情報技術者試験の合格率は24.5%でした。インフラの分野ではネットワークスペシャリスト試験があり、令和7年度春期の合格率は17.8%でした。

情報処理安全確保支援士

セキュリティの専門家のための国家資格で、試験に合格して登録すると名乗れます。令和7年度春期の合格率は19.0%、秋期は22.3%でした。登録したあとも、定期的に講習を受けて知識を新しくすることが求められます。

年収のリアル

job tagに掲載された令和7年賃金構造基本統計調査では、システムエンジニア(基盤システム)の年収は約889万円(平均38.3歳)、セキュリティエキスパート(オペレーション)は約609.8万円(平均42.2歳)です。同じインフラ・セキュリティの仕事でも、勤める会社の種類や、担当が運用中心か設計中心かによって年収は大きく変わります。経験を積んで設計やクラウド、高度なセキュリティの専門性を身につけると、年収が上がりやすい職種です。

会社による違い

有価証券報告書(単体)では、インターネットイニシアティブ(IIJ)の平均年収は747万円(2026年3月期、平均37.5歳)、トレンドマイクロは989万円(2025年12月期、平均40.3歳)です。大手SIerや通信会社は高めで、中小の運用の会社はこれより低めになることが多いです。

夜間・休日の手当

システムの更新作業は、使う人が少ない夜間や休日に行うことが多く、そのぶん手当がつくことがあります。障害当番として、夜間に呼び出しに備える日の手当がある会社もあります。

やりがい

ITインフラ・セキュリティエンジニアのやりがいは、何百万人もの人が使うサービスを、自分たちの力で支えていることを実感できることです。たとえば、大きな買い物イベントの日にアクセスが何十倍になってもサイトが止まらなかったとき、自分が作った土台が役に立ったという達成感があります。セキュリティエンジニアは、攻撃を見つけて被害を防いだとき、社会を守っているという実感を持てます。

技術が直接評価される

インフラやセキュリティは、技術力がそのまま仕事の質につながる分野です。新しい技術を学べば学ぶほど、できることが増え、評価や年収にもつながりやすいです。

どの業界でも必要とされる

ITの土台とセキュリティは、すべての業界に必要です。一度身につけた技術は、業界を変えても使えるため、長く活躍できる職種です。

大変なこと・きついこと

インフラは「動いて当たり前」と思われているため、うまくいっているときはあまり感謝されず、止まったときに大きな注目を集めます。障害が起きると、夜中でも休日でも対応が必要になり、原因がわかるまで緊張が続きます。システムの更新作業は、使う人が少ない深夜や休日に行うことが多く、生活のリズムが不規則になることもあります。

技術の変化が速い

クラウドやセキュリティの技術は毎年のように新しくなり、攻撃の手口も次々と変わります。仕事の時間以外にも勉強を続ける必要があり、学ぶことが好きでないと大変に感じるかもしれません。

セキュリティ事故のプレッシャー

セキュリティの事故が起きると、会社の信頼に大きな影響があります。セキュリティエンジニアは、攻撃を完全には防げないことを前提に、もしもの時に備え続ける必要があり、重い責任を感じる場面もあります。

向いている人

ITインフラ・セキュリティエンジニアに向いているのは、物事の仕組みを知るのが好きで、問題が起きたときに原因を一つずつしぼり込んでいける人です。決められた手順を正確に守れる丁寧さも大切で、一つの設定ミスが大きな障害につながることもあります。新しい技術に興味を持ち、自分から調べて学べる人は、この職種で大きく成長できます。

こんな高校生は向いているかも

家のWi-Fiの調子が悪いときに、ルーターの設定を自分で調べて直したことがある人、パソコンを組み立てたり、仕組みを調べたりするのが好きな人は、インフラエンジニアに向いているかもしれません。パズルや謎解きが好きで、ニュースでサイバー攻撃の話を見ると気になる人は、セキュリティに向いているかもしれません。

責任感と冷静さ

障害やセキュリティ事故のときは、あわてずに状況を整理し、チームと協力して対応する冷静さが求められます。多くの人が使うシステムを守るという責任感を持てる人が、この職種で信頼されます。

高校生のうちにできること

ITインフラ・セキュリティエンジニアをめざすなら、高校の「情報」の授業をしっかり学ぶことが第一歩です。ネットワークの仕組みや情報セキュリティの基礎は、情報の授業で扱われます。数学も大切で、2進数や論理の考え方は、コンピューターやネットワークの理解に直接つながります。

国家試験に挑戦してみる

ITパスポート試験は、高校生でも挑戦しやすい国家試験です。さらに基本情報技術者試験に合格する高校生もいます。勉強の過程で、ITの全体像がわかるようになります。

セキュリティのコンテストやキャンプ

CTFと呼ばれるセキュリティの技術を競うコンテストには、高校生向けのものもあります。若い人材を育てるための「セキュリティ・キャンプ」という合宿型の講習もあり、セキュリティに興味がある高校生にとって貴重な経験になります。ただし、他人のシステムに許可なく攻撃をすることは法律で禁止されているので、必ず決められた練習の場で学びましょう。

代表的な会社・職場

ITインフラ・セキュリティエンジニアが多く働いているのは、SIer、インフラの専門会社、通信会社、クラウドやデータセンターの会社、セキュリティ専門の会社です。NTTデータグループや富士通などの大手SIer、NTTやKDDI、ソフトバンクなどの通信会社、インターネットイニシアティブ(IIJ)のようなインターネット接続とクラウドの会社、トレンドマイクロのようなセキュリティの会社が代表的です。

外資系のクラウド企業

Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleなどの外資系企業は、世界中で使われているクラウドサービスを提供しています。日本にも拠点があり、クラウドの専門家が多く働いています。

IT以外の会社

銀行、メーカー、小売、鉄道、病院、役所なども、自分たちのシステムを守るためにインフラやセキュリティの担当者を置いています。特に、止まると社会に大きな影響がある金融や交通の会社では、インフラとセキュリティの部署が大きいです。

オンプレミスとクラウドのちがい

会社のシステムの土台には、大きく分けて「オンプレミス」と「クラウド」があります。オンプレミスは、会社が自分でサーバーを買い、自社の建物やデータセンターに置いて管理するやり方です。クラウドは、インターネット上の巨大なデータセンターのコンピューターを、必要な分だけ借りて使うやり方です。たとえば、オンプレミスは自分の家を建てるイメージ、クラウドはホテルやレンタルスペースを必要なときだけ借りるイメージです。

クラウドへの移行

最近は、多くの会社がオンプレミスからクラウドへシステムを移しています。必要なときにすぐサーバーを増やせ、機械の故障の心配が減るためです。こうした移行の仕事は、インフラエンジニアにとって大きな仕事の一つです。

オンプレミスが残る理由

一方で、大量のデータを扱う場合や、法律やルールでデータを社外に置けない場合などは、オンプレミスが選ばれることもあります。両方を組み合わせる「ハイブリッド」という使い方も多く、両方を理解しているエンジニアが求められています。

セキュリティの仕事の種類

セキュリティの仕事は、守る、見張る、対応する、調べるの4つに大きく分けられます。守る仕事は、ファイアウォールなどの仕組みを作ること、見張る仕事は、SOCで24時間記録を監視すること、対応する仕事は、攻撃を受けたときに被害を止めて復旧すること、調べる仕事は、脆弱性診断で弱点を先に見つけることです。家の防犯にたとえると、鍵をつける、防犯カメラで見張る、泥棒が入ったら警察と対応する、鍵の弱いところを点検する、という役割分担です。

CSIRTとSOC

CSIRT(シーサート)は、会社の中でセキュリティ事故に対応するチームのことです。SOCは、ネットワークなどを24時間見張るセンターのことです。大きな会社では両方を持ち、セキュリティの会社にSOCを任せることもあります。

ホワイトハッカーとは

ホワイトハッカーは、ハッキングの技術を、システムを守るために使う人のことです。お客さんの許可を得たうえで、攻撃者と同じ方法でシステムを調べ、弱点を見つけて直し方を伝えます。許可なく他人のシステムに入ることは犯罪なので、ホワイトハッカーは法律と倫理を守ることが絶対の条件です。

よくある質問

プログラミングが苦手でもインフラエンジニアになれますか?

なれます。インフラエンジニアは、アプリの開発者ほど多くのプログラムを書くわけではありません。ただし、最近はクラウドの設定や運用の自動化でプログラムを書く場面が増えているので、少しずつ学んでおくと有利です。

文系からでもなれますか?

なれます。SIerや運用の会社では、入社後の研修で基礎から教えることが多く、文系出身のインフラエンジニアもたくさんいます。ただし、情報系の学科で学んだ人のほうが、最初の理解は早い傾向があります。

夜勤はありますか?

24時間動いているシステムを監視する運用の仕事では、交替制の夜勤があることがあります。システムの更新作業も、使う人が少ない夜間や休日に行うことが多いです。設計や構築が中心の仕事になると、昼間の勤務が多くなります。

ホワイトハッカーになるにはどうすればいいですか?

まずはネットワーク、OS、Webの仕組みを深く学ぶことが大切です。そのうえで、CTFなどの決められた練習の場で攻撃と防御の技術を磨き、セキュリティ専門の会社などで経験を積むのが一般的です。許可なく他人のシステムを攻撃することは犯罪なので、絶対にしてはいけません。

クラウドが広がると、インフラエンジニアの仕事はなくなりませんか?

サーバーを物理的に設置する仕事は減っていますが、クラウドを使ってシステムを設計・運用する仕事はむしろ増えています。クラウドの知識を持つインフラエンジニアは、今とても求められています。

在宅勤務(リモートワーク)はできますか?

クラウドの設計や運用など、インターネットごしにできる仕事は在宅勤務をしやすい傾向があります。一方で、データセンターでの機器の設置や、お客さんの会社での作業は現場に行く必要があります。

女性のエンジニアはいますか?

IT業界全体では男性が多いものの、インフラやセキュリティの分野で活躍する女性も増えています。在宅勤務などの柔軟な働き方が取り入れやすい分野でもあります。

高校生でも取れる資格はありますか?

ITパスポート試験は年齢に関係なく受験でき、高校生の合格者も多くいます。さらに上をめざして基本情報技術者試験に合格する高校生もいます。

セキュリティエンジニアは将来も必要とされますか?

サイバー攻撃は年々増えて手口も複雑になっており、セキュリティの専門家はどの業界でも足りていない状況です。社会のデジタル化が進むほど、セキュリティの重要性は高まると考えられています。

この分野のことば

年収について:job tag掲載の令和7年賃金構造基本統計調査では、システムエンジニア(基盤システム)の年収は約889万円(平均38.3歳)、セキュリティエキスパート(オペレーション)は約609.8万円(平均42.2歳)です。統計の区分は必ずしもその職業だけの数字ではなく、会社の規模や担当の範囲で大きく変わるため、目安として見てください。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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