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「もしも」と「これから」にお金をつなぐ仕事

証券・保険

証券会社は、株や債券などの売り買いを仲立ちしたり、会社が株を発行してお金を集めるのを手伝ったりする会社です。たとえば、任天堂やトヨタの株を買いたい人の注文を株式市場につなぐのが証券会社です。保険会社は、多くの人から少しずつ保険料を集め、病気、事故、災害、死亡など「もしも」のときにお金を支払う会社です。たとえば、自転車で人にけがをさせてしまったときの賠償金や、台風で家が壊れたときの修理代を支払います。どちらも、人や会社のお金を集めて、将来に向けて動かすという点で共通しています。営業だけでなく、市場の分析、資産の運用、保険料の計算をするアクチュアリーなど、専門性の高い職種が多い業界です。

平均年収の目安約850万〜1,400万円大手新人で約400万〜500万円台、大手の30代で800万〜1,200万円前後、投資銀行部門や外資系では2,000万円超も
なるまでの難しさ★★★★★大手証券会社や大手損保は採用人数が比較的多い一方、投資銀行部門、アクチュアリー、資産運用などの専門コースや外資系は非常に競争が激しくなります。入社後に証券外務員や保険募集人などの資格試験に合格する必要があります。
決めどき文系・理系どちらでも

大学3年の夏(専門コースや外資系は大学2〜3年の春から準備)

証券・保険の業界マップ

証券会社は、大手の証券会社とネット証券、外資系に分かれます。保険は、人の命や病気に備える生命保険と、事故や災害に備える損害保険に分かれます。

となりの業界

押すと、会社図鑑でその会社のくわしい解説が見られます。

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

証券・保険の年収と昇進の流れ

担当者(若手)400〜600万円
入社1〜3年、22〜25歳

支店や代理店営業で基礎を学び、証券外務員や保険の募集人資格を取ります。担当先で成果を出すことが次への条件です。

担当者(中堅)550〜900万円
入社4〜7年、26〜30歳

大口のお客さんや代理店を担当します。専門部署への異動や資格の取得で専門性を高めます。

課長代理・主任800〜1,200万円
入社8〜12年、30〜35歳

チームの中心として後輩を指導します。投資銀行部門などではこの時期に大型案件の実務を担います。

課長・営業所長1,000〜1,500万円
入社13〜20年、35〜42歳

部署や営業所の責任者として、数字と人の育成に責任を持ちます。

支店長・部長1,300〜2,000万円
入社20年以降、43歳〜

支店や部門全体を率います。

役員2,000〜5,000万円
50代〜

会社全体の経営を担います。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

大手証券会社野村HD1,376万円(2025年3月期)、大和証券G1,222万円(2024年3月期)

野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が大手5社です。リテール営業から投資銀行業務まで幅広く手がけます。銀行系の3社は、親会社の銀行の取引先とのつながりを生かせます。

良いところ仕事の幅が広く、専門性を深める道がたくさんあります。

大変なところ相場に業績が左右され、営業の目標も厳しめです。

ネット証券会社により異なります

SBI証券、楽天証券などで、支店を持たずスマホやパソコンでの取引に特化しています。手数料の安さで多くの個人投資家を集めています。社員はシステム開発やマーケティングの仕事が中心です。

良いところITと金融を組み合わせた新しいサービスづくりにかかわれます。

大変なところ対面でお客さんの相談に乗る仕事は少なめです。

損害保険会社東京海上日動906万円(2025年3月期)、三井住友海上768万円(2024年3月期)など

東京海上日動、三井住友海上、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損保の大手4社が中心です。自動車、火災、地震、企業向けの保険などを扱い、海外の保険会社を買収して事業を広げています。

良いところ困っている人を助ける実感があり、仕事の幅が広いです。

大変なところ大きな自然災害のあとは非常に忙しくなります。

生命保険会社会社・職種により大きく異なります

日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命などの大手、外資系、ネット生保などがあります。何十年も続く契約を扱い、集めた保険料の運用で日本有数の投資家でもあります。

良いところ人の人生に長く寄り添い、資産運用など専門職の道もあります。

大変なところ営業の目標が厳しく、歩合制の職種は収入が安定しないこともあります。

外資系投資銀行若手でも年収1,000万円を超えることが多く、成果次第でさらに高くなると言われます

M&Aや資金調達のアドバイスなどに特化した外資系の金融機関です。少人数で大きな案件を扱い、成果主義が徹底しています。

良いところ年収が非常に高く、若くして大きな案件を経験できます。

大変なところ長時間労働になりやすく、成果が出ないと厳しい評価を受けます。

代表的な会社・職場

大手証券(独立系)大手証券(銀行系)ネット証券大手損保大手生保
野村證券(野村ホールディングス) ›大手証券(独立系)

国内最大の証券グループで、2025年3月期の純利益は3,407億円です。

1,376万円(2025年3月期、持株会社)
大和証券(大和証券グループ本社) ›大手証券(独立系)

野村に次ぐ独立系の大手証券グループです。

1,222万円(2024年3月期、持株会社)
SMBC日興証券 ›大手証券(銀行系)

三井住友フィナンシャルグループの証券会社です。

単体の公表なし
みずほ証券 ›大手証券(銀行系)

みずほフィナンシャルグループの証券会社です。

単体の公表なし
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 ›大手証券(銀行系)

MUFGと米モルガン・スタンレーが協力する証券会社です。

単体の公表なし
SBI証券 ›ネット証券

口座数が多い大手ネット証券です。

会社の公表資料で確認できます
楽天証券ネット証券

楽天グループのネット証券で、ポイントで投資できるサービスなどがあります。

会社の公表資料で確認できます
東京海上日動火災保険 ›大手損保

東京海上ホールディングスの中核で、国内最大級の損害保険会社です。

906万円(2025年3月期)
三井住友海上火災保険 ›大手損保

MS&ADインシュアランスグループの中核の損害保険会社です。

768万円(2024年3月期)
損害保険ジャパン ›大手損保

SOMPOホールディングスの中核の損害保険会社です。

646万円(2024年3月期)
あいおいニッセイ同和損害保険 ›大手損保

MS&ADグループの損害保険会社で、トヨタグループとのつながりが深いです。

660万円(2024年3月期)
日本生命保険 ›大手生保

国内最大級の生命保険会社で、日本有数の機関投資家でもあります。

会社の公表資料で確認できます
第一生命保険 ›大手生保

第一生命ホールディングスの中核の生命保険会社です。

会社の公表資料で確認できます

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

証券会社の稼ぎ方 売買の手数料 無料化が進み 割合は小さく 投資信託の残高 残高に応じて 毎年の報酬 引受・M&A 1件で数億〜 数十億円も トレーディング 市場の動きに 左右される 保険会社の稼ぎ方 集めた保険料 保険料 払った保険金 経費 残り = 保険引受利益 さらに保険料を運用して増やす 株・債券・不動産など 大きな災害が続くと保険金が増え、利益が減る どちらも、人や会社のお金を動かして稼ぐ
野村ホールディングスの2025年3月期の純利益は3,407億円でした

証券会社と保険会社は、どちらも「お金の流れを作る」会社ですが、稼ぎ方は違います。証券会社は、お客さんが株などを売り買いするときの手数料、投資信託の販売手数料や残高に応じた報酬、企業の株式発行やM&Aを手伝う手数料、自社の資金での売買益などで稼ぎます。野村ホールディングスの2025年3月期の純利益は3,407億円でした。保険会社は、契約者から集めた保険料のうち、支払った保険金や会社の経費を差し引いた残りと、集めた保険料を運用して得られる利益で稼ぎます。損害保険は1年ごとなど短い契約が多く、生命保険は何十年にもわたる長い契約が多いため、それぞれのお金の動き方も違います。

1
委託手数料(証券)

お客さんが株などを売り買いするときに受け取る手数料です。ネット証券を中心に手数料の無料化が進み、この収入の割合は小さくなっています。

2
投資信託の販売・残高に応じた報酬(証券)

投資信託を売るときの手数料に加えて、お客さんが持ち続けている残高に応じて毎年報酬を受け取ります。最近の証券会社は、売買の回数より、お客さんの資産を増やして残高を伸ばすことを重視するようになっています。

3
引受・M&Aアドバイス手数料(証券)

企業が新しく株や社債を発行するとき、証券会社がいったん引き受けて投資家に売る仕事(引受)や、M&Aのアドバイスで手数料を得ます。一件で数億〜数十億円の手数料になる大型案件もあります。

4
トレーディング損益(証券)

機関投資家との売り買いや、自社の資金での売買から得る利益です。市場の動きに大きく左右されます。

5
保険引受利益(保険)

集めた保険料から、支払った保険金と会社の経費を差し引いた残りです。大きな自然災害が続くと保険金の支払いが増え、損害保険会社の利益は大きく減ります。

6
資産運用収益(保険)

集めた保険料を、将来の支払いに備えて株、債券、不動産などで運用して得る利益です。特に生命保険会社は、何十年分もの保険料を運用するため、運用の成果が利益を大きく左右します。

入ってからどうなっていく?

1〜3年目資格取得と営業の基礎証券会社では支店でリテール営業、保険会社では代理店営業や損害サービスなどに配属されることが多いです。証券外務員、保険の募集人資格、FPなどの資格を取りながら、お客さんとの接し方や商品の知識を身につけます。
4〜7年目担当を任され、専門性を選ぶ自分の担当顧客や担当代理店を持ち、目標に責任を持つようになります。社内公募や異動で、投資銀行部門、市場部門、本社の企画部門、海外拠点などに移る人も出てきます。アクチュアリー試験や証券アナリストの勉強を進める人もいます。
8〜15年目(30代)専門家・チームのリーダー大口顧客の担当や、大型案件の中心メンバーとして活躍します。営業所長や課長代理としてチームを率いる人もいます。アクチュアリーやアナリストとして社外でも通用する専門性を確立する時期です。
40代管理職(支店長・部長)支店長や部長として、部門全体の成績と人材育成に責任を持ちます。保険会社では大きな地域の営業を統括したり、新商品の開発を指揮したりします。
50代役員・グループ会社の経営役員として会社全体の経営に関わる人や、グループの運用会社、代理店、システム会社などの経営者になる人がいます。
転職のパターンよくある別ルート証券会社から外資系の投資銀行や資産運用会社、投資ファンド、事業会社の財務部門に移る人がいます。保険会社のアクチュアリーは、別の保険会社や監査法人、コンサルティング会社でも求められます。リテール営業の経験を生かして、独立系のファイナンシャル・アドバイザーとして独立する人もいます。

会社が株式市場に上場するまで(IPO)

会社 証券会社 取引所 投資家 相談 「上場したい」 準備を手伝う 数年かかることも 審査 審査 意見を聞く 値段を決める 株を売り出す 上場 だれでも株を売り買いできる 集めたお金で事業を広げる 証券会社が、会社と投資家をつなぐ
たとえば、利用者が増えているアプリの会社が上場する場合の流れです
1
相談を受ける

成長中の会社から「上場して資金を集めたい」と相談を受けます。たとえば、利用者が増えているアプリの会社です。

2
準備を手伝う

上場の基準を満たすように、社内のルールや決算の仕組みを整える手伝いをします。数年かかることもあります。

3
審査を受ける

証券会社の審査と、証券取引所の審査を受けます。

4
値段を決める

投資家の意見を聞きながら、株の売り出し価格を決めます。

5
株を売り出す

証券会社が株を引き受け、個人や機関投資家に販売します。

6
上場

株式市場で誰でもその会社の株を売り買いできるようになり、会社は集めたお金で事業を広げます。

証券外務員(一種・二種)/保険募集人資格

合格率証券外務員一種41.6%(2023年)
勉強時間の目安二種は数十時間、一種は100時間前後の勉強が一般的な目安と言われます
受験資格受験資格はありませんが、通常は金融機関に勤める人が会社の指示で受験します
外務員試験はコンピューターで受け、ほぼ毎日受験できます。一種の合格率は約40%前後と言われ、しっかり勉強すれば合格できますが範囲は広いです。一方、アクチュアリー試験は科目ごとに合格を積み重ねる仕組みで、正会員になるまで長い年月がかかる難関として知られています。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 入社後の研修入社後の研修期間中に勉強を始めます。
  2. 二種外務員70問・120分で、300点満点のうち7割(210点)以上で合格です。
  3. 一種外務員100問・160分で、440点満点のうち7割(308点)以上で合格です。
  4. 保険募集人の試験生命保険協会や日本損害保険協会の試験に合格し、登録します。
  5. 専門資格への挑戦希望や職種に応じて、証券アナリスト、FP、アクチュアリーなどの資格に挑戦します。

証券・保険のある1日

取引の時間 取引の時間 7:30 海外市場とニュースを確認 8:00 朝会で見通しを共有 9:00 取引開始。注文に対応 10:30 お客さんの家でNISAの相談 11:30 午前の取引が終わる 12:30 値動きを電話で知らせる 15:30 取引終了。記録と報告 16:30 新しいお客さんへの提案資料 18:00 試験の勉強をして退社 市場が開いている時間に合わせて動く
色の帯は、証券取引所で株の取引が行われている時間です
7:30

(証券会社のリテール営業の例)出社して、海外市場の動きや今日の経済ニュースをチェックします

8:00

朝会で、マーケットの見通しや今日おすすめする商品を共有します

9:00

東京証券取引所の取引が始まります。お客さんからの注文に対応します

10:30

お客さんの自宅を訪問し、NISAを使った資産運用の相談に乗ります

11:30

午前の取引が終わります。昼休みに相場の動きを確認します

12:30

午後の取引が始まります。値動きの大きい銘柄を持っているお客さんに電話で連絡します

15:30

取引が終わります。今日の取引の記録と、お客さんへの報告をまとめます

16:30

新しいお客さんへの提案資料をつくります。投資信託の運用実績を比べます

18:00

セミナーの準備や証券アナリスト試験の勉強をして退社します

もっと知りたい人へ

そもそも証券・保険とは

証券会社は、株や債券などの「有価証券」を扱う会社です。会社がお金を集めたいとき、株や社債を発行して投資家に買ってもらいますが、その間に立つのが証券会社です。保険会社は、多くの人が少しずつお金を出し合い、その中から困った人にお金を支払うという「助け合い」の仕組みを、会社として運営しています。損害保険は自動車事故や火事、自然災害などの損害に、生命保険は人の死亡や病気、老後の生活などに備えるものです。どちらの業界も、国の免許が必要で、金融庁の監督を受けています。

証券会社の4つの業務

証券会社の基本業務は、お客さんの注文を市場に取り次ぐ「ブローカー業務」、自社の資金で売買する「ディーラー業務」、企業が発行する株などを引き受ける「アンダーライター業務」、投資家に株などを販売する「セリング業務」の4つです。

損害保険と生命保険

損害保険は「実際に生じた損害の額」に応じて支払うのが基本で、生命保険は「あらかじめ決めた金額」を支払うのが基本です。法律上、両方を一つの会社で同時に営むことはできないため、損保会社と生保会社は別の会社になっています。

保険と証券の共通点

どちらも、たくさんの人のお金を集めて、将来に向けて動かす仕組みです。保険会社は集めた保険料を運用する大口の投資家でもあり、証券市場と深くつながっています。

証券会社の種類

証券会社は、規模や得意分野によっていくつかのタイプに分かれます。野村證券や大和証券のように全国に支店を持つ独立系の大手、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のように銀行グループに属する大手があります。楽天証券やSBI証券などのネット証券は、支店を持たずスマホやパソコンでの取引に特化し、手数料の安さで多くの個人投資家を集めています。さらに、外資系の投資銀行や、地域に根ざした中小の証券会社もあります。

大手と銀行系

独立系大手は、リテール営業から投資銀行業務まで幅広く手がけます。銀行系は、親会社の銀行の取引先とのつながりを生かして、企業向けのビジネスに強みを持つことが多いです。

ネット証券

ネット証券は、取引手数料を大幅に下げたり無料にしたりして、若い世代の投資家を増やしてきました。働き方もIT企業に近く、システム開発やマーケティングの職種が多いのが特徴です。

外資系投資銀行

外資系投資銀行は、M&Aや資金調達のアドバイスなどの専門業務に特化しています。年収は非常に高い一方、成果主義が徹底していて、競争も厳しい世界です。

損保と生保のちがい

損害保険会社は、自動車保険、火災保険、地震保険、企業向けの賠償責任保険や海上保険など、モノや責任に関わる保険を扱います。東京海上日動、三井住友海上、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損保の大手4社で国内市場の大きな割合を占めています。生命保険会社は、死亡保険、医療保険、がん保険、個人年金保険など、人に関わる保険を扱います。日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命などの大手のほか、外資系や、ネットで販売する会社もあります。損保は契約期間が1年などと短いものが多く、自然災害の影響を強く受けます。生保は何十年も続く契約が多く、長期の資産運用が経営の柱になります。

損保の仕事の特徴

損保の総合職は、代理店を通じた営業や、企業のリスクに合わせた保険の設計、事故が起きたときの損害サービスなど、仕事の幅が広いのが特徴です。最近は自動運転やサイバー攻撃など、新しいリスクに対応する保険の開発も進んでいます。

生保の仕事の特徴

大手生保の総合職は、営業職員のチームをまとめる営業所長や、資産運用、商品開発などを担当します。特に資産運用部門は、日本最大級の機関投資家として、株式や債券、不動産などに巨額の投資をしています。

なるためのルート

証券会社や保険会社の総合職になる一般的なルートは、大学や大学院を卒業して新卒で入社することです。学部の指定は多くの場合ありませんが、アクチュアリーやクオンツなどの数理系の職種では数学、統計、物理、情報などを専攻した人が多く採用されています。最近は、入社時に職種を選ぶコース別採用を行う会社が増えています。生命保険会社の営業職員は、高卒や中途の人も多く採用されています。

  1. 高校で数学と英語を学ぶ数学は確率・統計を含めてしっかり学びましょう。英語は、海外の市場情報や外資系企業で働くときに役立ちます。
  2. 大学に進学する学部は自由ですが、アクチュアリーを目指すなら数学科や統計学を学べる学部が多いです。経済学部では金融や投資の基礎を学べます。
  3. インターンに参加する大学3年の夏を中心にインターンがあります。投資銀行部門や外資系は特に早く、大学3年の春ごろから準備が始まります。
  4. 選考を受けて内定エントリーシート、Webテスト、面接のほか、専門コースでは数学の筆記試験やケース面接があることもあります。
  5. 入社後に資格を取る証券外務員、生命保険・損害保険の募集人資格、FPなどを取得します。専門職を目指す人は、アクチュアリー試験や証券アナリストに挑戦します。
コース別採用の例

証券会社では、リテール営業の総合職、投資銀行部門、市場部門、リサーチ、IT・デジタルなどのコースがあります。保険会社では、総合職、アクチュアリー、資産運用、地域限定職などのコースを設けていることがあります。

数学が生きる職種

アクチュアリーやクオンツ(数学を使って金融商品を分析する専門家)は、大学で数学や統計を深く学んだ人が多い職種です。数学が好きな高校生にとって、金融は大きな選択肢になります。

試験・選考の詳細

証券・保険業界で働くには、入社後に業界の資格を取ることが必要です。証券会社や銀行で金融商品を売るために必要なのが証券外務員資格で、一種外務員は100問・160分で440点満点のうち7割(308点)以上、二種外務員は70問・120分で300点満点のうち7割(210点)以上で合格です。一種の合格率は2023年で41.6%と報じられています。保険を販売するには、生命保険協会や日本損害保険協会が実施する募集人の試験に合格して登録する必要があります。保険料の計算などを担う専門職アクチュアリーになるには、日本アクチュアリー会の試験に合格する必要があり、正会員になるまでには一般に長い年月がかかると言われる難関です。

証券アナリスト

日本証券アナリスト協会の検定試験に合格し、実務経験などの要件を満たすと認定される資格です。企業分析や資産運用の仕事をする人の多くが取得しています。

選考で見られるポイント

お客さんのお金を預かる仕事なので、誠実さと責任感が重視されます。また、相場の変動や厳しい目標の中でも前向きに行動できるメンタルの強さも見られます。

年収のリアル

有価証券報告書によると、野村ホールディングスの平均年収は1,376万円(2025年3月期、平均43.0歳)、大和証券グループ本社は1,222万円(2024年3月期)です。損害保険会社では、東京海上日動火災保険が906万円(2025年3月期、平均42.5歳)、三井住友海上768万円、損害保険ジャパン646万円(いずれも2024年3月期)です。持株会社の平均年収は、管理部門の社員が中心のため、実際に営業をする事業会社の社員の年収とは違う場合がある点に注意しましょう。業界全体では、国税庁の調査(令和6年分)で金融業・保険業の平均給与が702.3万円と、全業種で最も高い水準です。

成果で大きく変わる

証券会社の営業や投資銀行部門は、成果に応じて賞与が大きく変わる傾向があります。外資系の投資銀行では、若くして年収2,000万円を超える人もいますが、成果が出なければ厳しい評価を受けることもあります。

歩合制の営業職

生命保険の一部の営業職は、契約の数や金額に応じて報酬が決まる歩合制です。大きく稼げる人がいる一方、収入が安定しないこともあります。

やりがい

証券会社では、お客さんの資産づくりを手伝い、将来の夢や老後の安心を支えることができます。投資銀行部門では、企業の上場や大型のM&Aなど、ニュースになるような案件に関わり、経済を動かす実感を得られます。保険会社では、事故や災害で困っている人に保険金を届け、「保険に入っていてよかった」と言われることが大きな励みになります。どちらの業界も、市場や社会の変化に常に向き合い、学び続けることで成長できる仕事です。

企業の成長を支える

新しい会社が上場して資金を集め、大きく成長していく姿を支えられるのは、証券会社ならではの醍醐味です。

災害のときに役立つ

大きな地震や台風のあと、保険金がいち早く支払われることで、被災した人や会社が生活や事業を立て直すことができます。保険は社会の安全網です。

大変なこと・きついこと

証券会社の営業は、相場が下がるとお客さんの資産が減り、厳しい声を受けることもあります。毎日の市場の動きに追われ、常に新しい情報を学び続ける必要があります。投資銀行部門は、大型案件の締め切り前には深夜まで働くことも多いと言われます。保険会社では、事故の当事者とのやりとりや、保険金を支払えないケースを説明する難しさがあります。どちらの業界も、法律や規制が厳しく、お客さんへの説明や記録のルールを守ることが強く求められます。

市場の影響を受ける

証券会社の業績は株式市場の調子に大きく左右され、相場が悪い年は利益が大きく減ることもあります。

自然災害の増加

近年は大型の台風や豪雨などの自然災害が増え、損害保険会社の保険金の支払いが増えています。災害が起きると、休日返上で対応にあたることもあります。

向いている人

経済や市場の動きに興味があり、毎日のニュースを追うのが苦にならない人に向いています。数字に強く、データから判断できる人は、アナリスト、トレーダー、アクチュアリーなどの専門職で力を発揮できます。お客さんの話を聞き、わかりやすく説明できる人は、営業や損害サービスで信頼を得られます。相場の変動や厳しい目標の中でも、気持ちを切り替えて前に進めるメンタルの強さも大切です。誠実さと責任感は、どの職種でも欠かせません。

数学好きな人へ

確率や統計が好きな人は、アクチュアリーやクオンツなど、金融の中でも数学を武器にできる職種を目指せます。

人と話すのが好きな人へ

人の役に立ちたい、人から相談されるのが好きという人は、リテール営業や保険の営業、損害サービスなどで活躍できます。

高校生のうちにできること

数学、特に確率・統計をしっかり学んでおくと、金融の仕事の基礎になります。政治・経済や公共の授業で、株式会社の仕組み、株式市場、社会保障と保険の役割などを学びましょう。2022年度から高校の家庭科で資産形成についての学習が始まっているので、投資信託やNISAの仕組みにも興味を持ってみてください。新聞やニュースで、株価や為替、金利の動きをチェックする習慣をつけると、経済の流れが見えてきます。家族と一緒に、家にどんな保険がかかっているか話してみるのもよい勉強になります。

株式投資のシミュレーション

証券会社などが提供する、仮想のお金で株の売り買いを体験できるサービスを使ってみるのもよいでしょう。実際のお金を使わずに、市場の動きを体感できます。

保険の仕組みを調べる

自転車保険が義務化されている地域もあり、高校生にも保険は身近な存在です。どんなときにいくら支払われるのかを調べると、保険の仕組みがよくわかります。

代表的な会社・職場

証券会社では、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が大手5社と呼ばれています。ネット証券では、SBI証券、楽天証券などが多くの口座を持っています。損害保険では、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険が大手です。生命保険では、日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命などの大手や、外資系、ネット生保などがあります。職場は、本社のほか全国の支店、営業所、損害サービスの拠点などです。

グループ経営

大手保険会社の多くは、東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループ、SOMPOホールディングスのように、持株会社の下に複数の保険会社を持つグループ経営をしています。

海外での事業

大手の損保グループは、海外の保険会社を買収して事業を広げています。海外の利益が大きな割合を占めるグループもあり、海外で働くチャンスもあります。

アクチュアリーという専門職

アクチュアリーは、確率や統計を使って、保険料や年金の金額、将来の支払いに備えて積み立てておくお金の額などを計算する専門家です。たとえば、何歳の人が1年間に病気になる確率はどのくらいか、地震が起きたときに支払う保険金はいくらになりそうかなどをデータから予測します。保険会社や信託銀行、年金の運用機関などで、経営に欠かせない役割を担っています。日本アクチュアリー会の資格試験に合格して正会員になる必要があり、数学の高い力が求められます。

アクチュアリーになるには

大学で数学、統計、物理、情報などを学び、保険会社などに入社してから、働きながら試験に挑戦するのが一般的です。科目ごとに合格を積み重ねていく仕組みです。

活躍の場の広がり

最近は、保険会社だけでなく、コンサルティング会社や監査法人、IT企業などでも、データ分析の専門家としてアクチュアリーが求められています。

業界のこれから

2024年に始まった新しいNISAをきっかけに、若い世代を中心に投資を始める人が増えています。証券会社は、売買の手数料よりも、お客さんの資産全体の相談に乗り、残高に応じた報酬を得るビジネスへの転換を進めています。保険業界では、高齢化に合わせた医療・介護の保険、自然災害の増加に対応した保険、サイバー攻撃などの新しいリスクに備える保険の開発が進んでいます。一方で、どちらの業界にも、お客さんの利益を第一に考える「顧客本位」の姿勢がより強く求められるようになっています。

デジタル化

スマホでの株取引や保険の加入が当たり前になり、AIを使った資産運用のアドバイスや、保険金の支払いの自動化なども進んでいます。

顧客本位の業務運営

金融庁は、金融機関がお客さんの利益を第一に考えて行動することを強く求めています。売りたい商品ではなく、お客さんに合った商品を提案できるかが、これからの金融のプロに求められる姿勢です。

よくある質問

証券会社って、株を売るだけの会社?

個人に株や投資信託を提案するリテール営業のほか、企業の株式発行やM&Aを手伝う投資銀行業務、プロの投資家と取引する市場部門、企業を分析するアナリストなど、さまざまな仕事があります。

保険会社の仕事は保険を売ることだけ?

売るだけではありません。事故のときに保険金を支払う損害サービス、保険料を計算するアクチュアリー、集めたお金を運用する資産運用、新しい保険を作る商品開発など、多くの仕事があります。

数学が得意だと有利?

アクチュアリーやクオンツ、トレーダーなどの職種では、数学や統計の力が大きな武器になります。営業職では高度な数学は使いませんが、数字を正確に扱う力は役立ちます。

損保と生保、どちらがいい?

自動車や災害、企業のリスクなど幅広い分野に関わりたいなら損保、人の人生や健康、長期の資産運用に関わりたいなら生保が向いています。年収や働き方も会社によって違うので、よく比べてみましょう。

投資銀行ってどんなところ?

企業が資金を集めたり、ほかの会社を買収したりするときに、アドバイスや手続きを担当する部門や会社です。年収は非常に高い一方、忙しさや成果へのプレッシャーも大きい世界です。

証券会社の営業はノルマがきつい?

多くの会社で目標はあります。ただ最近は、売買の回数よりも、お客さんの資産を長く育てることを評価する会社が増えています。お客さんの利益を第一に考える姿勢が強く求められるようになっています。

どんな資格が必要?

証券会社や銀行で金融商品を売るには証券外務員、保険を売るには保険の募集人資格が必要で、入社後に取得するのが一般的です。専門職を目指すなら、アクチュアリーや証券アナリストなどの資格もあります。

年収はどのくらい?

野村ホールディングスの平均年収は1,376万円(2025年3月期)、東京海上日動は906万円(同)です。国税庁の調査では金融業・保険業の平均給与は702.3万円(令和6年分)で、全業種で最も高い水準です。

AIで仕事はなくなる?

株の売買の取り次ぎや、簡単な保険の手続きなどは、デジタル化で人の手が必要なくなってきています。一方で、お客さんの人生全体を考えたアドバイスや、複雑な企業向けの提案は、人が担う部分が大きいと考えられます。

この分野のことば

年収について:野村ホールディングスの平均年収は1,376万円(2025年3月期、平均43.0歳)、大和証券グループ本社は1,222万円(2024年3月期)です。東京海上日動火災保険は906万円(2025年3月期、平均42.5歳)、三井住友海上は768万円、損害保険ジャパンは646万円(いずれも2024年3月期)です。いずれも有価証券報告書ベースで、持株会社の数字は事業会社の社員と異なる場合があります。厚労省job tagでは証券外務員664.5万円(令和7年賃金構造基本統計調査)、国税庁調査(令和6年分)の金融業・保険業の平均給与は702.3万円です。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

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