ミライ図鑑ログイン
歯医者さんの助手じゃない。むし歯や歯周病を「予防する」国家資格のプロで、全身の健康まで守る

歯科衛生士

歯科衛生士は、むし歯や歯周病を防ぐための「予防処置」、歯科医師の治療を支える「歯科診療の補助」、正しい歯みがきや食生活を教える「歯科保健指導」の3つを行う国家資格の仕事です。たとえば、歯医者さんで歯石を取ってもらったり、歯ブラシの当て方を教えてもらったりするとき、担当しているのは多くの場合歯科衛生士です。歯科助手とはちがい、口の中に直接さわる処置ができる専門職です。3年以上の養成校(専門学校・短大・大学)を卒業し、国家試験に合格するとなれます。歯科医院のほか、病院、介護施設、保健所、企業など活躍の場が広がっています。

平均年収の目安約396万円20代で約300万〜380万円、経験を積んだ人やチーフで450万円前後の例があります
なるまでの難しさ★★★★★国家試験の合格率は2026年3月実施の第35回で94.5%と高く、養成校の勉強をまじめにこなせば合格できる試験です。ただし、養成校の3年間は授業と臨床実習がぎっしりで、器具を使う実技を身につけるのに努力が必要です。
決めどき理系が中心

高校3年の進路選択のとき(文系からでも入れる学校が多いです)

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

歯科衛生士の年収と昇進の流れ

養成校の学生万円
3〜4年間、18〜22歳

口の構造や病気、予防処置の実技を学び、臨床実習を行います。国家試験に合格することが次の段階に進む条件です。

歯科衛生士(新人)280〜350万円
1〜3年目、21〜24歳

歯石除去や歯周病検査、診療補助の基本を身につけます。一人で患者さんを担当できるようになると次の段階です。

担当歯科衛生士330〜420万円
4〜7年目、25〜28歳

多くの患者さんを担当し、歯周病の管理や専門的な処置で信頼を得ます。認定資格を取る人もいます。

チーフ歯科衛生士380〜480万円
8〜15年目、30代

医院の歯科衛生士をまとめ、後輩の教育や予防の仕組みづくりを担当します。

ベテラン・専門職400〜550万円
40代〜

病院や訪問歯科、企業、教育などで専門性を生かします。フリーランスや講師として活躍する人もいます。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

歯科医院(一般・予防・専門)年収300万〜450万円程度が多い(求人や統計からの目安)

最も多い働き方です。定期検診のメンテナンス、診療補助、歯みがき指導を中心に担当します。予防に力を入れる医院、矯正やインプラントの専門医院など、医院によって仕事の中身が大きくちがいます。小さな職場が多く、歯科医師との距離が近いです。

良いところ求人が多く、勤務時間や場所を選びやすいです。

大変なところ医院によって待遇や教育体制の差が大きく、人間関係が仕事の満足度を左右します。

病院(歯科口腔外科)病院の給料表による

大学病院や総合病院の歯科で、口腔外科の診療補助や、入院患者さんの口腔ケア、周術期の口腔管理を担当します。医師や看護師とチームで働きます。

良いところ全身の病気に関わる専門的な経験ができ、福利厚生が安定しています。

大変なところ求人が少なく、採用されにくいです。

訪問歯科・介護施設歯科医院の規程により、訪問手当がつくこともあります

自宅や介護施設を訪問し、高齢者の口腔ケアや飲み込みの訓練を行います。高齢化で需要が増えている分野です。

良いところ高齢者の健康と生活に直接役立てます。

大変なところ移動が多く、患者さんの状態によっては処置が難しいこともあります。

行政・企業・教育公務員の給料表や会社の給料体系による

保健所や市役所の公務員、オーラルケア用品メーカーなどの会社員、養成校の教員として働きます。いずれも募集は少なく、歯科医院での経験を積んでから移る人が多いです。

良いところ土日休みが多く、診療室とはちがう形で歯科保健に関われます。

大変なところ募集が少なく、臨床の技術を使う機会は減ります。

代表的な会社・職場

歯科診療所専門歯科歯科医療法人大学病院急性期病院在宅・介護行政メーカー
町の歯科医院(歯科診療所)歯科診療所

むし歯や歯周病の治療、定期検診を行う、歯科衛生士の最も多い職場です。

医院の規程による
予防歯科・小児歯科・矯正歯科専門歯科

予防、子ども、歯並びの治療などに特化した歯科医院です。

医院の規程による
医療法人の歯科医院グループ歯科医療法人

複数の歯科医院を運営する法人で、研修制度や異動の仕組みを持つところもあります。

法人の規程による
大学病院の歯科・歯科口腔外科大学病院

口腔外科の手術や入院患者さんの口腔ケア、学生の教育に関わります。

病院の給料表による
総合病院の歯科口腔外科急性期病院

がんの手術前後の口腔管理など、医科と歯科の連携を行います。

病院の給料表による
介護施設・訪問歯科在宅・介護

高齢者の口腔ケアや飲み込みの訓練を行います。

事業所の規程による
保健所・市区町村の保健センター行政

乳幼児健診での歯科相談や地域の歯科保健事業を行います。

地方公務員の給料表による
オーラルケア用品メーカーメーカー

歯ブラシや歯みがき粉などの開発、学術、営業、歯みがき指導の講師などの仕事があります。

会社の規程による

どうやって稼いでいる?

患者さん健康保険歯科医院歯科衛生士が予防窓口で1〜3割残り次の予約3〜6か月ごとこんな処置でお金が入る保険診療歯周病の検査歯石の除去自費診療ホワイトニングインプラント訪問歯科介護施設や自宅で口腔ケア通い続けてもらう予防が、大事な収入源
定期的に通ってもらう予防・メンテナンスは、歯科衛生士が中心になる仕事です

歯科衛生士が多く働く歯科医院は、ほとんどが歯科医師が経営する小さな診療所です。収入の中心は、健康保険を使った治療や検診で国から決められた料金(診療報酬)と、保険がきかない自費診療です。たとえば、歯周病の検査や歯石の除去は保険でできますが、歯を白くするホワイトニングやインプラントは自費になります。最近は、むし歯を治すだけでなく、定期的に通ってもらう予防やメンテナンスが歯科医院の大事な収入源になっていて、それを担う歯科衛生士は経営に欠かせない存在です。

1
保険診療の診療報酬

歯周病の検査、歯石の除去、歯みがき指導などは、健康保険を使った治療として国が決めた点数が歯科医院に入ります。患者さんは窓口で1〜3割を払います。

2
定期管理(メンテナンス)

治療が終わった人に定期的に通ってもらい、歯周病の管理やクリーニングを続けることで、安定した収入になります。歯科衛生士が中心となる仕事です。

3
自費診療

ホワイトニング、インプラント、矯正治療、保険外のクリーニングなどは、歯科医院が自分で料金を決められます。歯科衛生士が担当や説明をすることも多いです。

4
訪問歯科診療

自宅や介護施設への訪問診療にも診療報酬があり、歯科衛生士が行う訪問の指導にも点数がつきます。

5
行政の歯科保健事業

自治体は、乳幼児健診や歯周病検診などを税金で行い、歯科医師会などに委託したり、職員の歯科衛生士が担当したりします。

入ってからどうなっていく?

高校卒業〜養成校3年養成校で学ぶ専門学校・短大・大学で、歯や口の構造、病気、予防処置の技術を学びます。歯科医院や病院での臨床実習を経て、3月の国家試験を受けます。
1〜3年目基本の処置を身につける歯科医院に就職し、歯石除去、歯周病検査、歯みがき指導、診療補助を一人でできるようにします。
4〜7年目担当患者を持つ一人前多くの患者さんを担当し、歯周病の管理やインプラントのメンテナンス、子どもの予防などで専門性を高めます。認定歯科衛生士の資格を目指す人もいます。
8〜15年目チーフ・専門分野の担当チーフ歯科衛生士として後輩を育て、医院の予防の仕組みづくりに関わります。病院、訪問歯科、企業、行政などに移る人もいます。
出産・育児期働き方を変えて続ける女性が多い職業なので、出産や育児でいったん休んだり、パート勤務に変えたりする人が多いです。資格があるので、時間ができたら復帰しやすいのが特徴です。
40代〜ベテラン・教員・独立的な働き方経験を生かして、複数の歯科医院を指導するフリーランスの歯科衛生士、セミナー講師、養成校の教員として働く人もいます。

定期検診の1回の流れ

3〜6か月ごとにくり返す1問診変化や生活を聞く2観察と検査歯周ポケットを測る3歯科医師の診察治療が必要か判断4歯石除去歯石や汚れを取る5歯みがき指導ブラシの当て方6次回の予約口に合わせて決める検診をくり返して、むし歯や歯周病を防ぐ
歯石除去とクリーニング、歯みがき指導を歯科衛生士が担当します
1
問診

前回からの変化や、気になるところ、生活の様子を聞きます。

2
口の中の観察と検査

むし歯や歯ぐきの状態を見て、歯周ポケットの深さを測ります。必要ならレントゲンも撮ります。

3
歯科医師の診察

歯科医師が検査結果をもとに、治療が必要かどうかを判断します。

4
歯石除去とクリーニング

歯科衛生士が器具を使って歯石や汚れを取り除き、歯の表面をなめらかにします。

5
歯みがき指導

みがき残しの場所を見せながら、歯ブラシやフロスの使い方をアドバイスします。

6
次回の予約

口の状態に合わせて、次の検診の時期を決めます。3〜6か月ごとが多いです。

歯科衛生士国家試験

合格率94.5%(2026年3月実施の第35回)
勉強時間の目安養成校3年以上の学習が前提で、最終学年に集中して対策します
受験資格文部科学大臣指定の歯科衛生士学校または都道府県知事指定の歯科衛生士養成所を卒業した人など
合格率は9割を超えており、医療系の国家試験の中では合格しやすい部類に入ります。ただし、出題範囲は全身の体の仕組みから、口の病気、予防の技術、法律や制度まで幅広いです。管理栄養士や診療放射線技師の試験と比べると合格率は高いですが、養成校での実技試験や臨床実習をクリアすることが前提になっています。
試験科目(押すと中身が見られます)
合格までの流れ
  1. 受験の申し込み例年1月ごろに願書を提出します。
  2. 筆記試験3月初めの日曜日に、午前と午後に分けて220問のマークシートで行われます。
  3. 合格発表3月下旬に発表されます。
  4. 免許の申請と登録合格後に免許を申請し、名簿に登録されると歯科衛生士として働けます。

歯科衛生士のある1日

8:45

出勤して、診療室の準備や器具の確認、その日の予約の確認を行います。

9:00

朝のミーティングで、歯科医師やスタッフと予約患者さんの情報を共有します。

9:30

定期検診の患者さんの歯周病の検査、歯石除去、歯みがき指導を行います。1人あたり30〜60分ほどです。

11:00

歯科医師の治療で診療補助に入り、バキュームや器具の受け渡しを担当します。

13:00

昼休みです。器具の滅菌や午後の準備をすることもあります。

14:30

子どもの患者さんにフッ化物の塗布と、保護者への仕上げみがきの指導を行います。

16:00

訪問歯科の日は、歯科医師と一緒に介護施設を訪問して口腔ケアを行います。

18:00

最後の患者さんのメンテナンスを行います。

19:00

器具の洗浄と滅菌、カルテの記録を終えて退勤します。

もっと知りたい人へ

そもそも歯科衛生士とは

歯科衛生士は、歯科衛生士法に定められた国家資格で、厚生労働大臣の免許を受けて働きます。法律では、歯科医師の指導のもとで行う予防処置、歯科診療の補助、歯科保健指導の3つが仕事として定められています。たとえば、歯石を取る、フッ化物を塗る、正しい歯みがきを教えるといった仕事です。口の中の健康は、食べる、話すだけでなく、糖尿病や肺炎、認知症など全身の健康とも関係があることがわかってきて、歯科衛生士の役割はますます重要になっています。

歯科助手とのちがい

歯科助手は資格がなくても働ける仕事で、受付や器具の準備、片付けなどを担当します。患者さんの口の中に直接さわる処置は、歯科医師と歯科衛生士にしかできません。

歯科技工士とのちがい

歯科技工士は、入れ歯や銀歯、セラミックの歯などを作る国家資格の仕事です。歯科衛生士は患者さんの口の中に直接関わり、歯科技工士は主に技工所で歯の模型を使って作業します。

なるためのルート

歯科衛生士になるには、文部科学大臣指定の学校か、都道府県知事指定の養成所で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。2010年からすべての養成校で修業年数が3年以上になりました。養成校は専門学校が最も多く、短大(3年制)や4年制大学もあります。大学では、口腔保健学科などの名前で、研究や教育を学ぶこともできます。

  1. 高校で学ぶ生物や化学の基礎を学びます。文系でも入れる学校が多いです。
  2. 養成校に入学専門学校・短大・大学の歯科衛生士養成課程に入学します。
  3. 基礎と専門の授業解剖学、口腔衛生学、歯周病学、予防処置の実技などを学びます。学生同士で歯石除去の練習もします。
  4. 臨床実習歯科医院や大学病院、保健所などで、実際の患者さんの処置を体験します。
  5. 国家試験に合格最終学年の3月初めに国家試験を受け、3月下旬に合格発表があります。
  6. 免許を登録して就職免許を登録し、歯科医院などで働き始めます。
専門学校と大学のちがい

専門学校や短大は3年で実技中心に学び、早く現場に出られます。大学は4年間で、研究や公衆衛生、福祉なども幅広く学び、大学院進学や行政、教育の道につながりやすいです。

社会人からも目指せる

夜間部のある専門学校もあり、社会人になってから歯科衛生士を目指す人もいます。

試験・選考の詳細

歯科衛生士国家試験は年1回、3月初めに行われます。2026年の第35回は受験者7,882人、合格者7,452人で、合格率は94.5%でした。220問のマークシート方式で、132点以上(6割)が合格です。就職は、歯科医院の場合は見学や面接で決まることが多く、学校に届く求人の数は卒業生の何倍にもなることが多いです。

合格率が高い理由

養成校の3年間で国家試験に向けた勉強をしっかり行い、学校全体で対策をしているためです。それでも、毎年数百人は不合格になるので油断はできません。

就職しやすさ

歯科衛生士は人手不足が続いていて、職業情報提供サイトによると2025年度の有効求人倍率は約2.8倍です。働く場所を選びやすい資格です。

年収のリアル

職業情報提供サイト(job tag)によると、歯科衛生士の年収は約396万円(令和7年賃金構造基本統計調査、平均年齢約36.4歳)です。新人のうちは年収300万円前後が多く、経験を積むと400万円台になる例があります。歯科医院は小さな職場が多いため、給料や賞与、昇給の仕組みは医院によって大きくちがいます。病院や行政、企業で働くと、それぞれの給料表や給料体系で働くことになります。

パートでも収入を得やすい

資格があるので、パート勤務でも時給が高めです。育児をしながら短い時間だけ働く人も多くいます。

歩合や担当制

自費のクリーニングなどの売上に応じて歩合がつく歯科医院もあります。腕を磨いて患者さんから指名されるようになると、収入が上がることがあります。

やりがい

担当した患者さんの歯ぐきの状態が良くなったり、むし歯がなくなったりと、自分の仕事の結果が目に見えるのが大きなやりがいです。たとえば、歯ぐきから血が出ていた人が、歯みがきの方法を変えて数か月後に「血が出なくなった」と喜んでくれることがあります。予防の仕事なので、長く同じ患者さんと関わり、子どもの成長やお年寄りの健康を見守れるのもこの仕事の魅力です。

一生ものの資格

出産や育児、引っ越しなどで仕事を離れても、資格があれば全国どこでも働けます。長く続けやすい資格です。

全身の健康を守る

口の中を清潔にすることで、高齢者の肺炎を防いだり、糖尿病の改善につながったりします。命を守る仕事でもあります。

大変なこと・きついこと

細かい作業を前かがみの姿勢で長時間続けるため、腰や首、肩がこりやすい仕事です。歯科医院は予約がぎっしりの日が多く、時間内に処置を終えるプレッシャーがあります。また、小さな職場では人間関係が仕事の満足度を大きく左右します。歯科医院によっては、歯科衛生士の仕事以外に受付や片付けなどを多く任されることもあります。

感染への注意

だ液や血液にふれる仕事なので、手袋、マスク、ゴーグルなどを正しく使い、感染を防ぐ必要があります。

職場選びが大切

歯科医院によって、予防にどれだけ力を入れているか、教育の仕組みがあるかが大きくちがいます。見学をして、自分に合う職場を選ぶことが大切です。

向いている人

手先が器用で、細かい作業を丁寧に続けられる人に向いています。患者さんと会話しながら処置を進めるので、人と話すのが好きな人、相手の気持ちに寄り添える人も活躍できます。予防の効果はすぐには出ないので、患者さんを励ましながら長く付き合える根気も大切です。

こんな人は特に向いている

プラモデルや手芸など細かい作業が好きな人、人の役に立つことにやりがいを感じる人、清潔感を大切にできる人に向いています。

少し注意したい人

血を見るのがどうしても苦手な人は、歯石を取るときに少し出血することがあるので、オープンキャンパスで実際の様子を見ておくと安心です。

高校生のうちにできること

生物の授業で人の体の仕組みを学んでおくと、入学後の解剖学や生理学の勉強に役立ちます。毎日の歯みがきで、自分の歯並びに合った歯ブラシの当て方を意識したり、フロスを使ってみたりするのもよい準備です。歯医者さんで定期検診を受けたときに、歯科衛生士がどんな順番で何をしているかを観察してみましょう。オープンキャンパスでは、歯の模型を使った歯石除去の体験ができる学校が多いです。

受験科目の傾向

専門学校や短大では、面接、作文、基礎学力試験で入れるところが多いです。大学では、国語、英語、理科(生物・化学)などが必要なことがあります。

コミュニケーションの練習

年上の人や小さな子どもと話す機会を大切にすると、患者さんとの会話の力が育ちます。

代表的な会社・職場

歯科衛生士の多くは歯科診療所(町の歯科医院)で働いています。そのほか、大学病院や総合病院の歯科口腔外科、訪問歯科診療を行う歯科医院、介護施設、保健所や市役所、歯ブラシなどのオーラルケア用品メーカー、歯科医療機器や材料のメーカー、養成校などがあります。

歯科医院の種類

一般的な歯科医院のほか、子ども専門の小児歯科、矯正歯科、インプラントに力を入れる医院、予防専門の医院などがあり、働き方がちがいます。

企業で働く

オーラルケア用品メーカーなどでは、専門知識を生かして、商品の開発、学術、営業、講師などの仕事があります。

歯科衛生士の働き方の広がり

これまで歯科衛生士は歯科医院で働くのが当たり前でしたが、高齢化が進む中で、病院や介護の現場でも必要とされるようになっています。手術前後の口腔管理や、介護施設での口腔ケアには、国の制度でも報酬がつくようになりました。また、フリーランスとして複数の歯科医院と契約して働く人や、セミナー講師として活躍する人もいます。

医科歯科連携

病院の医師と歯科が協力して患者さんを支える「医科歯科連携」が進んでいます。がんや心臓の手術、脳卒中の患者さんなどの口腔管理で、歯科衛生士が重要な役割を担っています。

認定資格

日本歯科衛生士会の認定歯科衛生士や、歯周病、インプラント、摂食嚥下などに関する学会の認定資格があります。専門性を示すことで、職場での評価や転職に生かせます。

むし歯と歯周病の予防とは

歯科衛生士の仕事の中心である予防は、むし歯と歯周病という口の2大病気を防ぐことです。むし歯は、口の中の細菌が糖を分解して酸を出し、歯を溶かす病気です。歯周病は、歯と歯ぐきのすき間にたまった細菌によって歯ぐきや歯を支える骨がこわされる病気で、日本の大人が歯を失う大きな原因です。どちらも、毎日の歯みがきと、歯科医院での定期的なクリーニングで多くを防げます。

プロのケアとセルフケア

歯石は歯みがきでは取れないため、歯科医院での専門的なケア(プロフェッショナルケア)が必要です。一方、毎日のセルフケアが不十分だとすぐに元に戻ってしまうため、両方を組み合わせることが大切です。

子どもの予防

子どもには、フッ化物の塗布やシーラントでむし歯を防ぎます。子どものむし歯は、こうした予防の広がりで昔に比べて大きく減っています。

よくある質問

歯科衛生士と歯科助手はどうちがうのですか?

歯科衛生士は国家資格で、歯石の除去などの処置を患者さんの口の中で行えます。歯科助手は資格がなくても働けますが、口の中にさわる処置はできません。

男性でもなれますか?

なれます。かつては女性に限られていましたが、法律が改正されて男性も歯科衛生士になれるようになりました。今も女性が大多数ですが、男性の歯科衛生士も少しずつ増えています。

不器用でも大丈夫ですか?

養成校で模型や学生同士の練習をくり返すので、多くの人ができるようになります。最初からうまくできる人は少なく、練習の量が大切です。

就職先はたくさんありますか?

歯科衛生士は人手不足が続いていて、求人はとても多いです。勤務時間や休み、教育体制などを比べて、自分に合う職場を選べます。

結婚や出産をしても続けられますか?

続けやすい資格です。パート勤務の求人も多く、子育てが落ち着いてから復帰する人もたくさんいます。復職のための研修を行う団体もあります。

歯医者さん(歯科医師)になるのとどうちがいますか?

歯科医師は6年制の歯学部を卒業し、むし歯を削る、歯を抜くなどの治療と診断を行います。歯科衛生士は3年以上の養成校で学び、予防や診療補助、指導を担当します。

文系でも大丈夫ですか?

文系の人も多く入学しています。入学後に解剖学や生理学などを学ぶので、生物の基礎を復習しておくと安心です。

海外で働けますか?

日本の免許はそのまま海外では使えません。国によって資格の制度がちがうため、現地の資格が必要です。

この分野のことば

年収について:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした職業情報提供サイト(job tag)の歯科衛生士の数字で、平均年齢は約36.4歳です。年代別の金額は求人や統計の傾向からの目安です。歯科医院の規模や地域、パート勤務かどうかで差が大きいです。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

ほかの仕事も見てみる