ミライ図鑑ログイン
商品は「人と会社の出会い」。あなたが使うバイトアプリも、この業界の仕事

人材サービス

人材サービス業界は、「働きたい人」と「人を探している会社」をつなぐ会社の集まりです。求人情報をサイトやアプリに載せる求人広告、転職したい人に合う会社を紹介する人材紹介(転職エージェント)、自社で雇った人を別の会社に送り出して働いてもらう人材派遣が、大きな3本柱です。たとえば、高校生がアルバイトを探すときに使う求人アプリ、大学生が使う就職情報サイト、親が転職のときに相談する転職エージェントは、どれもこの業界のサービスです。人材派遣だけでも年間の売上は約9.9兆円(2024年度)、派遣で働く人は約220万人にのぼり、少子化による人手不足の中で、社会にとってますます大切な役割を担っています。

平均年収の目安約530万〜1,160万円大手上場企業の単体平均。持株会社は高め営業職の若手で300万円台後半〜、成果によって20代で600万円以上、管理職や大手の本社では1,000万円を超える人も
なるまでの難しさ★★★★★業界全体では採用数が多く、営業職を中心にさまざまな学部の人が入社しています。一方で、リクルートやビズリーチ(ビジョナル)など大手・人気企業の選考は倍率が高く、面接で「自分で考えて動いた経験」を深く聞かれます。入りやすさより、入ってから成果を出せるかが問われる業界です。
決めどき文系が中心

大学3年の夏〜冬(ベンチャー企業は大学3年の春〜夏から選考が始まる会社もあります)

人材サービスの業界マップ

求人情報のサイトやメディアから広がった会社と、転職の仲介や派遣を中心にする会社に分かれます。

となりの業界

押すと、会社図鑑でその会社のくわしい解説が見られます。

どんな職種がある?

押すと、その職種の仕事内容・必要な力・キャリアが見られます。

人材サービスの年収と昇進の流れ

メンバー(営業・アドバイザー)350〜500万円
入社1〜3年、22〜25歳

担当する企業や求職者を持ち、毎月の目標を追いかけます。安定して目標を達成できるようになることが次の段階の条件です。

リーダー・シニアメンバー450〜650万円
入社4〜6年、26〜29歳

大口の企業や専門分野を担当し、後輩の指導も行います。チームの数字に貢献し、人を育てられることがマネージャーへの条件です。

マネージャー(課長)600〜900万円
入社7〜12年、29〜35歳

5〜10人ほどのチームを率いて、チーム全体の目標と人材育成に責任を持ちます。成果主義の会社では、20代でマネージャーになる人もいます。

部長・事業責任者850〜1,300万円
35〜45歳

事業部全体や複数の支店をまとめ、戦略と予算に責任を持ちます。新しいサービスの立ち上げを任されることもあります。

執行役員・役員1,200〜3,000万円
40代以降

会社全体の経営にかかわり、事業の方向や、会社の買収などの大きな判断を行います。

年収は目安です。会社や地域、本人の働き方で大きく変わります。

働き方で何が違う?

総合人材サービスの大手(リクルート、パーソル、マイナビなど)持株会社の平均はリクルートホールディングス約1,162万円、パーソルホールディングス約882万円(2026年3月期・単体)。事業会社の平均はこれより低いことが多い

求人広告、人材紹介、人材派遣など、たくさんのサービスを一つのグループで持つ会社です。グループの中でいろいろな仕事を経験できるのが特徴で、大きな予算でテレビCMや新しいサービスを展開しています。リクルートのように、海外の求人検索サイト(Indeed)を持ち、海外での売上が大きい会社もあります。

良いところ仕事の幅が広い、教育の仕組みが整っている、大きな仕事にかかわれる

大変なところ人気が高く選考が難しい、部署によって働き方の差が大きい

人材紹介・スカウト専門の会社平均約860万円(ビジョナル、2025年7月期・単体)など。会社と成果によって差が大きい

転職の支援に特化した会社で、ハイクラス(年収の高い管理職や専門職)向け、IT向け、医療向けなど、得意な分野を持っている会社が多いです。ビズリーチ(ビジョナル)のようなスカウト型のサービスを運営する会社もあります。少人数の会社でも、専門性で勝負できるのが特徴です。

良いところ専門性が身につく、成果が年収に反映されやすい

大変なところ成果のプレッシャーが大きい、景気の影響を受けやすい

人材派遣・業務請負の会社平均約650万円(パソナグループ、2026年5月期・単体)など

事務、工場、IT、介護など、さまざまな分野に派遣スタッフを送り出したり、仕事をまるごと引き受けたりする会社です。パソナ、パーソルテンプスタッフ、UTグループ、テクノプロなどが代表です。全国に支店があり、地域の会社と長く付き合う仕事が多いです。

良いところたくさんの会社や人とかかわれる、安定した取引先が多い

大変なところ派遣スタッフのトラブル対応など気を配ることが多い、法律のルールが多い

求人広告・メディアの会社平均約530万〜540万円(ディップ・エン・ジャパン、2026年2月期・3月期、単体)

アルバイトや正社員の求人サイト・アプリを運営する会社で、ディップ(バイトル)やエン・ジャパン(エン転職)などが代表です。営業が求人の掲載を提案し、制作やWebの担当がサイトを作ります。インターネットのサービスを作る面白さもある会社です。

良いところ若いうちから営業の力がつく、Webサービスの企画にかかわれる

大変なところ営業の目標が明確でプレッシャーがある、景気の影響を受けやすい

代表的な会社・職場

総合人材サービスの最大手総合人材サービス就職情報・人材サービス人材派遣・業務請負スカウト型転職サービス求人広告・人材紹介求人広告(アルバイト)製造派遣・業務請負技術者派遣外資系人材会社
リクルートホールディングス ›総合人材サービスの最大手

求人検索のIndeed、リクルートエージェント、タウンワーク、リクナビなどを持つ人材サービスの最大手です。2026年3月期の売上収益は約3兆6,974億円で、海外の売上も大きいです。

約1,162万円(2026年3月期・持株会社単体)
パーソルホールディングス ›総合人材サービス

転職サービスのdoda、人材派遣のパーソルテンプスタッフ、アルバイト求人のシフトワークスなどを持つ総合人材グループです。2026年3月期の売上収益は約1兆5,558億円です。

約882万円(2026年3月期・持株会社単体)
マイナビ ›就職情報・人材サービス

大学生向けの就職情報サイト「マイナビ」や、転職、アルバイトの求人サービス、出版などを手がけています。

非上場のため公表なし
パソナグループ ›人材派遣・業務請負

人材派遣、業務請負(BPO)、再就職支援、地方創生の事業などを行っています。2026年5月期の売上高は約3,085億円です。

約650万円(2026年5月期・単体)
ビジョナル(ビズリーチ) ›スカウト型転職サービス

会社が求職者に直接声をかけるスカウト型の転職サイト「ビズリーチ」や、人事のためのソフトを提供しています。

約861万円(2025年7月期・単体)
エン・ジャパン ›求人広告・人材紹介

転職サイト「エン転職」や、人材紹介、入社後の定着を支えるサービスを提供しています。

約540万円(2026年3月期・単体)
ディップ ›求人広告(アルバイト)

アルバイト求人の「バイトル」や、看護師の求人サービスなどを運営しています。

約531万円(2026年2月期・単体)
UTグループ・オープンアップグループ製造派遣・業務請負

工場で働く人の派遣や、製造ラインの仕事の請負を中心に行っている会社です。

有価証券報告書で公表
テクノプロ・ホールディングス・メイテックグループホールディングス技術者派遣

機械、電気、ソフトウェアなどのエンジニアを正社員として雇い、メーカーなどの開発現場に派遣しています。

有価証券報告書で公表
アデコ・ランスタッドなど外資系人材会社

世界中で人材派遣や紹介を行う外資系の大手で、日本でも外資系企業や専門職の採用を支えています。

日本法人は非上場のため公表なし

›がついた会社は、会社図鑑で詳しく解説しています。

どうやって稼いでいる?

1 求人広告 求人サイトやアプリに載せる 応募がなくてもかかるのが一般的 会社 掲載料 人材会社 2 人材紹介 (転職エージェント) 紹介した人が入社したときだけ 入社した人の年収の一定割合 会社 成功報酬 紹介会社 3 人材派遣 8時間あたり(2024年度平均) 派遣先の会社 派遣料金 派遣会社 給料 派遣スタッフ 派遣料金 26,257円 スタッフの賃金 16,735円 差から社会保険料・ 教育費・運営費など 働く人の多くは無料。お金を払うのは会社
派遣の数字は2024年度の平均。差の中から社会保険料や教育費、会社の運営費をまかないます

人材サービスのもうけ方は、大きく分けて3つあります。1つ目は求人広告で、求人サイトやアプリに求人を載せる掲載料を会社から受け取ります。2つ目は人材紹介で、紹介した人が入社したときだけ、その人の年収の一定の割合(成功報酬)を会社から受け取ります。3つ目は人材派遣で、派遣先の会社から派遣料金を受け取り、その中から派遣スタッフに給料を払い、残りが派遣会社の取り分になります。2024年度の平均では、8時間あたりの派遣料金が26,257円、派遣スタッフの賃金が16,735円で、その差から社会保険料や教育費、会社の運営費をまかなっています。どの方法も、仕事を探す人の多くは無料で使え、お金を払うのは人を採用したい会社側である点が大きな特徴です。

1
求人広告の掲載料

求人サイトやアプリ、求人情報誌に求人を載せる料金を、採用したい会社から受け取ります。掲載期間や目立ち方によって料金が変わります。応募があってもなくても料金がかかるプランが一般的です。

2
人材紹介の成功報酬

転職エージェントが紹介した人が入社すると、入社した人の年収をもとに決まる手数料を会社から受け取ります。入社が決まらなければ収入はゼロなので、マッチングの質が大切です。

3
人材派遣の派遣料金

派遣先の会社が払う派遣料金から、派遣スタッフの給料や社会保険料を払い、残りが派遣会社の収入になります。2024年度の派遣事業の年間売上は約9.9兆円と、業界でいちばん大きな事業です。

4
スカウト・データベース利用料

会社が転職希望者のデータベースを見て、直接声をかけられるサービスの利用料です。ビズリーチのように、会社の利用料と、求職者の有料プランを組み合わせるサービスもあります。

5
業務請負・アウトソーシング(BPO)

会社の仕事の一部(コールセンター、事務処理、工場のラインなど)をまるごと引き受けて、その料金を受け取ります。派遣とちがい、仕事の指示や管理は人材サービスの会社が行います。

6
HRテック・SaaSの月額料金

採用管理や勤怠管理、人事評価などのソフトを、月ごとの利用料で会社に提供します。使う会社が増えるほど安定した収入になります。

入ってからどうなっていく?

1〜3年目営業・アドバイザーとして経験を積む多くの人は、求人広告の営業、キャリアアドバイザー、派遣の営業など、お客さまと直接向き合う仕事から始めます。毎月の目標(契約数や入社決定数)を追いかけながら、話を聞く力と提案する力を身につけます。
4〜7年目専門分野を持つ・リーダーになるIT、医療、管理職など、特定の業界や職種に強いアドバイザーになったり、チームのリーダーとして後輩を育てたりします。企画やマーケティング、プロダクトの部門に移る人も出てきます。
8〜15年目マネージャー・事業の責任者営業チームや支店の責任者として、売上と人材育成に責任を持ちます。新しいサービスの立ち上げや、別の地域・海外への展開を任される人もいます。
40代事業部長・役員候補事業部全体の戦略を考え、会社の成長の中心を担います。大手グループでは、グループ会社の社長を任される人もいます。
50代以降経営・専門家役員として会社の経営にかかわる人や、人事の専門家として講演や執筆をする人もいます。
よくある転職・独立人事部や起業へ人材サービスで身につけた採用の知識を生かして、事業会社の人事部に転職する人がとても多いです。また、リクルート出身の起業家が多いように、営業力と事業を作る経験を生かして独立・起業する人が多い業界でもあります。

転職エージェントで一人の転職が決まるまで

会社 人を採用したい エージェント RAとCA 求職者 転職したい人 ① 求人を預かる RAが条件を聞く ② 面談 CAが希望を聞く ③ 求人を紹介 応募を推薦 ④ 面接の日程 面接の練習 ⑤ 年収・入社日 内定・決断を支える ⑥ 入社する 成功報酬 入社が決まったときだけ、会社から報酬が入る
RAは会社の担当、CAは求職者の担当です
1
求人を預かる

リクルーティングアドバイザーが会社を訪問し、採用したい人の条件を聞いて求人票を作ります。

2
求職者と面談

キャリアアドバイザーが、転職したい人と面談して、経験や希望を聞き取ります。

3
求人の紹介と応募

合いそうな求人を紹介し、本人が応募を決めたら、職務経歴書を整えて会社に推薦します。

4
面接の調整と対策

書類選考を通ったら面接の日程を調整し、面接の練習を行います。

5
内定と条件の調整

内定が出たら、年収や入社日などの条件を会社と調整し、本人の決断を支えます。

6
入社と報酬

入社が決まると、会社から成功報酬を受け取ります。入社後もフォローして、定着を見届けます。

人材サービスのある1日

9:00

(転職エージェントのキャリアアドバイザーの例)出社して、メールや応募の連絡を確認します。

9:30

チームの朝会で、今週の面接の予定と、目標の進み具合を共有します。

10:00

オンラインで求職者と面談し、これまでの仕事と転職の希望を聞きます。

11:30

面談の内容をもとに、合いそうな求人を探して紹介メールを送ります。

12:30

昼休み。

13:30

リクルーティングアドバイザーと打ち合わせ、企業の新しい求人の内容を確認します。

15:00

明日面接がある求職者と、面接の練習を行います。

17:00

企業から届いた面接の結果を求職者に電話で伝え、次の選考の準備を相談します。

19:00

仕事帰りの求職者と面談をすることもあります。終わったら記録を入力して退社します。

もっと知りたい人へ

そもそも人材サービス業界とは

人材サービス業界は、働く人と会社の出会いや、働き方を支えるサービスを提供する会社の集まりです。代表的なサービスは、求人広告、人材紹介、人材派遣の3つで、ほかに業務請負(アウトソーシング)、再就職支援、人事のコンサルティングや研修、採用や人事のためのソフト(HRテック)などがあります。たとえば、皆さんがアルバイトを探すときに使うタウンワークやバイトル、大学生が就職活動で使うリクナビやマイナビ、大人が転職のときに使うdodaやビズリーチは、すべてこの業界のサービスです。日本は少子化で働く人が減っているため、会社にとって人を採用することがますます難しくなっており、人材サービスの役割は大きくなっています。

お金を払うのは会社

人材サービスの多くは、仕事を探す人は無料で使えて、採用したい会社がお金を払う仕組みになっています。そのため、働く人の希望と、会社の希望の両方をかなえることが、この業界の仕事の難しさであり面白さです。

法律で守られた仕事

人材紹介や人材派遣は、国(厚生労働大臣)の許可を受けた会社しか行えません。働く人を守るため、職業安定法や労働者派遣法でたくさんのルールが決められています。

求人広告・人材紹介・人材派遣のちがい

3つのサービスは、会社と働く人のつなぎ方がちがいます。求人広告は、会社が求人情報をサイトやアプリに載せ、見た人が自分で応募する仕組みで、多くの人に一度に知らせることができます。人材紹介は、エージェントが求職者と会社の間に入り、一人ひとりに合う会社を紹介して、入社が決まったときに会社から報酬を受け取ります。人材派遣は、派遣会社が雇ったスタッフを、別の会社で働いてもらう仕組みで、スタッフに給料を払うのは派遣会社、仕事の指示を出すのは派遣先の会社です。たとえば、アルバイトをアプリで探すのは求人広告、親が転職エージェントに相談するのは人材紹介、オフィスで「派遣さん」として働く人は人材派遣です。

どの方法を選ぶかは会社しだい

たくさんのアルバイトを集めたいときは求人広告、専門性の高い人を一人だけ採りたいときは人材紹介、忙しい時期だけ人を増やしたいときは人材派遣というように、会社は目的に合わせて使い分けています。

スカウト型(ダイレクトリクルーティング)

最近は、会社が転職希望者のデータベースを見て、直接声をかけるスカウト型のサービスも広がっています。ビズリーチやLinkedInなどが代表的で、会社が自分から人を探しに行く方法です。

人材派遣のしくみ

人材派遣では、派遣スタッフ、派遣会社(派遣元)、派遣先の会社の3者がかかわります。派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社から給料をもらいます。一方で、毎日の仕事の指示は、実際に働く派遣先の会社から受けます。派遣会社と派遣先の会社は、派遣の契約(労働者派遣契約)を結び、派遣先は派遣会社に派遣料金を払います。2024年度の平均では、8時間あたりの派遣料金は26,257円、派遣スタッフの賃金は16,735円で、その差額から社会保険料や有給休暇の費用、教育費、会社の運営費などがまかなわれています。派遣で働く人は約220万人(2024年度)にのぼり、そのうち約91万人は派遣会社に期間の定めなく雇われる無期雇用の派遣スタッフです。

同一労働同一賃金

派遣スタッフが、派遣先の社員と同じ仕事をしているのに給料が大きく低いのは不公平なので、2020年から「同一労働同一賃金」のルールが派遣にも適用されています。派遣会社は、スタッフの待遇を正しく決める責任があります。

派遣の期間のルール

同じ職場で同じ派遣スタッフが働ける期間は、原則3年までと決められています。スタッフのキャリアを考え、派遣会社は教育や、派遣先での正社員化の支援なども行っています。

なるためのルート

人材サービス業界に入るのに、必要な資格や学部はありません。大学を卒業して新卒で入社する人が多く、文系の学部の出身者が中心ですが、HRテックのエンジニアなどでは理系出身者も活躍しています。営業職から始めることが多いため、人と話すことや、目標に向かって行動することが得意な人が向いています。ほかの業界で働いた経験を生かして、その業界に強いキャリアアドバイザーとして中途入社する人も多くいます。

  1. 高校で幅広く学ぶ国語の読解力や作文、社会科で学ぶ経済や労働のしくみが基礎になります。部活や生徒会でチームをまとめた経験も役立ちます。
  2. 大学に進む経済・経営・商学部、法学部、文学部、心理学部、社会学部など、さまざまな学部から入社しています。心理学や社会学で、人や組織について学ぶ人もいます。
  3. 在学中に経験を積む営業や接客のアルバイト、長期インターン、サークルの運営などで、人と話して結果を出す経験を積みます。
  4. 就職活動大学3年の夏のインターンから選考が始まる会社が多く、ベンチャー企業ではさらに早いこともあります。エントリーシート、適性検査、複数回の面接が基本です。
  5. 入社と配属入社後は研修を受けて、営業やアドバイザーなどの部署に配属されます。

試験・選考の詳細

選考は、エントリーシート、適性検査、グループディスカッション、2〜4回程度の面接が一般的です。人材サービスの会社は、自分たちが「人を見るプロ」なので、面接では学生時代の経験について「なぜそうしたのか」「何を工夫したのか」を深く聞かれることが多いです。リクルートなどでは、自分で課題を見つけて行動した経験が重視されると言われています。資格は必須ではありませんが、キャリアコンサルタント(国家資格)や、社会保険労務士、人事や労働の法律の知識は、入社後の仕事で役に立ちます。

よく聞かれる質問

「人生でいちばん頑張ったこと」「チームで困難を乗り越えた経験」「なぜ人材業界なのか」がよく聞かれます。「人の役に立ちたい」だけでなく、会社の課題をどう解決したいかまで話せると評価されます。

キャリアコンサルタント

働く人の職業選びやキャリアの相談にのる専門家の国家資格です。キャリアアドバイザーとして経験を積んだ人が、専門性を高めるために取ることが多い資格です。

年収のリアル

人材サービス業界の年収は、会社と成果によって大きく変わります。有価証券報告書(単体)の平均年間給与は、リクルートホールディングスが1,162万円、パーソルホールディングスが882万円(いずれも2026年3月期)、ビジョナルが861万円(2025年7月期)です。一方、パソナグループは650万円(2026年5月期)、エン・ジャパンは540万円(2026年3月期)、ディップは531万円(2026年2月期)となっています。持株会社の数字は本社の社員の平均で、グループの営業職の平均より高くなりやすい点に注意が必要です。営業職では、目標の達成度によってボーナスが大きく変わる会社が多く、20代でも成果を出せば同年代より高い年収になる人がいます。

成果主義の文化

人材紹介の会社では、何人の入社を決めたか、どれだけの売上を上げたかがはっきり数字に出ます。そのため、年齢よりも成果で評価される文化の会社が多いです。

派遣スタッフの給料

業界で働く人には、派遣会社に雇われて派遣先で働く派遣スタッフも含まれます。派遣スタッフの給料は、仕事の内容や地域、経験によって大きく変わり、2024年度の8時間あたりの平均賃金は16,735円でした。

転職エージェントが内定を決めるまで(仕事の流れ)

人材紹介の仕事は、会社と求職者の両方を担当するチームプレーで進みます。リクルーティングアドバイザーが会社から求人を預かり、キャリアアドバイザーが求職者と面談して、合う人と会社を見つけます。推薦した人が書類選考を通ると、面接の日程を調整し、面接の前には練習を、あとには結果のフィードバックを行います。内定が出ると、年収や入社日の条件を調整し、今の会社を円満に辞められるよう退職の進め方もアドバイスします。入社が決まった時点で会社から報酬を受け取りますが、すぐに辞めてしまった場合は報酬の一部を返す決まりがあることも多く、入社後に活躍できるかまで考えたマッチングが求められます。

両面型と分業型

一人の担当者が会社と求職者の両方を担当する両面型と、会社担当と求職者担当を分ける分業型があります。大手は分業型、専門性の高い小さなエージェントは両面型が多いと言われます。

入社後の定着

紹介した人が入社後に活躍し、長く働いてくれることが、会社からの信頼につながります。入社後に連絡をとって様子を聞くなど、フォローを大切にするエージェントも多いです。

やりがい

この業界の最大のやりがいは、人の人生の大きな転機にかかわれることです。転職が決まった人から「あなたのおかげで、自分に合う仕事が見つかりました」と感謝されることは、何よりの喜びになります。会社の側から見れば、人がいなくて困っていた会社が、紹介した人の活躍で成長していく姿を見られることもあります。また、毎日たくさんの業界の会社や人と話すので、世の中のいろいろな仕事に詳しくなり、ビジネスの知識が早く身につきます。成果がはっきり数字に出るため、頑張りが評価されやすいのもやりがいの一つです。

社会課題の解決

人手不足、女性やシニア、外国人の活躍、障がいのある人の就職支援など、働くことにかかわる社会の課題に取り組めます。一人ひとりの働き方を良くすることが、社会全体を良くすることにつながります。

若いうちから成長できる

経営者と話したり、大きな目標を任されたりする機会が早くから多い業界です。ここで身につけた営業力や提案力は、どの業界に行っても役立つと言われます。

大変なこと・きついこと

営業職では、毎月や四半期ごとの目標の数字があり、それを達成するプレッシャーがあります。人と人をつなぐ仕事なので、思いどおりにいかないことも多く、内定が出たのに求職者が辞退したり、入社直前に会社の事情で採用が取り消されたりすることもあります。求職者が仕事のあとに面談を希望することが多いため、夜の時間帯に働くこともあります。また、景気が悪くなると、会社が採用を減らすため、求人広告や人材紹介の売上が大きく落ちやすいという面もあります。

人の人生を背負う重さ

転職は、その人の収入や家族の生活に大きくかかわる決断です。自分の紹介が本当にその人のためになっているのか、悩むことも少なくありません。

景気に左右されやすい

リーマン・ショックや新型コロナの時期には、会社の採用が大きく減り、人材サービスの売上も落ちました。逆に景気が良く人手不足のときは、売上が大きく伸びます。

向いている人

人と話すことが好きで、相手の話をじっくり聞ける人に向いています。相手の良いところを見つけて伝えられる人、困っている人の力になりたいと思える人も活躍しています。目標に向かってこつこつ行動を積み重ねられる人や、断られてもめげずに次へ進める前向きさも大切です。たくさんの会社や業界の情報を吸収するのが好きな、好奇心の強い人にも合っています。

聞く力が武器

話がうまい人より、相手が本当に望んでいることを聞き出せる人が成果を出しやすい仕事です。「なぜ転職したいのか」を深く聞くことで、本人も気づいていなかった希望が見えてきます。

向いていないかもしれない人

数字の目標を追うことにどうしても強いストレスを感じる人は、営業職ではつらく感じるかもしれません。ただし、企画やエンジニア、管理部門など、営業以外の仕事もあります。

高校生のうちにできること

まずは、いろいろな仕事に興味を持つことから始めましょう。家族や親せき、近所の大人に、どんな仕事をしているのか、どうしてその仕事を選んだのかを聞いてみると、仕事の世界が広がります。アルバイトを探すときに、どの求人アプリを使い、どの求人に目が止まったのかを考えてみると、求人広告の工夫が見えてきます。部活や委員会で、みんなの意見を聞いてまとめる役割を経験するのも、人と人をつなぐ仕事の練習になります。社会科で、働く人の権利や労働の法律について学んでおくと、業界の仕事をより深く理解できます。

自分のキャリアを考える

人のキャリアを支える仕事をするには、まず自分のキャリアについて考えた経験が役に立ちます。このサイトの進路シミュレーターなどで、自分が将来どんな働き方をしたいかを考えてみましょう。

話を聞く練習

友だちの相談にのるとき、自分の意見を言う前に、まず最後まで話を聞くことを意識してみましょう。相手の気持ちを言葉にして返すことは、キャリアアドバイザーが毎日使っている技術です。

代表的な会社・職場

業界最大手はリクルートホールディングスで、求人検索サイトのIndeed、転職サービスのリクルートエージェント、アルバイト求人のタウンワーク、就職情報のリクナビなどを持っています。2番手グループのパーソルホールディングスは、転職サービスのdodaや、人材派遣のパーソルテンプスタッフを持つ総合人材グループです。ほかに、マイナビ(就職情報サイトのマイナビ、マイナビ転職)、パソナグループ(人材派遣、業務請負)、ビジョナル(ビズリーチ)、エン・ジャパン(エン転職)、ディップ(バイトル)などがあります。製造業への派遣や請負に強いUTグループやオープンアップグループ、技術者派遣のテクノプロ・ホールディングスやメイテックグループホールディングスも代表的な会社です。

外資系の人材会社

アデコ、ランスタッド、マンパワーグループ、ロバート・ウォルターズなど、世界的な人材会社も日本で事業をしています。外資系企業や管理職の転職に強い会社が多いです。

業界特化型のエージェント

医療・介護、IT、保育、法律・会計など、特定の業界に専門を絞った人材紹介会社もたくさんあります。業界の深い知識を持つアドバイザーが、専門性の高い転職を支えています。

これからの人材サービス業界

日本では少子化で働く人の数が減り続けるため、会社にとって人を採用することはますます難しくなります。そのため、人材サービスの需要はこれからも高いと考えられています。一方で、AIによる求人と求職者の自動のマッチングや、スカウト型のサービスの広がりで、業界の仕事の進め方は大きく変わりつつあります。また、シニアや女性、外国人、障がいのある人など、これまで十分に活躍の場がなかった人が働けるようにする支援や、副業やフリーランスなどの新しい働き方のサポートも広がっています。働きながら新しい技術を学び直す「リスキリング」の支援も、新しい事業として成長しています。

AIと人材サービス

求人の文章をAIが作ったり、求職者の経歴から合う仕事をAIが探したりする仕組みが急速に広がっています。それでも、人の人生の大切な決断に寄り添う部分は、人にしかできない仕事として残ると考えられています。

外国人材の活躍

人手不足が深刻な介護、建設、農業、外食などの分野では、特定技能という制度で外国人の採用が増えています。外国人の紹介や、生活の支援を行う人材サービスも成長しています。

よくある質問

人材サービスの会社は、仕事を探す人からお金をとるのですか?

多くのサービスは、仕事を探す人は無料で使えます。お金を払うのは、人を採用したい会社です。ただし、一部のスカウトサービスには、求職者向けの有料プランもあります。

派遣で働くことと正社員で働くことは何がちがいますか?

正社員は働いている会社に直接雇われますが、派遣スタッフは派遣会社に雇われて、派遣先の会社で働きます。派遣は、働く期間や時間、場所を選びやすい一方で、同じ職場で働ける期間に原則3年の上限があるなどのちがいがあります。

営業が苦手でもこの業界で働けますか?

働けます。キャリアアドバイザーは、話す力より聞く力が大切な仕事です。また、サイトの企画、エンジニア、マーケティング、管理部門など、営業以外の仕事もたくさんあります。

心理学部に行くと有利ですか?

心理学部の出身者もいますが、経済学部、法学部、文学部など、さまざまな学部の人が入社しています。学部よりも、人とかかわる経験や、目標に向かって行動した経験が重視されます。

人材業界はきついと聞きますが本当ですか?

営業の目標や、夜の面談などで忙しい時期があるのは事実です。一方で、働き方の改善に取り組む会社も増えています。成果がはっきり見えてやりがいを感じやすい仕事なので、自分に合う会社を選ぶことが大切です。

AIが発達したら、転職エージェントはいらなくなりませんか?

求人を探したり、書類を作ったりする部分は、AIが手伝うようになっています。ただし、その人の本当の希望を聞き出したり、迷っている人の背中を押したりする部分は、人が大切な役割を果たし続けると考えられています。

リクルート出身の起業家が多いのはなぜですか?

若いうちから大きな仕事を任され、自分で考えて行動する文化があるため、事業を作る力が身につくと言われています。人材サービスで身につく営業力や、たくさんの会社を見る経験も、起業に役立ちます。

人材サービスの経験は、ほかの仕事に生かせますか?

生かせます。採用の知識は会社の人事部で、営業力や提案力はどの業界の営業でも役立ちます。実際に、人材サービスから事業会社の人事部に転職する人はとても多いです。

この分野のことば

年収について:有価証券報告書(単体)の平均年間給与の目安。リクルートホールディングス1,162万円・パーソルホールディングス882万円(いずれも2026年3月期)、ビジョナル861万円(2025年7月期)、パソナグループ650万円(2026年5月期)、エン・ジャパン540万円(2026年3月期)、ディップ531万円(2026年2月期)。リクルートホールディングスやパーソルホールディングスは持株会社の社員の数字で、グループの事業会社の社員の平均とは異なります。成果に応じたボーナスの差が大きい会社が多いので、あくまで目安です。

数字はすべて公開データにもとづく目安です。出典は出典・サイトポリシーにまとめています。

ほかの仕事も見てみる